短編 性転換物   作:3442

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山川と山根が帰る途中にラーメン屋店主に再会した話。


番外編2 ラーメン屋の秘密

 私と南さんが、駅に向かって歩いていると、「おや、君達は?」と誰かに声をかけられた。

 そちらを向くと、私達を白百合女学館高の看護科の生徒と白百合総合病院の看護師に変えた、ラーメン屋の店主が、屋台を引いていた。

「あ、こんにちは」と私と南さんは、軽く会釈して挨拶をした。

「新しい人生を楽しむんじゃよ。儂は、次の願い事のある人の所に行くから」とラーメン屋店主は、私達から離れようとしながらが言った。

「あの、お尋ねしたいことがあるんですけど」と南さんが言った。

「何じゃ」とラーメン屋店主が言った。

「病院はたくさんある中、なぜ、私を白百合総合病院の看護師にしたのですか?」と南さんが言った。

「それは、その()の為じゃよ」とラーメン屋店主は、私を指差して言った。

「え? 私ですか?」と私は困惑して言った。

「雛ちゃんの為?どういうことですか?」と南さんが言った。

「それは、身近に目標となる人物がいると良い刺激になると思ったからじゃよ」とラーメン屋店主が言った。

「確かにそうかもしれませんね。スポーツでライバルがいると刺激になるみたいですし」と南さんが言った。

「あの、私からも良いですか?」と私は言って、

「私が、白百合総合病院の看護師を目指す理由が、小学1年の時、白百合総合病院に入院した時、世話になった看護師に憧れを抱いたからなんですが、男だった時に入院したことがないのに何故、こんな記憶があるのかなと思いまして」と私は言った。

 すると、「それは、君が着ていた制服の元の持ち主の記憶じゃよ」とラーメン屋店主が言った。

「え?桃香(ももか)の記憶ですか?」と私は言った。

 桃香とは男の時、大学時代に付き合っていた元カノの名前だ。

「桃香って?」と南さんが言った。

「男だった時、大学時代に付き合っていた元カノの名前です。今、何処で何をしているかは、知りませんが…」と私は南さんに説明した。

「彼女なら、夢を叶えて白百合総合病院の小児科の看護師として働いとるよ。お主も頑張れば、夢が叶うから、諦めないで、頑張りなさい」とラーメン屋店主が言った。

「はい」と私は元気よく返事をした。

「小児科の看護師で桃香って、まさか、雛ちゃんが持っていた制服の持ち主の名前って、山村桃香さん?」と南さんが言った。

「そうですけど、南さん、お知り合いですか?」と私は言った。

「私が、白百合看護専門学校に籍を置いていた時に、研修で小児科に行った時に、担当だった看護師の名前よ」と南さんが言った。

「そうだったんですか?」と私は、驚いて言った。

「今では、たまに食堂で会って、お話しするくらいだけど」と南さんが言った。

「山川さんじゃったか?」とラーメン屋店主が言った。

「はい」と私は言った。

「君の記憶には、元カノとして記憶はあるが、彼女の記憶には、山川兜という元カレはおらん。なぜなら、山川兜は今、山川雛なんじゃからな」とラーメン屋店主が言った。

「はい」と私は、寂しそうに言った。

「それと、あの男には気を付けるんじゃぞ。お主等に嫉妬して襲ってくるかもしれんからな。げんに山川さんの髪を引っ張ったじゃろ。じゃから、儂が、お主等とあの男を離したんじゃ」とラーメン屋店主が言った。

「あの男って、山城さんですか?」と私は言った。

「そう。君達と一緒にボクセラとかいう服を着て入って来た男じゃよ」とラーメン屋店主が言った。

「どうしてですか?もう一回あなたのお店に入れば、女性になれるのでは?」と南さんが言った。

「残念じゃが、彼は、四六時中、女装した男のままじゃよ。儂のラーメンで、変身できるのは、一人一回のみじゃからな」とラーメン屋店主が言った。

「四六時中、女装ですか?確か、山城さんは、家のみの女装と言っていましたが…」と南さんが言った。

「彼は、生まれて間もないときから、ずっと親から、女装させられて、幼稚園から大学まで学校公認で、女装で通っておって、今も外出時、仕事時、家にいる時も、女装している設定になっとるよ。じゃが、記憶は、前のままじゃから、家の中には、男物は無いから、戸惑うじゃろうな。これは、山川さんに乱暴した罰じゃ」とラーメン屋店主が言った。

「そんな。山城さんは、一生女にはなれないということですか?」と南さんは言った。

「儂の力では、そうなるな」とラーメン屋店主が言った。

「山城さん。女装は、ストレス発散の為にしていると言っていたのに、これじゃあ、逆にストレスになりそう」と私は言った。

「あと、お主等に話した内容をあの男には話してはならんぞ」とラーメン屋店主が、口に人差し指を当てて言った。

「はい」と私と南さんは言った。

「もういいかな。次の人の所に行かなきゃいけないからな。二人とも頑張るんじゃよ。儂も応援しとるからな」と言って、ラーメン屋の店主は、軽く手を振って、私達から離れて行った。

「はい。さよなら」と私と南さんは手を振りながら言った。

「私達も行きませんか」と私は言った。

「電車に乗り遅れるから急ぎましょう」と南さんが言った。

「はい」と私は言った。

 

屋台を引いて移動するラーメン屋店主

 

【挿絵表示】

 

 

ラーメン屋の屋台で店主と話す山根と山川

 

【挿絵表示】

 




前から書きたかった、ラーメン屋の秘密を少し書きました。
この店主は、何者かは、皆様のご想像にお任せします。
白百合女学館高校と白百合看護専門学校は、白百合総合病院を経営する医療法人が経営する医療関係を目指す学生のための学校法人の傘下の学校です。
裏設定で、主人公と山村桃香が、付き合ったきっかけは、節句生まれ同士だったから。
山村桃香の名前の由来は、桃の節句から。
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