友達の少ない僕が幼馴染達のお手伝いを頑張る事になった(凍結) 作:なんちゃって提督
「今日入学された新入生の皆さん、これからの学校生活を有意義で実りのあるものにすべくーー」
なんて事を長々とこの学校の校長先生が喋り続けるのをしっかりと一言一句聞き逃さずに聞いている生徒が何人いるだろうか。そういう僕もほとんど聞き流しているから他人の事言えないのだけど
周囲をチラッと見れば、新たな高校生活への緊張している生徒が半分、あまりの退屈さに眠気からくる欠伸をかみ殺している生徒半分といった感じだ。ちなみに僕は緊張しているせいで全く眠気を感じない
「――校長先生、ありがとうございました。それでは次に在校生による校歌斉唱です」
長かった校長先生の話が終わり、先輩方による校歌の披露が始まった。それを半分聞き流しつつ、僕が考えている事はただ一つ
(友達……できるかなぁ)
中学時代も友人は少なかった。これはコミュ力がないというよりも、かなり人見知りが激しいこの性格によるもので生まれてこの方、かなり苦労してきた
もちろん直そうと努力はしているつもりなのだが、なかなか上手くいかないままこうして高校生活が始まってしまった。正直、不安しかない
(いやいや、高校では積極的に、自分から友達を作るって決めただろ!)
中学まではずっと同じ友達と一緒にいたのだが、彼らはこの高校にはいない。さらに言えば同じ中学からこの音乃宮に進学してきたのは僕だけなのだ
「――以上で入学式を終了いたします。新入生は先生方の指示に従って、それぞれの自分達の教室に移動してください」
そんな司会の先生の声を聞いて周りの学生が一斉に立ち上がる。一瞬遅れて慌てて立ち上がったので隣の女の子に笑われてしまった……恥ずかしい……
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「よし、全員席に着いたね。私がこの1年C組の担任の牧野かなえです。これから1年という短い間ですがよろしくお願いします。それじゃあ、早速だけど一人ずつ自己紹介していってもらおうかしら。出席番号が早い順にね」
僕達の教室に戻って席に着くと、担任である牧野先生の自己紹介が終わり、今度は学生が自己紹介をする番になった
出席番号が早い順という事は、僕が自己紹介をするのはかなり後ということになる
僕の一つ前の溝口くんが緊張しながらも簡単に自己紹介を終え、いよいよ出番が回ってくる。あれ、やばいぞ、緊張して頭が真っ白に……
「あ、え、」
な、何をやってるんだ僕は!?
「えっと……あの」
今日この日分かったのは
「僕は、林堂悠って言います……」
人間はそう簡単には変われないっていう残酷で当たり前な事だった
結局、その日はクラスの誰とも話すことなく、下校することになってしまった
あぁ……さよなら、僕の高校生活……
首からチェーンによってぶら下げられているリングを指先で弄りながら、寂しく家に向かって歩きだした
これからよろしくお願いします!