東方儚郵夢(郵便局員が幻想入り   作:ー《真戒》ー

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はい、毎度さまです日本郵便です。


なんちゃって。

感想とかもらっちゃって結構うれしいしんかいさんです。


皆さん純粋に射命丸さんと順くんのやり取りをイチャイチャしていると見ているようなので少し、妹紅さんに登場していただきました。


今回もまったり日常系です


集荷十二件目 日常ってなんだっけ

「なんでこんなものが…。」

 

そこにあったのは、乗っていた車の鍵。

 

しかし、状態が変だ。赤い手形のような錆びと複雑に湾曲した形状になってしまっている。

 

「いらっしゃい。」

 

不意に声をかけられる。背後には白い髪の毛の男。服装はやはり和服と洋服を会わせたデザインの水色と黄緑を混ぜた色に近いものを着ている。彼は穏やかな笑顔を浮かべている。

 

「あ、すいません。文々。新聞の配達に…。」

 

そう言って文々。新聞を郵袋から出して差し出す。

 

「うん、ありがとう。…ところで君。もしかして、外の世界の者かい?」

 

「あ、はい。外の世界から来た、順です。」

 

「そうかい。…その格好。僕も書籍でしか読んだことのないけど、ユウビンキョクって奴だろう?」

 

その男は少し考えるしぐさをしながらそう問いかけてくる。

 

「外の世界のこと、分かるんですか?」

 

「本で知った限りの本の少しことだけね。…そうかだから来るのを教えてくれてたのか。」

 

この人は考え込むのが癖なのだろうか。

 

「ん、あいや。すまない。君のことを忘れていたわけではない。新聞、ありがとう。」

 

「あ、はい。分かりました。それでは。」

 

そう言って去ろうとすると、青年は、俺の背中にこう言った。

 

「また、来ると良い。ここは、"君"が唯一"君"としていられる場所だろうから、ね。」

 

「ありがとうございます。是非ともまたこの店にお邪魔します。」

 

うん。というと少し笑みを崩す青年。

 

「くれぐれも、…に気を付けたまえ。」

 

「何に気を付けろと?」

 

振りかえって問い掛けようとするときだった。

 

スタリ

 

「じゅーんさん!配達お疲れ様です!」

 

その間にスタリと降り立つ鴉天狗こと射命丸さん。にこやかな笑みを浮かべながら、翼を畳んでいる。

 

「おはよう、射命丸さん。こんなところまで迎えに来てくれたのか。」

 

「はいっ。順さんが心配だったので、迎えに来ちゃいました。」

 

にこっと笑う彼女。本当に純粋な笑顔だな。時に、この笑顔に救われることがある。そんな気がする。

 

「こほん。僕の店の前で騒ぐのやめてくれないかな。客が来ないじゃないか。来ても非売品だらけだけど。」

 

青年は少しめんどそうに頭を掻きながら居心地悪そうに言う。

 

「すいません、森近さん。でも、少し彼が心配で来ちゃったので彼連れて戻ります。」

 

森近と呼ばれた青年は、ため息をつく。

 

「天狗らしい本能だね。」

 

そう言って森近さんは新聞を広げながら店の奥へと消えていく。

 

「彼は、何か知っている…?」

 

そんな後ろ姿を眺めていると射命丸さんに、抱き上げられる。つうか、力強いなお前。

 

「確り、掴まってくださいね!」

 

飛び上がる彼女は一定の高度になると黒翼をバサッ!と広げて風に乗って滑空する。おっと、帽子が飛んでいきそうだ。飛びかけた帽子を右手で押さえて深く被る。ふと柔らかい感覚が腕に。

 

「しゃ、射命丸さん!む、むねが肘に…!」

 

「エッチですねー、順さんっ♪」

 

「貴様、謀ったな!」

 

「胸触れたので、お代いただきますねー!」

 

ふっふっふっと笑う彼女。本当に1000才なのか?たまに外見通りの幼さが見え隠れすることがある。

 

「…お金なんて持ってないぞ。まったく。」

 

すると抱き抱える力が強くなる。

 

「…御代なら、もう貰ってますよっ。」

 

そう言って射命丸さんは、ひまわりが咲いたような笑顔を見せてくれる。

 

「…そ、そうか。」

 

思わず目を逸らしてしまう自分が少し情けない。でも、そんな姿をみて満足したのか彼女は上機嫌なようだった。

 

風を切って彼女は人里の門の前にふわりと降り、俺を下ろしてくれる。黒翼をパサパサと動かしながら畳んでいる姿を間近でみた。普段彼女の背中には翼はないのだが、どうやら間近でみてみると畳んでいると言う表現が間違っているかもしれないがコンパクトに綺麗に収納されている。

 

「順さん、何処みてるんですか?」

 

「すまん。」

 

おい、赤い顔するな。悪かったって!そんなこんなで、俺は射命丸さんに連れられて宿まで戻ってきた。

 

「妹紅さんと、確かご予定があるんでしたっけ?」

 

「ああ。昼過ぎだったかな。なんか知らんけど呼ばれてたね。」

 

「なるほど~。」

 

射命丸さんは、少し企んだ表情を浮かべる。何かやな予感がする。

 

「宿に忘れ物とってきます。先に集合場所に行っては如何でしょうか。」

 

「そう、するか。うん。行ってくるよ。」

 

そう言って俺と射命丸さんは別れる。上白沢さんの寺子屋の前か。何かあるのかな?そんなことを考えつつ、俺は寺子屋へと足を運ぼうとしていたときだった。

 

ドンッ

 

物思いに耽っていた俺は、傘を深く被った薬売りとぶつかる。

 

「うわ!すいません!考え事してて…!」

 

「こちらこそ失礼。…ってあら?順さんじゃないですか。」

 

聞き覚えのある声が耳に響く。波長とやらを弄っているのかな。

 

「レイセンさんじゃないですか。」

 

「はい、優曇華です。無事に人里に来れたんですね。よかったよかった。」

 

どうやら、薬売りに変装している鈴仙さんとばったり会ってしまったようだ。

 

「射命丸さんも一緒ですから、一応無事に到着しましたよ。」

 

「そうですか、たまには永遠亭にも遊びに来てください。師匠が心配してましたから。」

 

そうだったな。この節は世話になってしまった。いずれちゃんとした形で永琳さんに御礼をしなければ。

 

「私だって看病してたんですよー?」

 

そんな俺の考えがわかったのか鈴仙さんは少し唇を尖らせる。今、ふと思ったのだが鈴仙さん男装もなかなかイケるんだな。

 

「鈴仙さんの声の波長を変えれば、男の人の声になるしなかなか便利な能力ですよね。」

 

ん?という顔をする鈴仙さん。

 

「波長を変える程度の能力って順さんには教えていないはずだけど…。何でわかったの?」

 

「そう言えば何でわかったんだろうか。確かに。ふと、頭のなかに流れ込んできてその言葉が…。」

 

「不思議ですねー。妖怪同士なら能力が自然とわかったりすることがあるのですが…たまたまでしょうか。まぁ、いいでしょう。とりあえず私は、このネズミ避けと薬も売らなきゃならないので…。」

 

そう言って猫の置物を懐から出して、微笑む鈴仙さん。

 

「うん、薬売りと販売品頑張って!」

 

懐かしいな。販売品。郵便局に勤めてた頃はやれ売れとかノルマ達成とかってあったからな。初めての頃は、売れなくて自爆してたなぁ。(自爆とは自分で販売品を購入し、それでノルマを達成すること。郵便局では隠語。)そう懐かしみながら歩いていくと寺子屋の前に膨れっ面で壁に寄りかかっている妹紅さんがいる。やべぇ、怒っている。

 

駆け足で近づいて頭を下げる。

 

「遅くなってすいません!」

 

「遅い。言い訳は?」

 

スゴく不機嫌そうだ。此方には目もくれずに問いかけてきた。

 

「ありません。」

 

「言い訳は無し…ね。なんだ殴る要素が減っちゃったじゃないの。」

 

そう言うと先程の膨れっ面から一転して少し機嫌が良くなったようだ。つうか殴る気だったのか。

 

「あはは…すいません。で、用事って言うのは?」

 

「ん、ついてきて。」

 

そう言って、妹紅さんは歩き出す。一体何処へ行こうと言うのか。暫く歩いていると、カフェに到着する。

 

「ここで一服。」

 

「うぇ?」

 

「早く。」

 

そう言って、妹紅さんはカフェに入っていく。

 

カランカラン♪

 

扉を開けると鐘の音が鳴る。シックな感じでなかなかどうしてお洒落なカフェだ。こんなところがあの江戸時代的な里にあるとは少し驚きだ。

 

「意外だと思っているだろう。ここはなかなか良いところよ。」

 

少し得意気に胸を張る彼女は可愛いげがあるようだ。

 

「…なんだよ?」

 

おっと少し機嫌が悪くなったか?

 

「いや、良い雰囲気だなとね。所で、うーんと名字で呼びたいんだけど名字は…。」

 

「教えない。」

 

少しむすっとした表情で頬杖をつく妹紅さん。やれやれ、少しやりづらいな。

 

「あの、ご注文は御決まりでしょうか。」

 

妹紅さんとのやり取りに気をとられていた俺は店員がいたことに気づかなかった。

 

「え、えっと?」

 

「珈琲と、パンケーキ二つ。」

 

「珈琲とパンケーキがそれぞれ二つですね畏まりました。」

 

あれ俺、そう言えばお金無いんじゃね?ヤバイんじゃね?これ。

 

「妹紅さん…。あの、お金は…。」

 

「恩を返すことは良いことだって、慧音が言っていたでしょ。つまり、そう言うこと。」

 

にーっと笑う彼女。最初からその気で、貴様俺を誘ったな…!済ました顔しちゃって計画性丸出しじゃないですか。

 

「何か、何かないか何か。」

 

無造作にポケットを漁る。焦燥を感じ、冷や汗が伝う。と言うかなんでこんなに躍起になってるんだ俺は。なるようになるって言葉に俺も従わなければならないのか?

 

「…!あった!」

 

くしゃりとポケットのなかに入っているお札。一円札である。というかお前何処から来た?

 

「…チッ」

 

今舌打ちしましたよね妹紅さん。くしゃくしゃの一円札を広げると紙も一緒にくちゃっていたのに気づく。

 

「ん?なんだ?」

 

くしゃくしゃの紙を広げると見慣れた文字。

 

___________

藤原妹紅さんとの御出掛けの際お金がないと大変だと思い、バイト代兼お小遣いを入れておきました。

 

幻想郷を楽しんでくださいね。

 

 

ネタ探しに行ってきますので、夕方にまた宿で会いましょう

 

文より

 

___________

 

 

射命丸さァァァァァァアん!!!!あんた神だよ風神だよ!ついでに妹紅さんの名字を知れたから尚のことよかった。

でも、一円札って明治とかでの高額紙幣だよな…。たけえよ!!!!!!!

 

「どうしたの?一円札何てみて。」

 

「なんでもないです。決して恩を感じたわけではないです。」

 

クックックッ"藤原"さん俺を嵌めようなんてそうは行かんぞぉ!!うひひひひっ

 

「あ、そうだ。本題に移るわ。」

 

「ん?」

 

「幻想郷から、外の世界に帰る方法あるわよ。」

 

「ナニィ?!そんなあっさりと教えて良いものなのか?」

 

「うん、外から来た人間は大抵その方法で帰っているよ。博麗神社に行って巫女に帰らせてもらえるの。そうすれば、幻想郷から脱出出来る。」

 

なるほど、その神社が外の世界への出口か。成る程ね。

 

「わかった教えてくれてありがとう。でも、俺はまだ帰れない。」

 

「どうして?」

 

俺は、藤原さんの瞳を見据える。

 

「我ながら不器用な理由付けだけど…俺は、まだ約束を果たしていないし、射命丸さんや、永琳さんとかへの恩も返していない。…帰るのならそれが終わってからだ。それは、人間として、俺としてのけじめだ。」

 

少し藤原さんは、複雑な表情を浮かべる。少し居心地悪そうに頬をぽりぽりかく。

 

「なんだろうな。…他人との約束を守ろうとするのは良いことだけど、そこまでするほどの約束が必要なの?」

 

「この幻想郷に郵便局と言う手紙のやり取りが自在に出来るシステムを作れと隙間妖怪とかっていうのから頼まれてね。人々が、困っていたら日本郵便代表として頑張るんだよ!!!」

 

ふんすー!と鼻息荒く俺はガッツポーズを決める。やってやるんだぞー!

 

「でも、順。よく考えてみて。私は細かいことは解らないけど、郵便局ってのが無くても今日まで幻想郷は、やっていけたのよ?今更作るにはおかしくない?」

 

少し眉を潜めて考え込む藤原さん。

 

「おかしいものか。このシステムを作れればきっともっと便利になって活気が出ると思うよ?とりあえず、郵便局を作るんだ。」

 

「暑苦しいな。火の妖術を使う私が言うのもあれだが。熱心になるのも大概にしないと…。隙間妖怪が絡んでいるなら尚更…。で、連れの天狗には何て言われているんだ?」

 

「特に何も言われてないかな。殆ど一緒にいることくらいしか。」

 

「なるほど…。少し慧音に調べてもらおうかな。それも妙だと思うんだ。あの天狗が一人の人間にここまで執着するのは何か裏が…。」

 

あはは、何を言ってるんだか。…確かにでも言われてみると妙かもしれないな。

 

「藤原さんが言う通り…天狗について調べる必要がありそうだ。」

 

窓の外を眺めると、一羽のカラスと目が合った。

 

バサバサッ

 

カラスはそのまま飛び立っていく。普段通り気紛れに。

 

「よし、もし妙なことあったら私が何とかしてやる。だから、安心して過ごせ。」

 

「んー、まぁ、射命丸さんもいい人だし。気にせずに過ごすよ。」

 

「それで良い。」

 

所で、藤原さんはどうしてここまでしようとしてくれているのだろうか。

 

「なんで藤原さんは、こんなに俺にしてくれるんだ?君の裸を見た変態だよ。」

 

「妹紅でいい。そうだな。お前は変態だよ。貴族の娘の裸を見たと言うことは、そう言うことだぞ?」

 

「どういうことだってばよ。」

 

ん?裸を見たから助けてくれるのか?いや、違うか?分かった!

 

「裸を見たから、俺をぶっ殺したくてうずうずしてるから自分以外に殺さないように、助けようとしてくれているのか!騙されないぞ!」

 

「お願い。小さな声で話して。変な噂が立ちそうで嫌だ。」

 

ヒソヒソ

 

「あいつ、妹紅たんの裸を見たのかよ…。うんこかよ。」

 

「ちんちん。」

 

うおい、今、単なる下ネタ混ざってたぞ。まぁ、何がともあれ気にせずに行くかね。意識したところでなにも変わりゃしないし、とっとと郵便局と言うシステムをつくってやらなきゃな。

 

「パンケーキと珈琲です。」

 

カチャリ

 

店員が、珈琲とパンケーキを俺と藤原さんの前に置く。珈琲は豆の種類までは解らないが芳ばしく、鼻孔をカフェインで満たしてくれてなんか、覚醒しそう。そんな様子をジーっとみている藤原さん。赤い瞳でそんなに見つめないでください。

 

「順、その一円札はしまっていい。別に無一文なお前からなにか取ったりとかしないから。」

 

「む?先程と変わったな?なんでだ?払わせたら恩を返さなきゃならんだろ。」

 

やだやだ。どんな恩を返せば良いのかさっぱり解らないしな。

 

「気が変わったの。何て言うか、うん。何でもない。」

 

少し顔を伏せて珈琲を飲む藤原さん。表情が見えないがどうしたんだろう。

 

「カフェインで頭やられた?」

 

「…んなわけないわ。何て言うか昔を思い出しちゃってね。」

 

藤原さんは、顔を上げると少し悲しげな表情を浮かべている。

 

「ほ、ほう?そうか。うん。」

 

 

なんと言うか泣いたり怒ったり忙しい人だなぁ。だけど、なんか悲しい過去でもあったのだろうか。

 

少し気になっていた俺だが他人の過去に触れるのはいけないことなので、あんまり気にしてはいなかったように振る舞い珈琲を啜る。

 

 

「うん。苦うま。」

 

 

 

 

 

To be continue →




感想とかお気に入りとかありがとう!

結婚しよ!!!!!!!!


ってことで、また次話書きます。

やべえよ、まだ午前中のシーンだよ…。
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