【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました   作:ちびっこ

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小話作品(ちょい甘)

リクエスト内容。
「主人公がツナ君たちとどこかへ遊びに行って雲雀さんが乱入」



※小話作品とは。
リクエストや記念日や作者のノリで書き「リボーンの世界に呼ばれてしまいました ~小話~」という場所に載せていた作品のこと。現在は本編と同じでチラシ裏にある。全体的に甘い。砂糖たっぷりすぎて吐きそうなものまであるかも。作者基準ですが念のため糖度レベルを前書きにて表示。

最後に。
書き直してるので本編に関わる内容になる可能性大。


栗拾い 1

 季節は秋。

 

 優はツナ、リボーン、獄寺、山本、ランボと一緒に栗拾いをするため並盛山にきていた。

 

「はぁ……」

「ツナ君、大丈夫?」

「なんとか……優がいて助かったよ」

 

 疲れてそうなツナに優は声をかける。栗拾いが始まる前に疲れているのは、並盛山へ向かうバスの中でランボが悪戯を何度も仕掛けたからだ。優の膝の上にいればランボは良い子になろうとすることに気付くまで、振り回されっぱなしだったのだ。

 

「このあほ牛! 10代目に迷惑をかけやがって!!」

 

 ゴンっと獄寺がランボの頭を殴り、ランボが泣き始める。優は慌ててランボをあやし、獄寺に注意をする。

 

「コラ! すぐに殴らないの!」

「あ!?」

「ランボ君、大丈夫ー?」

 

 未だに優と獄寺の中はあまり良くない。今回もツナが優を庇ったので、獄寺は渋々引き下がった。

 

 少し悪くなった空気を戻すために優は口を開く。ちょうど聞きたいこともあったのだ。

 

「このメンバーってツナ君が決めたの?」

「え?」

「栗拾いするってしか聞いてなかったからさー。まさか女の子が私だけなんて思わなかったの」

 

 ツナに誘われやってきたが、バス停で集合した人の顔を見て失敗したと思ったのだ。危険にあっても大丈夫そうなメンバーしかいない。

 

「オレだぞ」

「リボーン君だったんだー」

 

 答えを聞き、優の中で警戒心があがった。少しでも危険を回避しようと原作を思い出そうとするが、残念ながら原作にはない。

 

(でもまぁ、リボーン君の私の扱いって一般人だから気をつければ何とかなるかな?)

 

 自己紹介の時に言った殺し屋という言葉以外、リボーンの口から優はマフィア関連の話を聞いていなかった。

 

「今から栗拾いで勝負だぞ」

「んなーーーっ!!」

 

 ツナの叫びを聞きながら、優はやっぱりと思った。企んでない方がおかしい。

 

「小僧、栗拾いでどうやって勝負するんだ」

「そのままの意味だぞ。栗を多く拾った方が勝ちだ。勝てばオレから豪華商品が出るぞ」

 

 優は豪華商品はあまりいいものじゃないだろうなと頭の隅で思った。リボーンが用意する豪華商品はオチにつかわれることが多いからだ。

 

「んー負けたら何があるの?」

「負けても何もねぇぞ」

「ええええ!?」

 

 ツナは驚いた声をあげる。リボーンが負けても罰ゲームがないと言ったことが今まであっただろうか。ツナが思ったとおり、今回は特殊である。メリットとデメリットを考える優を参加させ、尚且つ警戒を下げるために無くしたのだ。

 

「そっか。でも女子の私とランボ君は不利だし、参加せず私がランボ君をみてるよ」

「オレもそう思ってな。2つのチームに分けたぞ」

 

 やはり優は勝負事に興味はない。回避しようとしている。盛り上がってる山本や獄寺とは大違いである。

 

「獄寺・山本・ランボチームとツナ・優チームだぞ」

「へ?」

 

 リボーンは優の意表をつけてニヤリと笑う。優は獄寺か山本のどちらかと組むことになると考えていたはずだからだ。

 

 優を参加させるためには、勝負事は公平でなければならなかった。出なければ、優が抜けたり諦めてビリになるからだ。つまりハンデとなる優とランボは一緒に組ませることは出来ない。そしてハンデとなる優とランボでも差がある。ランボがいるチームを3人にするのは必然である。

 

 ランボの面倒をツナがみるという普段の流れをあえて無視し、リボーンはこの組み合わせにしたのだった。ただ優を驚かせたいためだけに。

 

「待ってください! リボーンさん! なんでオレと10代目のチームが別なんスか!」

「ボスがいないところでファミリーの連携をとるのも右腕の仕事だぞ。今回の勝負でお前ら2人のどっちがいいか決める参考にしてーからな」

 

 文句が出そうな内容は予想していたので、スラスラとリボーンは答える。

 

「……わかりました。ですが、こいつの相手は無理ッス」

 

 ランボに指をさしながら獄寺は言った。

 

「それは私も賛成かなー」

「そ、そうだよ!」

「あほ牛の保育係ができれば、右腕決定なのは今でもかわってないぞ」

「……任せてください。オレがしっかりと面倒をみます」

 

 不安だ。不安でしかない。だが、やる気になった獄寺を止めることは難しい。右腕が関わってるので尚更だ。

 

「山本君お願いね……」

「……頼んだよ、山本」

 

 優の言葉に納得し、ツナも声をかけた。

 

「ハハッ。任せとけってな!」

「10代目! どうしてオレじゃなく、山本に頼むんスか!?」

 

 ツナと優は目を合わせる。しょがないよね、と。

 

 再び優は話をかえるために質問する。返事次第では中止に出来るかもしれないからだ。

 

「そういえば、勝手に栗拾いとかしていいの?」

「ヒバリの許可はとってるぞ」

「んなーーー! ヒバリさんの許可いるのーーー!?」

 

 ツナが驚きの声をあげてる時、優は溜息を吐いていた。もう回避出来るいいわけが見つからない。

 

「んじゃ今から3時間後、ここに集合だぞ。よーい、スタート!」

 

 優が観念したと感じ、リボーンはすぐさまスタートの合図をした。時間をかければ、優が何か思いつく可能性があったからだった。

 

「山本! さっさと着いて来い! 10代目、また後で会いましょう!」

「ツナ、風早。またな!」

 

 スタートの合図を聞き、獄寺はツナにきっちり頭をさげてから登り始める。慌てて山本は優からランボを預かり登っていった。

 

「じゃオレ達も行こっか」

 

 3人を見送ったツナはゆっくりと動き出す。今回は負けても罰ゲームがないので必死になる必要がなく、女子である優のペースにあわせる気だったからだ。

 

「んーちょっと待ってほしいかも。今から3時間後って何時?」

「えーっと……13時半?」

「でしょ。途中で絶対お腹が減るよ。おにぎりでも買って山に入ったほうがいいと思う。私は獄寺君達みたいに体力はないよー」

「そうだね! 買ってから行こう!」

 

 これぐらいの山の往復ならば、正直たいしたことがないがツナのために優は提案する。ツナも自分の体力がないと自覚しているし、自分のワガママではなく優のために行くので気が楽になり、すぐに賛成する。

 

「んじゃ行くぞ」

「リボーン! あっちに行ったんじゃなかったのかよ!?」

「腹減るからな」

 

 もっともらしいいいわけをし、優とツナの後をリボーンはついていったのだった。

 

 

 買い物を終えたツナは1人でいた。優がちょっとだけ待っててと言ったので、待ってるのだ。ちょっと寂しいが、優に置いていかれる心配は全くない。

 

「ごめーん。遅くなっちゃったー!」

「大丈夫だよ! 急いでないし!」

 

 走ってきた優にツナは慌てて声をかける。本当にたいして待っていない。

 

 優の呼吸が落ち着いてから2人とリボーンは登りはじめる。真っ先に出てくる会話の内容がランボの心配である。中学生っぽくない。それでも無理のないペースで登っているので、リボーンの企画にしては初めてツナは楽しむことができた。

 

 一方、リボーンはジッと優を観察していた。

 

 優はツナを動かすのが上手い。ツナを嫌な気分にさせず、納得させ誘導している。そしてそれをツナに気付かさせない。リボーンも舌を巻くほど、手際が良かった。

 

 特にツナは気付いていないが、栗の木はあっさり見つかるものではない。ここは農園ではないのだ。

 

 先に優が聞き込みをし、教えれないと言われれば、雲雀の協力を得て聞き出していたのである。後で栗料理を作るという条件をつけてるが、雲雀を動かしたのだ。誰にも出来ないようなことを簡単にやってのけている。

 

「優、どこまで気付いてるんだ?」

 

 栗拾いをしてる優にリボーンは真正面から聞いた。これが最善と判断したのだ。誤魔化した聞き方をすれば、優も誤魔化す。

 

「ん? マフィアのこと? それともリボーン君が本当に殺し屋ってこと?」

 

 真っ直ぐな目で見られ、これ以上は無理かと判断し優は答えた。

 

「えーー!? な、なんで知ってんのーー!?」

 

 ツナは驚いた声をあげたが、リボーンはやはりと思った。栗拾いの間、一度も優はリボーンを子ども扱いしなかった。一番弱いものを優先するはずの優が、ツナにしか気をつかわなかったのだ。ツナの努力も虚しく、バレてると考えるのが妥当だ。

 

「山本君とハルちゃんの話からなんとなく? 決定打は2つあるかな。雲雀先輩がリボーン君と戦いたいと思ってることと、獄寺君がリボーン君に対する態度」

「あの2人はわかりやすいからな」

「そうそう。2人とも周りの目を全く気にしないしね。獄寺君は時と場合によってはウソをつくこともあるけど、わかりやすいし。雲雀先輩はウソつかないもん。だから黙り込むことも多いかな」

 

 優は気にした風もなく、栗拾いを続ける。だからツナも少し落ち着けた。

 

「優はマフィアとか怖くないの?」

「ツナ君はツナ君だもん。それにツナ君は全然怖くないし」

 

 ガーンとショックを受けたツナに向かって、優は笑いかけながら言った。

 

「だってツナ君はいつも優しいから」

「……優」

 

 上手い。ツナが気にしていた優との壁をあっさりと乗り越えた。

 

「京子ちゃんとかの前では、今まで通りよくわからないフリしてるよ。ツナ君は広めてほしくないでしょ?」

「そうなんだ! ありがとう、優!」

「どういたしまして」

 

 顔を見合わせ、笑いあう。いつもと一緒だ。

 

 ドカン!と響く音を聞き、話のキリもいいので優は立ち上がる。

 

「行こっか。早く行かないと山火事になりそうだし」

 

 そう言ってツナを気にしながら優は歩き出した。

 

「……優って本当にどこまで知ってるの?」

「んー、ダイナマイトや手榴弾、10年バズーカのことも知ってるよ。大人ランボ君が教えてくれたんだ」

 

 優には隠し事が出来ないかもしれないとツナは思ったのだった。

 

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