【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました   作:ちびっこ

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活動報告に書きましたが、遅くなりました。

そして、本当は霧戦まで終わらせたかった……。


霧戦前の勃発

 ゆさゆさと身体を揺らされ、優は嫌がるうように布団へと潜り込む。

 

「起きなくていいのか?」

「やーなの……」

 

 もぞもぞと動き寝やすい体勢を探す姿を見て、ディーノは頬をかいた。気を張り、少しでも触れれば斬りかかりそうな時と全く違う。それに普段よりも幼く見える。

 

「頼んだ理由がわかったな、ボス」

「だな」

 

 今の格好でここまで無警戒になるとわかっていれば頼むしかないだろう。このまま寝かさせておきたいが、そうも行かない。

 

「学校に行かなくていいのか? 恭弥が心配してるんじゃないのか?」

「雲雀先輩……?」

 

 もぞもぞと動き、優は顔を出す。だが、名前に反応しただけで理解はしてないようだ。もう1度同じ言葉を繰り返せば、優は目をこすりながらも起き上がった。

 

「おはよ……です」

 

 まだ寝ぼけてるらしい。正体を隠しながら行動するのは無理だろう。

 

「何か食べるか? それとももう1度シャワー浴びるか?」

「お腹すいた……」

「ちょっと待ってろよ」

 

 寝ぼけてる方が素直に頼むのかと思いながらも、ディーノはロマーリオに目配せし用意を頼む。その間に優はふらふらとした足取りで病室にある洗面所で顔を洗った。

 

「んー! あ、おはようございます。すみません、起こしてもらっただけでなく、ご飯まで頼んでしまって……」

 

 申し訳なさそうに優は頭を下げた。差が激しい。

 

「気にしなくていいんだ。オレらも食べるところだったから」

 

 ディーノがポンッと頭に手を置けば、照れたように笑ったのでこれ以上気にしなくなったようだ。

 

 ロマーリオが用意したご飯を口に運んでいるとディーノが背筋を伸ばし声をかけた。

 

「あのな、優」

「はい?」

「あまり無茶するなよ」

 

 不思議そうに優は首を傾げた。

 

「昨日、部下から優があいつを助けたって聞いて驚いたんだぜ」

「すみません」

 

 素直に頭を下げているが、本当に理解しているか怪しい。

 

「優が誰かのために頑張るのはいいんだ。だけどな、自分の身体も大事にしてほしいんだ」

「私だって痛いのは嫌ですよ?」

 

 ふふっと笑って言えば、話が終わりというかのよう食事に戻った。ディーノがチラッとロマーリオに視線を向ける。すると、首を振っていた。ロマーリオもディーノと同意見のようだ。

 

「優、これだけは忘れないでくれ。もしお前に何かあれば、みんな悲しむんだ」

「たまたま私はここに居るだけの人間ですから」

 

 まるでディーノの言葉が大げさなように優は笑って言った。

 

「もう1度言うぜ。みんな、悲しむんだ」

 

 優は瞬きを繰り返した後、箸を置き口を開いた。

 

「私はみんなと異なる者なのに、ですか?」

「……その意味はオレにはわからねぇ。だけどな、オレは……オレ達は優と一緒に過ごして、違いを感じたことはない」

「ええっと……。例えば、雲雀先輩が変になるのも、私が異なる者だからじゃないんですか?」

「それを恭弥に言ったらあいつは怒るぜ……」

 

 この発言にはディーノは呆れた。1番近くに居るであろう雲雀にもそうなのだ。他の者ならどう思ってるのだろうか。しかし不思議そうな顔をするだけで優はわかっていない。

 

「異なる者とか関係なく、優だから恭弥は好きなんだ。もちろんオレらもそう思ってる」

「……出来ることなら、アルコバレーノになる前に聞きたかったですね」

 

 優はそういって笑った。いつもと変わらない笑顔だが、無理をしてるのはディーノでもわかった。

 

「ごちそうさまでした」

「優……」

「理解できるかはわからないけど、ディーノさんの言葉は覚えておきます」

 

 ディーノはこれ以上は追い詰めることになるので引き止めることは出来なかった。それに忘れないと優が言っただけでも進歩したはずだ。

 

「昨日はいろいろお世話になりました。スクアーロさんのことをお願いしますね」

「ああ、任せろ。またな?」

「……はい。また!」

 

 窓から出て行くのを見送った後、ディーノは溜息を吐いた。根深すぎる。なぜそこまでして頑なに認めようとしないのかわかないが、言動で示していくしかない。

 

「何があっても手を離すなよ、恭弥……」

 

 雲雀から手を離せばあっさりと優は去っていくだろう。雲雀の気持ちですら、正しく伝わっていないのだから……。

 

 言葉にするのが苦手そうな教え子を思い、しっかりと伝えろと教えてあげたいが素直に聞くか怪しい。下手にアドバイスすれば、雲雀は口にしなくなる未来しか見えない。

 

 はぁともう1度大きな溜息を吐いたディーノだった。

 

 

 

 

 

 いつもの登校時間に間に合った優はまっすぐ応接室に向かう。教室にはさっぱり行かなくなったが、ツナがいないので優はあまり気にしなかった。もちろん黒川と京子の顔は浮かぶが、メールをしてるからいいと判断してるのだ。元気な姿を見たいと思ってることに気付かないのである。メールの方が話さなくて済むと考えてるのも、そう判断してしまう理由だった。

 

「おはようございます」

「……おはよう」

 

 ジッと優の顔を見てから雲雀は返事をかえした。元気がないようにも見えるが、いつもと同じようにも見える。

 

「何かあったの?」

「えっと、特には?」

 

 優自身不思議そうに首を傾げるので疲れているだけだろうと雲雀は判断した。

 

「今日は書類いいから」

「え、でも……」

 

 雲雀が上へ向かって指をさしたので優は昼寝と理解した。

 

「私も寝ちゃいそうです」

「いいよ、別に」

 

 優は雲雀の後ろを嬉しそうについて行ったのだった。

 

 午前中はたっぷりと昼寝をし、昼食後は雲雀の見回りに付き合う。今日は校内だけではなく外もである。優が校舎の損傷を確認していることを誤魔化すためだ。

 

 雲雀との見回りのとき、優は本当に何も警戒をしていない。雲雀もしなくていいと思っているので、何も言わない。そもそも雲雀は優と一緒に見回りすると何か必ず奢っている。周りから見ればただの甘やかしにしか見えないが、これでも食べて大人しくしといてという意味だった。

 

 はむはむとクレープを食べていると、優は違和感を覚え顔をあげる。

 

「あー!」 

「なに」

「生クリームが制服に……!」

 

 仕方なく雲雀は足を止める。

 

「お久しぶりです。随分と楽しそうですね」

 

 ハッとしたように振り向いた雲雀だが、答えがわからなかったらしい。不思議に思いつつも視線を外した。が、とあることに気付く。優が制服に生クリームをこぼすようなヘマをするだろうか。

 

 知りたいが、このタイプのことを自分から優に聞くのはプライドに関わる。

 

「うー! 雲雀先輩、ちょっと持ってもらえませんか?」

 

 クレープを渡すために優は雲雀に近づく。そして制服を拭きながらポツリと呟いた。

 

「今のは骸君の気配ですよ」

 

 気になった方向をじっくりと見たいが、優から聞いたと気付かれる行動は避けなければならない。

 

「本人ではありません」

「……霧」

 

 このタイミングで現れたことと、まだ姿を見せなかった守護者で雲雀は勘付いたらしい。

 

「行くの?」

「はい。あ、もう大丈夫です。ありがとうございます」

 

 何事もなかったように食べ始めた優を見て、気付かれないように溜息を吐き雲雀は歩き出した。

 

 

 

 

 

 どうしてこうなったと優はフードの上から頭をかく。霧の試合を雲雀が見にきているのだ。優の記憶では居なかった。

 

 原作通り、今日は雲雀は見に来なくても良かったはずだ。なぜなら今日が霧なので残るは風と雲しかない。恐らく優の試合は見に来る。どちらの試合でも問題ないので、明日来ればいいだけの話だ。ちなみに今日負けた場合は、XANXUSが行動を起こすだろうと考え、雲雀も好きに暴れるだろうと優は予想していた。

 

 雲雀は体育館の隅にいるので話しかけにくい。なるようになるしかないと優は溜息を吐いた。

 

「お? 恭弥もきていたんだな」

「咬み殺すよ」

 

 もはや挨拶なのかもしれないと思いながら、優はチラッとディーノを見る。スクアーロの容態が悪くないので来る可能性はあったのでそこまで驚かなかった。

 

 それより今は近づいてくる人物をどうにかしたほうがいいと頭がいっぱいだった。

 

「何しにきやがった」

「ししっ。一緒に見ようぜ」

 

 ダイナマイトをかまえている獄寺を無視し、ベルは優に話しかけた。面倒なことばかりしないでほしい。

 

“僕はこっちがいい。後、雷戦のことを僕はまだ許してない”

「ん? オレらと一緒に過ごすなら必要なことじゃん」

 

 なるほど、と優は納得した。もちろん許すとは別の話だが。

 

「それにこの前オレがいない間に帰ったじゃん」

“君が眠っていたからだろ……。ちゃんと君の願いは叶えてから僕は帰った”

「やっぱこいつは敵だ!」

 

 もう面倒になり優はフードから頭をかいた。

 

「獄寺、そこまでにしろ」

「お前ももっとはっきりと断れ」

 

 見かねてリボーンとディーノが声をかけた。獄寺もイラついただけなので、ダイナマイトを戻した。

 

“僕はこっちで過ごすから、君は向こうに戻れ”

「やだね」

“少しは僕の話を聞け”

「だってオレ王子だしー」

“……僕が悪いのか?”

 

 思わず優はディーノに確認した。その時に、雲雀が視界に入る。

 

(も、もの凄く怒ってる……!)

 

 元々イライラしていた雲雀だが、王子という言葉と昨日の試合を見ていた雲雀は声の大きい人がスクアーロと気付き、イタリア旅行の話を思い出したのである。そして我慢の限界が来た雲雀はトンファーを投げた。

 

 瞬時にベルは避け、優はトンファーをキャッチする。

 

「なにコイツ、生意気じゃん」

“だー! 戦おうとするな! いいからベルは戻れ! 僕は君のワガママに付き合う余裕はない。彼の怒りを買いたくはないんだ!! 後で面倒なことになる!!”

 

 ナイフを出したベルと一本しかないのにトンファーをかまえた雲雀を見て、優は叫んだ。本音が混じっていたことが聞いたのか、ベルは雲雀を睨みながらも下がった。

 

「な、なに!?」

 

 眠っていたツナが優の叫びを聞いて飛び起きたらしい。

 

“……もう解決したから。起こして悪かった”

「き、気にしなくていいよ! あれ? なんでオレ寝てたんだ?」

 

 ツナの様子を見て優は癒され脱力した。軽く息を吐いた優は、トンファーを雲雀に返しに行く。

 

“その、なんだ。いろいろ助かった”

「いいよ。また催促するから」

 

 ピシリと優は固まる。何も知らないものからすれば、戦いを催促するようにしか聞こえない。だが、優は催促と言えば嵐戦後のキスのことしか浮かばない。

 

「手加減しないから」

 

 重い足取りで戻っていると、ツナが心配そうにしているのが目に入る。それが1番堪えた優だった。

 

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