ハイスクールDevil×Dragon×Dhuman 作:しにかけ/あかいひと
ひっじょーに泣きたくなることに、スランプです。
今回の話も難産だった割に、あまり納得のいかない出来です。いつか、改稿するかと思います。
とりあえず、情報は集まり切ったので潜入ミッションは終わったわけだが。
「とりゃーず、その神器持ちの女の子ってのを保護するところから始めようかと思うのん」
『それが無難ね。じゃあイッセーはそのままその女の子の捜索にあたってくれるかしら?』
「承知! じゃ、期待して待ってて」
母さんに報告を終え、スマホをポケットに入れて一息つく。
「ふー…………一応写真は手に入れたし、見つけるのは難しくはないとは思うけど」
『人海戦術を使わないとなると、少し厳しいものがあるな』
ぶっちゃけ、あの教会前で張り込んでたら見つかるとは思うんだけど。でもあそこにはフリード君がいるから俺が張り込むのはナンセンスなんだよねぇ。
とりあえず、欧州の方からのお越しということなので、飛行機に乗ってこないと無理だよね。あと船。両方の可能性を考慮しても、最終的には電車に乗るかでもしないと面倒である。
故に探す場所は、駒王町内又は近くの駅近辺と、そこから教会までの道ってことだよね。
「まずはあそこの駅からのルートを探してみるか」
思い立ったら即行動、先んずれば人を制すなのだよ。
と、意気込んで辺りを見渡すと…………
「ん? アレってばシスターさんじゃね?」
『うむ。あの服装はどっからどう見てもシスターのソレだな』
駒王町では絶滅危惧種とも言うべきシスターさんが、旅行鞄を担ぎながらキョロキョロと辺りを見渡しながら歩いていた。
と、思ったら、
「あ、頭電柱にぶつけてらぁ。」
『お、ベールが脱げたな。ふむ、金髪白人の子供か』
顔の造形も頗る良い。ああいう美少女が目をバッテンにしながら『あうあう』と呻く姿は、一部の人間にとっては唆られるに違いない。
『俗に言う『萌え』というヤツだな』
「どこで覚えたその言葉!!?」
『圭太と塔矢からだが』
「あ、あいつらァァァアアアアアッッッ!!!!?」
あいつら、二天龍になんてモノを教えてやがる!!? マ○オボイスで『萌え』とか言われてゾクッと来たわ!!
『甚だ遺憾なのだが、そこは一応置いておこう。まあなんだ、そういうサブカルチャーと呼ばれる事柄について勉強しておく必要があると思ったのだ。いつ俺が、この
「…………あー、うん。そうだね」
必要かどうかはともかく、知ってることで身を助けることはあるかもしれない。
『ところで相棒。あのシスターの少女を見てどう思う?』
相棒の問いかけに呼応して、シスターさんを見る。
そして、廃教会から持ってきた写真をみた。
「すごく…………同じです」
意外と、こういう普段の運は良いらしい俺だった。
◇◇◇
[アーシア・アルジェント]
とても信心深く、敬虔なシスターだったとの評価。
『
その神器の能力を用いて、
しかしそんな彼女はある事件から一転、『魔女』と呼ばれ蔑まれることとなり、教会から追放されることとなる。
と、言うのも、悪魔を癒しちゃったらしい。
まあ、信者を癒す能力かと思いきや、まさかまさかのなんでも癒せる能力だとは周りの人も思わなかったようで、『悪魔を癒せるソイツは聖女なんかじゃない、魔女だ』って結論に落ち着いてしまったのだろう。腹立たしいことに。掌返しもいいとこだ。
とまあそんなことはともかく。
追放された神父やシスターの行き場は、大体堕天使陣営に向かう。彼女も、そういう流れで堕天使陣営に組み込まれる…………が、その神器に目を付けたあの腐れ鴉が、上に内緒で件の神器を奪おうとしている。
一応俺が得た彼女の情報はここまでである。なんというか、素直に不幸だと思うよ。同情もしてしまう。
「と、言うわけで
『良いのではないか? 少なくともあのシスターの事情を話せば、あの2人は認めるだろう』
「うん。あと、永那に関しては──────」
『歓喜。姉ができる』
「既に養子にすること前提!!?」
『あと、天界陣営………程々に潰す』
「止めようね妹サマ!!?」
俺も納得いかねーが、仕方がなかったんだと思ってあげて!!? あとそれやられると、永那の大好きなイリナちゃんに嫌われるよ!!?
『…………ぶぅ』
「それこそ、後でイリナちゃんに色々と聞いた方が良いかもね、この案件。んで、あのシスターさんを迫害した教会が発覚次第、」
『流石兄、分かってる』
『…………ハァ。同情はできないが、哀れとしか言いようがないな』
とはいえそれも、あのシスターさんとお話してからじゃねーとできないわけで。勝手なことするのもどうかと思うし。
というわけで、レッツお話〜!
『(捉えようによっては、ナンパだな)』
『(兄にそんなこと、できるはずがない)』
『(それもそうだな)』
こらそこ、外野うるさい。
◇◇◇
『こんにちわお嬢さん。なんか困ってるみたいだけど、手伝えることはあるかな?』
なんて声をかけたらいいか分からなかったから、無難にこんな感じ。これが如何にも胡散臭い感じで声をかけたら、賢者とか言われちゃうのかしらん? 話してる言葉はイタリア語だけどね。
とまあそんな戯言はともかく、へたり込んでたシスターさんに、手を差し伸べながらそう言うと───────
『あ、ありがとうございま…………ひっ!? ゆ、幽霊!?』
…………怯えられた。
『そ、そんないきなり…………あ、悪霊ではなさそうですし、聖書の一節を説きながら対話して、死を受け入れてもらうしか…………』
『勝手に死んだことにしないでくれる!? いや、肌の色は病人も裸足で逃げ出して悪化する様な青白い肌してっけど、コレが俺の素の肌色ね!? ついでに言うと幽霊に足付いてると思ってんのかァ!!?』
『ご、ごめんなさい…………』
『うむ、分かればいいんだよ』
全く、のっけからツッコミに走っちゃったじゃないか。
『と言うことは…………先天性の病気にかかられてらっしゃるのですか? 世界には、色素欠乏症というものがあると聞いたことがあるので…………』
『あー、それに近いけどそうじゃないんだよね。アレはガッツリ色素がなくて髪の毛まで色素がなくなるんだけど、俺の髪の毛は黒いでしょ? ま、先天性ではあるけれど病気じゃないから気にしない気にしない』
と、言うか、
『今はお嬢さんの話だよ。いや、本当困ってるみたいだけど、何か力になれないかなーって』
『そ、そうでした…………私、上手く日本語が話せないから、周りの人に教会の場所も聞けなくて…………今日から赴任することになったのに…………』
…………『赴任することになった』ねぇ? いや、本人からしたら本気でそのつもりなんだろうけど。話の真実を知ってるこっちとしては、この純粋そうなシスターさんの姿がとても痛ましい。
『ですが、こうして言葉の通じるお方に出会えました! これも主のお導きのおかげです!』
…………泣いてもいいかな? いや泣かないけど。でもこれはあまりにも…………。
『あー、なんとなく服装から想像はしてたけど、お嬢さんってばシスターなんだ』
『え、ええそうなんです』
言葉に詰まった…………やっぱ追い出されたってーのはマジな話なのな。
『でもおかしいな…………この町の教会って、今は誰もいなかったはずなんだけど』
『…………っ!』
『もしかしてシスターさんって、ワケあ────────ッ!!?』
周囲の気配が、変わった。
気が付けば、駅前なのに、人が見当たらない。気持ち悪い程に、静かだ。
解析…………完了、人払いの結界が張られた模様。
「遅いから、何処で油を売ってるのかと思えば、いつかの人間に捕まってたのね」
『あ…………』
「チッ…………テメェかレイナーレ」
こいつ、自分から出てきやがっただと? 面倒臭ぇ…………。
「フン! たかがありふれた神器を持ってるだけの人間が私の名前を呼ぶなんて、身の程知らずもいいところね」
「ケッ! ただの鴉の名前を呼ぶのに、身の程なんて気にしてられると思ってんのか」
だが、答え合わせ的な意味では丁度良かったと言わざるを得ない。
油断せずにグローブを展開し、いつかのようにイグザムを出してその切っ先をレイナーレに向ける。
『済まんね、アーシア・アルジェント。実は声をかける前から君のことは知ってたよ』
『…………え?』
『なーに、そんな絶望したような顔をする必要はねーさ。それよりも…………』
アーシアちゃんにも話してる内容が分かるよう、そのままイタリア語で話す。
『オイ鴉。お前、この娘から神器を抜くつもりなんだってな。抜き取ったら、彼女が死ぬって分かった上で』
『え!?』
「ッ!? 何処でそれを知った!!?」
『てめーらの警備がザルだっただけだ。そんでもって、アーシアちゃんはそのことを知ってた…………ワケないか。反応を見る限り』
『い、いえ…………知りませんでした』
『そっか…………可哀想に』
イグザムのリアクターの出力を上げる。
2つの刃が青く光りながら振動し始める。
「そこまで知られたからには…………生かしては帰さない! アーシア、危ないから離れてなさい!」
『で、ですが…………』
「あなた分かってるの!? 悪魔なんて下賎な輩を癒してしまった時点で、あなたはそれと同等のクズなのよ!! そのクズを、どうにか活かしてやるのだから大人しく言うことを────────」
それ以上は、聞いていられなかった。
「《インフィニットストーム》」
リアクターを完全開放、一瞬で10のフォトンの刃を前方に飛ばす。
「ッ!!?」
一瞬にして斬撃痕に塗れるレイナーレは、何が起こったかを理解できていないように、後ろに倒れこむ。
微妙に息はある…………牽制故、仕方無しか。むしろ今は好都合だ。
『アーシアちゃん。信じがたいかもしれないけど、俺は君を助けに来た。もし、信じてくれるのなら…………着いてきてくれ』
レイナーレと同じ位、何が起きているのか理解が追いついていない彼女に、手を差し出す。
『え…………でも、私…………』
『俺は大体のことを知ってる。知った上でこの手を差し出した』
本当は、首を突っ込むことではないのかもしれない。
本当は、ありがた迷惑の傍迷惑なお節介なのかもしれない。
本当は、同情なんかで手を差し伸べられても困るのかもしれない。
でも、目の前で誰かが死んでいくのは、もう嫌だ。何も出来ないまま、眺めてるのは、もう嫌だ。
『だから済まん。俺の我儘に付き合ってくれ』
そして、
『…………はい、信じます』
手は、伸ばされた。
『ありがとう。じゃあ、行こう』
感想、批評、駄目出し、よろしくお願いします。
-赤域の用語解説-
『イグザム』
2本の刃が珍しい、未来的な形の片手剣。赤域のお気に入り武器。ファンタシースターポータブルのデータをコンバートするときにくっ付いてくる特典の割に高性能(ま、ランクがC,B,A,SとあるうちのCなので、どこかで乗り捨てる必要はあるけれど)。片手剣は通常相手を1体しかロックできないが、この片手剣はロック数がプラス1される能力を持っている。武器ランクをSにするアイテムもあるので、愛があれば使い続けることも可能。
『フォトンアーツ(スキル)』
今回の話ではこの単語は出てこなかったけど、後述のインフィニットストームの解説に必要なためここで記述。
簡単に言えば武器にセットする必殺技。
ディスク媒体に記録された技を使用者が覚え、その覚えた技を武器に設定することで使えるようになる。技マシンみたい。
フォトンアーツにはレベルが設定されており、高くなればなるほど攻撃力や命中力が上がり、一部を除けば攻撃段数が増える。片手武器は最大2段、両手武器は最大3段。
昔はフォトンアーツに記録されてる技のレベルが1からスタートし、使い込むことでレベルが上がっていく仕組みだったけど、ファンタシースターポータブル2以降では使い込んでもレベルは上がらず、モンスターのドロップとかボス討伐報酬などでレベルが高いフォトンアーツディスクが落ちることを願うしかない。
『インフィニットストーム』
ファンタシースターポータブル2から登場した片手剣のフォトンアーツ。プレイヤーの初期装備。
ロック数と攻撃回数が多く、攻撃箇所の多いボスや、囲まれたときに使うと便利。ただ、フォトンアーツのレベルが低いと×1以下の攻撃力、命中補正がかかってしまうので、早急にレベルの高いディスクを見つけ出した方がいい。
1段目の攻撃は、3連続で斬りつけた後身体を翻しながらの水平斬り。
2段目の攻撃は、左手の装備を上空に放り出し、片手剣を両手で握り振り下ろす。一振りで斬撃が幾らか飛ぶ。