ハイスクールDevil×Dragon×Dhuman 作:しにかけ/あかいひと
「と、いうわけで今回グレモリーさん達を鍛えることになりました、イッセーの父です。よろしくお願いします」
「同じく、イッセーの母でーす!」
「兄の妹、無限の龍神、兵藤永那。よろしく」
「こ、今回皆さんのサポートをすることになりました、アーシアです。よろしくお願いしますっ」
「そんでまあ、今回の訓練の総監督を務める、兵藤一誠です」
現在俺たちは、お嬢に連れられた別荘にて、自己紹介をしていた。
「す、凄い…………みんな私達より…………」
「それよりも、無限の龍神というのは本当だったのですね……」
「あ、あはは…………夢でも見てるのかな…………」
「…………まるでファンタジー」
「あ、お世話になりますおじさんにおばさん」
「先日は助かりました」
知ってるメンツとそうでないメンツで、まるきり反応が分かれて、思わずくすりとしながら、俺は代表として言葉を紡ぐ。
「今回のテーマは、ズバリ必殺技を身に付けてもらうことです。全体的なスペックアップも勿論してもらいますけど、やはりそちらは日々の積み重ねがモノを言いますからね。まあその観点でいけば、お嬢達はちゃんとやってるみたいなんで、問題はありません。なので、その日々の積み重ねをより良い形で活かすためにも、『これぞ!』という技を身に付けて貰えたらなーと思います。ではエーナ、みんなのチーム分けを」
「ん。塔城小猫、圭兄は父。次に、姫島朱乃、塔兄は母。木場祐斗、リアス・グレモリーは兄。我と姉は、サポート」
ちなみにエーナにチーム分けをしてもらったのは、やはり流石の龍神サマの適性判断をしてもらいたかったのが理由である。
「なお、普段のメニューを見せてもらいましたが、それぞれの訓練の前にあの量の4倍はやってください。科学的に不合理ですが、限界を越える精神力をつける為に、よろしくお願いします。まあ、身体が壊れそうになったらこちらの方でストップをかけますのでご安心を」
「時に、力を弱めた我の分身とも、戦ってもらう。怪我することもある。そのときは、」
「私の神器で治します!」
こういう時、アーシアの神器はとてつもなく便利である。
『
なお、今回グレモリーさん達を鍛えるに辺り、『相手が悪魔だし、トラウマもあるし、アーシアは留守番の方がいいかもしれない』ということも考えたのだが、アーシア自身がそのトラウマを不完全とはいえ乗り越えたことと、間接的にお嬢達に恩がある、さらに本人の意思によって同行することに。本当この娘ええ娘やで…………トラウマの元凶はいつか潰す。
「まあ基本的なところはこんなところですかね? 詳しい内容は、それぞれ個別に用意した計画表を配布したと思いますので、それを見て確認してください。じゃあそれでは、動きやすい服装に着替えて、早速始めましょうか!」
さーて、腕がなるなぁ!
◇◇◇
「つーわけで木場とお嬢の担当は俺というわけで、今からやっていこうと思うのですが…………生きてます?」
「ゼヒュ…………大丈夫よ、まだ死ねないわ」
「ハァ……ハァ……身体が壊れそうな程痛いけどね…………」
あー…………うん、俺は間違ってない。地獄の1週間強要させてるわけでもないし、間違ってなーい間違ってなーい。
「そういうわけで、今回俺に集められた2人は『対フェニックス必殺技』を身に付けてもらうチームなので、他のチームよりまあ苦しい訓練になるとは思いますが、頑張ってください」
「「え?」」
ん? そんなにおかしいかな?
「だったら、朱乃もこっちに配属した方が良かったんじゃない? 私の眷属の中で総合能力は2番目よ?」
「そ、それに、速さには自信があるけど、僕自体はそんなに力強くは…………」
「んー、別枠なんすよね朱乃先輩。詳しくは聞いてないんすけど、確か彼女、ハーフの堕天使ですよね? 悪魔の力と併用してその力を活かしてもらう訓練が必要だと思ったんで、母さんの方に。アレでも何処にでも居そうな主婦の顔してますけど、指先ひとつで大魔術使うような異能のプロですし、そっちの理解が薄い俺よりかはいいんじゃないかなって。あと木場をこっちの方に配属させたのは、お前の持ってる神器『
「……なんでそのことを知ってるのかは、聞かないでおくわね」
「あは、あははは…………」
さて、最終的な目標は、2人ともにエーナ1/25を倒せるレベルになってもらう程度なわけだが。
「そいじゃま、まずお嬢からいきましょう。今回お嬢に身に付けてもらうのは『トンデモ魔力操作』です。それでは実例を」
手のひらに、米粒大の魔力を出す。
「……見た目通り、本当に米粒程度の魔力ね」
「ええ、冥界の犬に宿ってる程度の、びっくりするほど少量の魔力です。ちょっと見ててくださいねー」
その米粒大の魔力に、『燃え上がれ』と指示すると、
「きゃあっ!!!!?」
「うわっ!!!?」
大火事レベルの炎が、俺の米粒大の魔力から噴き上がった。
まあやり過ぎると別荘燃えるから握って消すけど。
「如何です? 米粒大の魔力の癖に、あり得ない威力だったでしょう?」
「え、ええ…………如何いうことなの?」
「つまり、ですね」
悪魔の魔力操作は、非常に効率が悪いっ!
「1の操作をするだけに10も20も魔力を注いでるんですよ。いや、悪魔が体内に保有する魔力を考えたら別にそれでも問題はないのですが、ちょっとした因果で魔力を宿すことになった俺からすれば、ものすごーく効率が悪くて見ていられないんですよ。もしこの人間版トンデモ節約魔力操作を身に付けたら、同じ量の魔力で10倍、20倍の威力の跳ね上がりが期待できます」
「…………成る程。つまりイッセーは、私の持つ『滅びの魔力』を最大限に発揮させるつもりなのね」
「その通りです。無論、簡単なことではないと思いますよ。いわば、風呂桶使ってティースプーンに水を溢さずに注ぐ技ですからね」
この間見せてもらった『滅びの魔力』。ぶち当てた対象を消し飛ばすという、なんともぶっ飛んだ属性だ。さらにお嬢は保有魔力的にも凄く才能があるから、磨けば簡単に神器無しの俺レベルまでは到達すると思うんだ。才能ってズルい(うっとり)。
「まあ他にも『トンデモ魔力操作』はありますが、まずはコレを身に付けてからですね。というわけでお嬢、コレを」
「えっと………腕輪?」
「ええ。コレを嵌めると魔力がさっきの俺のみたいに米粒大ぐらいにしかひり出せなくなる制御装置です。少量の魔力操作に慣れてもらうために、最初の3日間はそれを身に付けてください」
「分かったわ」
コレでお嬢のガイダンスは終わりっと。
「じゃあ次は木場ね。木場には『魔剣創造』で、実際に鍛えて造ったレベルの魔剣を創り出せるようにしてもらう」
「……結構無茶いうよね。でも、流石に無理なことは言わないだろうし、方法はあるんだよね?」
もちろんだとも。
「というわけでこちら。俺が鍛えた魔剣。まあ魔剣じゃなくて鎌だけど」
「ぶっ!!? ちょ、この大鎌、なんか伝説級のソレみたいなオーラを纏っているんだけど!!?」
ぬははー。前世の記憶を頼りに造った、『ソウルイーター』である。
「まあそんなわけで、最終的には木場にはコレレベルの魔剣が打てるようになってもらうから」
「本当にできるのかい…………?」
「できるとも。ちなみに木場、いつも『魔剣創造』で剣を創るとき、どんなイメージでやってる?」
「え、うーん。大きさと強度、それと属性を頭に浮かべて創るんだけど」
あー、うん。分かってた。
「それだと雑いのしか創れんから、これからは『実際に剣を鍛える』イメージで創ってみ? その神器を持っている即ち、お前は鉄鉱で、お前は炉で、お前は鍛冶師だ。後で軽く魔剣を鍛えてみるから、それを見てそのイメージで創ってみると、大分変わると思う」
創造系の神器は、イメージが大事なのである。より良いイメージは、創り出す物をより完成度の高い物に近づけていく。
「成る程…………でも、それだけで対フェニックス必殺技とは言い切れないんだけど」
「そうだな。確かにそれだけじゃあ言えない。まあそれでも伝説級の魔剣使っての相性ゲーは、それだけで脅威だけどな」
で、ここで俺が着目したいのは、『魔剣創造』で生み出す剣の属性の自由度だ。
「そうだな。例えば物が燃えるのに、燃料とは別に空気がないとダメだよな。正確には酸素だけど」
「うん」
「じゃあ、その酸素を喰らう魔剣、とか言うのがあったら、一定範囲内の空間は物が燃えなくなるわけだ」
「……………………まさか」
「不死鳥は、己の身を
「あり得ない……とは一蹴できないね」
これが既存のフェニックス打倒方とは別の、新たなフェニックス打倒方である。燃えて復活するなら、燃えなくすればいいじゃない!
「しかもこれはイメージしやすいように科学的な例えで言ったが、穿った対象を燃えなくする魔剣にしてしまえば…………?」
「…………うわぁ」
まあ、そんな限定的な属性を創り出すのは難しいだろうから、要訓練だけど。
「なお、これがうまくいけば、お前はどんな相手でも封殺できる相性ゲームの鬼になれる! 相手を弱体化させ、自分の土俵に引きずり込めば、おそらくお前は勝てる! というわけで『魔剣創造』の訓練とは別に、相手の特徴を瞬時に把握、判断し、苦手な物を導き出せる訓練が必要だな。どうだろう? 納得がいかなければ変えてみるけど」
「…………いや、大丈夫。
……………………。
「何か言ったか?」
「ううん、なんでもないよ。じゃあ、よろしくお願いするよイッセーくん」
思ったんだ…………フェニックスって、案外封殺が簡単だと。