ハイスクールDevil×Dragon×Dhuman   作:しにかけ/あかいひと

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その4-出逢×別離×自傷

 

さて齢6になる俺だが、少々…………いやかなり面倒なことになっていた。

 

最初からデューマンであるこの身体、既に鍛え始めても壊れないようになっていた。脆いのに壊れないとはこれいかに。

俺、ドライグ、魔法使いの先輩方が調べても、肝心なことはあまり判明しなかった。流石SEEDのせいで生まれた新種族。謎すぎる。

とりあえず、『デューマンは戦闘に特化した種族であり、何故か魔力も光力も兼ね備えた、非常に不気味な存在』でFA。

魔力と光力に関しては心当たりはある。何せグラールで扱っていたのは『光子(フォトン)』。そして話を聞くに、《フォトンの性質=魔力+光力》っぽいことが判明したのだ。

そして種族:デューマンは体内にフォトンを蓄積し、それらを武装化する特殊な性質を持っているのだ。

だから、人間の癖に魔力と光力という、人外の証たる能力を持っているのは、非常におかしなことではあれど、一応の理由はあった。

 

…………話が逸れたな。

 

でだ、まあそんなわけで既に動き回れる様になった身体。元々見た目が不気味なこともあって、幼稚園や保育園に預けると虐められるんじゃないかって危惧した両親のお陰で、義務教育課程が始まるまでは基本家にいることとなった為、拘束される時間も気持ち少なくなった。

 

…………こっそり家を抜け出して訓練したり童心に返ってはしゃいでたのが悪かったのだろうか。

 

1人で妙な挙動をしながら遊ぶ赤い奇妙なグローブを身に付けた子供は、非常に目立つ。

そして子供は良くも悪くも純粋だ。気味の悪い俺を見ては『オバケ』と言って、石を投げてくる。…………俺からすれば微笑ましいし、訓練の一環として全部避けたけど。

 

そうこうしている内に、目を付けられたのだ。ガキ大将に。

 

横暴だが、異端から自分達を守ってくれるという存在は、子供たちにとってはとても安心できたことだろう。

 

だが、甘かった。

 

ガキ大将に連れられて、河川敷にて喧嘩することになったのだ。

本気で戦うのは大人気ない。が、負けるとそれはそれでなんか腹立つ。

故に俺は『打たれ強さを鍛える訓練』という名目で相手の攻撃を避けないというハンデを自らに課した。

 

ガキ大将は、意外に強かった。一撃が(6歳児デューマンの身体にとっては)重く、結構効いた。それでも、一撃が強いのはこっちも同じだったので、良い勝負が演じれたと思う。最終的には、互いの最後の一撃で相討ちとなった。

 

白い肌も、殴打を受けた部分は流石に赤く腫れ上がり、擦り傷や切り傷もこさえた。痛みには慣れているからどうってことないけどさ。

 

倒れた身体を起こすと、向こうも丁度身体を起こしていたようで。

 

勝負が終わればノーサイド。向こうがその言葉を知っていたかどうかは分からなかったが、どちらからともなく握手。

 

『やるなおまえ』

『そっちこそね』

 

そうして、ガキ大将に認められることで子供達の俺への対応も変わり、俺も別に性悪じゃねーから向ける感情も変わり、それが親達にも伝播して俺たち家族は、非常に過ごしやすくなったのだ。

 

…………そこで話が終わるんなら、良かったんだ。

 

遊び仲間が小学生に虐められた。

それに憤慨したガキ大将、俺を連れて殴り込みを掛けようとする。

流石に歳上相手だから、鍛えてから行こうと俺が提案。(心配だったし、負けたくなかった)

避ける技術がガキ大将に身につく。

小学生の集団相手に大立ち回り、撃退。

その小学生が、兄である中学生にチクる。

お礼参りの予兆。

また訓練。

 

 

というループが、高校生相手にするまで続き、俺とそのガキ大将は『最強の幼児コンビ』という二つ名で地元じゃ有名になってしまった。

 

…………あえて言おう。

 

どうしてこうなったッ!!!?

 

 

◇◇◇

 

 

とはいえそんなこんなであらゆる意味で俺たちに手を出す者はいなくなり。

そのガキ大将とは親友と言えるまで仲良くなったので、家同士も家族ぐるみで交流したり。

てなわけで想定外とも言える幸せを獲得してしまった俺である。

 

…………いや、幾ら何でも不自然やしませんかね、ドライグさんよ?

 

『いや、歴代と比較したら少し異常だが、こんなものだろう』

 

あーはーん!? あんまりふざけたこと吐かすとぶった斬るぞ!!?

 

『良いだろう、受けて立とう…………と、言いたい所だが、何もふざけて言っているわけではない』

 

…………マジで?

 

『ドラゴンの周りには、色々なモノ…………力だったり、女だったりを集める性質がある』

 

あー、言ってたねーそんなこと。

 

『神器を展開する前までは、それでも抑えられたんだろうが…………展開してしまった以上、そのドラゴンの性質が一気に解放されたのだろう』

 

…………え、じゃあなに? これは自業自得?

 

『いいではないか相棒。お前は其処にいるだけで、戦いが舞い込んでくる。これは戦闘狂にとってはこれ以上ない恩恵だろう。それに、最強と呼ばれるまでの流れで、全盛期程度の力は身についたのだろう?』

 

あー、うん。否定はしないけどね。

でも、その性質に他人を巻き込むのも、どうなん? って話でさ。

 

『ふむ、一理あるな。良いだろう、考えておこう』

 

しっかし、そんな力が備わっていたんだねードラゴンって。ますますドラゴンって生物がわからなくなってくるよ。

 

『相棒も、そんなドラゴンの一員となったのだがな』

 

…………うぇ?

え、いやだってドラゴンが宿った神器を持ってるだけでしょ? チーっとばかしその恩恵にあずかってるけど。

 

『舐めないでもらおうか、相棒。俺が宿るコレは、ただの神器ではなく《神滅具》だ』

 

…………ッ!!

 

『まあ、相棒との親和性が高かったのもあるのだろうがな。だが安心していいぞ? まだ致命的なところまでは龍とは化していない』

 

…………よ、よかったー。

ただでさえ(この世界基準で)既に人間辞めてるっぽいのに。ドラゴンに憧れる気持ちもないわけじゃないけど、人外化したら人間相手にどう接したらいいか分からなくなる。

 

『俺からすれば、天使も悪魔も人間と似たようなものだがな』

 

いやアンタ、ドラゴンはまずくねーかい?

 

『人の形を取ることもできなくはないぞ? 一般的なドラゴンはプライドが許さないが』

 

へ、へー…………さいでっか。

 

『さて、今日はもう遅い。そろそろ相棒も寝るべきだろう』

 

ドライグに促されて時計を見ると…………うわ、もう3時だ。

 

「だな。うし、明日もよろしく頼むぜ相棒!」

『応とも。任せておけ、相棒』

 

…………よくよく考えると、この赤いドラゴンと俺も、友だと言える関係なのだろうか?

 

そんな割りかしどうでもいい思考をしながら、俺は夢の世界へと旅立っていくのだった。

 

 

◇◇◇

 

 

ガキ大将が、引っ越すことになった。

なんでも、海外の方に行ってしまうらしい。親の仕事に合わせた移動だと、父さんと母さんが言っていた。

 

寂しくはあるが、まあ最悪自力でいける場所ではあるため連絡先さえ交換しておけば問題ないか…………と、俺は思っていたのだが。

 

予想外だったのは、あっちの反応。

俺にその説明をしてくれてる途中までは、我慢して堪えていたが、途中からはし切れなくなったのか、目から大粒の雫をポタポタと垂れ流していた。

 

「あーもー…………泣くんじゃねーよ…………」

「うぅ…………だって、だってぇ…………」

 

というか、こんな風にしおらしく泣かれると…………その、なんて言うか…………困る。

 

「あーやめやめ! オレとおまえにこんな空気はあわない!」

 

辛気臭い空気を払うように声をあげ、小指を突き出して俺は言う。

 

「『指切りげんまん』だ! ここだとコレでやくそくするんだろ?」

「…………え?」

「あーもうじれったい!」

 

相手の腕を引っ張って、小指を突き出させ、結ぶ。

 

「またぜったい会おう! コレでやくそくするんだからおまえも安心だろ!?」

「う、うん…………」

「おし、分かったらさっさとやる! ハイッ!!」

 

定番の歌、寂しさを押しのけるように張り上げたせいか、少々聴くに堪えないが、この場では問題なかった。

 

「「ゆーびきった!!」」

 

…………冷静になると、結構恥ずかしいな、コレ。

 

「おし、やくそくしたからもう泣くなよな、イリナ」

「うんっ!」

 

その時のイリナの笑顔にドキッとしてしまい、『俺はホモじゃない俺はホモじゃない』と自己暗示を掛けたことはまた別の話。

 

…………更に、親からイリナが女の子であるということを聞かされて、なんで勘違いしていたんだと家の壁に頭を振り下ろしたのも別の話。

 

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