【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました   作:ちびっこ

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テスト返却

 前で頭をかかえたツナを見て、優は気付く。

 

(そういえば、原作だったかも。……ボンヤリしながら受けたから、手ごたえとか覚えてないし)

 

 昨日は雲雀の言動でパニックになった優だが、1日たてば落ち着き、昨日のミスに気付く。

 

(どうか、本気でやってませんように!)

 

 頭が良くなったことに調子に乗った優は、片っ端から勉強し、今は大学の参考書を読むレベルである。手を抜かなければ100点を取ってしまうのだ。

 

(ツナ君がいろいろ言われてる。……段々、ムカついてきた)

「うわーー」

 

 テストの点数が見せびらかされ、悲鳴をあげるツナ。優の中で何かがキレた。

 

「先生! 今のは故意でしましたよね? ツナ君に謝ってください!」

「……優」

「風早だな。……君のような人物が沢田のようなクズに付き合うのは、人生の無駄遣いだ」

 

 根津の言葉に苛立った優は机を叩き、立ち上がる。これには教室が静まる。優が怒る姿は今まで見たことがないのだ。庇ってもらったことに感動していたツナだったが、いくらなんでもこの状況はまずいとわかり、優に駆け寄る。

 

「ゆ、優。オレは気にしてないから……」

「でも……!」

 

 優が反論しようとした時に、教室の扉が開く。遅刻した獄寺がやってきたのだ。根津の注意を睨みで黙らせ、真っ直ぐにツナの元に来て、頭を下げる。

 

「10代目! おはようございます! ……どうかしたんスか?」

 

 ハッと優は周りを見渡す。クラス中の視線が集まっていた。

 

(わ、私……何してたっけ?)

 

 熱くなってしまった自分の行動に恥ずかしくなり、カアアアと頬を真っ赤に染める。

 

「ご、ごめんなさい……」

 

 か細い声で謝り、視線から逃れるように優は大人しく席につく。が、当然逃げれるわけも無い。特に優に好意を抱いている男子がこれを逃すわけがない。結果、視線を感じ優は真っ赤な顔のままだ。

 

 ツナ、グッジョブ!と指を立てられ、ツナはもう苦笑いするしかない。

 

 このまま話が流れれば良かったのだが、優が謝ったことで根津は理解したと思い、ツナと獄寺に嫌味を言ったのだった。

 

 

 

 

 休憩時間になり、復活した優はもう1度ツナに謝る。

 

「ごめん。迷惑かけちゃった……」

「いいってば。それにオレも嬉しかったし」

「ツナ君……」

 

 和やかな空気が流れるのをぶった切るように、ツナと獄寺の呼び出しの放送がかかる。

 

「私も一緒に行くよ!」

「大丈夫だよ。それに優は何もしてないし」

 

 オレも何もしてないけど……という言葉を飲み込み、ツナは優を落ち着かせる。ツナは優と獄寺の接触を出来るだけ控えたかったのだ。

 

 実は、獄寺がファミリーに入ると宣言した後に、リボーンが余計なことを言ったせいである。

 

「まずは風早優っていう奴ぐれーに、ツナに信頼されねーとな」

 

 この言葉のせいで、獄寺は優の存在を知ってしまったのだ。優をマフィアに関わらせたくないと思ってるツナは当然リボーンに怒る。

 

「優にボンゴレやマフィアとか、そういうのを教えるなって何度も言ってるだろ!」

「オレは獄寺に教えただけだぞ。ツナが1番信頼してるのは優で間違ってねーしな」

「……1番」

「ああ、そうだぞ」

 

 ひいいいと頭を抱え、ツナは獄寺に何度も優にダイナマイトを見せたり、怪我させちゃダメなどと注意をしていたのだった。

 

 その前に盗み聞きをやめた優は、ツナの考えを知る由もなく、若干落ち込みながらも言われたとおり教室でツナの帰りを待つことになった。

 

 

 

 

 はぁと溜息を吐く。

 

「辛気臭いわね、なに溜息はいてるのよ」

 

 優が顔をあげれば、そこには黒川が居た。

 

「ご、ごめん」

「別に謝ってほしくて言ったわけじゃないわよ。そんなに沢田が心配なの?」

「そういうわけじゃないけど……」

 

 原作を知っているのでツナが上手くやることは知っている。さらにツナと接したことで、大空のようなツナの安心感を何度も肌で実感している。怪我などの心配はしているが、ツナが獄寺をファミリーに出来ないという心配は一切していなかった。

 

「じゃ何よ」

 

 今まで当たり障りのない付き合いしかしてなかった優は、友人関係で悩んだのは初めてで、黒川に相談することにした。

 

「……あんまりツナ君に信頼されてないかなって。話してくれないし……」

 

 困ったことがあれば言ってねと友達になった日から何度も声をかけているのに、未だにマフィアの話を聞いていない。友達だからといって全て話してほしいとまでは思わないが、ツナにとってリボーンの登場は一大事のはずだ。

 

 その割りに、自分から関わろうとしないので、更に優は落ち込むのだ。

 

「沢田はあんたに頼りっきりじゃない」

 

 呆れたように話す黒川に、優は困ったように眉を下げる。重症と判断した黒川は、言葉を続ける。

 

「それと、大事にしてるから話せないってこともあるわよ」

 

 優は瞬きを繰り返す。今までその考えには辿り着かなかったのだ。

 

「まっ最近の沢田は変だから、話してほしいって思う気持ちは普通のことよ」

「ツナ君は変わってないよ。ツナ君はツナ君だもん」

「じゃ、あんたがそういうならそうなんだろうね」

「え?」

「あんたが1番沢田のことをわかってるじゃない」

「そうかなぁ」

 

 リボーンの姿が浮かぶので、優は黒川の言葉に曖昧に返す。が、「そうよ!」と黒川に断言され、優は笑みをこぼれた。

 

「ありがとう、ちょっと自信が出た」

 

 ツナが話さないのは、巻き込みたくないと思っている可能性に優は気付いたのだ。

 

「いいわよ。で、正直なところ……ツナのことどう思ってるの?」

「黒川さん?」

 

 いきなり話が変わり、優は首をひねる。

 

「花でいいわよ。で、どうなのよ」

「ツナ君とは友達だよ」

「恋愛感情は一切ないの?」

「ない、ない。私はツナ君を応援してるだけ」

「ですって。良かったわねー」

 

 周りを見渡しながら、大きな声で黒川は言った。聞き耳を立てていた男子達はビクッと肩が跳ねる。鈍感の優は当然気付かず、黒川の言葉に疑問を浮かべるだけだ。そして、優の反応を見て黒川は溜息を吐く。

 

「京子と同じレベルのようね……」

「えーと……何が?」

「こっちの話よ。それより、再来週のオニギリ実習なんだけど一緒に組まない? 他にも京子……笹川京子も誘ってるわ」

「ありがとう。よろしくね、花」

「よろしく」

 

 優と黒川の話がちょうど途切れた時に、グラウンドから爆発のような音が響く。

 

(ツナ君、頑張れ!)

 

 黒川のおかげで気持ちが軽くなった優は、心の中でツナの応援したのだった。

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