【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました   作:ちびっこ

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この話からヴァリアー編が始まるのに、寝てて更新が遅れたww
すみません。


VSヴァリアー編
嵐の予感


 日曜日だが、優は朝から学校に来ていた。優は何もしなければ、悪い方向にばかり考えてしまうので雲雀が呼び出したのである。

 

「あ。そうだ」

 

 優は書類から顔をあげ、雲雀を見た。

 

「登下校の時、腕章をとってもいいですか?」

「理由は?」

 

 わけもなく優が言い出さないとわかっているので雲雀は続きを促した。

 

「私と雲雀先輩と付き合ってると知れ渡ったので、絡まれそうになるんですよね」

「え!?」

 

 思わず声をあげたのは空気を読んで黙っていた草壁だった。

 

「……僕、聞いてないよ」

「今言いましたからね」

 

 雲雀は優を睨んだ。自分に対して危機管理能力の低い優が雲雀の弱点と理解している時点で、自覚するようなことがもう起きたということである。つまり絡まれそうになるじゃなく、絡まれた後なのだ。

 

「制服と髪の色でバレちゃうんですよね。だから腕章をとってこれでもかぶって登校したいなーと」

 

 カバンの中からカツラが出し、優は雲雀に見せた。

 

「……今までに何度もあったんだね」

 

 優は笑って誤魔化した。雲雀は溜息を吐くしかない。滅多にワガママを言わない優が言ったのだ。日常生活に影響が出ているほど絡まれてるということだ。

 

「申し訳ございません! 配慮が足りませんでした!」

「大丈夫ですよ。私、逃げ足が速いんで捕まったりしませんよ」

 

 フォローしているつもりかもしれないが草壁は優が強いと知らない。安心できるわけがない。そもそもそういう問題で済む話ではない。

 

「草壁」

「はい!!」

 

 返事と共に草壁が出て行く姿を見て、仕事を増やしてしまったと気付き、優は扉の方へと頭を下げた。

 

「もっと早く言ってよね」

 

 ストンと優の隣に雲雀が腰をかけて言った。

 

「走れば何とかなりましたからねー。それに雲雀先輩と一緒にいれば大丈夫でしたから。最近は送ってくれるので助かってましたよ?」

 

 今回は雲雀が原因だが、謝ることは出来なかった。次から相談せずに1人で解決してしまう。

 

「毎日送り迎えするよ」

「無理をしない範囲でお願いします。せっかく用意したのでこれの出番もほしいです」

 

 優はカツラを持ちながら笑っていった。雲雀がかえす言葉は1つしか残されていない。他の言葉では優が素直に甘えてこなくなる。

 

「……わかった」

「足手まといにならないように頑張りますね」

 

 このままだとツナ達との関係を戻さなければ、いつか優が逃げてしまいそうだ。

 

「優」

「なんですか?」

「怖がらなくていい。僕がいるからね」

 

 キョトンとした後、優は笑って言った。

 

「私は強いですよ?」

 

 雲雀は優の頬を撫でるだけで答えはしない。優が弱いことを誰よりも知ってるからだ。

 

「あれ? 電話?」

 

 優のケイタイが鳴り、雰囲気が変わってしまったので溜息を吐きながら雲雀は手をおろす。ケイタイを取り出し、嬉しいような、困るような顔で、画面と睨めっこしていたのでツナ達だろうと予想し、雲雀は電話に出るように促した。

 

「……もしもし? 山本君、どうしたの?」

『今からみんなと遊ぶから風早も来ねぇか?』

「ごめん。雲雀先輩と一緒にいるから……」

『ツナがちょっと元気なくてさ。風早がいればぜってぇツナは喜ぶし、ヒバリと一緒にいるところ悪いけど頼む!』

 

 山本が小さな声で言ったのはツナが近くに居るからだろう。だから優は本当にツナが元気がないと思った。

 

「……ツナ君がどうしたの?」

『んー……ツナの親父さんが急に帰ってくるからどうしていいのかわからないみたいなんだ。だからみんなでパーッと遊ぼうと思ってな』

 

 山本が少し悩んだのは優の家庭環境があまり良くないと知っているからだ。それでも友達にウソつくのはダメだと思い、山本は正直に話した。

 

「でも私が行っても……」

 

 そこまで言ったところで持っていたケイタイが消える。

 

「場所、どこ?」

「へ? 雲雀先輩!?」

 

 優は雲雀の前だと油断してしまうので簡単に奪われてしまったのだ。

 

「ふぅん。今回だけだからね。……咬み殺されたいの? 僕が君達と群れるわけがない」

 

 勝手に話が進んでいるので、優はオロオロするしかない。

 

「はい。今から30分後に並盛商店街だって」

 

 ケイタイを返されたので優は受け取ったが、泣きそうな顔で雲雀の顔を見ていた。

 

「気になって手につかないでしょ」

 

 うぐっと言葉に詰まる。

 

「さっさと終わらせて、戻ってきたらいい。僕はここに居る」

 

 家まで送ることも考えたが、雲雀が待っていると知っていた方が何かあっても帰ってくるだろうと思い、雲雀は見送ることを選んだ。

 

「……はい!」

 

 怖がっていながらも、嬉しそうな顔をして向かったので、もう少しは大丈夫そうだと雲雀は判断した。

 

 

 

 家に帰った優はポイッとカツラを外し、着替え始める。早くしないと時間に遅れてしまうからだ。

 

「……って、あれ? ツナ君のお父さん?」

『門外顧問だな』

 

 優の呟きに神が返事をかえす。

 

「だよね。つまりリング争奪戦が始まるじゃん! あー、このお出かけって!? スクアーロと会ってるけど、大丈夫かなぁ」

 

 今から断るのは不自然なので諦めて行くしかない。ベルじゃなければなんとかなると信じて、バタバタと服を取り出しカバンに入れる。

 

「んー、もっとほしいかも」

 

 家にだけじゃなくどこかに隠しておきたいと優は考えたのだ。

 

『そういうと思って何着か用意しているぞ』

「さすが、神様!」

『当然だろ』

 

 優は神の自信っぷりに笑った。

 

『まぁ今は先に向かった方がいいと思うぞ』

「きゃー! 本当だ!」

 

 服をカバンに詰め込み、優は慌てて待ち合わせ場所に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

「ご、ごめん。遅くなった……」

「全然待ってないよ!」

 

 優が走ってきてくれたので、ツナはとてつもなく喜んだ。雲雀と一緒にいたと山本から聞いていたのもあり、最近の優の態度に落ち込んでいたツナは感動で泣きそうなほどである。

 

「ツナ、泣いてんのか?」

「な、泣いてないよ!!」

 

 リボーンはツナをからかいながらも、優の様子を見る。一度、優が自分を守るためにツナ達から一歩引いているように見えたことがあった。それが今はっきりとあらわれている。優は一歩離れ、少し寂しそうに笑っているからだ。

 

「……ヤベーな」

 

 ポツリと呟く。ツナから大体話は聞いていたので時々様子を見に行っていた。だが、雲雀が優を掴んでいるので、リボーンは自力で解決させようと考えていて手は出さなかった。その結果、更に悪化している。一箇所に留まる事が出来ないと優は言っていた。このままではツナから離れていってしまうだろう。

 

「ちゃおッス」

「こんにちは、リボーン君」

 

 ツナ達が気付かぬうちに最後尾に移動していた優にリボーンは話しかけた。

 

「ヒバリに話したのか?」

 

 詳しく説明しなくても優ならいつの話のことかすぐに気付くとリボーンはわかっていた。

 

「うん。リボーン君のおかげで話すことが出来たよ。ありがとうね」

「気にするな。……ツナは頼りねーのか?」

 

 雲雀が優を掴んでいるので答えはわかっていた。聞きたいのはツナには話さないのかということだ。

 

「……ツナ君には、無理かな」

「わかったぞ。オレがビシバシ鍛えるから待ってろ」

「ごめんごめん。言い方が悪かったね。頼りにはしてるよ?」

 

 リボーンは優を見た。ジッとツナの顔を見ていた。

 

「ツナ君とはずっと友達でいたいんだ。最近、そう思うようになった」

 

 優が少し前までは話す気があったと知る。優が話さず友達でいることを選んだなら、雲雀が知っていることもあり、それはそれでいいとリボーンは思っている。だが、それを選んだことでツナと距離があくのは問題だ。ファミリーに入らなくても、優にはツナを支えてほしいと思っているからだ。

 

 リボーンは気づかない。優がツナを支えているのは、ツナが優を支えているからということに。

 

 まさかリボーンがツナのところに来る前に、ラルがコロネロに救われたように、ツナが優を救っているとは思いもしないのだ。

 

 それでも……知らなくても導けるのがリボーンである。

 

「優、ツナのことが好きか?」

「もちろん」

「ツナもおめーのことが好きだぞ」

 

 キョトンとした顔で優はリボーンを見た。

 

「優と一緒に居る時が、ツナは1番笑ってるからな」

 

 でもそれは関われば、死ぬことを黙ってるからであって……。

 

 怖くて言葉に出来ない。でも心の底で助けてほしいと叫んでいた。

 

「……リボーン君、私……」

 

 ドコッォ!と大きな音がし、リボーンと優は会話を中断し音の発信源に目を向ける。

 

 バジルの姿をみて、リボーンは優に声をかけた。

 

「……京子達を頼んでいいか?」

 

 マフィアのことを知り、雲雀と一緒に居ることである程度は耐性があり、さらにリボーンの言葉の意味と状況を把握する頭が優にはある。

 

 優はコクンと頷く。スクアーロに気付かれる可能性も下がる。何より京子達の身の安全が最優先だ。

 

「みんな、こっち!」

 

 リボーンが連れてきた京子達を優は誘導し始めたのだった。

 

 

 

 

 ふぅと優は息を吐く。ここまで離れれば京子達は安全だ。

 

「京子ちゃん、ハルちゃん、子ども達をお願いね」

「……優ちゃん?」

「もしかして戻る気ですかー!?」

「並盛の風紀を乱されたからには行かないと」

 

 優は腕章を京子達に見せた。

 

「危ないよ!」

「そうです! 危ないです!」

 

 はっきりと心配されるような言葉をかけられ、優は一瞬だけ言葉に詰まった。それでも行かなければならない。

 

「……私でも出来ることはあるから。少しはみんなの役に立ちたいんだ」

 

 京子達がツナ達ではなく、雲雀の役に立ちたいと勘違いさせる言葉を選んだ。心配してくれてる2人に出来るだけウソをつきたくなかった。……もっとも優と雲雀が付き合ったと知り、自分のことのように喜んでくれた2人の気持ちを利用したことに変わりないが。

 

「……絶対に無茶しないでね」

「約束してください」

「うん。終わったら連絡するよー」

 

 笑顔で手を振り、優は京子達と別れた。2人から見えなくなったところで優は切り替える。雲雀に見せてもらった書類を思い出し、監視カメラから外れるルートを使いツナ達のところへと向かった。




作者の独り言。
カツラと入力したいのに、桂になる。
他の作品まで侵食しようとする圧倒的存在感に笑ったw
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