友達の少ない僕が幼馴染達のお手伝いを頑張る事になった(凍結) 作:なんちゃって提督
と、いうわけで今回はあの人の回です
学校が終わり、僕は一人秋葉原にいた。穂乃果ちゃん達の練習にも顔を出してあげたいのだけれど、今日は音乃木坂で練習をしているので部外者である僕は音乃木坂に入る事ができない。こればっかりは致し方ないね
そして一人で秋葉原にやって来た理由はというと、スクールアイドルの情報を仕入れる為に新しいCD及びPVを探しにやって来たのだ。ダンスや作詞を考える上で全くの素人である僕は他のスクールアイドルのものを参考にして勉強しているのだ
…パクリじゃないよ。オマージュ、またはリスペクトだからね
最近になってアイドルの曲を聞き始めたわけだが、これが意外と悪くない。以前に真姫が『軽い音楽』と馬鹿にしていたが、それは間違いであると思い始めていた。確かに色々な曲があるのでイマイチなものもあるが、それ以上に素晴らしいものも沢山ある。トップクラスの人気を誇るスクールアイドルの曲はプロのアイドルのものと比べても遜色ないと僕は思う
と、いうわけでやってきましたアイドルグッズ専門店。スクールアイドルのCDは普通のお店にはなかなか置いていないのでこういった専門店に足を運ぶ必要がある
「えっと……」
スクールアイドルのコーナーに着き、目当てのものを探す。今日はどこのグループのを買おうかな。プロではなくアマチュア扱いの彼女達のCDは比較的安く購入することができるので僕の財布にも優しいものとなっている。いつかはμ’sのグッズやCDもお店に並ぶようになったら嬉しいなぁ
「あ」
そんな事を考えながら探していると気になるCDを見つけた
以前に偶然ライブを観戦した『A-RISE』というグループの新曲PVだ。あの時は知らなかったが、彼女達は全国に群雄割拠するスクールアイドルの頂点に立つグループなのだ。言わばこれからμ’sが目標としていくグループの一つである
これを買わない手はないな、と思いCDに手を伸ばすと
「あ」
「ん?」
ほとんど同時に僕とは逆の方から手が伸びてきた。見れば僕より小さい女の子で髪の毛をツインテールにして結んでいる子だった
見た所、どうやらこのお店に置かれているラスト一枚らしい。僕とその子はCDを手に触れたまま少しの間見つめ合う。二人の間には会話はなく、お店で流れているとあるアイドルの軽快な曲だけが僕の鼓膜を打った
しかしその静寂は長くは続かない
「にこの方が早かったわよね」
「え」
「だから、私の方が早かったんだからこれは私が買っていっても問題ないわよねって言ってるのよ」
な、なんだこのちびっ子!? 初対面の相手に対してやけに高圧的じゃないか!……少し怖いなんて思ってないですよ、ええ
「ほとんど同時だったと思うんですけど」
言った瞬間、ギロッ! と可愛らしい容姿には似合わない瞳で女の子に睨み付けられた。先程の言葉訂正いたします。この子、怖いです
即座に逃げ出したい衝動に駆られるが、同時にこのCDが欲しいという葛藤に苛まれる。どうにかこの子からCDを頂く良い手段はないのか……なんて考えていると
「まぁ、いいわ。はい」
なんと、意外にもあっさりと譲ってくれたのだ
「何をマヌケな顔してんのよ。いらないって言うんなら私が買っちゃうわよ」
マヌケ……初対面相手に失礼にも程がある。でも譲ってくれたのはありがたく受け取ろう
「いいのよ、私はそれもう何枚も持ってるから」
「へ?」
なんだって!? だったら尚の事僕が優先して買うべきだろう。先程からの暴言を言われる筋合いは全くないではないか
え? さっきからどうして言葉にしてないのかって? そんなの目の前のちびっ子が怖いからに決まってるじゃないですか
「ど、どうして何枚も買うんですか?」
「はぁ? アンタ何も知らないのね」
呆れたようにジト目で僕を見つめるちびっ子。ぐぬぬ……温厚な僕でも我慢の限界があるんですよ
「このCDには抽選券がついているのよ」
「抽選券?」
「そ。A-RISEのメンバーと会う権利が当たる抽選券」
なん、だと……それならばこのCDがこの店に一枚しかなかったのも納得できる。この人のようなファンが沢山買っていったのだろう。それにしても実際に会う権利だなんて本当にプロのアイドルみたいだ
「これで当たったらにこに感謝しなさいよね」
「にこ?」
「そ、私の名前」
にこさん、か。変わった名前だと思ったのは内緒にしておこう。ちびっこもといにこさんは怖い人だが同時に良い人っぽい。譲ってくれたのだからありがたく買わせていただこう
「ありがとうございます」
「気にしないでいいわよ」
素っ気なく言うにこさん。そういう感じなら最初から大人しく譲ってくれれば良かったのに……なんて思っていても声に出せない
「場所は……あ、ここでやるんですね。抽選会」
「そうよ。当たるのは三人までだから多分当たらないと思うけどね」
「三人ですか……」
何人がCDを買っているかなんて知らないけど三人しか会えないとなると、確率はかなり低そうだ。でも宝くじが当たるよりは高い確率だろう。そんな安直な考えから抽選会に行ってみるだけ行ってみようかな、なんて思った
「にこさんも行くんですよね? 抽選会」
「当たり前じゃない。その為にCD買ってるんだから」
プロのアイドルでも似たような事をやっているわけだが上手い商売だなって思った。買う方も好きで買っているんだから文句はないだろうけど、何枚買ってでも会いたいっていう気持ちは凄い。僕にはまだ理解できない領域の話だ
そういった面で言えばこの目の前にいるにこさんは凄い。ミーハーという言い方はあまり良くないかもしれないが、一つのものにどんな形であれ情熱を注げるのは凄い事だ
そうだ、ちょっと一つ聞いてみようかな。ちょうど無関係な人の意見を聞きたいと思っていたし
「にこさんはスクールアイドルにも詳しそうですね」
「ん? まぁ、ね。にこぐらいになれば大体のスクールアイドルは分かると思うけど。それがどうかしたの?」
「μ’sってスクールアイドル知ってますか? 最近できたばかりみたいなんですけど」
聞いた瞬間だった
にこさんの表情が一変する。怒りとも妬みとも言えないような複雑な表情に
「μ’s……ですって?」
俯いてわなわなと震えだしたかと思えば一気に僕に詰め寄って来て
「アンタ、あんな連中に興味があるっていうわけ?」
「ひっ!?」
先程睨み付けられた時とは比べものにならないほどの形相。僕は情けない声を出してしまった。自分より身長の小さい女の子に首元を締められている図はかなりシュールだろう。周囲にいる他のお客さんの視線が集まるが、にこさんの目には入っていないようだ
「あんな奴らねぇ……ッ!」
「に、にこさん……?」
苦しそうに声を出す僕を見て我に返ったのか、にこさんは慌てて首元を締めていた手を離した。そしてバツが悪そうに目を逸らして
「……ごめん」
小さくそう零すとにこさんは店から逃げるように飛び出して行ってしまった。呆然とする僕だけがその場に取り残される。騒ぎを聞きつけた店員がやって来て「大丈夫ですか?」と言われたので「大丈夫です」と言っておく。店員さんに手に持っていたA-RISEのCDを手渡して、一緒にレジへと向かう
会計を済ませながら考える
どうしてにこさんはあそこまで怒ったのだろうか。アイドルが好きだと言っても好みは別れるので、にこさんがμ’sを嫌いだったとしても不思議ではないけど……それだけじゃない気がする。僕の当てにならない勘でしかないけれど
アイドルショップを後にして帰り道をのんびりと歩きながらも僕は今日の出来事で頭が一杯だった。顔を不特定多数の人間に見られる活動だからこそ、見てくれるのは応援してくれるファンだけとは限らない。アンチと呼ばれる心ない人も必ずいるのだ。それを再認識させられた形になった
……そう言えば、聞くのを忘れたんだけどにこさんって何歳だったんだろう?
ーーーー
数日後の、僕は再びアイドルショップへとやって来た。目的は買ったCDについていた抽選券。その抽選会が今日だったのだ。数日前に買えた僕は運が良かったのかもしれない。にこさんに感謝しなきゃいけないね
今日は休日だという事もあってか、アイドルショップには凄い数の人が集まっていた。これ、全員が抽選会の為に来てるの? 流石人気ナンバーワンスクールアイドルのA-RISE、文字通り規模が違う
いやー、目標は遠いなぁ。なんて思っても僕が勝手にA-RISEを目標にしているだけなんだけどね。でもμ’sがこれぐらい人気になれば廃校阻止という穂乃果ちゃん達の目標も現実味を帯びてきそうだし、本当に目標にしてもいいかもしれない
「抽選会にお越しの方はこちらに集まってくださーい!!」
そんな事を思っていると店員のお兄さんがマイクを使ってそう言った。人が集団となってお兄さんがいる方に移動していく。集まっている半分以上の人間から殺気を感じるのは気のせいだと信じたい。これはもしも抽選に当たったら後ろから刺されないように気をつけなきゃ、なんてね
お兄さんに連れられて僕達はそのままお店から出た。そこには小さなステージが設けられていて、お兄さんはそこに上がって
「本日はお越しいただきましてありがとうございまーす!! これより抽選を開始しますので、皆さんお手持ちの番号を確認してくださーい!!」
ポケットに入れてあった抽選券を取り出して数字が書いてある部分へと目を落とす。えーと、僕の番号は何番だったかなー…
「ちょっと」
「はい? ……ってにこさん」
袖を軽く引っ張られたので振り返るとそこにいたのはなんと先日にCDを譲ってくれたにこさんだった。ひょっとしたらまた会うんじゃないかと思っていたけれど、まさか向こうから声をかけてくれるとは
「えっと、何か用ですか?」
「特に用があるってわけじゃないわ。ただ見かけたから声をかけとこうを思っただけよ」
「あ、そうですか」
「……」
「……」
「ちょっと! 何か喋りなさいよ!」
「え?」
「え? じゃなくてせっかくにこが話しかけてあげたんだから何か気の利くような話をしなさいって言ってるの!」
「……えっと、今日は良い天気ですね?」
「それのどこが気の利いた話なのよ! ただの挨拶どころか語尾が疑問形のせいで挨拶にすらなってないじゃない!」
凄い剣幕でまくし立てるにこさんに僕は思わず後ずさる。知らないから仕方がないとは思うけど僕から気の利いた話が咄嗟に出てくるわけがないじゃないですか。無茶ぶりも良い所ですよ
だけどそんな事を微塵も知らないにこさんは納得しそうにない。だから僕は少しだけ話題の種を探した
「……そうだ。にこさんの抽選番号は何番ですか?」
「私は……203、093、145、024……」
「ちょ、ちょっと待ってください。何枚買ったんですか?」
「……内緒よ」
「内緒ってどれだけ買ったんですか……」
「うるさいわねぇ、良いじゃない別に。それよりアンタこそ何番なのよ」
「僕の番号は111番です」
「うわ、ゾロ目じゃない。ひょっとしたら当たるかもよ?」
「あはは、これだけの中から選ばれたら僕の今年の運気が全て吸い取られちゃいそうですね」
そうは言いつつも抽選番号がゾロ目だと知った時には思わずテンションが上がってしまっていた。コンビニとかのお会計でもたまたまゾロ目とかだと何となく気分が良いよね?
「あ、抽選始まるみたいよ」
にこさんの言葉の通り、それらしい事をマイクを持った店員のお兄さんが喋っている。いつの間にかお姉さんの店員までいて、その人は大きめの箱を抱えていた
「この箱の中に皆さんの抽選番号が書かれた紙が書いてあります! これから引かれた紙に書いてある番号をお持ちの方が見事当選者になるわけですが……今回皆さんの中からラッキーな人を選ぶのは自分達ではありません」
店内がざわつき始める。店員さんが選ぶのではないとしたら誰が選ぶと言うにだろう。まさか……
店員さんは、してやったり、といった感じの意味深な笑みを浮かべて言い放った
「もう予想のできた人もいるかもしれませんね! それではどうぞ、A-RISEの三人でーす!!」
「え」
言われて店の中から出てきたのは本当にA-RISEだった。僕の小さな驚きの声は周囲の爆発的な歓声によって完全に掻き消されてしまった。驚きで声も出ない僕とは対照的に、にこさんはすごく嬉しそうに声を出している。この人は本当にA-RISEが好きなんだなぁ
A-RISEは観衆に手を振りながらステージへと上がる
うわぁ……二回目の生A-RISEだ。ミーハーなファンではないと思うけど正直かなり興奮しているのが自分でも分かった。あ、店員さんが綺羅ツバサさんと握手してる。純粋に羨ましい
「これからA-RISEのメンバーに一枚ずつ紙を箱から取り出してもらいます。さぁさぁ皆さん、自分の番号を引いてもらえるように祈っていてくださいねー!」
そこで軽快な音楽がBGMとして流れ始めた。これはA-RISEの新曲だ。やっぱりカッコイイ
しかしこの曲は……μ’sの三人にはあまり似合わなそうなタイプな曲調だな。でも、こういうカッコイイ感じの曲も歌えると良いと思う。だからこそやっぱり新メンバーは必要だね
「それでは最初のラッキーな人を選んでいただきます! 最初に引いてくれるのは誰ですか?」
「じゃあ最初は私が引こうかしら」
名乗り出たのは優木あんじゅさん。おっとりとした雰囲気を持ついかにもお嬢様、といった印象を受ける人だ。もちろんすごく可愛い。南さんもこの人と似たタイプだと個人的に思っている。甘々な声質とかね
会場で流れているBGMが少しだけ小さくなり、彼女が箱に手を入れるのと同時に観衆の声も無くなっていった
誰もが息を吞む
僕も期待していないとはいえ、もしかしたら、という思いでここにいるわけで
当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれーー!!
「私の引いた番号は……」
そこで完全に周囲の音が消えた。周りを見るとほとんど全員が祈るような体勢になっている。隣にいるにこさんも両手を胸の前に置いて祈るように目を瞑っている
静かなのもあってドキドキする。その場の静寂はあんじゅさんの声によって破られる
「……174です」
あんじゅさんが読み上げた番号は僕のものではなかった。当たり前と言っては当たり前なんだけど、やっぱりショックだ
遠くの方で女の人の歓喜の声がした。羨ましいなぁ、きっと当たったんだ
隣にいるにこさんはがっくり肩を落としている。あんなに沢山買っているにこさんですら当たらないのか。これは分かっていたけど絶望的だ
「174番の方、おめでとうございまーす! 抽選会が終わったらスタッフが誘導しますのでステージの方へといらしてくださいねー。それでは次の番号いってみましょう!」
「次は私が引こう」
言って、前に出たのは統堂英玲奈さん。黒髪のロングヘアで背が高い、かなりカッコイイ雰囲気の女の人だ。余談になるけどクールな雰囲気と見た目から女性のファンがかなり多いらしい。男の僕から見ても格好良いんだから女の人から見たらもっと格好良く見えるのかもしれない
遠目から見る感じでは身長は僕と変わらない気が……いや、自分の身長の話題はやめよう。虚しくなるだけだ。あれ、なんだろう目から汗が
そんな馬鹿みたいなことを考えている間に、英玲奈さんは箱の中に手を入れていた。うう、どうにか当たらないかな。神様、お願いします何でもしますから僕にA-RISEと会うチャンスをください
あ、やっぱり何でもは無理ですごめんなさい
既に彼女は箱の中から番号が書かれた紙を選び終わっていた。それをまじまじと見つめてからゆっくりと、その番号を発表した
「私の引いた番号は」
再び静寂。誰もが自分の番号であることを祈っているだろう
僕も当たらないと薄々分かっていながらも、心のどこかで期待していた
もしかしたら、と
そして生きていればもしかしたら、なんてことは山ほどあるのだ
「…111番だ」
聞き間違いかと思った
その為僕は名乗り出る事ができないでいた。司会を務める男の人が何かを言っているが、やはり僕は反応できないでいた
隣にいるにこさんに目を向けると、口を大きく開けてパクパクとさせていた。それを見て僕はようやく我に返って
「あ、当たった…?」
いつの間にか握り締めていた抽選券に目を落とすとそこに書かれている番号は間違いなく111番だった。ほ、本当に当たった!?
「…111番の抽選権をお持ちの方いらっしゃいませんかー?」
聞こえてきたお兄さんの声と、横にいたにこさんに肘で突かれたことによってようやく名乗り出る事ができた
「は、はい僕です!!」
言った瞬間、周囲から殺気と羨望の視線が僕に集まる。思わず身を縮めてしまったが何とかステージの方へと視線を向けた
ステージの上にいるA-RISEのメンバーと目が合った…気がした。やはり三人共美人だよなぁ
これからこの三人と話せるかもしれないと思うと嫌でも心が舞い上がるのを感じてしまう
そんな事を考えていると、ステージの上の綺羅ツバサさんの表情が気になった
何故か驚いているというか、嬉しそうにしているというか。何とも表現しづらい表情を浮かべている
彼女がどうしてそんな顔をするのかエスパーでも何でもない僕に分かるはずもなく、その理由を考えているうちに抽選会が終わってしまった
僕を含めて当たった三人はこの後、店の奥にある事務所に来てほしいと言われてその場は解散になった
ううー…なんだかんだで凄く楽しみになってきたぞ!!
ちなみにあんなに買っていたにこさんに神は微笑んでくれなかった。がっくりと項垂れるにこさんの背中はいつもより二回りほど小さく見えた
僕はそんな彼女を見かねて思わず声をかけることにした
「あ、あのにこさん」
「…なによ」
振り返ったにこさんの瞳には嫉妬と羨望、悔しさがはっきりと映っていた。いくら当たりたかったからってそんな目で見なくても良くないですか?
しかしその瞳に臆していては話が進まない。僕は握っていた抽選券を差し出した
「…何のつもり?」
「これ、にこさんがCDを譲ってくれたおかげで当たったんです」
そもそも僕の当初の目的はCDそのものであって抽選券は副産物でしかないのだから
「だからこれはにこさんに」
「いらないわ」
「あげま……って、ええ?」
僕の声に被せる形で断られてしまった。え、本当にいらないんです?
断られるとは思っていなかった僕は思わず呆けてしまった。僕の手の上にある抽選券が受け取り手を失って風によって虚しく揺れる
「な、なんでーー」
「簡単な事よ。それ、アンタが買ったものじゃない」
言葉の意味が分からない。僕があげると言ったのだからにこさんが断る理由にはならないのではないか?
「にこが譲ったおかげなのかもしれないけど、アンタが買った時点でその抽選券はアンタのものなのよ。それに……アンタだってA-RISEに会いたいんでしょ?」
「まぁ、それは……そうですけど」
「だったらなおさら受け取れないわね。にこに比べたらまだまだにわかだけど、アンタもファンの端くれとして精一杯楽しんでくることね。そうじゃないと外れた他のファンやA-RISEにも失礼ってもんよ」
言うだけ言って、彼女は僕に背を向けて立ち去ってしまった。そして僕はその後ろ姿を見送る事しかできない
小柄な僕よりもさらに小さなその背中が何故か今は凄く大きく見える……にこさん、何だかカッコいいです
好きだからこその拘りがあるのだろう。本当にあの人は尊敬できる人かもしれない
ともかく、にこさんと別れた僕は店の奥へと向かうべく歩きだした。こうなったらにこさんの言う通り全力で楽しむべきだろう。なんだかんだで僕もA-RISEに会えるのはかなり楽しみなのだから
ウキウキした気持ちを抑えながら僕は「スタッフ以外立ち入り禁止」と紙が貼られたドアの中に入っていった
……あ、またにこさんが何歳なのか聞くのを忘れてた
というわけで今回は矢澤さんの回でした。いかがだったでしょうか?
話の構成上、大分ご都合主義になってしまいましたがご了承ください
相変わらず沢山の方が見てくださっているようでうれしいです!お暇があれば是非とも評価や感想等もよろしくお願いします。作者のモチベーションにも繋がりますので
次回はいよいよA-RISEとの顔合わせです
ん? KKEとの顔合わせ回は、だって?
……キミの様に勘の良いガキは嫌いだよ