友達の少ない僕が幼馴染達のお手伝いを頑張る事になった(凍結)   作:なんちゃって提督

3 / 19
七夕とかビキニの日とかネタはあったんですが本編が全く進んでいなかったので執筆を断念…

それではどうぞ


幼馴染二人目

 

「ただいまー」

 

 

「おかえりなさーい。意外と早かったじゃない」

 

 

「今日は入学式だけだって言ったじゃん。早いのは当たり前でしょ」

 

 

「そうだけど久しぶりにこの街に来たんだから会いたい友達とかいるでしょ……あ、ごめーん」

 

 

わざとらしく、ニヤニヤしながら口元に手を当てている女性は僕の母親である。ちなみにフルネームは林堂まどか。なんだか魔法少女になれそうな名前だが、そんなとんでも能力はありません。奇跡も魔法もないのです

 

 

「アンタ、昔から友達少なかったもんねー。会いに行けるような子なんていないかー。ごめんごめん私とした事がすっかり忘れてたわー」

 

 

てへぺろ♪ みたいな感じで舌まで出している。本当にこの女性は僕の母親なんだろうか? まず息子に友達がいないって分かってるなら心配くらいするべきだろう

 

 

「……うるさいな。余計なお世話だよ」

 

 

しかし母さんの言う事は間違っていないので何も言い返す事ができずに、適当に答えて自分の部屋がある二階へ行く。相変わらずとんでもない母親だ。もちろん嫌いではないけど

 

 

「ああ、ちょっとちょっと。冗談じゃない怒らないでよー」

 

 

笑いながら呼び止めてくる。まだ何か用があるのかな? というよりも笑って言う事じゃないでしょ、それ

 

 

「私はこれから晩御飯の支度をしなくちゃいけないんだけど、お醤油切らしてるの忘れててねー。買ってきてほしいのよ」

 

 

「えー、だったら僕が家に帰ってくる前にメールとか電話とかしてくれればよかったじゃん」

 

 

「だって忘れてたんだもん♪」

 

 

「もん♪ じゃないよ、全く……」

 

 

いい歳してすぐにぶりっ子するんだからーー

 

 

ストン と

 

 

あまりにも軽い音で僕の背後の壁に何かが突き刺さった。顔のすぐ横にあるそれを見れば、壁に刺さっているのは母さんが日頃愛用している包丁

 

 

「何か言ったかしら悠くん?」

 

 

母上様、僕は今何も言ってませんが。満面の笑みを浮かべているのが逆に恐ろしい

 

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

「いってきまーす……」

 

 

「はーい! 気をつけてねー!」

 

 

抵抗やら反抗やらは本当に時間の無駄にしかならないので大人しく出発する。それにしてもさっき投げたものが間違って僕に刺さったらどうするつもりなんだろう。あの人は「てへぺろ♪」で済ませそうで怖い

 

 

「てか、どこで買えばいいんだろ……」

 

 

家を出て少し歩いた辺りで僕はスーパーマーケットとかの場所を知らない事を思い出した。四年くらい前の記憶を遡ってもほとんど思い出せない

 

 

頭を使っても無駄だと悟った僕は迷わず文明の利器に頼る事にした。スマホには便利すぎる機能であるGOGOマップというアプリが搭載されている。これのおかげでよほどの方向音痴でなければ目的地に辿り着くことができる

 

 

「えーと……一番近いスーパーは……っと、意外とここから近いんだ」

 

 

マップで検索をかけてみたところ、現在位置から歩いて十分もかからなそうだ

 

 

そこの公園を通ったら少し近道になるっぽい。この辺りの散策も兼ねて通ってみようかな

 

 

公園に入ると反対側から女の子が三人こっちに歩いてくるところだった。遠目からなのではっきりはしないが、確かあの制服は真姫と同じ、音ノ木坂のものだったはずだ

 

 

「あれ?」

 

 

「……?」

 

 

真姫と同じ学校の人なんだー、くらいにしか考えていなかった僕の顔を女の子の中の一人がガン見していた。な、なんだろ。まさか不審者だと思われた? もしもJKに通報なんてされようもんなら人生が終わる

 

 

できるだけ目を合わさないように、何事もないように通り過ぎようとするが、やはり女の子は僕の事を見つめている

 

 

「んー?」

 

 

その人は視線だけでなく声まで出して僕を見ている。ひょっとして逆に向こうの方が不審者なのかも……いやいや、それはないよ、うん

 

 

そしていよいよすれ違おうと三人の横まで来た所でさっきから熱い視線を僕に送っていた女の子が大きな声を出した

 

 

「……やっぱり!」

 

 

「ひっ!? い、いきなりなんですか!?」

 

 

本日二度目のびっくりして変な声を出してしまったわけだが、それはいきなり声をかけてきた女の子以外の二人も同じだったようで、ビクッ と肩を震わせていた

 

 

「うわー、久しぶりだね! 元気だった!?」

 

 

「え、あの、えっと……」

 

 

いきなり話しかけてきたけど、この人誰なんだろう?

 

 

自他共に認めるコミュ力不足の僕に、女の子の友達なんて真姫以外にはいないし……こんな可愛い女の子の知り合いなんて尚更……あ、考えたら恥ずかしくなってきた。目が見れない

 

 

「穂乃果、いきなり失礼ですよ。相手の方も困ってるじゃないですか」

 

 

そう言うのは、黒くて長い綺麗な髪の女の人。なんとなく真面目そうな雰囲気が出ている

 

 

「あ、そっか。えへへ、私ったら久しぶりすぎて浮かれちゃったよー」

 

 

「それで、この人は誰なの? 穂乃果ちゃんのお友達?」

 

 

そう言うのは、ベージュっぽい髪の女の人。この人はなんだか柔らかそうな雰囲気の持ち主だ

 

 

「うん、穂乃果のお友達のはるちゃんだよ!」

 

 

はるちゃん……? 僕の事をそう呼ぶのは今までで一人しかいなかったはず。それにさっきから周りの二人はこの人の事を「ほのか」と呼んでいる

 

 

「あ……」

 

 

そこから導き出される人物はたった一人しかいない

 

 

「もしかして……高坂、穂乃果ちゃん?」

 

 

「? そうだよー…ってもしかしてはるちゃんってば私の事忘れちゃってたの!? 酷いよーっ!!」

 

 

「ご、ごめん!」

 

 

僕は素直に謝った。まさかこんな所で穂乃果ちゃんと再会するなんて思っていなかった。けど冷静に考えてみたら彼女の家はこの近くだったしバッタリ会ったとしても何の不思議のないのだが

 

 

高坂穂乃果

 

 

僕がこの街にいた頃だから、小学校低学年とかそのぐらいの時期に母さんが穂乃果ちゃんのお母さんと友達だったという理由で僕も一緒に彼女の家にお邪魔した時に知り合ったのだ

 

 

今よりも他人と話す事が苦手だった当時の僕に、穂乃果ちゃんが積極的に話しかけてくれたおかげで無事に仲良くなる事ができたという過去がある。ちなみに小さい頃から僕は人見知りです

 

 

「むー…私ははるちゃんの事忘れた日なんて一日もなかったっていうのに、意外と薄情だったんだね」

 

 

「うぅ……ほんとにごめんなさい……」

 

 

ジト目で見てくる穂乃果ちゃんに対して、申し訳なくなりもう一度謝罪する

 

 

「穂乃果ちゃん、あんまり苛めたら可哀想だよ~。その人も反省してるみたいだし、許してあげて?」

 

 

「……ことりちゃんがそう言うなら、仕方ないなぁ」

 

 

穂乃果ちゃんの視線からキツさがなくなり、僕は内心、ほっとする。あんな目で見られ続けてたら心臓に悪い

 

 

穂乃果ちゃんを宥めてくれた人は笑顔を作って挨拶してくれた

 

 

「初めまして、私は南ことりって言います。よろしくね、えっと……」

 

 

言葉に詰まる南さんを見て、僕も名乗っていない事を思い出す。うぅ、初対面の人に挨拶するとか心臓に悪い

 

 

「あ、えっと、僕は林堂悠って言います……」

 

 

ちょっと言い淀んでしまったがなんとか自己紹介を終える事ができた。人見知りの僕にしては上出来だったと思う

 

 

「林堂くんね、改めてこれからよろしくね♪ ほら、海未ちゃんも挨拶しないと」

 

 

「わ、私もですか?」

 

 

いきなり話を振られて慌てる黒髪の人。あれ、ひょっとして僕と同じ人見知りするタイプなのかな。というよりいきなり知らない男に自己紹介するっていうシュチュエーションはなかなかないよね

 

 

「えっと、私は園田海未といいます」

 

 

「えっと、園田、さん。よろしくお願いしますね」

 

 

「はい、こちらこそよろしく……」

 

 

お互いに言動がかなりぎこちない。間違いない。この人は僕と同じ人種だ。そして僕が一番会話に困るタイプの人だ

 

 

自己紹介を終えて、再び穂乃果ちゃんが声をかけてくる

 

 

「ここで会ったって事は、ひょっとしてまたこっちに引っ越してきたってこと?」

 

 

「そうだよ。僕は音乃宮学院に入学したから」

 

 

「えー! はるちゃん音乃宮なの!?」

 

 

「ふあー…林堂くんって頭良いんだねぇ」

 

 

南さんが感心するように言った。褒められることに慣れていない僕は慌てて否定する

 

 

「そ、そんな事ないです……ギリギリで入学して、何か間違ってたら落ちてたってレベルでしかないですから」

 

 

「それでも凄いよ! はるちゃんってそんなに勉強得意だったっけ?」

 

 

「引っ越してから結構頑張ったんだ。目標ができて」

 

 

「目標?」

 

 

……しまった。つい口が滑った。誰にも言っていないので何となく言いづらいというだけの秘密の目標。穂乃果ちゃん達には なんでもないよ、といって誤魔化しておいた

 

 

「穂乃果ちゃんは音乃木坂に入ったんだね。母さん達と同じ」

 

 

「そうだよ。よく分かったね?」

 

 

「うん。僕の知り合いが音乃木坂に通ってるからね」

 

 

「知り合い?」

 

 

何故か穂乃果ちゃんの顔が曇った。何か気に障るような事言っちゃったのかな? 思い当たるフレーズは全くないけれど

 

 

「でもその子は一年生だから穂乃果ちゃんは知らないと思うな」

 

 

「ふーん……あ、そうだ!」

 

 

面白くなさそうな顔から一転、笑顔になった穂乃果ちゃんは鞄から携帯電話を取り出して

 

 

「連絡先交換しよ? せっかくこうやってまた会えたんだし」

 

 

「それもそうだね。あ、LAMEやってる?」

 

 

LAMEというのはスマホにインストールできる無料トークアプリだ。え、LINE? 知らない子ですね

 

 

「うん、やってるよ。それじゃはるちゃんのID教えてー」

 

 

僕のIDを教えて検索をかけてもらう。するとすぐに僕の方にも友達に追加しますか? という通知が来たので穂乃果ちゃんを追加しておく

 

 

「これでよし、と」

 

 

穂乃果ちゃんは満足そうに携帯を鞄の中にしまった

 

 

「これからどこに行くところだったの?」

 

 

「母さんにおつかいを頼まれちゃって」

 

 

「そうなんだ。もしも何もないんだったら久しぶりに私の家に遊びに来てほしかったんだけど……」

 

 

「そ、そんなに落ち込まないで。連絡先は交換したんだし、お互いに暇な時間が重なれば遊びに行くから」

 

 

しゅん、と肩を落とす穂乃果ちゃんに慌てて今度遊びに行くと言ってフォローを入れる。でも改めて考えたらこうやってさらっと女の子の家に遊びに行く約束ができるだなんて僕は成長しているんじゃないだろうか

 

 

「ねぇねぇ穂乃果ちゃん、もし今度林堂くんが遊びに来る時はことりもお邪魔していいかなぁ?」

 

 

「ぇ」

 

 

「もちろん! あ、海未ちゃんも来るよね?」

 

 

「ふぇ!? わ、私もですか?」

 

 

「あ、いや、あのー…」

 

 

訂正。やっぱり僕は何も成長していないみたいだ。こんな会ったばかりの人達と同じ空間に放り込まれたら緊張で頭がおかしくなってしまうかもしれない。考えただけで顔が熱くなってしまう

 

 

「それじゃあ決まりだね! あ、はるちゃん逃げちゃ駄目だからね?」

 

 

「ッ!? に、逃げるって何? 僕が穂乃果ちゃんから逃げるわけないじゃないかー嫌だなもう」

 

 

僕の心を読んだかのように釘を刺してきた。確かに僕は分かりやすかったかもしれないけど、穂乃果ちゃんの笑顔がとても怖いです

 

 

なんやかんやあったけどこの日は穂乃果ちゃん達とはそれで別れて、僕は本来の目的であるお醤油を手に入れて自宅へと戻った

 

 

そして遅くまで穂乃果ちゃんとチャットをしていた。女の子ってどうしてあんなに話題が豊富なんだろう……やっぱり久しぶりに会えて嬉しいって思ってくれてたりするのかな? 僕も結構嬉しかったし

 

 

改めて穂乃果ちゃんの家に遊びに行くという約束をしてから僕はベッドに倒れこんだ。勉強は、明日から頑張ればいいや

 

 

……あ、穂乃果ちゃんって今考えたら年上じゃん

 

 

 

 




良かったら感想等よろしくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。