バレンタインデーを翌日に控えた日曜日。
明日は、勇次君と付き合って初めてのバレンタイン。
私は、初めて手作りチョコを勇次君に渡そうと思っている。
お姉ちゃんは、毎年、クラスメート全員に手作りチョコを男子には、義理チョコ、女子には、友チョコとして渡している。
お姉ちゃんの作るチョコは、お姉ちゃんの同級生からは、評判が良く、同じクラスになると同学年の人達は、嬉しいと聞いたことがある。
だから、私は、お姉ちゃんにチョコの作り方を教わることにした。
お姉ちゃんは、昼御飯を食べ終わり、チョコの材料を買うために、早めに買い物に出かける準備をしていた。
「お姉ちゃん。私も一緒に買い物に行くよ」と私は、お姉ちゃんに言った。
「夕御飯の買い物も一緒にするから、助かるよ」とお姉ちゃんは言った。
「ねえ。お姉ちゃん。お願いがあるの」と私は言った。
「言わなくてもわかってるよ。教えてあげるから、一緒に作ろうね」とお姉ちゃんが言った。
「うん」と私は言って、買い物に行く準備をした。
買い物から帰って、早速、お姉ちゃんとチョコ作りを始めた。
お姉ちゃんは、毎年作っているから手際がいい。
お姉ちゃんに教わりながら、苦労してチョコを完成させた。
お姉ちゃんから、「これなら、勇次君も『美味しい』と言ってくれるよ」とお墨付きを貰った。
ラッピングを済ませ、隣で、チョコをラッピングしているお姉ちゃんの袋を数えると、クラスメートと先生を含めても一つ足りないのだ。
「お姉ちゃん。袋、一つ足りなくない?」と私は、お姉ちゃんに尋ねた。
「足りているじゃない。谷川君のは、
「勇太さんには、今年も市販のチョコなの?最後くらい手作り渡せばいいのに。きっと喜ぶよ」と私は言った。
お姉ちゃんは、勇太さんに、小1、2年の時は、皆と同様手作りを渡していた。
小3の運動会の一件から、お姉ちゃんは、頑なに勇太さんには、手作りチョコを渡していない。
「クラスメートだから仕方なく、チョコをあげているだけだから、市販品でいいのよ。それに、手作りなら、優奈が渡せばいいじゃない」とお姉ちゃんが言った。
「私からじゃなくて、お姉ちゃんから手作りを貰いたいんだよ。勇太さんが、お姉ちゃんを好きなの知っているでしょ」と私は言った。
お姉ちゃんは、「はい。勇次君に、明日渡してね」と言って、私に手作りチョコを渡した。
「う、うん」と言って、私は受け取り、代わりにお姉ちゃんに、
「はい。これ、勇太さんに渡してね」とお姉ちゃんに手作りチョコを渡した。
「ええ?私が渡すの?絶対、谷川君、誤解するやつじゃん」とお姉ちゃんは文句を言った。
「お願いね」と私は言った。
「勇次君経由で渡せばいいじゃない」とお姉ちゃんは、さらに文句を言った。
私は、「わかったよ。勇次君経由で渡すから、これ、勇太さん経由で、勇次君に渡すように言ってね」と言って、お姉ちゃんにさっき渡された、勇次君用のチョコを返した。
「ハーッ。わかった。谷川君に、優奈からだと言って渡すよ」と言って、お姉ちゃんは、勇次君用のチョコを私に再度渡した。
「さてと、もう一つ作らないと」とお姉ちゃんは、別にチョコを作ろうとしていた。
「あ。勇太さんには別のを作るの?」と私は、お姉ちゃんに尋ねた。
「これは、クラスメートの男子の弟さん用だよ。去年、一つあげたら、上手いと言って、来年、俺用も作ってくれるように頼めないか?と頼まれたみたいでね。その子用で、小6だっていうから、甘めに作るために別にしたの」とお姉ちゃんは、説明した。
バレンタイン当日
私は、待ち合わせ場所で、勇次君に私とお姉ちゃんからのチョコを渡した。
「これ、お姉ちゃんに教わりながら、私が作ったの。後で、食べてくれる?」と私は、私の作った手作りチョコを渡して言った。
「あ。ありがとう」と勇次君は、照れながら受け取った。
「あと、これがお姉ちゃんから」と言って、お姉ちゃんのチョコを渡した。
「いつも、ありがとう。と優理さんに伝えておいてくれ。帰りに近くの公園で、二人で、食べようか」と勇次君が鞄にチョコを仕舞った。
「うん。早く学校に行こう」と私は、勇次君の手を引いて歩き出した。
「ああ」と言って、勇次君も歩き始めた。
部活が終わり、一緒に帰宅中に近くの公園に来て、今朝あげたチョコを食べることになった。
勇次君は、袋を開け、チョコを一つ取り出して食べた。
「どうかな?」と私は、勇次君に尋ねた。
「美味しいよ。まるで、優理さんが作ったみたいだ。来年もまた作ってくれるか?」と勇次君は言った。
「本当?美味しかった?良かった。うん。毎年作るね」と私は言った。
「じゃあ。二人で、食べようか?」と言って、勇次君は、一つ私にくれた。
二人で、私の作ったチョコとお姉ちゃんが作ったチョコを食べた。
「やっぱり、お姉ちゃんの作ったチョコのほうが美味しい」と私は、素直に感想を言った。
「でも、優奈の作ったチョコも美味しいよ」と勇次君が言った。
「そろそろ帰ろうか?」と言って、チョコの入った袋を閉じて、勇次君が立ち上がった。
「うん」と言って私も立ち上がった。
「ただいま」と私は玄関を開けて言った。
「おかえり。勇次君、喜んでくれた?」とお姉ちゃんが台所から出て来て言った。
「うん。喜んでくれたよ。『また、来年も作ってくれ』と言われちゃった。あと、勇次君から『いつもありがとう』と伝えてと言われた。ところで、お姉ちゃんの方は、ちゃんと渡してくれた?」と私は、お姉ちゃんに尋ねた。
「そう。良かったじゃない。私が、渡したおかげで、やっぱり、谷川君に誤解されたじゃない。手作りが私だと渡した時に勘違いされたのよ。まあ。クラスメートの何人かが一口食べて、私が作ったものじゃないとすぐに解って、誤解はとけたけどね。谷川君が、クラスメートに渡したチョコと私が谷川君に渡した手作りチョコを食べ比べて、がっかりしていたけどね」とお姉ちゃんは言った。
優理に教わりながらチョコを作る優奈
放課後、優奈が作ったチョコを食べる勇次
アラフォー兄弟編 番外編の投稿が、2021年なので、曜日は、2022年のカレンダーを元にやっています。