私の家に、ハロウィンパーティーの招待状が届いた。
私は、二年前に何でも願いが叶うラーメン屋に、当時、女装仲間だった二人とラーメンを食べた。
私は、ラーメン屋に入ったとき、白百合女学館高校の看護科の制服を着ていた為、白百合女学館高校の看護科の1年生の女子高生になった。
白百合女学館高校の看護科は、5年制で、今は、3年生だ。
女装仲間で、今は、私と同じく、女性として生きていて、白百合総合病院で看護師をしている
ラインを二人にしたら、2人も参加するという。優樹さんは、年下で、仕事場の後輩の彼氏も一緒に来ると言っていた。
ハロウィンパーティー当日
会場に入るとすでに何人か来ていて、談笑をしていた。
「いらっしゃい」と店主が言った。
「お久し振りです」と山川雛が言った。
「久し振りじゃのー。勉強や実習頑張っているかい?」と店主が言った。
「はい。5年制なので、やっと半分が過ぎた所です。夢に向かって頑張っています」と山川雛が言った。
「頑張るんじゃよ」と店主が言った。
「こんにちは」と女性が入って来た。
「いらっしゃい」と店主が言った。
「雛ちゃん、早いね」と女性が言った。
「私も少し前に来たばかりです。南さん」と山川雛が言った。
彼女は、白百合総合病院の看護師をしていて、山川雛が憧れている看護師の一人である。
「あのーっ。元の姿の年相応の服装がないので、服持ってきていないのですけど」と山根南が言った。
「大丈夫じゃよ。服は、用意してあるから」と店主が言った。
「えーっ。南さん、彼氏さんの服借りてくればよかったじゃないですか?」と山川雛が言った。
「彼、30だよ。あのままいたら、40近いから、彼の服借りたら、年相応じゃなくなるよ」と山根南が言った。
「そんなことないですよ。多分、優樹さんは、彼氏の服を借りてくると思いますよ」と山川雛が言った。
「雛ちゃんは、服どうしたの?」と山根南が言った。
「私?私は、元の年齢よりも少し年上ですけど、お父さんのスーツを借りてきましたよ」と山川雛が言った。
山川雛の家族は、山川雛が若くなったので、両親、10歳下の弟も若くなった。
それは、山根南も同じで、2歳下に弟がいるのだが、弟、両親ともに若くなっていた。
「あのーっ。山川雛先輩ですよね」と誰かが、山川雛に声をかけた。
「え?」と言って山川雛が振り向くと、
そこには、高校生くらいの女の子二人がいた。
「お久し振りです。ソフトテニス部で一緒だった、清水愛美です」と清水愛美が言った。
「こんにちは。同じく、谷口優理です」と谷口優理が言った。
「あ。谷口さんに、マネージャーだった清水さん?久し振り」と山川雛が言った。
「はい」と二人は、返事をした。
「今、何しているの?」と山川雛が言った。
「二人共、聖愛に通っています」と谷口優理が言った。
「でも、あそこ、ソフトテニス部無かったよね?」と山川雛が言った。
「はい。だから、硬式テニス部に入っています。軟式と硬式では、違うので、少し戸惑いましたが、頑張っています」と谷口優理が言った。
「そうなのね。清水さんは、高校でもマネージャーをしているの?」と山川雛が言った。
「はい。マネージャーをしています」と清水愛美が言った。
「ねえ。雛ちゃん?この子達は?」と山根南が言った。
「二人は、中学の部活の後輩で、清水愛美さんと谷口優理さんです」と山川雛が二人を紹介した。
「こんにちは」と二人は挨拶をした。
「私は、白百合総合病院で、看護師をしている、山根南よ。宜しく」と山根南が言った。
「宜しくお願いします」と二人は挨拶した。
「南さんは、私が憧れている看護師のうちの一人なの」と山川雛が言った。
「雛ちゃん。優樹さん達来たわよ」と山根南が言った。
「山川先輩、また後程」と言って二人は、戻って行った。
「うん。また後でね」と山川雛が二人に言った。
「久し振り。南ちゃん、雛ちゃん」と山城優樹が言った。
「お久し振りです。優樹さん」と山根南が言った。
「はじめまして。山川雛です。白百合女学館の看護科に通う17歳です」と山川雛が、山城優樹と一緒に来た男性に挨拶をした。
続いて、「はじめまして。山根南です。白百合総合病院で看護師をしています。26歳です」と山根南も挨拶をした。
「ああ。あなた達が、優樹さんの女装仲間だったという人達なんですね。優樹さんの会社の後輩で、お付き合いをしている山崎貴です」と山城優樹の彼氏で、会社の後輩の山崎貴が言った。
「宜しくお願いします」と山根南、山川雛が言った。
「よろしくお願いします」と山崎貴が言った。
「二人共、着替えに行くわよ」と山城優樹が言った。
「はーい」と山根南、山川雛が言った。
「貴君、着替えに行ってくるから、少し待っていてね」と山城優樹が言った。
「あ。待ちなさい。先程話していた女子高生の一人ともう一人友達が着替えておるから、少し待ってなさい」と店主が三人を引き止めた。
「え?あ。はい。清水さんか、谷口さんですか?」と山川雛が訊いた。
「お主がマネージャーをしていたと言った子じゃよ」と店主が言った。
「清水さんが着替えているんですね。どうして待つんですか?」と山根南が言った。
「彼女達は、生まれつき女の子だからじゃよ。念の為じゃ」と店主が言った。
そんな話をしていると、高校生くらいの男の子が、三人の前に現れた。
「すみません。お待たせしてしまい、今、更衣室に夫婦らしき男女が二人入ったので、もう少しお待ち下さい」と高校生くらいの男の子が言った。
「わかりました」と山川雛が言った。
「あなたは?」と山城優樹が言った。
「僕は、山川先輩の中学時代の部活の後輩で、清水愛美です。今は、清水剛です。宜しくお願いします」と高校生くらいの男の子が言った。
「あ。清水さん?生まれつき女の子と聞いたけど、どういうことなの?」と山川雛が言った。
「どうやら、僕は、性転換薬で、性転換した父が、僕を産んだみたいで、性転換薬を浴びる前に付き合っていた女性が妊娠していたみたいで、父が、性転換薬を浴びたことで、女性になった父のお腹の中に移ったときに、僕もその性転換薬の影響で、女になったみたいなんです。今日は、それで、ここに呼ばれ、ここにいる間は、男で居ることになりました」と清水剛が言った。
「ちょっと話が見えないんだけど、あなたのお父さんは、今何をしているの?」と山根南が言った。
「父は、公立の高校で、教師をしています」と清水剛が言った。
「え?男に戻ったということ?どうして?」と山城優樹が言った。
「聞いた話ですけど、僕の同級生が、『性転換薬で女性化した人たちを元の男性に戻して欲しい』とこのラーメン屋で願ったみたいで、それで、父が女から男に戻ったと言うんです」と清水剛が言った。
「そうだったの。あなたと一緒に入った女の子というのは?」と山根南が言った。
「守ですね。少し待っていてください」と言って、清水剛は、守という名前の子を呼びに行った。
しばらくして、清水剛が高校生くらいの男の子を連れて戻ってきた。
「彼が、嶌田守です」と言って、高校生くらいの男の子を紹介した。
「はじめまして。剛の友達の嶌田守です」と嶌田守が言った。
「はじめまして、清水愛美さんと谷口優理さんの中学の部活の先輩だった、山川雛です」と山川雛が言った。
「こちらの女性2人が、山根南さんと山城優樹さんで、男性が、山城優樹さんの彼氏の山崎貴さんです」と山川雛が続けて残りの三人を紹介した。
紹介された三人は、「よろしく」と言った。
「あなたも清水さんと同じく生まれた時から女の子と聞きました」と山根南が言った。
「僕の場合は、剛と違い、生まれた時は、男の子でした。でも、母が、二人で、病室に戻った時に、僕に性転換薬を浴びせて、女の子になったんです」と嶌田守が言った。
「そう。じゃあ。あなたが、清水さんが言っていた、清水さんのお父さんを男に戻した同級生?」と山川雛が言った。
「はい。そうです。僕も剛のお父さんが、母の作った性転換薬の被害者だと今日まで知りませんでした」と嶌田守が言った。
「そうだったんだね」と山城優樹が言った。
「僕達と入れ違いで入ったであろう男女が戻ってきたので、先輩達も着替えてきてください」と清水剛が言った。
「そうね。行きましょうか。優樹さん、南さん」と山川雛が言った。
「ええ」と山城優樹、山根南が言った。
「俺は、ここで待っていますので」と山崎貴が言った。
「僕達は、あちらにいますので、もし良かったら、一緒にどうですか?」と嶌田守が言った。
「お邪魔してもよければ、行こうかな。いいかな?嶌田
「もちろんです。人は、多いほうが楽しいですよ」と嶌田守が言った。
「じゃあ。お言葉に甘えて、俺、清水
「何か、新鮮だな。君付けで呼ばれるの。いつも
「確かに」と清水剛が言った。
「わかったわ。じゃあ着替えてくるから」と山城優樹が言った。
着替えに行った三人だったが、なかなか、戻ってこなかった。
「三人とも遅いな。どうしたんだろう」と山崎貴が三人を心配して言った。
すると、更衣室から、ブカブカの男性用のスーツを着た山川雛が出てきた。
「すみません。男物の下着貸していただけませんか?」と山川雛が、店員に声をかけていた。
「何じゃ。男物の下着を持ってきておらんかったのか?その部屋に下着と服を用意してあるから、好きな物を取りなさい」と店主が言った。
「ありがとうございます」と言って、山川雛は、服や下着を用意してあるという部屋に向かった。
山川雛は、男物の下着を持って、再度更衣室に入って行った。
しばらくして、男に戻った3人が戻ってきた。
「遅かったですね」と山崎貴が言った。
「山川さんが、下着を替えずに、着替えたものだから、女の身体のままだったからね」と髪が長めの男が言った。
「まさか、下着も変えないと駄目だと思わなかったから、下着を持ってきてなかったんですよ」と短髪の男が言った。
「山崎、スーツありがとう」と眼鏡をかけた男が言った。
「もしかして、あなたが、山城優樹さんですか?」と山崎貴が眼鏡を掛けた男に言った。
「そうだよ。髪が長めの男が山根さんで、髪が短いのが、山川さんだよ」と山城優樹と名乗った男が言った。
「そうじゃ。お主ら、うちに来たとき、女装しておったから、今日も女装するか?下着を男のままにすれば、女装できるぞ」と店主は、3人に提案した。
「いえ、俺は、結構です」と山川と紹介された男が言った。
「俺も」と山根と紹介された男が言った。
「僕も大丈夫です」と山城優樹だった男が言った。
「そうか。それは、残念じゃ」と店主が言った。
そんな話をしていると、「すみません。山川先輩は、どなたですか?」と清水剛が尋ねた。
「あなたが、山川先輩?俺と同い年くらいですかね?」と清水剛の隣にいる40代くらいの男性が言った。
「君は?」と山川だと名乗る男性が言った。
「俺?谷口裕樹です。剛の同級生で、あなたの中学時代の部活の後輩だった、谷口優理です。このまま生きていれば、今年、40です」と谷口裕樹が言った。
「谷口さん?はじめまして、山川兜です。歳は、42。宜しく」と山川兜が言った。
「あ。じゃあ。学年は、3つ上ですね。よろしくお願いします。山川先輩」と谷口裕樹が言った。
「2つだよ。俺は、5月5日生まれだから。誕生日は、俺が端午の節句生まれの男だから、女になったから、桃の節句の3月3日生まれになったみたいなんだ」と山川兜が言った。
「そうだったんですね」と谷口裕樹言った。
「ねえ。おじさんたちもこのおじさんが作った、お菓子食べてみてよ。美味しいよ」と谷口裕樹を指さしながら、小学一年生くらいの女の子がお菓子の入った袋を差し出して言った。
「谷口さんが作ったお菓子か。中三のバレンタインの時にチョコ貰ったけど、美味かったからな。頂くよ。君、名前は?」と言って、山川兜は、お菓子の入った袋から一つお菓子をつまんだ。
「私?前田春美です。あ。今は、藤川だった。宜しくお願いします」と藤川春美が言った。
「山川のおじさんに春美があげたから、残りの三人に、俺があげます。どうぞ」と今度は、小学一年生くらいの男の子が三人に袋の中身から、一つずつ、取り出して、三人に渡した。
「ありがとう。俺は、山根東と言うんだ。君は?」と山根と紹介された男性が、小学一年生くらいの男の子に尋ねた。
「俺は、春美と双子の春人です」と藤川春人が言った。
「双子なんだね。俺は、山城勇気」と貰ったお菓子を食べながら、山城勇気が言った。
「なんで、君たちは、ここに?」と山崎貴が言った。
「私たちは、お父さんたちに、今回の招待状が来たから、私たちを留守番させるのは、よくないからって、連れてきてくれたの」と藤川春美が言った。
「そうだったんだ。君たちのお父さんたちもこのラーメン屋で願っていたんだね。ところで、さっき、前田と言って、藤川だったと言いなおしたのは、何故だい?」と山川兜が尋ねた。
「
「君達のお父さんの旧姓が藤川?ということは、婿養子ということか?」と山根東が言った。
「違いますよ。この子達を産んだのは、俺なんです。俺が、女になって、当時付き合っていた、女性が男になって、夫になったので、当時付き合っていた、彼女の名字を名乗っているんです。今は、俺が父親なので、俺の旧姓の藤川と名乗っています」と藤川春人、春美の父親らしい男性が言った。
「何か、複雑なんですね」と山崎貴が言った。
「もっと複雑になりましたけどね」と女性が言った。
「確かに。あ。紹介します。
「女の時の表記は、ひらがなです。私は、男の時は、ゆうきです」と藤川祐樹が言った。
「複雑と言いますと?」と山城勇気が尋ねた。
「実は、この二人、この店に入って、飴を舐めるまで、性別が逆だったんでよ。春美が男の子で、春人が女の子でした。名前は、そのまま、入れ替えただけですけど」と藤川夏樹が言った。
「そうだったんですね」と山川兜が言った。
「あのーっ。店員さん、この子は、春人たちみたいなことは、ないですよね」と藤川祐樹が店員にお腹を押さえて言った。
「ああ。男勝りな女か、女みたいな男が生まれないかということかのー?」と店主が言った。
「はい。あのときと同じように、夏樹のお腹から、
「心配していることは、起こらんから、安心すると良い」と店主が言った。
「おめでとうございます」と会場にいる全ての人が、拍手しながら言った。
参加者たちと談笑していると、清水さんと谷口さんの二人は、東京に住んでいるというこの会場で、初めて会った時は、父と息子だった、双子の姉妹の友達を駅まで見送るというので、先に帰って行った。
「じゃあ。そろそろ俺達も帰るか?」と藤川夏樹が言った。
「そうね。帰りましょう」と荷物を持ってそのまま帰ろうとする藤川祐樹が言った。
「待ちなさい。そのままの格好で帰るつもりか?そのままの格好で帰ったら、女装した男になってしまうぞ。着替えてから帰りなさい」と店主が言った。
「そうでした。着替えてくるから、少し待っていてね」と藤川祐樹が言った。
「はーい。ねえ。店員さん。私たちも着替えるの?」と藤川春美が言った。
「お主らは、ここに来てから変身したから、そのままで大丈夫じゃよ」と店主が言った。
前田夫婦が着替え終わって戻って来た。
「あなた。車の鍵を貸して、帰りは、私が運転するから」と前田なつきが言った。
前田親子は、車で来たみたいで、お酒を一杯も飲んでいなかった、前田なつきが運転して帰るようだった。
「ああ。お前も飲めばよかったのに、運転代行を頼んでもよかったんだぞ」と前田祐樹が鍵を渡しながら言った。
「あの時は、男でも、女に戻れば、妊婦だからお酒を控えたのよ。あなたは、妊婦なのに、ガバガバ飲んでいたけど」と前田なつきがクスッと笑って言った。
「あ。悪い、でも一日くらいなら大丈夫だろ。多分」と前田祐樹が言った。
「今日は、ありがとございました」と前田なつきが言った。
「バイバイ」と双子は、手を振って元気に言った。
「あ。山川のおじさん。夢叶うといいね」と前田春美が言った。
「ああ。頑張るよ」と山川兜が言った。
「じゃあ。帰ろうか」と前田祐樹が言った。
「うん」と言って、双子は、もう一度、会場にいる人達に手を振って、店を出ていった。
「そういえば、山川さんもお酒飲んでませんでしたね」と山崎貴が言った。
「戻ったら、山城さんたちとは違い、女子高生だから、飲むわけにはいかないよ」と山川兜が言った。
「それもそうですね。そういえば、双子の女子高生だった親子も父親が酒を頼んだら、『ここを離れたら、高校生なんだから、飲んだら駄目だよ』と息子に止められてましたね」と山崎貴が少し笑って言った。
「僕達も着替えて帰りますか?」と山城勇気が言った。
「はい」と山川兜、山根東が言った。
「裕翔くんは、帰らないのか?」と山崎貴が言った。
「俺は、姉ちゃんにLINEしてから着替えますので、お先どうぞ」と言って、スマホをいじりながら、谷口裕翔が言った。
「じゃあ、先に着替えているよ」と山根東が言った。
そういえば、谷川勇次君の家で御飯食べると話していたから、それの連絡かな?と思いながら、俺は、山根さんたちと更衣室に向かった。
私たちが着替え終わり、会場に戻るのと入れ違いで、谷口裕翔が更衣室に向かった。
私達は、谷口裕翔が戻ってくるまで待って、6人で、一緒に店を出たのだった。
店を出ると、一人の女性が店に駆け込んだ。
「あれ?あの人、美九、美守先輩のお母さん?」と谷口優奈が言った。
「嶌田姉妹のお母さん?どうしたんだろう」と谷川勇次が言った。
「私、店に行って来る」と谷口優奈が言った。
「じゃあ。俺も一緒に行くよ」と谷川勇次が言った。
「すみません。ちょっと店に戻ります」と谷口優奈が言った。
「私達、外で待っているよ」と私は言った。
「わかりました」と谷口優奈が言った。
しばらくして、落ち込んだ表情の嶌田姉妹の母親だという女性と一緒に谷口優奈、谷川勇次が出て来た。
「どうしたんですか?」と山根南が嶌田姉妹の母親だという女性に言った。
「夫に会えると思って、駆けつけたけど、一足遅く、『東京に帰るために先に駅に行った』と聞いて…」と嶌田姉妹の母親だという女性が言った。
スマホを取り出し、誰かに電話を始めた嶌田姉妹の母親。
「あ。美九ちゃん。今から、ハロウィンパーティの行われた店に戻って来て。えっ?寮の門限過ぎるし、電車が来るから無理?ちょっと。もしもし。もしもーし。切れた」と嶌田姉妹の母親は言った。
「あれ?美九ちゃん達のお母さん」と誰かが嶌田姉妹の母親に言った。
「優理ちゃんと愛美ちゃん。美九ちゃん達は?」と嶌田姉妹の母親は言った。
「時間的にもう、駅出たと思います」と腕時計を見て、谷口優理が言った。
「引き止めて、連れ戻してくれればよかったのに」と嶌田姉妹の母親が言った。
「引き止めるも何も、私達、改札で別れましたし、改札で別れるまで、おばさんから電話もLINEもありませんでしたよ」と清水愛美が言った。
「それに、美九ちゃんたちの通う学校の寮は、厳格らしいので、門限過ぎるといけないので、引き止めるのは、無理ですよ」と谷口優理が言った。
「そんなーっ」と嶌田姉妹の母親が言った。
「おばさんに渡すものがあったんです」と言って、紙袋を清水愛美が嶌田姉妹の母親に渡した。
「何これ?」と紙袋を受け取り、嶌田姉妹の母親が言った。
「美九ちゃん達のお父さんのスーツです」と谷口優理が言った。
「美九ちゃん達から伝言で、『クリーニング出しておいて』と『また年末に帰って来るから』と言ってました」と清水愛美が言った。
「お姉ちゃん、LINE見た?」と谷口優奈が言った。
「うん。私も今日は、愛ちゃんの家でご飯、ご馳走になることになったから。私と優奈は、愛ちゃんと優次君の家で食べるとお父さんたちにLINEした」と谷口優理が言った。
「優理さん達は、なぜ戻ってきたんですか?」と谷川勇次が言った。
「私達は、スーパーに買い物にいこうとしていた所」と清水愛美が言った。
「じゃあ。私達は、帰るね。また機会があったら、会いましょう」と山城優樹が言った。
「じゃあね」と言って、私達は、五人と別れた。
「はい。さようなら」と嶌田姉妹の母親以外の四人が言った。