ハイスクールDevil×Dragon×Dhuman   作:しにかけ/あかいひと

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※第2章はギャグです。


その3-策謀×登場×降臨

「…………と、言うわけで。イッセーには私の指示したタイミングで、現れて欲しいの」

「了解しましたお嬢。演出は?」

「任せるわ。…………今回は、自重を止めていいわよ?」

「わーお…………そこまで腹に据えかねているわけですか。いいでしょう、本気でやります」

「ええ、お願いね」

 

 

◇◇◇

 

 

「この2人、って言うのも珍しいね」

「…………だな」

 

あのオバケ野郎が『ごっめーん☆ 先に行っててー☆』とかほざき、ハゲはハゲで『すまん! ちょっと外せない用事があるから遅れていく!』なんて言うものだから、俺と木場という珍しい2人で旧校舎に向かう最中。

 

昔なら『ケッ、このリア充イケメンがッ!!』と罵倒したくなる様な、同じ部活のメンバーであり、眷属仲間である木場。その姿を見て、俺は思わずため息をつく。

 

「あ、あの、元浜くん? 僕何か悪いことでも…………?」

「いや、お前が悪いわけではない。分かってる、お前がイケメンで、性格もイケメンだということを知っている」

 

だが、俺と木場が並んで歩く姿を見て、掛け算をしだす女子が悪い。くそッ、嫌われなくなったことを喜べばいいのか、掛け算の対象になってしまったことを嘆けばいいのか!!?

 

「あ、あははは…………」

「とはいえ、お前の人気は凄いな。さらっと回収した様々な腐った薄い本でのお前の登場率は100%だぞ?」

「…………ごめん、ちょっと耐えきれそうになくなるからやめてくれる?」

 

爽やかな笑顔のまま青ざめさせるという見事な技を見せつけられて、思わず口を噤む。すまん木場、貴様がナンバーワンだ。

 

「まあおふざけはこのぐらいにしておいてだ。まあこの組み合わせが珍しいのは、単純にバカ3人で連んでいるのと、お前が独り(・・)だからだろう?」

「…………ッ」

「観察眼には自信があってな。壁を作ってることも、分かってる。ああいや、深入りするつもりはないから安心しろ。不必要に仲間と険悪になる趣味はない」

 

とは言え心配になるのが、どこぞのオバケと同じぐらいに、腹に重いモノを抱えてそうなその雰囲気だが。…………それこそ、イッセーがどうにかしそうな内容か。

 

「……良く、見てるんだね」

「そうしないと4バカの中で生き残れなかったからな」

「はは…ちょっと羨ましいよ」

 

少し目に陰を浮かばせながら笑う木場の姿に、ちょっとふざけて返し、空気の澱みを少し解消する。

 

「まあその話もなかったことにするとして、だ。どうも、部室にお客様が来ている様だ」

「え? ここからまだ少し離れていると思うんだけど」

「気配察知がまだまだ甘いな、木場よ。……とは言え俺も、イッセーと比べたらまだまだお粗末なものだが」

 

実際授業が終わり、放課後になった段階でイッセーの目が鋭くなってたわけだしな。最早気配察知の域を超えた、高性能レーダーでも積んでいるのではないのだろうか?

ちなみに俺の間違い、という線も無い。旧校舎に入った段階で、木場も気付いた様だし。

 

「……そういうことか。確かに、甘かったね僕は」

「イッセーに頼めば、嬉々として鍛えてくれると思うぞ。まあ、その代わり何かを失うが…………」

「あはは…………本当に、彼はぶっ飛んでるね」

 

そんな軽口を叩きつつ、中から圧倒的格上の存在を認識しながら部室の扉を開く。

 

部室の中にいたのは、部長、朱乃副部長、小猫ちゃん。…………そして、クールな印象を与える、銀髪のメイド服姿の女性。圧倒的格上なのは、彼女か。

 

「(……………………)」

 

初対面の女性をじっと見る、というのは失礼かもしれないが、俺は思わずそうしてしまった。全く、隙が無い。いつ如何なる時でも対応できる様に、神経を周囲に張り巡らせつつ、その癖それを悟らせない佇まい。…………俺と松田のコンビで、一撃を入れられるかどうか、というレベルか。いやいや、世界は広いな。

 

「さて、これで集まれる眷属は全員揃ったわね。ケータには私から頼み事があって来れないし」

 

…………そうか、イッセーが先に行っていてくれと言ったのはこういうことか。眷属だけの方がいいと、判断したのだろう。

 

「では、今日の部活をする前に話があるわ」

「お嬢様、私がお話ししましょうか?」

 

そのメイド服の女性の申し出を手で制する部長。成る程、この女性はグレモリー家のメイドなのか。それにしてはあまりにも強いんだが、悪魔のメイドはこれぐらい強くなければならないのか?

 

「実はね───」

 

部長が、そう切り出したところで…………部室の床の魔法陣が光り出す。

転移現象? しかしあの魔法陣を使えるメンツは、圭太以外揃っている。それに、まさか圭太がこのタイミングで使うとも思えん。

 

しかし、その疑問は思わぬところで解消した。グレモリーの魔法陣だったそれが、別の形に変わっていくのだから。

座学で学んだ記憶がある。これは確か、

 

「……フェニックス」

 

そう、木場が今言った通り、フェニックス家の魔法陣だったはずだ。

 

昨日の話、部長の実家のメイド、そしてフェニックス家の魔法陣。

…………ここまで揃えば大体の察しはつく。

 

そんな思考を展開しているうちに、魔法陣が目も眩むような光を放ち、その中心に人影が現れる。

 

フェニックスの魔法陣の特徴なのか、炎が陣から巻き上がり、その中の人影が腕を振るうことで、それが散る。

 

「ふぅ。人間界は久しぶりだ」

 

現れたのは、赤いスーツをワイルドに着崩した、ホストタイプのイケメン。言ってはアレだが、女を騙すタイプの……である。

 

そして奴が、

 

「愛しのリアス。会いに来たぜ?」

 

部長の婚約者、ということか。

 

 

◇◇◇

 

 

部長のメイド──名を、グレイフィアさんと言うらしい──が、このホスト崩れのような男の紹介をしてくれた。

 

純潔の上級悪魔、元72柱が一つであるフェニックス家の三男。ライザー・フェニックス。

 

(成る程、貴族のボンボンか)

 

なんて感想を抱いた俺は、悪くないだろう。

 

で、そのライザー殿が、部長が座るソファの隣に座り、軽々しく肩を抱き、その手をイライラしながら払い落とす部長を見て、コッチはヒヤヒヤしていた。昨日の様子から察するに、限界は近いだろう。

 

「……ねぇ、ライザー? 私、約束したわよね…………大学を卒業するまでは、自由にしていいって」

「確かにそういう話だったが…………今、そんなことを言えるほど、安心していられる状況ではないことも、分かっているだろう?」

「そうかしら。たった数年間の、私のささやかな我儘をおしてまで、切羽詰まっているとは思えないわよ?」

「ハハハハハハ」

 

こ、このボンボン、笑って誤魔化しやがった。

 

「…………昔の貴方は、約束は違えない人だった。だから、私を見てくれなくともやっていけると思って婚約したのに…………。これでは婚約破棄も、視野に入れるべきかしらね?」

「お嬢様、それは」

「貴女もよ、グレイフィア。正確には貴女ではなく、お兄様とお父様お母様だけれど。まさか、あなた達まで一緒になって、このタイミングで結婚させようとしてるだなんて思わなかったわ」

「……………………」

 

…………貴族の結婚も、大変なんだな。俺は一般家庭に生まれてよかったと、心底思うよ。…………まあ、結婚できるかどうかはまた別の問題だが。

 

「先に行っておくけれど。私は理解はしているわよ、勿論ね。御家断絶を恐れていることも、純潔同士の子供が貴重なことも。それは他ならぬ、あなた達が知っていることよ」

 

これでもかと冷えた視線で2人を射抜く部長は、今まで見たことないぐらいに怖かった。おい、お前より怖い存在がいるぞイッセー。

 

「それで? 冥界の未来を背負っているのにも関わらず、大学まで自由にさせてくれという駄々をこねる世間知らずお嬢様を、無理矢理納得させる案を、持ってきたのでしょう?」

 

すっごい毒に満ち溢れた言葉を部長が吐くと、戸惑った様にグレイフィアさんが切り出した。

 

「……こうなることは分かっておりました、と言うのは反故にした此方側としては、非常に心苦しいのですが。『レーティングゲーム』にて、決着をつけるのは如何でしょう?」

「…………そうきたのね」

 

確か、レーティングゲームってのは成人した上級悪魔が、下僕悪魔を戦わせるゲームだった様な。だが、未成年の部長は、参加できないのではなかったか?

 

「成る程、非公式なゲームなら問題なし。私は未経験者、ライザーはレーティングゲームのプロ。斯くなる上は、力で押し込める手段に、と。悪魔らしくていいんじゃないかしら? そうしましょう」

「へー、受けちゃうのか。でも、構わないのかい? リアスが今口にした通り、俺は公式のゲームも経験している上に、眷属の数も多い。見たところ、君の眷属は数も少なければ、現状ではまだそれ程強くなさそうだ。それでも?」

「ええ。でも、少しぐらいはハンデを貰うわ。…………私の協力者を1人、ゲームに参加させてもいい?」

「協力者? まあ、構わないけどね」

 

そこまでライザーが発言したところで、部長はニンマリと笑った。そして、グレイフィアさんも微かにだが、口の端を釣り上げて…………あっ。

 

「言質はとったわよ。じゃあイッセー、出てらっしゃい」

 

部長の指がパチンと鳴ったとき…………また、部室の床が光り出す。

 

今度は確かにグレモリー家の魔法陣なのだが…………何かがおかしい。

 

そう思った瞬間、俺たちの目に、圧倒的な『赤』が入り込んできた。

 

誰なのかは分かる。イッセーだ。しかし、あの声は? イッセーの声は聞こえる。しかし、イッセーの声だけではなく、老若男女様々な声もごった煮にされた様な声だ。

 

 

 

『我が身に宿る龍帝よ、今こそ目醒めよ』

〈ようやくだ!!〉〈ようやく始まった!!〉

 

 

 

『我が身に宿る天龍よ、高らかに咆えろ』

〈もう今までとは違う!!〉〈これから変えていくのだから!!〉

 

 

 

『この身を捧げ、我は誓う』

〈俺たちが求めるのは───〉〈私たちが求めるのは───〉

 

 

 

『我が身を喰らいて、宣言せよ』

〈果てなき強さの頂ッ!!〉〈理不尽を踏破する意思ッ!!〉

 

 

 

《もう我らは迷わない、答えは確かにこの手の中にッ!!!》

 

 

 

「「「「「『我らこそ、最強の龍『赤龍帝』也や』」」」」」

『Welsh Dragon Nano Boost Drive!!!!!!』

 

 

 

先程の炎とは比べ物にならない程の炎を噴き出しながら、それは現れた。

 

赤い鱗。翠の瞳。

いつか見た、親友に宿る最強のドラゴン。

人間サイズであれど、見間違うことはない。

 

 

 

 

 

 

「グゴアアァァァァァァァァアアアアア───────ッッッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

赤き龍の帝王(ウェルシュ・ドラゴン)、ドライグが降臨した。

 

 

とりあえず分かったことは、部長とメイドさんとイッセー、グルだったな?

 




やっちゃったZE☆
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