リメイク版『異常な普通』も異世界から来るそうですよ? 作:しにかけ/あかいひと
無くした小説を見つけましたので更新再開です!
…………嗚呼、健太書いてる時が1番安定するぅ。
「いいですか!? 本当にいいですか!? 確かに、皆様のご要望にはなるべく沿いたいと思いますが、こういう問題行動となれば話は別です!! 以後はこういうことは無いよう、自重してもらいたいと─────────」
「「分かった分かった、赤ウサギ」」
「く、黒ウサギは赤ウサギではありませんっ!!!」
いやー、赤…………もとい黒ウサギ弄りが楽しくなってきちゃったぜ。
「いやでも真面目な話、その赤髪はどゆこと? なんかウチの親友も似たよーなことできるから気になる」
「こ、これはですね、黒ウサギの戦闘意欲などが高ぶったりすることでこうなってしまうのです。だから決して…………決して元が緋いわけでは──────」
「あーあー分かった分かった。落ち着け落ち着け」
と、黒ウサギを落ち着かせ髪の毛の色を戻すのにかかった時間が10分。
「それでですね…………この蛇神様を倒したのは十六夜さんと健太さんのどちらなので?」
「この蛇神を圧倒してぶっ倒したのは逆廻クンで、」
「起き上がりそうなこの蛇の意識を刈り取ったのは景山だ」
「い、一応お聞きしますが…………御二方は人間ですよね?」
「おう。この方生まれも育ちも人間だぜ」
「「う、嘘臭い…………」」
ハイド◯カノンっぽい技をただの腕力で一蹴できる奴は人間とは思えません。
「あ、ちなみに僕は半分は人間なんでそこんとこよろしくっ!」
「半分!!? じゃあもう半分はなんなんですか!!?」
そうだねぇ…………なんて答えて良いものやら。
「ほーん? さっきまで隠す気満々だった癖に。話す気になったってことか?」
「まーねー。面倒だからってのと、信用仕切れてないから話すの嫌だなーって思ってて」
「じゃあ尚更腑に落ちねぇ。これはただの推測だが、そう簡単に他人を信じるタチじゃねぇだろお前」
仰る通り。てか信じる云々の前に、表情から嘘本当を見抜きに掛かってる時点でお察しね。
「でもさー。よくよく考えたらこれから『ノーネーム』復興の為に力を合わせなきゃいけないわけじゃん? 無理にでも信用したりさせたりしないと、支障が出ると思ってサ」
「で、まずは自分のことを明かすところから始めよう…………ってことか」
そゆこと。ま、だからと言って君らにそれは強制をしないけどね。
「まあでも本当なんて言ったら良いのやら…………まあ、半分人間で半分[基準]とかの概念で出来てるって認識でいいよ。おおよそ間違ってないし」
それの応用と悪用を繰り返したら、身体を元に戻したり、消したり無くしたりできるってだけの話。
「人間としての必要な部分を捨てちゃったから、僕は『半人半念のバケモノ』って自称してるよ」
「…………成る程? 人間味を感じられねぇ程行き過ぎた凡庸な見た目と雰囲気なのは、その[基準]とやらの影響か」
「ざっつらい」
「黒ウサギの耳に引っかからなかったのも、もしかして…………」
「うん。定数Xに[0]を足しても変化が無いように、その空間の[基準]と同化してしまえば変化なんて無いから認識できないよねーって話」
「そ、そんな…………そんな恩恵が存在したなんて…………」
恩恵、ねぇ? 恩恵というより、その概念そのものの擬人化って方がしっくり来るんだけど。
「そんなわけで僕は殺しても死なねーバケモノってこと。やー、黒ウサギもツイてないね。復興の足掛かりで呼び出したのに役に立たなさそうな人間擬きを喚んじゃってさ」
「そんなことありませんよっ! もしそれが本当ならば、とんでもない力ですよ!?」
お、おおう。なんかよー分からんけど落ち着いてーな黒ウサギ。
「そうか、頭の出来も[基準]に」
「確かにそーなんだけどそこはかとなく馬鹿にしてるだろ逆廻クン!!?」
呆れと嘲りが混ざったその顔がめっちゃ腹立つ!!
「とりあえず、ここまでのお前の謎については解明されたってことか。黒ウサギ、こいつみたいな半分概念で出来てるような奴は箱庭に居たりするのか?」
「いえ…………おそらく存在しないかと。概念そのものみたいな方は存在しますが…………」
「へぇ?」
…………なーんか、ターゲットロックオンされたよーな。
「………みたいな…………居るもんなんだな」
聞こえてきた言葉は、嬉しそうな声音だったが…………聞こえなかったことにした方がいい気がした。
◇◇◇
まあ、そんな僕の話は置いといてー。
「それよりも黒ウサギのことだよ黒ウサギの」
「ん? 黒ウサギについて何か疑問でも?」
いやいやアンタ、自分が黒ウサギって名前だということと、ウサギって種族なことしか教えてくれなかったじゃんか!
「ねー逆廻クン。この赤とも黒ともつかねー赤黒ウサギとあの蛇神、どっちが強そうに見える? あ、見た目の話じゃなくて感覚的にって話で」
「あのー…………そんな血が固まった色みたいに言うの止めてくれませんか?」
「そりゃこの血赤ウサギだろ」
「悪化したっ!!?」
とまあそんな弄りは置いといて。
「ってことで、別に僕ら喚ばなくても、黒ウサギがゲームなりで頑張ればある程度は復興できて、こっちで人材集めできたんじゃね? って話。なんせこの蛇神よりも強そうだもん、神より強いとなれば人間に遅れを取るなんてありえなさそうだし」
「えっと、質問に答えますと。それはウサギ達が『箱庭の貴族』と呼ばれるコトに由来します。ウサギ達は、『主催者権限』と同じく『
ふーん? じゃあ、『ジャッジー!』って呼んだら赤くなって飛んでくるのかな? まあそんなことはないだろうけど。
「…………ああ、成る程。その耳に自信があったのはそういうことか」
「えっ?」
「僕が思うに、その『審判権限』とやらを持ったウサギが審判を務めた場合、ゲームの違反行為ができないなどの、ゲームを極めて公平に進められるようになる。相違は?」
「ありません、その通りです。ウサギ達が審判をした時点でルール違反=敗北となります。それは、ウサギ達の意思とは無関係に決定してしまいます。それでも無理に判定を揺るがすと、爆死してしまいますが」
「過激だなオイ」
まあ、ここも予想の範囲内。…………ウサギと共謀しようとかは思ってないからね?
「で、審判をするに当たって、ゲーム舞台は正確に把握する必要がある。でも、『箱庭の貴族』なんて言われるぐらいだ、ウサギの絶対数は少ないだろうから副審みたいなのがいるとはあんまり思えない。だから…………その耳とかがゲーム舞台を全て把握できるようになってんじゃないの? って話」
僕が黒ウサギの背後によって耳を掴んだ時、『どうして反応できなかった!?』みたいな顔してたしね。そういうブツならば、信じられないような顔をするのも理解できるっていうか。
「…………健太さんって、本当に半分人間なんですか?」
「酷いっ!!?」
まるで僕が完全な人外みたいに言うの止めようよ!!
「話が逸れ過ぎだお前ら。で、その『審判権限』には他にも制約があるんだろう?」
「Yes。『審判権限』所持の代償として、幾つかの縛りがあります」
1.ギフトゲームの審判を務めた日より数えて15日間はゲーム参加不可
2.『主催者』側からの認可が無ければゲーム参加不可
3.箱庭の外で行われているゲームの参加不可
「他にもございますが、だいたいこれらの縛りがあるために黒ウサギはゲームに参加するなどといったことができないのです。できないわけではないのですが、まず黒ウサギがゲーム参加を希望すると参加出来るか否かに関わらず眉を顰められますね。そうなってさらに悪評を広めるよりも、審判としての仕事を受け持つ方が長い目で見ても、稼ぎ的にも良かったのです。黒ウサギの収入が『ノーネーム』の唯一の稼ぎですから」
なーるほどね…………。
と、いうか黒ウサギってばめっちゃ苦労人…………否、苦労サギじゃん。弄るのちょっと自重しよう。
◇◇◇
まあそんなこんなで、あの蛇神からゲームの勝利報酬である水樹の苗(どうも空気中の水分を吸収して云々で綺麗な水を排出する木の苗)を徴収したところで、僕らは本来の目的である世界の果てまで来ていた。
…………で、逆廻クンと黒ウサギがいい雰囲気だから離れた場所で1人黄昏てるわけだが。
「わぁお…………絶景絶景」
目の前に広がる巨大な滝。盗み聞きするに、横幅2800mほどもあるのだとか。
「夕焼けに染まって朱くなってるのななんとも…………あ、虹も見えてら」
日本ではお目にかかれない光景だから、感動も一入である。
「に、しても…………」
そろそろ来ると思ったんだが…………まあ向こうが立て込んでたらこんなもんか。
元の世界にいる…………はずの自分の親友に想いを馳せながら、僕は絶景を眺め続けるのであった。
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「ヒャッハー! ただいま健太ー☆ …………ってアレ? 健太ドコ!!? 親友置いてドコ行っちゃったの!!?」
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