【改稿版】リボーンの世界に呼ばれてしまいました   作:ちびっこ

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分けたのに長い。


後処理 2

「優、信憑性はどれぐらいあるんだ?」

「私はウソとは思えないよ」

 

 優の返事に2人は驚くことはなかった。曖昧な情報を2人にだけならまだしも、ツナに話すわけがないとわかっていたからだ。ただ、続く優の言葉には驚く羽目になった。

 

「話せない内容に関係しているから上手く説明は出来ないんだけどね」

「……呪いだけじゃねーのか」

「主な内容って言ったはずだよ」

 

 ポツリと呟いたリボーンの言葉を聞き、優はニコリと笑って答えた。その時にディーノの顔色を窺うことは忘れなかったが。

 

 しばらく沈黙が流れ、優が軽く息を吐いてから口を開いた。

 

「使命は、私をアルコバレーノにした人に会って聞いたんだ」

「……優、それは本当か?」

 

 ピクリと反応したリボーンに代わり、ディーノが確認するように声をかけた。当事者ではないディーノが間に入った方が、穏やかに話が進むと判断したからだ。

 

「会ったというのは少し違うかもしれませんね。また声しか聞いてないから……」

 

 リボーン達が望んでいる内容を掴むことは出来なかったと優は首を横に振る。

 

「正直、どこまで話していいのか私にもわかりません。……私は知りすぎました。でも知らなければ、ならなかった」

 

 何も知らずにこの世界に来た場合、優は警察に保護されていただろう。そして自身の戸籍がないと知ったはずだ。目を逸らしていたため確認していないが、もしかすると前世で住んでいた家……最悪の場合は地名すらないかもしれない。同じ日本でも世界が違うのだから。

 

「今のところ話せる内容で重要なのは、あの人と再び接触する可能性があるぐらいです。……また声だけの可能性が高いですけどね」

「そうか」

 

 返事だけで問い詰めようとしないリボーンに優は肩の力を抜いた。問い詰められても答えられないからだ。

 

「他に聞きたいことはない?」

「おしゃぶりについて聞きてーぞ」

 

 優は何度か瞬きを繰り返す。2人が聞きたいのは優がどこで確証を得たのかだけだと思い、話を終わらせるために質問をしたのだ。まさか他にもあるとは思わなかった。

 

 リボーンの話を聞くと、今までに優がピンチに陥るとおしゃぶりが光ることについて、何か心当たりがないかということだった。ツナがいない時に聞いたのは、あまりアルコバレーノの話を聞かせたくはないのかもしれない。

 

「心当たりはあるかな……。聞いてはいないんだけど、多分そうだと思う」

 

 気まずそうに優は笑い、ゴソゴソとおしゃぶりを服の中からだし2人に見せた。もちろん袋はしたままだが。

 

「この袋を作ったの、お師匠様なんだ」

「雷戦に現れた奴か?」

 

 情報は聞いていたのだろう。ディーノは確認するように優に声をかけた。

 

「私に死んで欲しくないって言ってるし、お師匠様は優しいから」

「優の師匠はどこで何をしてるんだ?」

「何してるんだろうねー」

 

 そういって優は視線を上へとあげる。一見誤魔化しているようにも見えるが、これは本当に知らないという反応である。誤魔化そうとする時、優は笑う。リボーンとディーノはそれをよく知っていた。

 

「いろいろ動いてるみたいだけど、私達に害を与える人じゃないよ。あ、でも雲雀先輩には生意気って言ってよく怒ってますね」

 

 ディーノは頬をかいた。生意気というのは雲雀が優と付き合っているからだろうと。しかしそれで少しは安心できた。優のことを大事にしているのは明白だ。

 

 ドタバタと階段を駆け上がる音に気付き、優はリボーンとディーノに視線を送る。すると、2人は首を振った。これ以上、聞きたいことはないようだ。もしくはツナが合流していては質問する気がないのか。どちらにしろ、話はもう終わりだろう。

 

「リボーン、ランチアさんが1階にいたんだ!」

「ああ。オレが誘ったからな」

「そうだったの!?」

 

 ツナが戻ってくるのが遅かったのはランチアと挨拶していたからだろう。そしてその時間を計算してリボーンはツナへ着替えに行くように促したようだ。思わず優は感心したように息を吐いた。

 

「そうだ! それで、話はどうなったの!?」

「ヴェントの正体はボンゴレの機密になったぞ」

「ボンゴレの機密ーー!?」

 

 叫ぶほど驚いたツナに隠れるように、優も驚いていた。

 

「そうしたほうがいいかもな。ヴァリアーの口止めもあるんだ」

 

 安心させるようにディーノは優の頭を撫でた。気にせず甘えればいいといっているかのように。

 

「助かります。ありがとうございます」

 

 まだ学校に通っていたい優は素直にお願いしたのだった。

 

 

 

 

 話が終わったので帰るつもりだったが、リボーンに誘われ優はパーティに参加していた。盛り上がっている中、優はディーノと話をしていた。

 

「本当にいいんですか?」

「ああ。9代目もそれを望んでると思うぜ」

 

 9代目の意識が戻り無事だと聞いたが、安静にする必要があるはずだ。そこで優の体力を渡せば、回復が早くなると思い声をかけたが断られたのだ。

 

「それよりもっと食えよ」

 

 話をかえるためにディーノは振ったのだろう。そのため優は笑うしかない。

 

「……何かあるのか?」

「あ、いえ……。ただ食欲があまりなくて……」

 

 心配していそうなディーノの反応に思わず優は本当のことを話してしまう。

 

「昨日からまったく食べていないとか言わないよな?」

「大丈夫です。オニギリを1つ食べましたよ!」

「それだけなのか!?」

「すみません! すみません!」

 

 反射的に優は謝る。自信満々に1つは食べたと言い切った時と態度が違いすぎる。これを見て、声をあげて詰め寄りすぎたかとディーノは自身の失敗を悟る。慌てて優の頭を撫でて落ち着かせる。

 

「怒ってるわけじゃないんだ。他に身体の異変は?」

「特にありませんね。雲雀先輩もですが心配しすぎですよー」

 

 大丈夫と優は笑う。誤魔化していると気付いたディーノは、当然流されない。

 

「検査だな……」

 

 ポツリと呟いたディーノの声にガクリと優は肩を落とす。やはり好んで病院に行きたいと思わないのだ。

 

『明日の朝には戻るぞ』

「え!?」

 

 頭に響いた内容に驚き、優は思わず声をあげてしまう。慌てて口を押さえたが、ディーノが見逃すはずがない。

 

「その、お師匠様が明日には食欲が戻ると……」

 

 未来のことなのに教えてもいいのか不思議でしかないが、神が話してもいい判断したのだ。優が心配しても意味がない。

 

「骸とクロームみたいに話せるのか……」

 

 優の判断でどこまで答えていいのかわからず困っていると再び頭に神の声が響く。そのため優はそのままディーノに伝えた。

 

「えっと『検査をしたいなら、根回しをしてからにしろ。別にオレがしてもいいが、これから優の面倒を見るつもりならそれぐらいやれ』と……」

 

 決して優の言葉ではないが、内容が内容なのでディーノが怒っていないかと恐る恐る顔色を伺う。神を優先したが、オブラートに包んだ方がよかったかもしれない。

 

「大丈夫だ。わかったと伝えといてくれ」

 

 いつものディーノの雰囲気に優はホッと息を吐き、笑顔で頷いたのだった。

 

「ちょっと優、こっちにきなさい!」

 

 突然黒川に呼ばれ、優は首を傾げる。ディーノが気にするなという風に背を押したので、不思議に思いながらも優は京子と黒川がいる場所へと向かう。

 

「今日は逃がさないわよ!」

 

 ビシッと黒川に指をさされ、ついでのように優はおでこを突かれる。

 

「わっ、だから痛いってば……!」

「あんたいい加減にしなさいよ!」

 

 突かれて被害を受けているのは優のはずなのに、怒られる。

 

 はぁと溜息を吐き、黒川は手を下ろして口にした。

 

「優、雲雀恭弥に群れるなって言われたの!?」

「雲雀先輩がそんなこと言うわけないじゃん!」

 

 そうよねと黒川は頷いた。雲雀は優に甘いのだから。他の風紀委員に強制していることでも優にはしない。

 

「私達が嫌いなの?」

「そんなわけないじゃん!」

 

 優は首を横に振った。

 

「……どうして、私達を避けるの?」

 

 今まで黙っていた京子が確信をつく言葉を放った。優は真っ直ぐな目をしている京子から目を逸らしてしまう。

 

「私達、友達だよね?」

 

 未だに目を逸らしているが、優は必死に頷いた。

 

「いたっ!」

 

 ピンッとデコピンされ、優は額を押さえ実行した黒川を見る。

 

「うだうだ考えなくていいの! 友達だから一緒にいる! わかった!?」

「……花、京子ちゃーん!」

 

 黒川の言葉に、優は思わず京子に抱きついた。

 

「どうしてそこは私じゃないのよ……」

「だって、痛いんだもん」

 

 ペシッと軽くおでこを叩かれ、優は吹っ切れたように笑った。

 

 それから優はふらふらとあっちこっちと顔を出す。このような集まりでは自然とグループに別れるのだが、一箇所に留まる気はないようだ。その中でもツナとディーノの近くに居る時間が長かった。だが、やはり1番は……。

 

「あの、山本君のお父さん。少しだけお持ち帰りしてもいいですか……?」

 

 図々しいお願いだとわかっているので、徐々に優は小声になっていく。そんな優に対して、二カッと笑って気前よく山本剛は返事をした。

 

「ん? 風早、帰るのか?」

「……ごめんね。雲雀先輩に持って行きたいなって思って……」

 

 パーティに水を差すとわかっているが、雲雀にもどうしても届けたくなったのだ。それに雲雀はリング争奪戦で優のために何度も無茶をした。

 

「そっかそっか。親父、しっかり頼むぜ!」

「おうよ!」

 

 雲雀の好みをしっかり把握しているらしく、優が何も言わなくても雲雀の好きなものが多い。

 

 包みを受け取ったとき、優は満面の笑みを浮かべ頭を下げた。

 

「ありがとうございます! 雲雀先輩、絶対喜びます! 山本君の家のお寿司大好きなんです!」

 

 山本親子は顔を見合わせて笑いあう。先程の笑顔を見れば、優が持っていくだけで、雲雀は喜ぶだろうと。

 

「ヒバリによろしくなのな!」

 

 コクコクと頷き、集まったメンバーに帰ると声をかける。雲雀へと届けるんだと幸せそうな優を無理に引きとめようとはしない。……もっともランボは駄々をこねたが。

 

 どうしようと困ってる優にツナが声をかける。こっちは大丈夫だから、と。

 

 何度も礼を言ってから去った優を見送った後、ツナは泣き出したランボをあやす。

 

「また優は遊んでくれるって。優はヒバリさんのところに行くんだから、ガマンしなきゃ」

 

 雲雀の元へと向かう優を止めるのは自殺行為なので、ツナはランボに言い聞かせる。優もランボに好かれて大変だなと思いながら。

 

 その時に、ふと10年後や20年後のランボのことを思い出し、まさかなぁ……とランボを覗き見る。

 

 ハルから貰ったお菓子ですっかりご機嫌になった姿を見て、気のせいだよなとツナは笑った。

 

 

 

 

 家に帰り、制服に着替えた優はすぐさま学校に向かった。そして軽い気持ちで応接室をノックし入る。

 

 優の姿を見た途端、僅かに肩の力を抜いた草壁が見えたので首を傾げる。

 

「何かあったんですか?」

「なんでもないよ」

 

 どうやら教えるつもりはないらしい。だが、草壁の様子から見て、優ならばバレてもいいようにも思える。

 

「急ぎのようなら、手を貸しますよ。今のところ近くには居ませんが、校舎を直すために術士が何人か潜り込んでますし。人に聞かれないほうがいい内容だったらですが……」

 

 チェルベッロに校舎を直す許可を雲雀は出している。不法侵入ということで追い出すのはあまりにも怪しい。そのため急ぎでなければ、今ここで話さない方がいいと優は助言したのだ。

 

「……優は聞いてもいいよ」

 

 つまり聞こえないようにしてほしいらしい。

 

 優は軽く返事をして、風を操り音をもれないようにする。

 

「もう大丈夫ですよ」

 

 雲雀は草壁との話で忙しそうなので、優はお預け状態である。溜まっている書類をしてもいいのだが、やはり話の内容が気になる。

 

 会話に加わることなく、ふんふんと黙って聞いていたが、内容が内容なので挙手してみる。

 

「なに」

「そのお金はどこから出すんですか? そこまでの余裕ないですよね?」

 

 雲雀は地下に風紀委員のアジトを作りたいと考えていたのだ。この時期から考えていることに驚いたが、今の段階では夢物語である。書類担当の優は当然予算の計算もしているので、経済状況がわかるのだ。

 

「作ることに対して反対をしてるわけではありません。ですが、今は難しいと思います。まずはお金を溜めるべきです」

 

 そういって、今すぐ取り掛かろうとする雲雀に待ったをかけた。

 

「……それじゃ、遅い」

「どこかの建物を借りるのはダメなんですよねー……」

 

 雲雀が優に頼んでまで声を漏らさないようにしているのだ。表立って借りることは出来ない。また風紀委員が使ってることを悟らせたくないのだろう。だから地下アジトなのだ。

 

「うーん、一流の術士を雇う方がお金がかかりますもんね」

 

 普通の建物を買って常に術士を雇う手もあるが、それをするならば地下に作ったほうが経済的に良心的だ。それでも地下にアジトを作るのは容易ではない。

 

「私、お金には困ってないので出しましょうか?」

「いやだ」

 

 それは雲雀のプライドが許さないらしい。困ったものだ。

 

 もしかすると優の姿を見て草壁の肩の力が抜けたのは、雲雀の暴走を止めたかったからかもしれない。

 

「とりあえず、休憩をしませんか? お寿司の差し入れを持ってきたんです。早く食べないと美味しくなくなりますから」

 

 食べて食べてという優の視線に気付いた雲雀が提案をのみ、話は中断になる。優はすぐさま準備をし始め、草壁にもお寿司を勧める。争奪戦の影響で雲雀が不在になり、副委員長の草壁に皺寄せがおきていたはずだ。

 

「風早さんは召し上がらないのですか?」

「私は先程頂きましたから」

 

 安心させるようにニッコリと笑っていると、雲雀から視線を感じた。どうやらウソだとバレているらしい。

 

「……お師匠様曰く、明日には治ってるみたいです」

「ふぅん」

 

 仕方なく正直に話したにも関わらず雲雀の機嫌が戻らず、優はガックリと肩を落とした。……そもそも、雲雀は師匠という存在が気に食わないので当然の結果だ。

 

「あ、そうだ。お師匠様に地下アジトを作ってもらいます? 多分私が出入りするなら作ってくれますよ」

「いらない。……でも作りなよ」

 

 雲雀は使わないが、作っておけと言われ優は使うことがあるのかなと思う。だが、ヴェントの正体はボンゴレの機密にまでなったのだから、いつか使う時がくるかもしれない。雲雀の言うとおり従った方がいいだろう。時間をかけたが、優はしっかりと頷いた。

 

 すると、視界の端で草壁が安心したような息を吐いた。

 

「どうかしましたか? 草壁さん」

「とても美味しいと思いまして……」

「草壁、話は終わってないよ」

 

 食事をしている間ぐらい、ゆっくりさせてあげなよと優は呆れたように息を吐き、口を開いた。

 

「雲雀先輩、無理なものは無理ですよ。ですから、もっと現実的に考えましょう」

 

 ムスッとしているが、反論はない。雲雀も本当はわかっているのだろう。

 

「まず空き家を押さえましょう。地下アジトを作るだけの資金を貯まった時に、動きやすくなりますから。それぐらいなら今の資金と雲雀先輩の力でなんとかなります」

 

 たとえお金が貯まってすぐに地下アジトが出来るわけではない。それ相当の時間がかかる。まずは根回しからしていくべきだ。もっとも神の力を使えば、時間はかからないだろうが。

 

「……わかったよ」

 

 渋々でも返事をしたので優はホッと息を吐き、草壁に笑いかけた。すると、草壁が頭をさげた。予想通りかなりの無茶振りをしようとしていたらしい。

 

「そういえば、どうして地下アジトを作ろうと思ったんですか?」

「……隠したいものがあるから」

「へぇ。雲雀先輩の大事な物なんですね。いいなぁ……」

 

 はっきりと教えてもらえないことを残念に思いながら、優は相槌をうつ。雲雀が人の目から隠したいほど大事な物らしいと考え付き、優は羨ましく思ったのだ。

 

「委員長が隠したいのは……」

「草壁」

 

 どうやら草壁は知っているらしい。しかし雲雀に口止めされたので教えてくれないのだろう。グッと押し黙った草壁を見て、優は話題をかえる。

 

「あ、そうだ。もし地下アジトに私も出入りすることになるなら、風通し良くしてほしいです。戦法が限られてきますし、多分風が私を心配すると思うんですよねー」

「そうだろうね」

 

 心当たりがある雲雀はサラッと返事をしたが、草壁はあまりの内容に目を見開いていた。

 

「……怖いですか?」

 

 弱弱しい優の声で我に返った草壁は視線を合わせてゆっくりと首を横に振った。

 

「風早さんは風早さんですから」

 

 草壁の返事に優は何度か瞬きを繰り返した後、微笑んだ。

 

「……優、帰るよ」

「えっ? 帰るんですか?」

 

 慌てて雲雀の方を見れば、綺麗に食べ終わっており立ち上がっていた。急いで片付けようとする優に草壁が待ったをかける。

 

「ここは大丈夫です。行ってください。委員長がお待ちです」

「すみません! ありがとうございます!」

 

 雲雀の背中と草壁を交互に見て、優は頭を下げてから雲雀の後を追いかけた。

 

「すみません。お待たせしました」

「……どこか行く?」

「あれ? 帰るんじゃなかったんですか?」

 

 優の疑問に雲雀は答えない。不思議そうな顔をしながらも優は、大人しく雲雀の手の届く範囲で居たのだった。




明日も朝が早いのに、音楽番組を見てテンション上がって寝れなくなったから更新w
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