王道(?)二大問題児が箱庭の世界で大暴れするそうですよ?ーって、キャンセルです!お帰りください!   作:猫好き猫アレルギー

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ちょっと、やりたい放題しちゃいました


ギフトゲームを申し込んじゃうぞ!

――回想中――

 

黒ウサギは十六夜を追うために髪を緋色に染め、凄い速さで跳んでいった。

 

 

「―さてと、んじゃエスコートしてもらおうかしら?アンタ、名前は?」

 

リナに名前を聞かれる。

 

「え、あ、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ですがよろしくお願いします。それで皆さんの名前は?」

 

「私はリナ・インバース」

 

「久遠飛鳥よ。そこで猫を抱き抱えているのが」

 

「春日部耀」

 

ジンが礼儀正しく自己紹介する。

リナ、飛鳥、耀もそれに倣って一礼する。

 

「それでは、先ずは軽食でも如何でしょうか?」

 

「さんせーい!御飯、まだだったのよね~」

 

ジンの提案にリナは異議なしと言わんばかりに返事をする。

 

正門から入って石造りの通路を渡ると、ぱっと頭上に日光が降り注いだ。

遠くに聳える巨大な建造物と空を覆う天幕。

外から見た時には都市の天幕は透明ではなかったはずだ。

なのに、都市の空には青空と太陽が広がっていた。

 

「箱庭を覆う天幕は中に入ると不可視になるんですよ。もともと太陽を直接浴びれない種族の為に作られましたから」

 

「それはなんとも気になる話ね。この都市には吸血鬼でも住んでるのかしら」

 

「はい、いますよ」

 

「……。そう」

 

「まあ、いたって珍しくないけどね」

 

リナの世界ではそう珍しい存在ではないからだ。

弱点も多いし、対処方法もあるからだ。

 

「さあ、立ち話も難ですからこちらへどうぞ」

 

四人は六本傷の看板が掲げられたオープンテラスカフェへと入る。

 

「さぁて、どんなメニューがあるかしら?」

 

リナは渦巻きのマークが付いているメニュー表を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆メニュー◆

 

オススメは、カレーだろ

 

やはり、カレーでしょう

 

カレーINカレー

 

コトコト煮込んだカレー

 

もう、カレーでよくねぇ?

 

二日目のカレーは最高です

 

よし、カレーにしようぜ

 

隠し味はモグモゲラ村のうさぎ様

 

いいから、カレー食えよ

 

そうです。カレーを食べましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

「どんなメニューよ!カレーしかないじゃない!!つーか、これ、カレーなの!? 他は!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆サイドメニュー◆

 

頭が良くなるスナック

 

呪われた干し首

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―ていうか、何このサイドメニュー!?」

 

もはや、胡散臭さしか感じないメニューだった。

 

「……名前からして怪しすぎるわね」

 

「……食べ物?」

 

「ええい!もう、飲み物は!?」

 

 

 

 

 

◆ドリンク◆

 

カレーに決まってるだろ?クークックック~

 

 

 

 

 

 

「カレーは、飲み物かぁぁぁぁぁ!!」

 

そして、メニュー表の最後の欄にはこう書かれていた。

 

 

 

てめぇに食わせるカレーはねぇ

 

 

 

「結局、食わす気ないんかいぃぃぃ!!」

 

リナは思いっきりメニュー表をぶん投げた。

 

「―ど、どうしたんですか!?お客様!?」

 

慌てた様子で猫耳のウェイトレスがやって来た。

 

「どうしたも、こうしたもあるかぁ!何なのこのメニュー!?」

 

店員は訳が分からない表情をして、メニュー表を拾う。

 

「え、あれ?これ、うちのメニュー表じゃありません!一体、どこの店のですか!?」

 

どうやら、全く違う店のメニュー表だったようだ。

 

「も、申し訳有りませんでした!こちらがうちのメニュー表です!」

 

新しいメニューを目を通すと、中身は真っ当なメニューばかりだった。

 

「本当に申し訳有りませんでした!」

 

ウェイトレスは何度も頭を下げて、謝っていた。

 

「もう、いいわよ。それにしても、とんだ営業妨害だったわね」

 

「……はい。一体、どこのコミュニティの仕業でしょうか?」

 

「さあ?何にしても、そーとー嫌な奴の仕業でしょうね」

 

ん?なんだろ? 何か引っ掛かりを感じる。

何故か脳裏に緑や赤い生き物や何かイラッと来るものが浮かんでくる。

 

とりあえず、メニュー表の全部を注文(ジンは顔を引き攣らせていたけど)し、料理を待つことにした。

その間に耀のギフトについて、話したりしていた。

様々な動物と意志疎通が出来るとの事。

リナもゴブリンやドラゴンとかなら、ある程度疎通可能だが、動物全てとなると無理だ。

 

(動物使いでも、不可能でしょうね)

 

「そう、春日部さんのギフトは素敵ね」

 

「飛鳥のギフトはどんなのなの?」

 

「私のは……」

 

「これはこれは、『名無しの権兵衛(ノーネーム)』のリーダー、ジン君じゃないですか。今日はお守りの黒ウサギは一緒じゃないんですか?」

 

一見すると上品そうに言っているが粗野で嫌味ったらしい笑みを浮かべた、タキシードを着た男が立っていた。

 

「……誰よ。アンタ?」

 

「これは、失礼。私の名はガルド=ガスパーと申します。コミュニティ フォレス・ガロのリーダーを勤めております「烏合の衆ですよ」そうそう、烏合の……って、誰がだ小僧!!」

 

ジンの横槍に怒鳴り付ける。

 

「―んで、その烏合の衆のリーダーさんが何の用よ」

 

「だから、烏合の衆じゃねぇ!!――コホン、いや、何。よろしければ、相席してもいいですかねぇ?いい情報をプレゼントしますよ」

 

「プレゼント?」

 

ガルドはジンをチラッと見ながら、

 

「ええ、例えば……コイツらのコミュニティについてとか……ね」

 

―と、言ってきた。

 

「―! ガルド!貴方、何を!?」

 

ジンが顔色を変えて叫ぶ。

 

「黙れ、小僧。真実を言わねぇのは仁義に反する行いだろうが」

 

「真実……?」

 

「ええ、コイツらのコミュニティは数年前までこの東区で最大大手のコミュニティでした。もっとも、優秀だったのはこの小僧じゃなくて、前任者でしたがね」

 

ジンは悔しげな顔をして、ローブの裾を握りしめ俯く。

 

「全く、不憫なもんですよ。そんな先代のコミュニティは奴等に目をつけられたんですよ。箱庭最大の天災――――――魔王にね」

 

 

 

 

 

 

注文した料理が来たので、早速食べることにした。なかなかイケル。

どうもガルドが言うには、ジン達のコミュニティは魔王に敗れ、現在は壊滅状態の崖っぷちだそうだ。

ま、そんなことだと思ってたけど……。

じゃなきゃ、私達を呼び出す必要はないんだし。

 

「なるほど、大体理解したわ。つまり“魔王”というのはこの世界で特権階級を振り回す神etc.を指し、ジン君のコミュニティは彼らに潰されたということかしら?」

 

「そうですレディ。神仏というのは古来、生意気な人間が大好きですから。愛しすぎた挙句に使い物にならなくなることはよくあることなんですよ」

 

ガルド=ガスパーはカフェテラスの椅子の上で大きく手を広げて皮肉そうに笑う。

 

「名も、旗印も、主力陣の全てを失い、残ったのは膨大な居住区画の土地だけ。もしもこの時に新しいコミュニティを結成していたなら、前コミュニティは有終の美を飾っていたでしょうがね。今や名誉も誇りも失墜した名も無きコミュニティの一つでしかありません」

 

「……」

 

「そもそも考えてもみてくださいよ。名乗ることを禁じられたコミュニティに、一体どんな活動ができます?商売ですか?主催者(ホスト)ですか?しかし名も無き組織など信用されません。ではギフトゲームの参加者ですか?ええ、それなら可能でしょう。では優秀なギフトを持つ人材が、名誉や誇りも失墜させたコミュニティに集まるでしょうか?」

 

「そうね……誰も加入したいとは思わないでしょうね」

 

「そう。彼は出来もしない夢を掲げて過去の栄華にすがる恥知らずな亡霊でしかないのですよ」

 

ピチピチのタキシードを破きそうな品の無い、豪快な笑顔でジンとコミュニティを笑う。

ジンは顔を真っ赤にして両手を膝の上で握りしめていた。

コイツ、どっかの盗賊どもと同類ね。

 

「もっと言えばですね。彼はコミュニティのリーダーとは名ばかりで殆どリーダーとしての活動はしていません。コミュニティの再建を掲げていますが、その実態は黒ウサギにコミュニティを支えてもらうだけの寄生虫」

 

「…………っ」

 

「私は黒ウサギが不憫でなりませんよ。箱庭の貴族と言えば、本来なら破格の待遇ものだというのに今じゃ、ガキのお守りをしつつ、僅かな路銀を稼ぐ日々」

 

「そう、事情は分かったわ。それで貴方は何があいたいの?」

 

「単刀直入に言いますと、黒ウサギ共々私のコミュニティに来ませんか?」

 

「な、何を言い出すんですか!」

 

「黙れ、ジン=ラッセル。そもそもテメェが我が儘を言わずにコミュニティの名と旗を改めていればこうはならなかっただろうが」

 

「そ……それは」

 

「さて、どうなさいますか?」

 

「結構よ。私はジン君のコミュニティで間に合っているわよ」

 

は?とした表情をするジンとガルド。

 

「…失礼ですが、理由を聞かせて頂いても?」

 

「私、久遠飛鳥は―――裕福だった家も、約束された将来も、おおよそ人が望みうる人生の全てを支払って、この箱庭に来たのよ。それを小さな小さな一地域を支配しているだけの組織の末端として迎え入れてやる、などと慇懃無礼に言われて魅力的に感じるとでも思ったのかしら。だとしたら自身の身の丈を知った上で出直してほしいものね。この似非紳士さん」

 

飛鳥は紅茶を一口啜る。

ガルドは顔を真っ赤にして、肩をわなわなとさせている。

 

「春日部さんは?貴女はどうするの?」

 

「私は友達を作りに来ただけだから……」

 

「そう、良かったら私が立候補してもよろしいかしら?」

 

「うん。飛鳥は私の知っている女の子とは違うから大丈夫かも」

 

リーダー格を無視して、和気あいあいと二人で話す。

ガルドは怒りで頭から湯気が出そうになっていた。

そして、完全無視で黙々と御飯を食べていたリナに話しかける。

 

「……そちらのレディ、いい加減食べるのを止めて話に加わったらどうなんだ!」

 

「嫌」

 

即答だった。

 

「おい!」

 

「私のランチタイムを邪魔しないでくれる?」

 

「ふざけるな!この状況下で、呑気に飯なんか食ってんじゃねぇ!!」

 

ガルドはちゃぶ台返しの様にテーブルをひっくり返す。

折角の料理がすべて台無しとなった。

 

「……あたしの…ランチ……よ~く~も~!!」

 

リナは、キッとガルドを睨み付ける。

 

「爆煙舞(バースト・ロンド)!!!炎の矢(フレア・アロー)!!!トドメの爆裂陣(メガ・ブランドォォ)!!!」

 

「ぐわぁぁぁあぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

…………以上、回想終了。

 

「……と、言うことよ」

 

「成る程、よく分かった」

 

辺り一面、リナによる破壊活動のお陰で今だ煙が上がっている。

 

「食い物の恨みは恐いもんだな」

 

「……そうね」

 

「うん、恐いね」

 

「……それで、終わらせていいんですか?」

 

「いいに決まってんでしょ!」

 

リナは思いっきりガルドに向かって叫ぶ。

 

「こんな悪党に遠慮は要らないわ!」

 

「誰が、悪党だぁぁぁ!!」

 

雄叫びと共にガルドの体が獣に変わる。

その姿は、虎に似ていた。俗に言う、ワータイガーと言う種類だ。

ガルドは鋭い爪で、リナに襲いかかる。

 

「チッ、【我は見る混沌の姫】!」

 

「くっ…がぁ!!」

 

オーフェンは魔術で漆黒の渦を巻く超重力の力場を生み出し、ガルドは押し潰す。

 

「あら、ありがと。オーフェン」

 

「どーいたしまして」

 

「き、貴様ら!」

 

オーフェンの魔術で身動きが取れず、ガルドはただ睨み付けるのみだった。

その時、飛鳥が前に出てきた。

 

「少し、疑問があるのだけど……」

 

「疑問?」

 

「ええ、ねぇガルドさん『私の質問に答え続けなさい』」

 

飛鳥がそう言うとガルドの様子が可笑しくなった。

猫耳のウェイトレスが慌てて駆けこむ。

 

「お、お客さん、当店での揉め事は控えてくださ―――!」

 

「丁度いいわ。猫耳の店員さんも第三者として聞いていって欲しいの。多分、おもしろいことが聞けるはずよ」

 

飛鳥は言葉を続ける。

 

「質問するわ。貴方はこの地域を『両者合意』によるギフトゲームで勝利し支配していったと言ったわね。でもね、私はここで行われるゲームのチップは様々だと聞いたわ。それを、コミュニティそのものを賭けたゲームなんてそうそうあるものかしらね、ジン君?」

 

「や、やむを得ない状況でしたら、稀に……」

 

「そうよね。そんなこと箱庭に来たばかりの私にだってわかるわ。だからこそ主催者権限を持つ魔王は恐れられている。それなのに、それを持たない貴方がどうしてそんな大勝負ばかり出来たのかしら。 ――――『教えてくださる?』」

 

飛鳥の質問に、強制的にガルドの口が開かされる。

 

「き、強制させる方法はいくつかある。一番簡単なのは女子供を拐うこと。それでも応じない連中は徐々に他のコミュニティを従わせてからゲームをせざるを得ない状況に追い詰めていった」

 

「やっぱ、悪党じゃない」

 

「どう考えても悪党だな」

 

「……最低」

 

「それで? そんな手段で傘下に収めても彼等は貴方に大人しく従ってくれるかしら?」

 

「各コミュニティから数人子供を人質に取ってある」

 

予想されていた言葉だったとはいえ、飛鳥の顔つきが厳しいものに変わる。

 

「……子供はどこ?」

 

「もう殺した」

 

周囲が凍り付く。

 

ガルドは、飛鳥の言葉に従い口を開き続ける。

 

「初めて連れてきたガキは泣き声が頭に来たから殺した。次は自重しようかと思ったがやっぱり我慢できずに殺した。けど身内のコミュニティの子供を殺したとなれば組織に亀裂が生まれる。だから遺体は見つからないように腹心の部下に喰わせて―――」

 

「―――『黙れ』」

 

ガルドはガキンと音を立てて口を閉じる。

 

「ここまで外道だと、見事としか言えないわね似非紳士さん」

 

パチンと指を弾く。どうやら、口は自由になったようだ。体の方はオーフェンの魔術で押さえつけられたままだか……。

 

「全くね。ところでガルド。アンタに残された選択肢は……1、私にぶっ飛ばされる。2、オーフェンにぶっ飛ばされる。3、飛鳥にぶっ飛ばされる。4、耀にぶっ飛ばされる……」

 

「何れでも一緒じゃねぇか!」

 

「それとも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私に口止め料を払って、何もなかったことにする?」

 

 

ずべどしゃー!

 

 

その場にいた全員ズッコケた。

 

「何をいっているんですか!リナさん!」

 

余りの発言にツッコミを入れるジン。

 

「だぁって、こんな似非紳士。ぶちのめしても、私の懷潤わないしぃ~」

 

「それはそうかも知れませんけど……」

 

「まぁ、冗談だけど……」

 

「冗談だったんですか!?」

 

「半分は」

 

「半分本気!?」

 

「ちなみにどんぐらい取るつもりなんだ?」

 

オーフェンの質問にリナは少し思案する。

 

「とりあえず、コイツのコミュニティの総資産全部かな~?」

 

「誰が、払うかぁぁぁぁぁ!!」

 

「なら、仕方ない。ぶちのめすとしましょうか!」

 

「結局、そうなるのかよぉぉ!!」

 

「待って、リナさん」

 

飛鳥が待ったをかける。

 

「私は貴方のコミュニティが瓦解する程度では満足出来ないわ。貴方のような外道はズタボロとなってもらいたいもの。そして、死んだほうがマシと思えるぐらい後悔して欲しい。――そこで提案なのだけれど、私達と『ギフトゲーム)をしましょう。貴方の“フォレス・ガロ”存続と、私達“ノーネーム”の誇りと魂を賭けて、ね」

 




オーフェン「なんなんだ。このカレーに対する熱の入れよう?」
リナ「全くよ。しかも、何この隠し味?」
オーフェン「…………(汗)」
リナ「どーしたのよ?」
オーフェン「……いや、なんでもねぇ(嫌な予感しかしねぇぇぇぇ!)」


???「クークックックッ。俺様のカレーは最強さ」
???「隠し味もいけますよ!楽しみにしていてくださいませ黒魔術士殿!」


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