優奈と付き合って、初めてのバレンタインに優奈から初めて手作りチョコをもらい、俺は、何を渡そうか考えていた。
試しに、何か思い入れのお菓子とかある?と優奈に聞いたことがある。
そしたら、優奈が、「小さい時に、お姉ちゃんが作ってくれたクッキーが思い出かな」と言っていた。
ダメ元で、優理さんにホワイトデー前日に予定あるか聞いてみて、なさそうなら、うちで作り方教わって作ろうと思いついた。
そして、優奈の家で夕ご飯をご馳走になった時に、試しに、3月13日、予定有るか聞いて、ないとのことなので、「昔、優奈に作ったというクッキーの作り方教えてほしい。優奈が思い出のお菓子だと言っていたので、再現したい」と頼んだ。
「いいわよ。じゃあ。お昼食べたら行くね。でも材料を買うから、スーパーで待ち合わせましょう」と優理さんが了承してくれた。
ホワイトデーの前日
昼ご飯を食べてから、優理と待ち合わせのスーパーに出向き、材料を調達してから俺の家に帰った。
優理さんからは、「別に手作りじゃなくても優奈は、嬉しいと思うけどな。だって、自分のために選んだものだよ。勇次くんだって、優奈が自分のために選んだものなら嬉しいでしょ」と言っていたが、
俺は、「優奈に手作りをあげたいんだ」と言った。
そして、これが谷口家で修羅場となるとは、二人は、この時思っていなかった。
俺が優理さんからクッキーの作り方を教わり、出来たものを食べてもらい、これなら、大丈夫よ。とオッケーをもらった?1日早いが、優理さんに、バレンタインと今日のお礼も兼ねてクッキーを渡した。
「あとは、優奈のために、一から作ります」と言って、優理さんと別れた。
「そう。頑張ってね。これ、ありがとう」と言って、クッキ ーの入った袋を持って帰る優理。
なんとか、再現できたと納得いく味になり、結局夕方までかかった。
翌朝
優奈が不機嫌なのに気づいた勇次。
「あの。優理さん。優奈は、なんで不機嫌なんですか?」と勇次が優理に訊く。
「昨日のあれが原因よ。私に先にクッキー渡したのとあなたと買い物したでしょ。あれで拗ねているの」と優理が言った。
俺は、「ああ。なるほど。機嫌直せよ。買い物は、優理さん にクッキーの材料を一緒に買いに行っただけで、先にあげたのも作り方を教えてくれたお礼だし。これ、優理さんが帰ったあと、自分でお前のために作ったんだから。たぶんお前の思い出のお菓子を再現できていると思うが…」と袋に入れられたクッキーを優奈に渡す。
「思い出の味?」と優奈。
「ああ。前言っていただろ。優理さんが小さい時に作ってくれたクッキーが思い出だって。だから、優理さんに頼んで作り方教わって作ったんだ」と俺が言うと、
「そういう事」と優理。
「そうだったんだ。ごめん。勘違いしていた。ありがとう。勇次君」と優奈。
「そろそろ学校行く時間だから、帰りにでも食べて感想聞かせてくれよ」と俺は、優奈の手を引き玄関を出た。
「うん。行ってきます」と言って、俺の手に引かれ、優奈も玄関を出た。
そして、バレンタインのときと同じ公園で、優奈が俺が作ったクッキーを食べる。
「うーん。こんな味だったかな?」という優奈。
「おいおい。思い出の味じゃなかったのか?」と突っ込む俺。
「幼稚園とか、小学低学年の頃だから、うろ覚え」と優奈
「でも。おいしいよ。ありがとう」と優奈。
「良かった」と俺。
「帰ろうか」とベンチから立ち上がり、手をオレの前に差し出す優奈。
「ああ」と言ってその手を握り、一緒に帰ったのだった。
クッキーを食べる優奈
投稿し忘れで翌日投稿。