いやはや、リアルが忙しくて死にかけてました。
14時間勤務を6日間とか泣きたくなりますよーー!射命丸さーん!!僕を癒してーーー!!
なんて、言っても小説を書いているのが一番楽しいんだよね。
早朝。俺は、太陽が登る前に目覚める。隣を見ると、射命丸さんがすやすやと眠っている。
「射命丸さん、寝顔だけは本当に外の世界の女の子と変わらないな…。」
俺は、寝巻きにしていた浴衣から郵便局の服に着替える。紺色の郵便局のユニフォームはやはり好きだ。胸ポケットより少し上には長四角の白地に紅い文字で、日本郵便と刺繍されており、郵便局のシンボルたるJPが隣に描かれている。右袖には同じように、白地に〒のマーク。ズボンには、金色の一本線のライン。これを履く。
紺色のキャップには、紅き〒。鏡を見ながら曲がらないように深く被る。
昨日のうちに射命丸さんが、こっそり(本人談)が回収してくれたオレンジ色の生地に黒い〒マークが入っており、持ち手が金属製の郵袋(ゆうたい)を手に持つ。姿鏡に映る郵便局自分を見て高揚した。俺は、この幻想郷に、郵便局のシステムを作ってやるんだ、やってやる。と。
気合いを入れたところで、射命丸さんからもらった配達リストと、人間の里の見取り図を眺め配達コースを考える『道順組み立て』を行う。
「一件目は、稗田様宅、二件目は鈴奈庵様。三件目は上白沢様宅。…でとんとんと家を配って回って、最後に里外れの香霖堂か。その際に、他の家を回って他の新聞をとっているかのヒアリングと、文々。新聞の宣伝がてらの紹介、契約の成立を目指そうか。」
道順組み立てと、予定を決めたところで、新聞の形が崩れぬように丁寧に郵袋にしまっていく。この際に気を付けるのは配達する逆の順番で入れていくこと。これで、あとは組んだ道順通りに郵便物をスムーズに配達できる。そして、射命丸さんは少し面倒臭がっていたが、白帯を巻いてあり、そこに宛先を手書きで書いてある。さらに、裏には印刷されたアンケート用紙という感じで、裏表を無駄なく使ってエコになる。また、帯として巻くことでバラけるのも防げるし、何よりも相手に印象が良い。さらに意見も聞ける。大事なことだ。
「さて、配達といくか。」
射命丸さんの寝顔をちらりと見て、小声で
「いってきます。」
「むにゃむにゃ…あややぁー…。」
そう告げて、俺は、郵袋をもって、宿の外へと出る。
宿の外は、冷たく地面には霜柱が立っており、歩く度にザクザクと音をたてて冬が近いことを告げている。
始めに、俺は稗田宅に走って向かう。白川郷を思わせる少し周りよりも豪邸な家は、この人間の里での有力者であることを物語っているようだ。
「さて、起きているかな?」
戸の前に立ち、稗田阿求様へと書かれた帯が巻かれた新聞を取りだし、表札と宛先があっていることを確認。
このような豪邸だ。勿論家政婦などがいることだろう。注意深く観察していると湯気が上がっているし。よし。
コンコン
「毎度御購読ありがとうございます。文々。新聞の配達に参りました。」
すると、中から初老の男の人が出てくる。
「おや?今日は、射命丸さんじゃないのか。」
「あ、はい。今回は文々。新聞の配達員である私、順が御客様に配達しに参りました。」
「御丁寧にどうもありがとう。今日は、白帯が付いているんだね。」
「はい。そうです。感想や要望等を御客様に書いていただきたく、特別に巻かせていただきました。よろしければ御答えいただきたいです。もし、御答えしてくださったら明日の夜に、扉に挟んでおいてくだされば、朝には回収しますのでよろしくお願いします。」
「なるほど、ね。分かったよ。ちゃんと阿求様にお渡ししておきます。寒い中、お疲れ様です。」
「はい、それではまた来月。今後も文々。新聞をよろしくお願いします。あ、そうだ。御客様。」
「ん?なんだい?」
俺は、入れた郵便物を崩さぬように白紙の帯が巻かれた新聞を差し出す。
「これ、良ければどうぞ。私も読んでみたのですが、興味深い内容が多く、なかなか暇な時間を潰せたりと得な新聞です。」
「ふむふむ?分かりました。読んでみますね。」
「はい、あの、是非面白かったら、帯の裏に書かれている購読登録書に住所氏名を御記入の上、そこら辺飛んでいる鴉にでもお渡しください。それでは、重ね重ねではありますがこれからも文々。新聞をよろしくお願い致します。」
「はい、兄さんも寒いから気を付けてねー!」
こんな感じで、世間話を交えることは御客さんとの関係作りに意外と必要だったりする。
俺は、地図の通りに次は鈴奈庵へと走る。白い息を吐きながら走る俺は、地元を思い出す。高校の頃こうやって走ってたなぁ。
鈴奈庵に到着した俺は、店の前を清掃するKOSUZUと黒い文字が書かれた黄エプロンをつけ、そのエプロンの下には洋服と和服を会わせたデザインの服を着ており、短いツインテールの少女に会う。
「毎度御購読ありがとうございます!文々。新聞配達代理の順です。射命丸さんに代わって配達に参りました。はい、今月の配達です。」
そういって俺は新聞を差し出す。差し出された新聞を受けとる彼女は少し、きょとんとし周りを歩きながらしげしげと観察してくる。
「配達ありがとう、見慣れない人ね。初めまして、本居小鈴。この本屋鈴奈庵を営んでいるの。」
「本屋ですか。こんな朝早くに開店準備お疲れ様です。」
「あなたも早くに御苦労様。どう、読んでいく?ここにあるのは妖力を持った特別な本、妖魔本を取り扱っているの。」
少し自慢げに本居さんは、笑顔を浮かべさそってくる。
「そうですね、妖力を持った本は少し興味深いのですが、何分配達が残っているので、終わったらでよろしいでしょうか?」
少し言葉を選びながら俺は拒否の意を伝える。すると、どうとったのか彼女はぱぁっと笑う。
「分かったわ。そしたら、夕方、閉店後に来てくれるかしら。」
「分かりました。それでは、また夕方頃御伺いします。」
一礼して去ろうとする私に、本居さんは手を振って見送ってくれる。
「うん、其じゃあ、また来てねー。」
さて、次は寺子屋か。寺子屋は少しいった先にある。俺は、そこにいくまでの道のりで里の人間にセールスし、新聞を渡す。因みにこの新聞。過去の新聞なのだ。最新刊では無いが十分だ。まずは、古い記事を見てもらって面白かったら購読契約してもらい、新刊を渡しにいく。旧刊を渡すことには少し不公平さがあるが、まず御客様に見ていただくことが大切だと思うからだ。
「文々。新聞でーす!試供新聞です。面白かったら、購読御願いしまーす!」
「兄ちゃん、一つ頂けるかい?」
「あたしにも頂戴。」
こんなそんなで、寺子屋に着く頃には4分の3くらいの量の新聞が無くなっていた。空をチラリとみると朝7時くらいだろうかもう、大きな声を出しても良さそうだ。
「上白沢さん、新聞です。」
上白沢さんを呼ぶと、割烹着を着た上白沢さんが出てくる。
「お、順じゃないか。文の手伝いか?」
「ええ、無一文の俺を宿に泊まらせてくれたので、其でですね。」
なるほど、と上白沢さん。
「恩を返すことは良いことだ。もし、お前が人里にこれから先住むのなら家の手配くらいは手伝ってやる。その代わり…。」
その言いかける言葉に俺は続くように言う。
「何かを手伝え…、てことですね。わかりました。」
「むむむ、そういうことではないが…。まぁそうしておこう。それでは、気を付けて配達をするんだぞ。」
上白沢さんは、俺から新聞を受け取り見送ってくれる。
「ありがとうございます、上白沢さん。それでは、またいずれ!」
手を振りながら走っていく俺。そういえば、あそこの前で妹紅とかいう女の子に呼ばれていたな…。そんなことを思いながら、俺は花屋とかお茶屋、カフェ等色々周りながら配達と宣伝をこなしていく。
そして、とうとう最後の配達先に到着する。そのころには、新聞はあと一部のみとなっていた。
《香霖堂》
そう書かれた看板の店。どうやら雑貨屋のようで、幻想郷では有り得なさそうなモノばかりあるようだ。店の中に収まりきらず、外にまで商品が陳列している。
「毎度様です!文々。新聞です。新聞の配達に参りました!」
大きな声で呼んだが何故かお客さんはでてこないようだ。ならば待てば言いか、と眺めている。
どれもこれも外の世界で見たことのあるもの。ワンダースワン、GAMEBOY、見なくなったゲームのソフトとか、打ちきりになった漫画雑誌とか、標識とかそんなものがたくさん並べられている。
じっと眺めていると、見覚えがあるものを見つける。
「そんな、どうしてこんなものが。」
順は、何を見つけたのだろうかね!それは、次回のお楽しみに。
お気に入り登録とかありがとうございます!モチベが維持されてて本当に助かります。これが、読者に支えられることなんだなって思います。それでは、また!
誤字訂正しました!