【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました 作:ちびっこ
ども、ちびっこです。
相変わらずの駄文ですが、書き直しました。
完結まで時間がかかると思いますが、よろしくお願いします。
では、最後に私の合言葉を。
『無理と思えばすぐUターン!ストレスが溜まるだけですよ!』
神様に会う 1
帰りたくないけど、帰らなくちゃいけない。その思いが少女の足取りを重くする。
「どこか、行きたい」
口にして笑う。いったいどこに居場所があるのだろうか。少女と言っても、この春から中学生だ。現実がわからないわけではない。
下がっている視線をあげ、好きな空を見る。少し元気を貰った気がして、先程と違う笑みを浮かべる。
そして、気合を入れる。
嫌味を言われないように。これ以上鬱陶しく思われないように。
「……で」
ふと呼ばれたような気がして振り向く。しかし誰もいない。気のせいかなと再び歩き始める。
「…………いで」
また聞こえた。もう1度少女は振り返る。やはり誰もいない。少し考えたが、まぁいいかと歩き始める。
「こっちにおいで」
今度ははっきりと聞こえ、勢いよく振り向く。すると、目の前にはトラック。
驚く間もなかった。いや、どちらかというと諦めに近かったのかもしれない。悲鳴もあげることもなく、少女は目を閉じた。
幼い時、不思議だったことがある。
どうして名前で呼んでくれないのだろう。視界に入れようとしないのだろう。どうして良い点数をとっても褒めてくれないのだろう。どうして家族のお出かけに連れて行ってもらえなくて、1人で食べているんだろう。
悲しくて、悲しくて、泣きながら何度も寝た。でも起きたときには、心があったかかった。
その理由はすぐにわかった。眠っている間に、頭を撫でられていたから。
寝ぼけた目で見れば、口に指を当ててシーという仕草をした。そして一言だけ。
「寝るんだ」
ポンポンと頭を撫でられ安心して眠ってしまった。
少し大きくなれば、不思議でしかなかった。顔は覚えていないが、あの2人ではなかった。鍵をかけられ、自由に出入りすることは出来ない部屋に居たはずだ。2人に聞いても、バカにしたような目で見るだけだった。
夢だったのかもしれない。
でも、たとえ夢でも嬉しかった。眠るのが怖くなくなったから。……寝続けたいと思って寝起きが悪くなってしまったけど。
「起きろ」
「うーん……」
はぁと溜息を吐く。何度も声をかけても起きない。否、返事をしているのだから起きているのだろう。困った風にガリガリと頭をかき、息を吸い込む。
「風早 優!! おきろーーーー!!!」
声に驚き、少女――優は飛び起きた。そして声を出した人物を睨みつける。起こされたのが不服だったようだ。
「起きたか……」
疲れたような声を聞き、優は瞬きをする。見知らぬ人物が目の前に居たからだ。ただ見知らぬだけならまだいいが、これほどかというレベルで顔が整っている。
目をこすりながら、この人は誰だろうと考える。
「俺は神様だ」
ふんふんと頷き、優は再び寝転ぶ。
「お、おい」
焦るような声が聞こえたが、優は無視をする。
そういえば、夢は自分の理想が出るんだったっけ?と考え、自身の理想の高さに呆れた。クラスメイトから借りた漫画の影響かもしれない。
「いやいや、リアル神様だ!!」
変なツッコミと思いながらも、優は眠る体勢に入った。そして、夢と認識してでも眠ろうとするのだから、どれほど眠るのが好きなのだろうとも思った。
はぁと大きな溜息。自身を神と言った男は優に手を伸ばす。
「いひゃい!」
頬をつねられ、優は叫ぶ。そして、痛いと思ったことに疑問を感じる。
「ったく、起きたか?」
「……すみませんでした」
現実だったことがわかり、優は起き上がり頭を下げた。自分の寝起きの悪さを知っているため、つねられたことに対しては何も思わない。申し訳ない気持ちの方が圧倒的に強かった。
「ここに来る前のことを覚えているかー?」
軽い口調で聞くので、怒っていないと判断し優は質問の内容を考える。
「ここに来る前?」
ここでやっと周りに目を向ける。どこからどこを見ても、何もない真っ白な世界。優が知っているところにこのような場所はない。
「……ひかれた?」
知っている場所を思い浮かべたことで、トラックが迫っていたことを優は思い出した。
「覚えているようだな。ぶっちゃけ死んだんだ」
軽い。
「重い感じで言ってほしかったか?」
首を振る。重く言ったとしても答えがかわるわけでもない。周りをもう1度見て、天国だったことを喜んだほうがいい。短い人生の中、何か残した記憶はなかったから。
「天国でも地獄でもないぞ」
へ?と優は首を傾げる。
「まぁどっちかというと天国に近いけどな。ここは現実世界と天国の間だ」
感心し、神を見る。天国はどんなところだろうと期待が生まれる。どこかへ行きたかった優は死んだことよりも新しい世界の方が興味があったのだ。しかし、手間を取らせるわけにはいかないので、心の中で思うだけだ。
「あー……期待を膨らませてるところ悪いが、残念ながら天国には行かないぞ」
まさか……地獄!?なんでー!?犯罪とかした覚えはないのに!と思いながらも、やはり優は口にすることはない。心の中で思うだけだ。
「そうだな、犯罪とかは問題ないな」
じゃぁ何で!?
「今から違う世界に行くからだ」
え!?どこどこ!?と思いながらも、口にしたのは「どこにですか?」という冷静な言葉だった。
そのため神は僅かに眉を寄せる。
「あ、そっか。会話が成立してたし、心の中が読まれてるのか」
顔色をうかがう事に慣れている優はすぐに気付き、原因を考えたのだった。一歩引いたような言葉を使えば、心を読まれれば違和感でしかないだろう。
「ああ。思ったまま口にすればいい。すぐに出来ないなら、声にしなくていい」
「はぁい」
バレているなら、面倒なことをする必要がない。優は軽く言葉を崩してみた。
「少しは神様と認めたようだし、話を進めるぞ。お前にはマンガの世界に行ってもらうつもりだ」
「ほんと!?」
「ああ」
まさかマンガの世界とは思わなかった優は、はしゃいだ声を出してしまった。しかしすぐに神の返事がかえってきたので、本当に良いんだと理解する。
理解すれば、マンガの世界という言葉に胸を膨らませる。
君○届けとかだったら、主人公と同じ名字だし仲良くなるかも!2人の仲の良さを見てキャーキャーって感じで見たい!
優はテンションがあがり、他のマンガも思い浮かべていく。思いつく世界の割合のほとんどが少女系のマンガになるのは、優の好みというより、優の性別が女だからだ。周りに合わせるために読む必要があったのが少女系だったに過ぎない。
「妄想してるところ悪いが、行く世界は決まってる。そもそもそこしか無理だ」
えー。と不満げに思いながらも優の顔はニコニコと笑っている。思うことはあるが、焦らせることはないと神は考え、話を進める。
少し神の態度に違和感を感じていた優だったが、続いた神の言葉に興味を持っていかれる。
「行く世界は、家庭教師ヒットマンREBORN!だ」
「リボーン!?」
「好きだろー」
パチパチと瞬きし、優は本音を口にする。
「いや、無理。そこまで詳しくストーリーを覚えてないし、途中からバトルマンガじゃん。すぐに死んじゃうってば。……そか、主人公と関わらなければいいのか」
「関わるぞ」
死んだ、と優は思った。
「雲雀、好きだろ?」
一瞬驚いた優だが、世界の名を聞いた時に思い浮かべたキャラでわかったのだろうと考え、再び本音を言う。
「まぁカッコイイし好きだよ。ただし、見ているだけならね。絶対に関わりたくないね」
「そ、そうか……」
優の言葉に神は頬を引きつらせる。心を読める神は、優がどれだけ嫌がってるのかわかってしまうからだ。
「理想と現実は違うもんだよ」
バッサリ切る優。
「いきなり咬み殺されたくはないし。ってか、まずリボーンの世界に関わりたくない。私、人を殴ったこともないんだよ? 絶対死ぬもん」
「まぁ……多少は問題ないと思うぞ」
少し真面目な雰囲気を出した神に優は背筋を伸ばした。