魔法少女リリカルなのは―Mission Code"N"― 作:あじめし
フェイト「……こ、ここは?」
フェイトが次に意識を取り戻した時には、彼女は白い天井のある部屋にいた。
シグナム「テスタロッサ、意識が戻ったか」
フェイト「病院、ですか」
シグナム「3日寝ていたぞ」
フェイト「…あの後どうなったんです?」
シグナム「エーリヒの所在は掴めていない。目下捜索中だが…期待はできん」
フェイト「そう、ですか」
彼を逃がした張本人であるフェイトは、それを聞いた時には幾分ほっとした気分になっていた。
フェイト(敵、かもしれないのにね…)
シグナム「…私は何も言わない。それがお前の決めたことならな」
フェイト「お見通し、なんですね」
シグナム「お前があの程度の男に負けるわけがないからな。そうではくては張り合いが無い」
フェイト「買い被りすぎですよ」
シグナム「そういうことにしておこう」
フェイト「ヴィータは怒ってますか?」
シグナム「まぁな。しばらくは不機嫌だから放っておけ」
フェイト「後できちんと謝ります」
シグナム「そうしろ。では、私は戻る。何かあればシャマルを呼べよ」
フェイト「はい」
病室を出たところで、シグナムは扉の横にティアナが立っていることに気づいた。
シグナム「スバルはもういいのか?」
ティアナ「相当落ち込んでます。しばらくは休ませるつもりです」
シグナム「そうか」
ティアナ「あのこと、フェイトさんには…」
シグナム「…まだ言っていない」
ティアナ「そう、ですよね。今のフェイトさんにとても…」
シグナム「もう少し落ち着いてから話す。何故早く言わなかったのかと、相当責められるだろうな」
ティアナ「すみません、嫌な役回りにさせてしまって」
シグナム「気にするな。一応古い付き合いだ」
ティアナ「お願いします。では、私は行きます」
シグナム「ああ。捜査の方、頼んだぞ」
ティアナ「はい」
一礼し、ティアナは去っていった。
それを見届けた後、シグナムは通信端末で最近のニュースを確認した。
シグナム「どこも…変わらないか」
シグナムは端末の画面を戻した。
直後に表示されていたページには、どれもこれも同じような記事しか載っていない。
『時空管理局のエース級魔導師2名、広域次元犯罪者として指名手配が決定』
26時間前、第9無人世界「グリューエン」軌道拘置所第1監房前。
看守「警備班応答せよ!!本局へ連絡願いたい!至急応答を!!」
???『こちら警備班』
看守「よかった…!急ぎ本局に報告を!未確認の襲撃者が次々に防衛ゲートを破って――」
???『安心するといい。君の仕事はこれで終わりだ』
看守「だ…誰だ?」
ルナディア「“神の声”!」
看守「っ!?」
ルナディア「死ね」
看守「……了解」
看守は突然態度を変え、暗い通路を歩いていった。
ルナディアはそこを離れ、一番奥の独房の扉を開いた。
??「おやぁ…?何だか騒がしいと思ったら、面白そうな状況になってるじゃないか」
ルナディア「ごきげんよう。偉大なる科学者、ジェイル・スカリエッティ」
スカ「ほぅ…私の研究に興味がおありかね?」
ルナディア「ええ。以前から」
スカ「物好きなものだ。今度は何だ?死人を蘇らせるか?量産可能な兵器が欲しいか?」
ルナディア「ぬるいな」
スカ「…何?」
ルナディア「貴様の考えは古い。この時代、研究に没頭することしかできないマッドサイエンティスト風情は必要とされない」
スカ「面白い。ならば私に要求するものは何だ?」
ルナディア「世界崩壊の片棒を担いでもらう」
スカ「共犯者になれと」
ルナディア「その通り。さぁ、返事をもらおう」
スカ「よかろう。私をここから出せ」
ルナディア「いい心がけだ。さぁ、私の美しき悪魔よ。この檻を取り払うのだ」
なのは「はい。レイジングハート」
ルナディアの後ろから現れたなのはの砲撃が、堅牢な監房に一発で風穴を開けた。
スカ「ほぅ。思った以上に面白いことになりそうだ」
スカリエッティは無表情で立つなのはを見て歪んだ笑みをこぼした。
ルナディア「甘いな。本番はこれからだよ……」
―――第7話へ続く