リリカルでなのはな凡人転生記   作:セキシキ

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前回から間が開きすぎて最早「更新遅れてすみません」と言う気力も失せてくる、皆さんお久しぶりです。

もうちょっと早く書ければいいのですが、やっぱ根気と集中力の問題なんですかねぇ。書き途中のやつも早く出せるといいんですけど。

ていうかいい加減シュテルン出したい


第13話 聖地巡礼紀行譚in翠屋

今来たけど、どうしてこうなった?前回までのあらすじ!

 

 

有給余ったので旅行しにきますた

      ↓

心優しい原作キャラ(疑惑)が道案内してくれました

      ↓

おい、デュエルしろよ ←いまここ

 

 

「なあにこれ」

 

 

「どうかしましたか?」

「ウェ!?いや何でもないよ!?」

 

不思議そうに声を掛けてきたすずかに、若干慌てながらも何とか誤魔化す。すずかはキョトンと首を傾げたが、大して気にしていなかったのかすぐ前に顔を向けた。

 

危なかった……変な電波受信して思わず声に出してしまったぜ。バレたら頭おかしい子扱いされてしまうからな。

 

 

現在俺は、すずかに案内されて喫茶翠屋へと向かっている最中だ。

初対面だったこともあって始めはぎこちない会話しかできなかったが、今では普通に会話を楽しめるようにはなった。

そうするうちに、ふと思ったんだけどーーー

 

「そしたら、アリサちゃんが、そう簡単にできるかーって怒り出しちゃって!」

「ハハハッ!そりゃあ大変だなぁ。」

「そうなんですよ、私とフェイトちゃんが宥めてもなかなか収まらなくって。はやてちゃんは笑ってばかりで手伝ってくれないし、なのはちゃんはあわあわしてるだけだし……。」

 

 

 

ーーーこの子、原作キャラじゃね!?

 

 

いやだって、さっきから会話の端々に『なのは』って名前出てきてるし、何か聞いてたらお金持ちのお嬢様っぽいし、年に比べて頭良すぎるし。

特に理系、というか技術系だな。何で小学生なのに運動方程式とか知ってんの?何でCADとか普通に使えんの?

 

いくら魔法関連の話抜いたからって、俺の機械談議についてこれる十歳ってなに?原作キャラっていうよりかはむしろご同輩(てんせいしゃ)じゃね?最近の小学生はこわいわぁ……。

 

 

なんて、驚愕の事実に内心ガクブルしながら歩いていく。勿論、顔や言動には出さないよう心がけながらだが。そこから原作キャラやオリ主様ご一行にバレたらシャレになんねーからな。No more 原作イベント。脇役ですらないモブの俺には、平穏な日常とやらが分相応である。

 

 

「……?」

 

そんなとき、ふと視線を感じた。どこからか俺のことを観察しているような気配だ。

仕事柄、そういったモノには敏感だからすぐにわかった。

 

なんとなく視線の方向に当たりをつけ、そちらに目を向けてみる。貴様、見ているな!

 

 

なんと、そこには一面の青空がっ!

 

 

……って何もねぇじゃないか。

おかしいな、確かにあそこから視線を感じたんだが……鍛え抜かれた(強制)俺が読み違えるとは思えないし……。

 

魔法で覗き見してる?でも、魔力反応が出ない……カメラを使った物理的な監視方か、もしくは探知できないほど隠蔽スキルが高いのか。どっちにしろマズいな、これじゃ下手人が誰だかわからん。周り見渡しても何かあるわけじゃないようだし。

 

 

しかし、何で俺が監視されなきゃならないんだ?確かに管理局員ではあるけど、ただの下っ端、しかも(おか)の局員だ。わざわざ監視する理由にはならないだろう。

 

……いや、よく考えるとうちの家族関係だったら十分ありえる。聖堂騎士の父さんに元管理局武装隊エースの母さんだ、仕事上の恨みなんて山のようにあるだろう。

 

でも、だからってわざわざこんなとこまで来て俺を監視するか?……むむむ、考えれば考えるほどドツボにハマってる気がする……一旦保留にしておこう。どのみち、俺の探知能力じゃあ監視装置を見つけても肝心要の探知ができない。監視者(はんにん)が見つからないんだったら意味がないんだ。

 

 

結論。とりあえず先延ばしで。

 

 

「……あの、悠斗さん?」

「っと、ああごめん。少しボーッとしてて」

「あ、いえ。それは大丈夫なんですけど……着きましたよ?」

「……へ?」

 

すずかの指差すほうを見ると、そこには『喫茶翠屋』と書かれた看板がある。そこから少し目線を下げれば、そこまで広くはないものの小洒落た喫茶店が佇んでいる。

 

遠目で中を覗いてみると、休日だったためか満席だった。流石聖地、なかなかの繁盛ぶりである。

これは次の機会を待つか、と判断した俺はとりあえずお礼を言おうと振り返る。

 

 

「何とか着けた……。道案内してくれてありがとう、すずか。俺だけだったら見つけるまでに日が暮れてたよ。」

(私もいたんですけどねー。)

(ビークワイエット!今話してんの!)

(ふーんだ。どーせ私はいらない子ですよーだ!)

 

お礼言ってるところに横入り(念話で)してきたアスタルテを窘めたら、何でか知らんが拗ねやがったこいつ。やだ人間的……っ!本当、どうしてこう育ってしまったのだろうか。親の顔が見てみたいわっ!(ブーメラン)

 

 

「あはは……。でも、お店人一杯ですね……。」

「まあ、休日だしなー。今回は縁がなかったってことで、また出直すよ。なあに、まだ何日かあるし、機会はいくらでも……」

「あ、あの!!」

「はゎい!?」

「え!?」

「……え?」

 

二人の間に、重い沈黙が降りる。

気まずいやら恥ずかしいやらで俺が明後日の方を向いていると、どこからか堪えるような笑い声が聞こえてきた。

 

 

「……っ!……ハワイって……っ、びっくりしてはわぁいって……っ!……ふふ……っ!」

 

ていうか、すずかだった。

 

って、笑うのやめて貰えます!?すげえ恥ずかしいんですけど!?

 

「んん!そ、それですずかさん?何を言おうとしてたの?」

 

少しばかり声が震えていたが、何とか平静を装って会話して誤魔化そうと試みる。……ごめん、嘘。大分声震えてた。

 

「ふふふ……っ、……え?あ、ああ!そうですね!コホン!」

 

俺の言葉でようやく戻ってきたらしく、すずかはわざとらしく咳払いをすると、こう切り出してきた。

 

「友達が先に待っているんですけど、ご一緒にお茶しませんか!?」

 

……ナンパかな?

 

 

 

 

 

 

彼女の話では、元々翠屋で友人とお茶をする約束をしていたらしい。その途中で迷子になっていた(醜態を晒していたとも言う)俺を見つけ案内を買って出たのだとか。

いやあ、ホントに運がよかった。もし彼女に声掛けられてなかったら、確実に今も街の中を彷徨っているね!まさか方向音痴ならぬ地図音痴だとは我ながら驚きである。

 

 

まあそんなわけで、すずかからのお誘いをお連れさんが許可したら、という非常に常識的な条件で受諾した次第である。

 

ぶっちゃけた話、オーケーした直後に待ち人が魔導師だったらやばいんじゃね?と遅ばせながら気付き滅茶苦茶焦った。

ただ単に魔導師だとバレるのは問題ないが、転生者だとバレるのが一番怖い。確実に騒動と厄介事の種になるからな。まあその不安もすぐに掻き消えたが。

 

待ち人の名はアリサ・バニングス。すずかの話にも出ていた友人で、原作キャラの一人(ほぼ確定)だ。

 

性格は聞いていたとおり勝ち気で負けん気が強く、どこまでも真っ直ぐな女の子。大企業のお嬢様らしく、会話の端々にもそれが現れていた。

 

前世の友人や先ほどすずかから聞いた話から傍若無人な印象を受けたのだが、実際は常識的で礼儀正しい、理知的な子だった。

子供とはいえ年上には敬語を使う、食事の席でのマナーを守る、ツッコミで口調を荒げたら素直に謝罪する。加えて友人思いであり、最初は俺に対して露骨に疑いの目を向け友人(すずか)を守ろうとしていた。

そして何よりくぎゅーである。

 

「あの、どうかしましたか?」

「んぁ?」

 

少しばかり物思いに耽っていたところ、アリサが少し心配そうな声音で声を掛けてきた。どうやら考えごとをしていたせいで意識が飛んでいたらしい。

 

「ああ、悪い。少し考え事してた。」

「考え事……悩みとか、あるんですか?」

「いや、悩み事じゃないんだ。心配かけて悪いね、バーニングさん。」

「バーニング!?」

 

即座に反応が返ってくる。流石バーニング(大嘘)、いい反応を見せてくれる。このまま勢いで押し切ってみよう。

 

「熱き闘志、燃え盛る紅蓮の魂、友を思う義侠心、そしてその瞳から溢れ出る『黄金の精神』!これらをただ一言で表すことが出来るのは、君の猛きその在り方を表す言葉はただ唯一……。」

「それが……バーニング……。」

 

俺の言葉の端々から滲み出る圧倒的なまでの熱意、それを一身に受け、思わず息を呑むアリサーーー否!!

 

「そう、君が……君こそが!」

「私こそが……アリサ・バーニング!」

 

立ち上がり、グッと握手を交わす二人。その固く結ばれた拳から、俺の情熱が彼女に伝わっていくかのような、そんな錯覚すら覚える。

 

すごい一体感を感じる。今までにない何か熱い一体感を。風……なんだろう吹いている確実に、着実に、俺達のほうにーーー

 

「ーーーって、んなわけあるかぁぁぁ!!」

「おおっ。」

 

ようやく正気に戻ったらしいアリサは、その類稀なる才能を見せつけるかのように鋭いノリツッコミを繰り出し、握手していた俺の右手をはたき落とした。

パァン!と甲高い音を響かせながらも全く痛みを感じさせない、正にノリツッコミの最高峰ともいえる手腕に脱帽を禁じ得なかった。さすがくぎゅーだ、何ともないぜ!(ジオン水泳部並感)

 

「何が『私こそが……アリサ・バーニング!』よ!割とからかわれることが多いから気をつけてたのに、 完ッ璧に流されてるじゃないのよ!私ちょろすぎない!?」

「安心しろアリサ、なかなかいいツッコミだった。」

「そういうこと言ってんじゃないんですっ!」

 

少し落ち着いたのか敬語が戻ってきたようだが、まだまだツッコミの切れは落ちていない。というか、怒りほどではないものの癇癪が引っ込めきれないのだろう。すずかから聞いた話し通りだな。

 

 

だからこそ、敢えてここで弄っていくスタイル……!

 

 

「まあ、いいじゃないの。凄く似合ってたぜ、バーニングアリサ。」

「似合っててもイヤなんです……って、何か二つ名みたいになってる!」

「おいおい、そんなに否定して、バーニング家の皆さんに申し訳ないと思わないのか?」

「先祖代々受け継いでるみたいに言わないでくれますか!?」

「ほら、早く謝んないと!HarryHarry!」

「理不尽すぎるでしょぉ!もおぉぉ!」

 

ウキーッ!と再び絶叫するアリサ。いやぁ、リアクションいいからすげぇ楽しいなぁ!もっと遊んでもいいよね、答えは聞いてないけ!

 

「ああ……っ、子供みたいに無邪気に笑ってる……。す、すずか助けてぇ、私の手に負えないわよぉ。」

 

さしものアリサもこれには堪えたようで、涙目になりながら隣でカフェラッテを優雅に堪能するすずかに助けを求める。

普段の高慢チ……自信溢れる彼女からは想像できない弱りきったアリサに、すずかは穏やかに微笑み、救いの一言を差し伸べるのだった。

 

「でもアリサちゃん、『友達思い』ってところは否定しないんだね。そういうところ、私大好きだよ?」

「ッッッ!?~~~もうッ!うるさいうるさいうるさぁいッ!!」

 

 

 

 

 

救いに見せかけたとどめを刺されたアリサを宥めるのにたっぷり30分ほど使い、何とか談笑へと戻ることができた。

時々アリサをからかったり、逆に此方がヒヤッとさせられる質問を受けたりしながらも、小一時間ほど和やかに談笑していた時である。

 

「アリサちゃん、すずかちゃん。」

「「あっ、桃子さん!」」

 

後ろから聞こえた女性の声にアリサとすずかが親しげに返す。

振り返って見ると、この店の従業員にして店長高町士郎さんの奥さん、高町桃子さんが立っていた。肩書きながっ(セルフツッコミ)

 

いやぁ、この人たちを見て、翠屋がヤバいって言ってた友人の言葉がようやく分かったわ。見た目がすげぇ若いんだ。

 

大体30~40代くらいのはずなのに十代後半にしか見えない。ちょうど高校生の息子さんと娘さんがいるみたいなのだが、隣に並べても親子に見えないんだよなぁ……。

家の母さんもなかなか若いと思ってたけど、流石にこっちには及ばねえな。

母さんは二十代前半に見えるけどこの二人は十代後半でも通じそうだもん。二人のお子さん(高校生)と比べでも問題ないレベルだもん。

 

「楽しくお話してるみたいだけど、そろそろ時間よ?」

「「……あっ!」」

「ん?何か予定でもあるのか?」

「あ~……えーっとですねぇ……。」

 

すずかが申し訳なさそうに言葉を選びながら話を続ける。

 

「今日はこのあと、ここで友達達と貸切パーティーするんです。だから……。」

「りょーかい。それじゃぁお暇するとしますか。」

 

残った珈琲を口の中に流し込み伝票を取る。あら、思ったよりもリーズナブル。

 

「お会計お願いしまーす。」

「えっ!?あの、私達の分はちゃんと自分で……!」

「いやいや、これくらいなら大丈夫大丈夫。それに、こう言うのは男が格好つけるところだから。」

 

今まで散々、母さんと弥生から「女の子と食事したらちゃんとお金を払うこと!」って口が酸っぱく言われてきたからな。そこら辺はバッチリだ。実践出来たのは弥生とアーシアくらいだけど……あれ?何で俺、妹に教育されてんの?

 

「でも……」

「だから、大丈夫だって。もう払っちまったしな。」

「え!?いつの間に!?」

「すずか、諦めなさい。多分折れないから。」

 

パパッと支払いして帰り支度をする。ていうか早くずらかりたい。

友達とパーティー、ていうことは確実に主人公と転生者一行がくるはずだ。

 

冗談じゃねえ!俺は原作だとか面倒ごとだとかに巻き込まれたくねえ!俺は平穏に生きたいんだ!(フラグ)

 

「あ、そうだ!白峯君も一緒に参加しない?」

「ふぁ!?」

 

俺も一緒に参加!?いやいやいや、そんな事したら身バレ一直線じゃないですかーやだー!な、何としても断らなくては!俺のセンサーが、面倒ごとの気配を察してビンビンしている!

 

「それいいですね!」

「さっすが桃子さん!ナイスアイデア!」

 

あ、あれ?なんかお二方が賛成していらっしゃる?いや駄目だって!帰りたいんだよ俺は!

 

「い、いや遠慮しとくよ。いきなり俺が参加しても、他の人の迷惑になるだろうしさ。」

「そんなことないですよ!きっと皆喜んでくれますっ。」

「そうそう、今更何を戸惑ってるんですか。遠慮する事ないですよ。」

「俺が気まずいの!」

 

な、何でこいつら食い下がってくるんだ!?ていうか、身内のパーティーによく初対面の他人誘えるな!ヤダ、コミュ力高すぎ……!

 

「大丈夫です、私達から紹介しますから。今日できた友達だって。」

「こんな短時間で他人を友達と言える所は素直に尊敬するけど、俺はそういうの無理だから。知らない人に囲まれるとか、ちよっと勘弁してほしいんですが。」

「またまたぁ、初対面の私達とあれだけ盛り上がっておいて、人見知りとか言わせませんよ?」

「ヤダこの娘たち、人付き合いに対するハードルが高い……。別に人見知りとかではないけどさ、パーティーやるような人数は俺の許容範囲越えてんだよ。キャパオーバーだよ。」

「ええー?ほんとにござるかぁ?」

「お前どこでそのネタ知ったんだ!?」

 

 

と、このような押し問答が続いた末に、「まだホテルにチェックインしてないんだ」と言う俺の言葉が決め手となり、何とか参加しない方向で話を纏めることに成功したのだった。

 

ていうか、ほんとにまだホテルにチェックインしてないんだよなぁ……早くこのキャリーバック部屋に置きたいよ……。

 

 




というわけで13話でした。
実は分割しているので、実は翠屋パートはまだ続くのじゃよ。

あと今更ですが、七章+最終章最高でした!相変わらずきのこ氏は俺のツボをついてくるぜぇ!
取りあえずイリヤたんとじぃじ(×2)が来てくれたので今年の運は全部使った気がします。

出来れば次は早めに上げたい……
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