短編 性転換物   作:3442

31 / 31
ハロウィンパーティー4

 私たちの下にハロウィンパーティーの招待状が届いた。

 高校卒業後、大学進学し大学三年生の彼と、短大卒業してから同棲している21歳の立野(たての)牡丹(ぼたん)である。

 彼とは、高校の同級生で、卒業式後に告白し、成功して付き合い出した。

 彼が帰ってきて、夕ご飯を食べている時に、「ハロウィンパーティーの招待状が来ているけど、行く?」と私は言った。

「ハロウィンパーティー?どこでやるんだ?」と彼が言った。

「私たちが付き合うきっかけになった、何でも願いが叶うラーメン屋。服装は、元の体に合った服装だって」と私は言った。

「俺は、行かない。元の姿に戻ったら、牡丹より、身長低くなるから行かない」と彼が言った。

「いいじゃない。行こうよ」と私は言った。

「俺は、女性が好きな女性で、自分より身長の低く、可愛い女性が良かったんだよ。お前が、『男女の関係で俺と付き合いたい』と願ったから、俺が男になったんだよ。お前の身長が、あと20センチ低ければ、行ってもよかったんだが、お前、160ちょいだろ。俺が女に戻ったら、お前より、10センチ低くなるんだよ。嫌に決まっているだろ」と彼が言った。

「何、私を女のままにしておくつもりなの?私だって、男に戻って、貴方の元の姿と話したかったけど、男性のままでもいいから、行こうよ。私は、男に戻るから」と私が言った。

「わかった。予定空けておくよ」と彼が言った。

 

ハロウィンパーティー当日

「いらっしゃい」と店主が言った。

「こんにちは。今日は、よろしくお願いします」と私は言った。

「今、何しているんじゃ」と店主が言った。

「俺は、大学に通って、彼女が短大を卒業後、就職し、今は、彼女と同棲してます」と彼が言った。

「私、着替えてくるから、待っていてね」と彼から借りた服を持って更衣室に向かった。

「わかった」と彼が言った。

「何じゃ、お主は着替えんのか?」と店主が言った。

「俺、女の時、154だったから、女になると、牡丹が女の時の身長より低いから、嫌なんですよ」と彼が言っているのが聞こえた。

 男に戻ったら、今の貴方と身長同じになるんだけどね。と私は、心の中で思いながら、更衣室に向かった。

 俺は、「お待たせ」と言って、彼の下に戻った。

 彼の下に戻ると、不機嫌そうにしていた。

「何、不機嫌そうな顔しているんだよ」と俺が言うと、

「俺、やっぱり帰る」と彼は言った。

「何でだよ。来たんだからいればいいだろう」と俺は言った。

「男に戻った、牡丹は、今の俺と同じ身長だろ。だから、嫌なんだよ」と彼が言った。 

「好きにすればいいだろう。俺は、このまま残るから」と俺は言った。

「お前も帰るんだよ。浮気されたら困るしな」と俺の腕を掴んで彼は言った。

「浮気されたらって、ここにいるの、ほとんど、男と子連れの夫婦とかだし、大丈夫だよ。心配なら、居ろよ」と俺は言った。

「帰るぞ」と強引に彼は、俺の腕を引っ張って扉の方に向かった。

「待てよ。このまま、店を出たら」と俺が言いかけたが、彼の服を着たまま、店の外に連れ出された。

 店の外に出たら、案の定、男物の服を着た、立野牡丹になった。

「離してよ。痛いでしょ」と私は彼に言った。

「離したら、帰らないだろ」と彼は、私の方を振り向いた。

 私が、彼の服を着て、立野牡丹になっているのを見て、彼は、驚いた表情で、「お前、なんで、俺の服着たままなんだよ」と彼は言った。

「当たり前じゃない。貴方の服を着たまま、強引に店の外に連れ出されたんだから。わかった、帰るから、着替えてくるから店の外で待っていて」と私は、ため息を付いて言って、店の中に着替えに向かった。

 店の中に入ると、店員に、「すみません。せっかく招待していただいたのに、帰ることになりました」と俺は言った。

「何じゃ、帰るのか?着替える前に、写真を撮るから、そこに立ちなさい」と店員は言った。

 デジカメで、今の姿を撮られた。

「着替え終わる頃には、写真が出来ておるから」と店員が言った。

「彼の願いを叶えられるが、どうする?」と店員が言った。

「どうするんですか?」と俺は、店員に言った。 

「身長にあった服を着ればいいんじゃよ。140くらいの服あったはずじゃ」と店員は言った。

「わかりました。着替えてきます」と俺は言って、服の用意してある部屋に行き、更衣室で着替えた。

 着替え終わると、身長が低くなったのを視線の高さで感じた。

 これなら、彼も店に残るかな?と期待をして、店の外で待つ彼のもとに行った。

「お待たせ」と言って、164の私には、小さい服を着て、彼に声をかけた。

「遅かったな。帰るぞ」と言って、彼は私の方を向いた。

「お前、なんて格好しているんだ」と私の服を見て驚いて言った。

「私も恥ずかしいから、中には入ろう」と言って私は、彼の腕を引っ張って、店の中に入った。

 店の中に入ると、視線が低くなって、彼の腕を離し、彼に、「これならいいでしょ。私、今、140ちょっとだろうから」と私は言った。

「お前、何で、身長低くなっているんだ」と彼は驚いた表情で言った。

「店員が、身長にあった服を選べば、その身長になると言っていたから、140ちょっとになる服を選んだの」と私は言った。

「これで、立花百合の理想の『自分より小さくて可愛い女性』になったんだから、貴方も立花百合になってね」と私は言った。

「可愛いって、自分で言うか?わかった。着替えてくるよ」と笑いながら彼は言った。

 彼は、着替え用の服のある部屋に行き、更衣室で着替えて戻ってきた。

「お待たせ」と言って、立花百合は、私が座っている席に戻ってきた。

「百合、その服、似合っているじゃない」と私が言った。

「ありがとう。牡丹」と言って、私の前に座ろうとしたが、

 私は、百合の姿に違和感を感じ、「ちょっと座るの待って。百合、大きめのサイズの服を選んだでしょ」と私は言った。

「え?何言っているの?私、ちゃんと元の身長に合わせたサイズを着たよ」と百合は言ったが、動揺しているように見え、

 私は、席を立ち、百合の前に立って、「やっぱり。見上げる高さがいつもより高いよ。身長差、10センチ以上あるんじゃないかな」と言った。

「10センチじゃ、今まで通りの感じで、あまり小さく感じないから、つい、大きいの着ちゃった」と舌を出して、百合は言った。

「ちゃんと元のサイズで着替えてきてね」と私は言った。

「わかったわよ」と言って、百合は更衣室にもう一度向かった。

「あの。店員さん、百合が帰ってきたら、()()姿()で、写真撮ってくれませんか?」と私は言った。

「ええよ」と店員は言った。

 百合が戻ってきて、私達は、壁側に立ち、手を繋ぎ、写真を撮ってもらった。

 結局、私は、男に戻ったのは、最初だけで、あとは、ずっと百合の理想の女性である、140ちょっとの姿で過ごした。

 

 帰り際に、私は、彼に、またハロウィンパーティがあったら、今回は、あなたの願いを叶えて、140ちょっとの女の姿で居たんだから、私の願い通り、貴方は、百合に戻ってね。私は、男に戻るからね。




LGBT編は、最初、立野のみを女性にし、140ちょっとの可愛い女性になった設定にする予定でした。
立花百合と立野牡丹の名前の由来は、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花からです。
立野の男性の名前と立花百合の男性の名前を出していないのは、思いつかなかったからです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。