#02 「回始」
ー12月2日 9時30分 CCG20区支部にてー
「それでは今日の報告会を始める。」
報告会を取り仕切るのは真戸 暁 準特等捜査官だ。先のオークション戦の対白スーツ戦にて多大な戦果を挙げた人物だ。
「はい。今朝、裏路地において喰種同士が交戦したと思わしき痕跡が見つかりました。辺りに付着していた血痕と、狩られた喰種に付いていた赫子痕から今我々クインクスと鈴屋班が調査中である'姫騎士'であると考えられます。」
佐々木 排世 上等捜査官が落ち着いた口調で言う。
姫騎士
Rate:SSS Rc type:甲赫 Unique Status:赫者
ここ数年、共食いを繰り返している喰種である。
何度も駆逐する機会はあったが皆返り討ちにされている。
過去、有馬 貴将 特等捜査官との交戦の結果、重症を負い逃走。
その際クインケ[ナルカミ]を破壊。これを受けCCGは姫騎士のレートをSSSへ引き上げた。
「姫騎士か…。20区で確認されるのは初めてだな。」
真戸 暁 は目を細めながら言った。
「甲赫のS以上…。'ロゼ'以来ですね。」
「引き続き捜査をよろしく頼む。佐々木上等。おまえたちには期待しているからな。」
「真戸さん…ハグしても?」
「ああ…だめだ。」
ー同日 17時 :reにてー
楡井 孝史と椎名 光は自習をしている。
「光。この問題の積分の答えが合わないんだが…。教えてくれないか?」
「どれどれ、私任せなさい!…。あー、ここの計算が違う…よ。」
椎名 光は一瞬動揺しているように見えた。
彼女の視線の先には、銀色のセラミックケースを持った細いが長身の男と金色の装飾がされた黒色のセラミックケースを携えているボディステッチが目立つ男がいた。
「喰種…捜査官…。白鳩がなんでここに…。」
椎名 光は小声で言った。
「え?何だって?」
「え…いや。何でもないよ!気にしないで!」
椎名 光は明るく言った。
「そうか…。」
「…ごめん。ちょっとお手洗いに行ってくるね。」
「ああ。」
…………………………
(白鳩…。しかもあのボディステッチの目立つあいつ…。シノハラと一緒にあんていくに来たやつか。)
「…トーカ、落ち着け。」
四方 蓮示がトーカなだめる。
「分かってるってば…。」
…………………………
「ここが:reですか〜。…さすがハイセ行きつけの喫茶店。味があるいい店です〜。それに…'見たような顔'の人もいますしね〜。」
鈴屋 什造 が陽気に話す。
「見たような顔とは?鈴屋先輩の右腕として気になります。」
そう話すのは自称 鈴屋 什造 のベストパートナー 阿原 半兵衛だ。
「今は話す必要はないです。はんべー。それよりもまたハイセとお仕事が出来て嬉しいですー。」
…………………………
「遅いな…。光。」
「お待たせー!ちょっとお腹痛くなっちゃって…。」
「そうだったのか。最近コーヒーばっかり飲んでるからじゃないのか?」
「もー、そのことはいいでしょ!はい、続き続き!」
「はいはい…。」
その後、2人は軽く街をぶらついて帰路についた。
ー同日 23時20分 東京20区 路地裏ー
(何…この匂い。白鳩の気配に加えて、一つだけおかしな気配が…。それに、何故場所がばれて…?)
女喰種は近づいて来る2つの気配を感じ臨戦態勢をとる。
(何とかしないと…。)
気配が近づいて来る。すぐそこに。
(逃げる時間はないわ…。迎え撃つしか…っ!)
マスクをつける。
14区の気さくなマスク屋に作ってもらった顔の上半分を覆う鉄面だ。
ザッ…ザッ…
足音が近づいて来る。
「あのマスクは…⁈」
「騎士のようなマスク…。あなたが、'姫騎士'みたいですねぇ。」
(:reにいたボディステッチの捜査官…。あのセラミックケースからして特等捜査官。それに灰色の捜査官…。不思議な匂いがする…。)
パキキ…。
女喰種は無言で肩元から発現させた甲赫を、右腕に巻き付くように展開しその切っ先を巨大な剣へ変形させる。
「…立ち去りなさい。」
赫子を捜査官へ向け低く、重い声色で言った。
「…ハイセ。クインケ展開するです。」
2人のセラミックケースからけたたましい音と共に鋭く、赤い刃が飛び出す。
鈴屋 什造 特等捜査官
Rate:S+ Rc type:鱗赫 [13'sジェイソン]
Gimmick:赫子を発現
佐々木 排世 上等捜査官
Rate:A Rc type:尾赫 [カリン1/2]
Gimmick:ー
「なるべく持ち堪えますよ。」
「増援は…⁈」
「呼びたいのは山々なんですけどね〜…。相手が相手ですから呼ぶ暇は無さそうです。」
「…わかった。何とか持ち堪えよう!」
鋭い金色が照らし出すものは…。
#02 「回始」 END