【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました 作:ちびっこ
呼び出しもなく、真面目に授業を受けていると教室がざわついた。目をむければ、トイレを我慢しているランボが居る。
「ランボーーー!?」
「うわー、大変」
ツナと優は慌てて廊下に出る。そしてすぐに優はランボの脇に両手をいれる。
「優!?」
「トイレ、行ってくる!」
間に合って!と思いながら優が走ろうとした時、ランボがおもらししてしまう。
「あちゃー……」
「うわああああん!!」
「大丈夫。大丈夫」
泣き出したランボに優はあやしながら、ツナに声をかける。
「ごめん、ツナ君。悪いんだけど、トイレまで私の体操服を持ってきてくれない?」
「まさか……優……」
「あはは。まぁ気にしないで。後、急がなくていいよ」
そういってトイレに向かって歩き出した優に慌ててツナが追いかける。
「ごめん! ランボの面倒はオレがするから」
「いいって、ツナ君も汚れちゃうよ」
ツナは何も言えなくなった。
「最悪だ。最悪だ。優に迷惑かけちゃった!!」
家に帰り部屋で1人になったツナは頭を抱える。迷惑はいつもかけているが、今日のは酷い。優がツナの家に来ていた時に何度かランボの面倒をみてくれていたが、あそこまで面倒をみさせたことはなかった。
リボーンはツナの様子を見ながら、優を巻き込むにはランボから攻めてもいいかもしれないと考え始める。
「オレの知り合いの保育係を手配してやろーか?」
「え、まじで?」
「ああ」
リボーンの考えを知らないツナはリボーンに感動したのだった。
リボーンに呼び出された優は首を傾げていた。
(いったい何だろう? 今まで積極的に絡んでこなかったのに)
場所だけではなく細かな時間指定もあり、どうしても優は怪しんでしまう。
「はひ! 優ちゃんじゃないですかー!」
聞こえた声に顔をあげ、周りを見渡す。
「あれ? ハルちゃんどうしたの?」
「新体操の交流会ですー」
「そうなんだー」
それならば雲雀に出会っても咬み殺されないだろうと優は安心する。
「優ちゃんは今から帰るんですか?」
「ううん。リボーン君に来てほしいって言われてるの」
「ハルもお付き合いします!」
一瞬ハルは来ない方がいい可能性もあると考えたが、もし危なくなってもハルならばリボーンが助けるだろうと思い、一緒に行くことにした。
目的地に近づいていくと泣き声が聞こえてくる。
「ハルちゃん」
「優ちゃん」
優とハルは顔を見合わせ、聞こえてくる方へ走り出したのだった。
声の発信源はランボで、偶然にもリボーンに呼び出された場所だ。
(あれ? もしかして保育係の話?)
優が疑問に思ってる間に、ハルがツナ達を怒鳴っていた。そのため、優はランボに駆け寄る。
「ランボ君、よしよーし」
「わりぃ。風早」
「ん? 山本君が泣かしたの? 珍しいね」
「ああ。やっちまったんだ」
話しながらも手を動かす。だが、ランボの涙を何度もハンカチで拭ってもすぐ流れてくるので、意味が無い。先に鼻水をどうにかしようとティッシュを取り出す。
「ランボ君、お鼻綺麗にしようね。ちーん」
すっきりしたのでランボは少し落ち着いたらしく、まだグズってはいるが泣き叫ばなくなる。ツナ達を怒り終えたハルも加わり、ランボを笑わそうと2人で話しかけたのだった。
一方、ツナ達は優の手際の良さに、唖然としていた。
「ハルもいけそうだが、優が1番保育係に向いてそうだな」
「だ、だめ! 優にこれ以上迷惑はかけれない!」
「よく考えろ、ツナ。ランボは優と一緒にいれば、大人しいはずだぞ。迷惑っていうほど迷惑かけねーぞ」
「……そ、そうかも」
ツナとリボーンの会話を聞き、獄寺は口に銜えていたタバコが落ちる。
「オレは認めません!!」
「そうはいってもな。優が1番慣れてるぞ」
「あ、あいつはファミリーじゃありません!!」
獄寺の言葉にツナはハッとする。ランボは幼いが、マフィアだ。優を巻き込むわけにはいかない。
リボーンはチッと舌打ちし、余計な一言をいった獄寺をツナが見ていない内に蹴り飛ばす。鳩尾に一発はいり、獄寺は膝から崩れ落ちた。
「ご、獄寺君!? リボーン何したんだよ!!」
「オレは何もしてねぇぞ」
「……獄寺君、しっかり!」
いきなり倒れだした獄寺を見て、リボーンが何かしたとは思ったが、はっきり見ていなかったのでリボーンの否定に口を閉ざす。
「ぎゃははは! バカだもんね!!」
獄寺が倒れたことでランボが笑い声をあげる。ツナの焦る声を聞き、山本とハル、そしてランボを抱いた優がツナ達のところに集まってきたのだ。
「ん? これって獄寺の勝ちか?」
「山本君、勝ちって?」
「誰がランボを笑わせるかって勝負してたんだよ」
そうなんだと知ってるのに知らないフリをして優は頷く。最近はよく顔に出ているが、やはり隠すのは上手いのだ。
「……誰が、バカだ!! あほ牛!!」
いつまでたっても笑ってるランボの声で獄寺が起き、いつもの癖でランボの胸倉を掴む。
「わっ!」
ランボを抱いていたため、無理矢理奪われたランボの反動で優は尻餅をついてしまった。この事態にツナを筆頭に優に声をかける。獄寺も罰が悪そうな顔をし、すぐにランボを掴んでる手を離す。
「大丈夫だよ。そんなに痛くなかったし」
地面につく前に風が優を守ったので、驚きはしたが痛くは無かった。それに尻餅をつかないことも出来たのだ。心配されると優の心にくるものがある。だが、優の性格を知っているツナ達は無理をして言ってるのではないかと思ってしまうのだ。
可哀相なことに放置されてしまったランボは、再び泣き始め10年バーズカを自身に向ける。
ドカン!という音と煙の元にランボと10年後のランボが入れ替わった。
「はひーー!! 誰ですかーーーー!!」
原作と違い、ハルはランボを抱いていたわけではなかったので、頬を叩くことはなかった。が、優に小さな声で「あの人なんかエロいです! 一緒に逃げましょう!」と言った。
ばっちり聞こえてしまったランボはショックを受ける。大人になっても打たれ弱い。10年後のランボと知っている優は「まぁまぁ」といいながら立ち上がる。いつまでも座ってるのはどうかと思ったのだ。
「優さん、ですか?」
バッチリと優と目が合ったすランボはすぐさま辺りを見渡す。いっそう挙動不審に見える。
「……すみません。あの人が一緒にいるかと思いました。お久しぶりです。無茶はしていませんか? 若き優さん」
よくわからなかった優は首をひねる。なぜすぐに無茶という言葉が出てくるのだろうか。それに、あの人というのは誰だろう。ちょっと興味が出た。
「あの人って誰ですか?」
「ダ、ダメです。優さんが言えば、出てきちゃいます」
顔が青くなりながら拒否するので、優は諦めた。無理に聞き出すのは悪い。
「優ちゃん、やっぱりエロイですー。帰りましょう」
この後のことが気になったが、ハルが本当に困ってそうだったので優は帰ることにした。
2人が帰り、獄寺が大人ランボに絡み始めたが、リボーンは無視し考える。
大人ランボと優の様子を見て、リボーンはランボから攻めるのは難しいかもしれないと思い始めたのだ。優にランボをくっつかせていれば、優を巻き込むことは出来るが、雲雀の怒りを買うようだ。
優がランボを大事にしているので大丈夫と思っていたが、そうではなかったらしい。世話になったはずの10年後ランボが優を見ると真っ先に逃げ出したくなっているのだ。余程、優が気付かないところで嫌な目にあってるらしい。
「獄寺はまた泣かしたからノーカンだぞ。ハルは大人ランボがダメで、優に迷惑かけたくねーとなると……やっぱツナが面倒みるしかねーな」
リボーンの一言でツナがランボの保育係になったのだった。