死神と艦娘の物語   作:ゆーなぎー

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(この頃の)いつもと書き方違うので注意です。


chapter 5-3 提督救出作戦

 大和です。

 なんという事でしょう。提督が攫われてしまいました。

 直ぐに助け出そうにも、あの総司令らしき人物の姿はすぐに消えてしまいました。

 

 何故攫われたかわかったのか?何故そう思うのかと言うと、

 

 譲治「じゃあね。お嬢さん方、こいつらを生きて返して欲しければ私の居場所を当ててごらん」

 

 と、とんでも無い殺気を放ちながら言ったからです。

 

 あの人の身のこなしは素晴らしかったです。

 部屋に入った時の気配も姿も全くとらえることができませんでした。

 だから臨戦態勢に入るのも遅れてしまいました。

 そして、執務室から出る時も影も形もなく消えてしまいました。

 

 熊野さんは涙をながしています。

 天津風と祥鳳さんが慰めてます。

 

 許せない…。許せません!

 今すぐあの

 

 必ずやあの不審者から提督たちを連れ戻さなければ!

 

(そうすれば、あの提督にまた一歩近づけるかな?)

 

 という事も思っています。

 

 提督と深い関係になるにはまずお互いが深く結びつかなければ。

 大和は恋愛に関しては一歩ずつ着実にというタイプです。

 でもたまに段階をすっとばすかもしれませんが気にしないでください。

 

 話が逸れましたね。

 とにかく提督を救出するための手筈を、

 今日の秘書艦は私なんだ。だから私がしっかりしないと。

 

 大和「天津風、夕張と連絡を取って」

 天津風「わかったわ!」

 大和「祥鳳さん艦載機の調子は平気?」

 祥鳳「大丈夫ですけど、どうするんですか?」

 大和「夕張が来てからのお楽しみよ」

 大和「熊野さんは近くにいる人に聞き込みお願いできますか?」

 熊野「ぐすっ、泣いてばかりはいられませんもの。私もやらさせて頂きます」

 

 私は提督のノートPCを立ち上げる。

 私は、夕張がくるまでにあの総司令官が本物か調べておこう。

 

 夕張を待っている内に、遠征の皆も帰ってきました。

 

 夕立「ねぇ、提督さんは?」

 村雨「おかしいわね。何で居ないのかな?」

 

 夕立、村雨が不安そうな表情で聞いてきます。

 

 大和「提督達は…誘拐されました」

 響「なっ?!」

 雷「えっ?!」

 電「なのですっ?!」

 

 響たちが可愛らしいリアクションで返してくれました。

 とても可愛らしい。提督も甘やかしたくなるのがわかる気がする。

 

 だけど今はそれどころじゃないわ。

 

 響「誰が!?何で?!!」

 

 響が私に噛みつくような勢いです。

 凄く迫力があります。提督に甘えているときもあまり表情を変えないのに、今は顔いっぱいに怒りを表しています。

 

 大和「提督たちを誘拐したのは神尾譲治総司令官です。誘拐した動機は不明よ」

 

 遠征組に衝撃が走ったようね。

 こんな事、言われても困るわよね。

 

 雷「ちょっと何で総司令官が提督を攫うのよ!」

 電「全然わけがわからないのです!」

 

 雷、電も噛みついてきた。

 

 夕立「そうよ。わけがわからないっぽい」

 

 夕立も顔をしかめています。

 理解に苦しむといった表情をしています。

 

 夕張「夕張只今到着しました!」

 木曾「全くどうしたんだよ…」

 

 夕張と木曾も来ました。

 

 熊野「はぁはぁ、聞き込み終わりましたわよ」

 

 熊野さんも息を切らせて終わりました。

 

 大和「では、今から提督救出作戦会議を開始します!!!」

 

 こうして、提督の救出をするための会議を始まりました。

 

 待ってください提督すぐに助け出しますから―――

 

 夕張と木曾、遠征組にも総司令官が来てからの事を話しました。

 情報の共有は重要だからです。

 

 木曾「まさかなぁ…」

 夕張「ええ、提督が総司令の親族だとは思っていませんでした」

 天津風「姓名が違うからわからなくてもしかたいわよ」

 熊野「ええ、大智さんも教えてくれませんでしたし、私も知りませんでした。」

 夕立「でもそれってすごい事っぽい」

 村雨「そうだね。でも大和たちも知らなかったんだね」

 大和「提督は最近着任した方ですし」

 響「何より。提督自身があまり自分の事をしゃべらなかったからね」

 

 響、そこは提督の席です。という無難な突っ込みはよしましょう。それどころじゃないんです。

 

 雷「でも、なんですぐに追いかけなかったのよ?」

 電「そうなのです。大和さん達ならすぐに追いかけられたはずなのです!」

 祥鳳「総司令の動きはとても人の物とは思えないものでした」

 大和「ええ、艤装を外した私でも姿をとらえることが出来ないほどです」

 

 皆驚いています。

 艦娘は艤装を付けているとき、よく原理はわかりませんが身体能力が格段に上がります。

 艦種によって身体能力に違いはありますが普通の人間では太刀打ちできなくないです。

 艤装を外した状態でも普通の人間よりは格段に身体能力は高いです。

 艤装を外した戦艦クラスで言うと、ヘビー級の世界チャンプが5人いても一方的にぼこぼこにできる強さです。

 その私ですら姿を捉えられなかったというわけです。

 

 木曾「本当に人間なのか?」

 

 木曾の顔がひきつっています。

 それはそうなるわよね。

 

 大和「いざとなったら艤装の展開も許可します」

 天津風「!それは―」

 大和「ええ、人間に対して艤装を展開することは禁止されています。ですが非常事態です。全ての責任は私が取ります」

 響「…解体も覚悟しているということだね」

 

 解体それは艦娘ではなく、ただの一人の女性に戻るという事。

 艦娘の時の記憶はよほど重要な事が無い限り消される。

 つまり軍部とつながりが無い限りもう提督たちと会うことは二度と無くなるという事だ…。

 だけどそれでも大和は構いません。それで提督が無事に過ごせるのなら。

 

 村雨「そ、そんな。何もそこまで…」

 夕張「でもその展開はあり得ます。これを見てください」

 

 夕張がPCの画面を見せてくる。

 そこには総司令が過去にとった賞状や大会の記録だ。

 武術の賞が沢山ありどれも異例の記録を成し遂げている。

 

 電「総司令官さんすごいのです」

 木曾「面白い」

 雷「感心している場合じゃないわよ!」

 

 雷が机をバンッと力強く叩いて立ち上がる。

 夕立も続いて立ち上がった。

 

 夕立「尚更早く助けに行かないとまずいっぽい!」

 雷「そんな人に連れ去られていつまで無事かわからないじゃない!」

 

 二人が部屋から出ていこうとするのを天津風と祥鳳が止めた。

 

 天津風「貴方たち二人で何ができるのよ?」

 夕立「でも早くいかないとまずいっぽい」

 祥鳳「提督たちの場所はわかっているのですか?」

 雷「で、でも」

 大和「でもじゃ、ありません!皆落ち着いてください!」

 熊野「そうですわよ。慌てても何もできませんわ」

 熊野「大和は解体なんかさせません。艤装を展開して仲間を失わず、皆無事にここに戻る為に作戦を立てているのですのよ」

 熊野「それに私は貴女方の先輩ですわ。もし何かあったら私が責任を取ります」

 電「はわわわ。でもそれじゃ熊野さんが…」

 熊野「大丈夫ですわ。何があってもあの人はまた私を探してくれますわ」

 

 熊野さんは輝かしい笑みを浮かべる。

 それは本当に新巻さんを信用していることがわかる笑みでした。

 私も提督とこんなに信用し合える仲になりたいです。

 

 木曾「責任なんか押し付けたりしないから安心しな」

 祥鳳「ええ、私達はチームです。喜びも悲しみも、もちろん責任だってチーム皆のものです。」

 夕張「それにそんな事が起きないように作戦を立てるんですからね」

 村雨「皆で迎えるハッピーエンド。これが一番ね!」

 電「なのです!」

 熊野「皆さん…」

 

 熊野さんが感極まって涙を流した。

 ええ、そんな事させませんとも。皆でこの執務室まで帰るまでが目的です。

 

 大和「では改めて会議を始めます!皆で成功させるわよ!」

 皆「おー!!!!!!!」

 

 皆の意志が一致しました。

 さて、本格的に始動します!

 提督、皆で必ず助け出しますからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて作戦開始です。

 

まず夕張に監視カメラの映像を確認させましたが、あの総司令が映ったと思われる映像は砂嵐になっていました。

でも鎮守府の門の映像は無事だったので、この鎮守府無いから出て無い事がわかりました。

 

熊野さんの聞き込みにも誘拐から門が開いた形跡はないそうです。

 

そこで駆逐艦の皆と木曾には鎮守府の施設の捜索をお願いし、祥鳳さんの艦載機に乗る妖精さんにカメラを持たせ、PCにライブで映像を送れるようにしました。

 

もし見つけても手を出さず様子を見てくれるように言いました。

 

一人ではおそらくあの総司令官に敵わないからです。

艤装展開無しの私でも厳しいでしょう。

だから皆で包囲することを決めました。

一人でダメなら皆でやればいい。

昨日のまくら投げで学んだことです。

 

祥鳳「艦載機から伝達です!第二倉庫から声が聞こえるそうです」

 

2番倉庫?確か資料にはまだ使用されておらず、鍵をかけたままの筈の倉庫です。

 

夕張「映像つなげます!」

 

プロジェクターから映像が流れる。

映像は倉庫の中の物だった。

 

大和「提督!」

 

映像には何故か戦闘服に着替えた提督と総司令が肉弾戦を繰り広げてます。

そして二人の声が聞こえます

 

生希「クソッ!やっぱ規格外だよ叔父さんは!」

譲治「ふふふっ。君も中々やるね。何回打ち込んでも倒れない。さすが、『不死(アンデッド)』と言われただけはあるな」

生希「その名で呼ぶな!!!」

 

提督が歯をむき出しにして、総司令に殴り掛かっています。

総司令はそれを捌き腕を掴み投げようとしましたが、投げられる寸前で腰に膝蹴りを食らわせて掴んだ手を外させました。

その後、総司令の後ろ蹴りを躱し、カウンターで足払いを食らわせダウンさせそのままマウントを取ろうとしましたが、総司令が提督の足を絡ませ提督もダウンさせました。

 

私達はその光景をただ見つめています。

何というか、提督も十分人外な気がします。

だって、実は今の大和は艤装を展開してこの戦いを眺めています。

何故なら艤装なしではこの戦いについていけてないからです。

 

夕張「何て言うか…」

祥鳳「提督凄く強いんですね…」

 

二人ももちろん艤装を展開してます。

確かに昨日のお泊まり会の時に提督の腕を触らせて貰いましたが、かなり硬かったです。

ですが、筋肉と格闘術は比例するとは限らないですが、提督はその心配はありませんね。

 

熊野「大智さん…」

 

大智さんは鉄骨を背にあて何とか立っている状態です。

顔を見るとかなりボロボロです。

良かったですね、大智さんはまだ人間を止めて無いようです。

熊野さんは新巻さんの無事を見てほっとしています。

 

って、二人の戦いに見惚れている場合じゃありません!

二人とも互角に見えて実は提督がかなり劣勢です。

 

譲治「おいおい。この程度かい?『タスクフォースGR』の隊長さんは?」

 

そう言って総司令は提督の腹に拳をめり込ませます

 

生希「ぐはっ」

 

提督は腹を抑えて崩れ落ちてしまいました。

更に総司令は背中を踏みつけます。

 

生希「はぁっはぁっ」

 

提督は転がって足をどかし、転がった勢いで何とか立ち上がりましたがもうよろよろです。

 

大和「夕張!皆に第二倉庫に来るように言って!祥鳳は私と一緒に来て!」

熊野「私も行きますわ!」

大和「ありがとうございます。夕張は中の様子を見張ってて!じゃあ、行くわよ!」

熊野祥鳳「はい!!」

 

玄関から出る時間も無いと判断した私は、窓から飛び降ります。

続いて二人も来ました。

 

居場所は突き止めました。

後は救出するだけです。

この作戦必ず成功させます。

 

 

 

 

 

倉庫に着きました。

 

私と熊野さんは正面の入り口につき、駆逐艦の皆と木曾は二階と側面に、祥鳳は倉庫の周りに艦載機を飛ばして見張って貰ってます。

 

もし総司令が逃げようとしてもすぐに対応できるようにです。

 

私達は夕張からの突入の合図を待ちます。

 

夕張「3」

 

緊張が私達を包み込みます。

 

夕張「2」

 

ですが失敗できません

 

夕張「1」

 

だから必ず成功させます!

 

夕張「0。突入!」

 

皆一斉に突入します。

 

大和「動かないでください!」

木曾「お前は包囲されている」

電「おとなしく投降するのです!」

 

中にいたのは提督の襟首を掴んで殴り掛かろうとしている総司令だった。

 

総司令は提督を掴んでいた手を笑って離し、両手を挙げた。

 

譲治「私の負けだよ。お嬢さん方。大人しく投降する」

 

頭の後ろに両手を付けて膝立ちになる。

木曾が近づいて背後から拘束します。

 

大和「提督!ご無事で」

 

提督の息は荒い、あちこちに傷が出来ている。

 

生希「叔父さん何でこんな事になってるの?」

大智「そうですよ総司令。何でこんな大掛りに」

譲治「知らなかったのかい?私は君たちを誘拐したんだよ?」

 

あれ?提督たちは誘拐されたのになんでこんなに危機感が無い感じなのでしょう?

それとも誘拐に慣れているのかしら?

 

総司令は立ち上がろうとしたので木曾さんが押さえつけてはっ倒してしまいました。

 

譲治「痛い!痛いよ!お嬢さん!!もう何もしないから離して頂戴!」

木曾「本当に大丈夫か?」

 

木曾は提督に確認を取ります。

 

生希「どっちでもいいぞ?と言うか本当に何でこんな事になってるの?」

 

提督がよろよろと立ち上がり腕を組んで考えています。

 

映像を見た時ももの凄い焦っていたり切羽詰まった感じではなかった気がします。

むしろ楽しんでいるような…

でも怒っているような時もありました。

 

譲治「まぁその事についても説明しよう。取りあえず私を離して、痛い!お嬢さんいい加減離して!間接極めないで!私こう見えても歳だから傷とか治りにくいんだよ!」

生希「いいざまだ」

 

提督がボソッと言います。

さっきまで打ちのめされた事を根に持っているのでしょう。

 

大智「全くだ」

 

大智さんは割と大声で言ってしまいました。

 

譲治「痛いってお嬢さん!いい加減離して!後、大智君はやっぱり減きゅ―――」

大智「わー!!嘘でそれだけは勘弁してください」

熊野「大智さん。いい加減学習すべき、ですわよ」

大智「熊野ぉ。お前だけは味方だと思っていたのに。やっぱり俺は夫失格――」

熊野「そそそそ、そんな事無いですわよ!貴方はとてもいい人と言うか、私のような女性をあ、愛して―――ってもう知りませんわ!!」

大智「ちょっ!待って熊野!そう怒んなよ~!」

 

そう言って、熊野さんは倉庫から出て言ってしまいました。

顔が真っ赤だったので熊野さんは好意を言葉にするのが恥ずかしいんでしょうね。

大智さんはその様子を怒ったと思って急いで追いかけていきました。

何というか、とても微笑ましい光景ですね。

こんなシーンでも二人の熱愛ぶりがわかります。

 

生希「いいねぇ。ああいうの」

大和「ええ、そうで――」

天津風「とても微笑ましい気分になるわね」

村雨「本当ね。何というかこっちまで暖かくなるような」

雷「こっちまで幸せになるような」

祥鳳「そんな気分になりますね」

電「そうなのです!」

夕立「そうっぽい!」

大和「もう、皆で私の台詞を取らないでください!」

 

頬を膨らませて皆に抗議の目を向けます。

みんな困ったような笑顔を浮かべます。

 

生希「ふふふ、はははは!!!」

大和「も、もう提督まで。ふふふ」

皆「はははは!!!!」

 

提督の笑いにつられて皆笑ってしまいました。

ああいう、恋愛シーンを見て暖かくなるのもいいですが、こうして皆で笑いあえるのが一番いいです。

皆で幸せを共有できているって事がわかりますからね。

 

譲治「はっはっはっ。って痛い、痛いよお嬢さん!いい加減離して!」

 

総司令官も笑っていましたがまだ木曾に取り押さえられています。

木曾もいい加減離してあげても―――

 

木曾「うるせぇ!オレ達の提督をここまで痛めつけたやつをそう簡単に信頼できるか!!」

譲治「痛い!痛いって!私一番偉い人だよ!いたたたた!」

 

皆「はははは!!!あはははは!!」

 

皆の笑いがどんどん加速していきます。

総司令には悪いですけど、皆の笑顔が増えるのでもう少しこのままにしましょう。

提督も助ける気は無いようですし。

 

まだ、人数は少ないですけどこうやって皆で団結できて、皆で笑いあえていいところに配属されたと実感できました。

これからも皆でこの明るい鎮守府を維持していきましょう。

皆が笑顔で居られるようなこの鎮守府を。

 

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