死神と艦娘の物語   作:ゆーなぎー

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忙しくて更新できませんでした。
申し訳ないです。
…読んでくださる方はほぼいないと思いますけど。


chapter 2-1 死神と初めての出撃

死神と初めての出撃

 

 さて、ここはさっきまでの来客室ではない。軍港だ。

 実はさっきまでは執務室にいたのだが何故軍港にいるのかという経緯を言ってみるとこんな感じだ。

 私の部下となる艦娘も到着したので、来客室から出て執務室に移ったのである。

 そんなわけで、私には先輩が、天津風には熊野がつきっきりで執務についての手ほどきを受けている。

 私は先輩曰く、呑み込みがいいらしいので滞りなく進んでいるが、天津風の方は結構うーうー唸っており、あんまり進んでいないらしい。

 そこで二人が、この微妙な流れを変えるために艦娘の出撃の指導を行うことになった。

 正直、うーうー唸ってたまにこっち見る天津風は中々に可愛く、私はそれを集中が途切れないようにする繋ぎとしていたのだが、流石に30分も唸っているのはよろしくは無いと思いそれに同意し、天津風は飛びつくようにその提案に賛成したのだ。

 その時の天津風の目のキラキラ具合と言ったら本当に半端なかった。それはもう初めて子供が「おーい聞いているかー志崎ー?」

 先輩の心配したような声が聞こえたので、急いで気を引き締めピンと背筋を伸ばす。

「はい!聞いてますとも!」

「この無線で艦娘達と連絡を取り、この偵察機から流れる映像で艦娘の状況を判断し、指令を送るのですよね!」

 よし決まった。ふふん、私は思考を巡らせながらもしっかりと話を聞くことができるのだ。

「ま、まぁその話したけど今は陣形の話な」

 先輩ちょっと引き気味。何か無駄に力強く言ってしまったせいで、強く咎めることができなくなってしまったようだ。申し訳ない。

「まぁ、いいや。この話難しいしな。」

「軍学校でも習ったかもしれんが、これはおさらいみたいな話だし」

「だからと言って聞き逃していい話でもない。これは、艦娘達の生存率を左右する重大な物だ」

「だから、しっかり聞いて、しっかり理解してくれよな」

「はい。すみません」

 子供に言い聞かせるような優しいお叱りを受けたので素直に謝る。

 何だろ。私はこんなに小説チックに回想したりしないと思ったけど、まぁいい。それほど平和なんだろう。…平和じゃなかったっすね。

「もうしっかりしてよね」

 天津風からもお叱りを受けてしまった。

 顔を見てみると、緊張が解けたかのようにふふっと緩い笑みを浮かべているので、彼女はここに来てからかなり緊張していたのかもしれない。

 私は苦笑いを浮かべながら頬を掻いた。

「もう、しっかりしてよね!あなたを頼りにしてるんだから」

 少し怒った表情をされてしまった。それほど私は締まりがない苦笑いを浮かべてたのかよ。

 だけど、頼りにしてるという言葉を聞いて安心した。どうやら彼女は私を信用できると判断してくれたようだ。何を根拠にしたのかわからないけど。

「わかってる。頼りにしてくれよ」

 その言葉に心がじんわりと暖かくなったので、天津風の頭をわしゃわしゃと撫でた。

「もう、髪が乱れちゃうじゃないの!」

 天津風は顔を真っ赤にして怒ってきた。可笑しい妹はこれやると喜ぶのに。

 でも抵抗はしないから怒っては無いのかな。

「も、もう調子がいいんだから」

 あ、うん。怒っては無いのかな?俯いてなでなでを受け入れてくれてるし。

「んじゃ。なごんでるとこ悪いけど。そろそろ実戦に移ってもらうぞ」

 天津風は私以外の二人の存在を思い出したのか、すぐさま私から距離をとって髪を整え直した。

 残念だが仕方ない。今は講習を受けているのだ。むしろこんな和んだ雰囲気なのがおかしいのだ。いや別に和むのもわるくないけどね。

 天津風は艤装を展開し、水面に立った。

「今回は天津風一人で行って貰う。熊野の援護は無しだ」

「まぁ、今回行って貰うのは鎮守府正面の海域の哨戒だ。」

「正直こんなところにくる深海棲艦はあまりいないし心配もいらないと思う。」

「だから散歩気分でも大丈夫だ」

「でも警戒を怠ったらダメですわよ」

「思いがけないところから現れて不意打ちなんて事もありえますから」

 あ、熊野がこの出撃の説明中に久しぶりに聞いた気がする。そんなことでくだらない茶々も入れる気はしないし、折角いい雰囲気なのでそれをぶち壊すのは御免である。

「ええ、わかってるわ。心配は無用よ」

「ほら、志崎。部下に言葉をかけてやれよ」

 言葉か、そんなものきまっているさ

「無理をするな。無理だと思ったら迷わず撤退していい」

「私にとって君が全てだ。私は深海棲艦と戦う力は無いからな」

「だから、無理なら迷わずここに帰ってこい」

「私は戦果を挙げられなかった事で怒ったりも責めたりしないからさ」

「君の代わりなんてもの、だれ一人だっていやしないんだからな」

「まぁ、私の指揮下にいる以上誰も死になんかさせるつもりはないけどね」

 あーあ。こんな台詞死神なんて言われた奴が言うことじゃないよな。戦場でこんな事通用しないってわかってるのにさ…。でもいいよ。これは私の願いだ。生きてればまた別の形でチャンスがある事をよく知っているからな。

 こんな台詞聞いてこの子なんて思うかな。甘い考えねなんて笑われるのがオチかな。結局甘言だって事一番よく分かってるさ。

「・・・」

 アレ?顔真っ赤にして俯いてる。やばい地雷踏んだか?

「…わかったわよ。必ず生きて帰るから、安心してよね」

 何だろう。アレか?こんな甘っちょろいこと言ったせいで怒りを通り越して呆れとなったのか?

 天津風は俯いたまま私達から背を向け水平線所を見渡した。

「いい風ね」

 海に吹く風が彼女の髪を優しく揺らしている。輝く海、銀に輝く綺麗な髪が風にたなびいている。

 美しい。

 この海の景色よりもこの海の上に立っている彼女が。

「さあ、行くわよ!第16駆逐隊天津風、抜錨よ!」

 威勢よく彼女が水面を滑っていきすぐさま点となり見えなくなってしまった。

「まぁ、何かあったら熊野が救援に行くから安心しろよ」

 先輩が私の肩を叩きながら言ってくる。

「それにしてもお前やっぱり歯が浮くような台詞いうよな~」

「ええ。私も少々恥ずかしくなってしまいましたわよ」

 先輩の台詞に熊野が同意する。熊野は私の台詞を思い出したのか顔を赤くしている。

 そんな恥ずかしい事だったかな?思ったこと言っただけなんだけど。

「まさか、意識せずに言っていたのか?お前かなりの女難だと思うぜ」

 まさか、彼女なんていた事ありませんよ。

「全く、貴方も初めて会ったときこんな感じの事を言ってくだされば良かったのに」

「おいおい、勘弁してくれよ」

 この後、暫く先輩と熊野の話で盛り上がった。

 あっ、天津風の事に関してはしっかり指揮してましたよ。

 お二方は天津風の評価とかもしてましたしね。

 因みに天津風は最近実装されたらしく、先輩も保有して無かったらしい。

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