ディエス・イレ ~外れた刹那の体現者~ 作:キリ
『さあ、今宵のグランギニョルは少々私の望まぬ役者がいるがそれもまた未知なる結果を出すのか否か・・・
さあ、私に未知の結末を!
では、今宵のグランギニョルを始めよう』
とある教室
「オーイ、蓮こいつやっといてくれないか?」
箒や塵取りを蓮に押し付ける一人の少年
周りの生徒達は『また恭夜が蓮に雑用押し付けてるぜ』とか言っているのでいつもの事なのだろう
「・・・わかった」
それに答えた少年は余りにも元気がなく、虚ろだった。
しかし、その少年こそかの黄金の獣や水銀の王と互角に戦えることになる藤井蓮その人であるのだか・・・
「じゃあ、俺は香純と展示会に行ってくるぜ。
じゃあな」
どうやらこの物語は、大きく狂ってしまったようだ。
そして、蓮はそれに答えずに掃除をしてさっさと帰った。
「・・・なんで、俺はこんな嫌な人生をおくってるのかな?
『我が手にあるのは退屈と憎しみ・・・』
いや、俺は何をいっているんだか」
帰り道そんな言葉をこぼして・・・
恭夜サイド
綾瀬香純と展示会に行った後の恭夜は心のそこから喜んだ。
なぜなら
「ふふふっ、やったぞ!
ついにこの聖遺物を、マリーを手にいれた。
この為にずっと体を鍛えといて良かったぜ。
さあ、ここからは俺の時間だぁ!」
そう、彼の言う通り蓮の相棒たる聖遺物が恭夜に反応し、適合したからだ。
『どうしたの?
恭夜?』
「いや、なんでもないぞ、マリー。
心配してくれてありがとうな」
『エヘヘ~』
恭夜サイドアウト
そして、その夜物語が根本的に覆る
「まだ、スーパーの品残ってるかな?」
そう言って夜のスーパーを目指す蓮の前に
「私は認めない。
女神の近くにいるのが彼奴などとは・・・
女神の近くにいて良いのは私だけだ!」
と、ボロボロの布を羽織ったメリクリウスであった。
それを見た蓮はいつもの癖で無意識に言ってしまった。
「あの、相談に乗りましょうか?」
と・・・
蓮の家
「いや、悪かった。
君に愚痴や相談にのってもらって助かった。
あのままでは私は我が友ではないがこの世界を壊すところであったよ」
「いえ、大丈夫ですよ。
それにいつでも相談に来てください。
一応近所では悩み相談のプロって言われてますから」
「あぁ、ありがとう。
私も女神以外に興味を持ったのは初めてだ。
周りの連中は嫌な顔をするのでな。
悩み事は我が友以外聞いてくれないのだ。
ゆえにありがとうと言わせていただきたい」
「まあ、
「ふふふ、頼もしいな
おっと、そろそろ私はおいとまさせていただこう」
「はい、また悩みがあったらいつでもどうぞ」
「また、来ても良いのか?
ならばそうさせていただこう」
そう言ってメリクリウスは帰っていった。
「む?
あの聖遺物が私の元から消えた?
そんな馬鹿な!
不味い、あれはあってはならないものだ。
急いで探さねば・・・」
そんなメリクリウスの一幕があったとはしらない蓮は、ずっとメリクリウスが帰ってから頭のなかに響く歌があった。
『我が手にあるものは退屈と憎悪で、私はそれを壊したい。
故に私は復讐者であり反逆者である。
私は彼の者の遠き理想郷を壊し、近き絶望を示さん!
形成
アヴェンジャー・モルドレット』
「・・・変な歌だが、何処か懐かしいような?」
そう言いながら、その歌詞を一言一句間違えずに歌った蓮。
すると、突然頭の中に声が響いた。
【汝に問う、汝の渇望はなんだ】
「っ!
誰だ!」
【我らの名は無い】
「あ、律儀にどうも・・・じゃなくて
どこにいるのさ?」
【我らはどこにでもいる。
そして、我はいま汝の中にある】
「えーっと、随分ファンタジーだな」
【で、汝に今一度問う、汝の渇望はなんだ】
「僕は
だから、それを邪魔したりする者には死んでもらうよ」
そういって、蓮の意識は闇に沈んだ。
【では、我が主よ。
貴方の渇望を満たすために私が行こう】
そう言って蓮の体を操り、アベンシャー・モルドレットは転生者の元へととんだ。