ハイスクールDevil×Dragon×Dhuman 作:しにかけ/あかいひと
1番やらかしたこと→オーフィスの義妹化
(戸籍的な意味で)
2番目にやらかしたこと→松田と元浜の下の名前の捏造
(読み方がどこかで聞いたことあると感じたあなた、おそらく他人の空似なので大丈夫です。間違っても気持ち悪い凡人や技術狂とは無関係です…………多分)
さらに季節は移り変わり、この俺『兵藤一誠』も駒王学園に通う高校2年生となった。
徐々に前世で亡くなった歳に近づく中、未だ天辺が見えず発展途上であるこの身体。前世の最盛期をとうの昔に超えたというのに、今世では成長期真っ只中故にまだ上を目指せるということなわけで。前世の記憶を用いた英才教育と、デューマンの性質の賜物だ。とりあえず、デューマンすげーと言っておこう。強ち間違いではない気がする。
最近では訓練に当てる時間を少し減らし、その分を武器製作に充てている。グラール式のフォトン武装を作るために、光力と魔力を良い感じに混ぜ合わせた擬似フォトンを発明し(裏側史上初の試みにして快挙らしい)、擬似フォトン用のリアクターを作るために錬金術に手を出し(グラールにあって此処にはない物質を生成しなければならなかった為である)、試行錯誤を繰り返した。そうしてできた試作No.1:プロトセイバーはお世辞にも良い出来とは言えなかったが、それによって生まれた副産物はそれを帳消しにしても有り余るメリットを生み出した。
その1:擬似フォトン精製を、俺の身体の中で行うことができるようになった。
その2:テクニック(グラール版魔法)を擬似フォトンによって発動可能ということが判明。
その3:擬似フォトンを用いて、デューマンの固有技『インフィニティブラスト』ができるようになった。
その4:インフィニティブラストによる擬似フォトンの武装化から得たデータを用いることで、魔力、光力、擬似フォトンの物質化に成功。それにより非常時におけるそれらを補給する為の錠剤が誕生。
その5:物質化したそれらに指向性を持たせ、術式を内包させることで、擬似モノメイト(いわゆる回復剤)の製作に成功。
その6:物質化によって、魔力、光力、擬似フォトンの研究がすすむ。
特にインフィニティブラストが使えるようになったのが大きい。コレが使えるのと使えないのでは、天と地程の差がある。前みたいに大気中のフォトンを回収することで消費フォトンを抑えるといった芸当はできないが、錠剤による擬似フォトン補填が効くので、使い勝手は遥かにいいだろう。
と、そんな今はどうでもいい思考は置いておいて。
この3年ちょっと、俺を取り巻く環境で大きく変わったことと言えば…………正式にオーフィスが兵藤家入りしたことだろうか。大分人間として生活することに慣れてきたと判断したオトンとオカンが、戸籍を弄ってきたのだ。
『というわけで、オーフィスをウチの子にしてきた』
『いや、何がというわけでだよ。全然話が見えねー』
『流石に《兵藤 オーフィス》は違和感しかなかったから、《兵藤
『…………我、兵藤永那?』
『そうよー。あ、もしかして気に入らなかった?』
『心配無用…………歓喜の至り』
『うんうん! 2人で徹夜して考えた甲斐があったな!』
『というわけで、パーティーするわよパーティー!』
『おー!』
『いえーい』
『…………着いていけない俺は異常なんだろうか』
というやりとりによって、オーフィス改めエーナは、リアルに俺の妹(血どころか種族も違うから義理だけどねっ!)となってしまった。ちなみに当龍は永那またはエーナと呼ばないと機嫌が悪くなる程度には、この名前を気に入っている模様です。
ちなみに(見た目は)可愛い俺の妹、現在小学校5年生である。ゴスロリ服を着て、赤いランドセル背負ってクルリと回る姿を見て、おもわず吹き出した俺とドライグは悪くない。友達もそれなりにいるようで、兄としては安心です。
父と母は、相変わらずです。
父は人気漫画ドラグ・ソボールに出てくる必殺技『ドラゴン波』みたいなの出すし(多分、俺がインフィニティブラストの試運転でファイナルトリガーをかましたのを見られちゃったからだと思う)、母は家事の片手間に賢者の石みたいなのを作ってます(母さんに錬金術関連で相談した時になんやかんやあって生み出したらしい)。人のこと言えないけど、オトンとオカンも順調に人間を辞めていっているようです。どーせそんなこと言っても『家族でお揃いっていいよね(要約)』で済ませてしまうのだからびっくりだ。まあ、万が一のことを考えるととっても安心できるので気にしないけど。
新メンバー、匙 元士郎くん。通称元ちゃん。以前俺がぶっ飛ばして舎弟にしてくれとかトチ狂ったことを宣った同級生です。最近転生悪魔になったらしいけど、割と些細なことだよね。だって圭太も塔矢も気にしてないもん。あ、五大龍王の一角である『
…………ちなみに全くの余談だが、俺らを題材に美しき人生系(英訳したら大体分かると思うよ…………)の薄い本が出回ってるとか聞かされた。ふふっ…………あそこまで自殺したいと思ったのは久しぶりだったぜ。ここまでの精神攻撃は、あの下衆太陽でもできなかっただろう。誇っていいと思うな、真面目に。
まあそんなことも、どうでもいいか。
今までは突飛なことはあれど、とても幸せな日常を送れていた。親がいた。相棒がいた。先輩がいた。友がいた。家もあって、ご飯が食えた。それだけでも幸せなのに、両親は俺の異常性を受け止めた上で愛してくれるし、相棒達は俺の夢を応援してくれるし、親友達もバカなことに付き合ってくれる。もう、幸せで腹一杯と言えよう。これ以上を望むのは罰当たりに違いない。
しかし、
「ずっと前に助けてもらってから好きでした! 付き合ってください!」
「…………うそん!!?」
『モテたい』だなんて、分不相応な願いをしたのが悪かったのか…………その日常は呆気なく崩壊の道を辿ることとなったのだった───────
◇◇◇
昨日、告白されたこと以外に関しては普通の平日の朝。あまりにも突然のこと過ぎて訓練にも身が入らなかった。
『相棒…………分かっているとは思うが、アレは堕天使だぞ?』
「いや、それは分かってるんだけどな」
なんか最近、人間じゃなくて人外ならいけるんじゃねーの? って思い始めてきたところだからさ…………うん、我ながら女に飢えてここまでトチ狂ったか。
思えば前世でも、そういうのとは無縁だったよなぁ…………てか、仮にそういう雰囲気になったとしても気付かずに戦いに邁進してただろうけど。
そんなわけで、いつもの公園から帰宅。
玄関から中に入ると、キッチンの方からいい匂いがする。
多分いつものアレだろうなーと思いつつ、キッチンを覗くと…………
「
「ただいまエーナ」
我が家の妹様(龍神)が、朝ごはんの支度をなされていた。
いつからかだったか思い出せないが、料理がしたいと母さんに言ったのが始まりだった。今では普通に家庭料理は作れる腕前である。流石です、龍神サマ。
「我、できる妹(どやぁ)」
「自分で言うかよ。まあ否定はしないけど」
思えば初めて会った頃に比べて、随分と感情表現が上手くなったものだ。昔は能面みたいに表情筋が動いてなかったのに、今ではこんな風にドヤ顔まで見せるようになった。兄ちゃんとしては、妹の成長に涙が出そう。
「あ、そうそうエーナ。今日の晩御飯は食べてくるからいいって言っといて」
「…………? 友と食事?」
「あー…………えっと、昨日告白されちゃ───────」
ガシャン! と、何かが落ちる音がした。
視線を向けると、エーナがお茶碗を落としてしまったようだ。
「兄…………兄に、彼女…………!!?」
「え、えっと妹様。何に戦慄なさっているので?」
劇画チックな顔になりながら、何か信じられないモノを見るかのように、俺を見ていた。
そして、ハッとしたように割れたお茶碗を回収してスーパーのレジ袋に入れて燃えないゴミ用のゴミ箱に入れた後、
「父!! 母!! 緊急事態!! 兄に…………兄に彼女がッ!!!」
…………情報拡散のため、キッチンを飛び出していった。てかエーナよ、俺に彼女ができることが、そこまでおかしな事態ってことなのかいな? お兄ちゃん少し悲しいです。
ふと思ったこと。
ショウ・ウォーカーを漂流者としてあの作品にぶち込んだらどうなるのか。