あと、お気に入りとか閲覧とかしてくださってありがとうございます。
なんか、自分のなかで藤原さんがメイン級のヒロインになってしまっている気がするんだがどうなんだろうな。
ズボッ
「いたぁい!!!」
「我慢してください。まさか、ここまで矢が刺さっても生きているとは思いませんでしたよ。」
文はちょんちょんと消毒用の酒を傷に塗りながら、矢を引っこ抜いていく。この作業。実は昨晩の騒動から一晩中行われていたものである。外は、もうすっかり朝である。
「いだぁ!!!」
「巧妙に急所を避けているというのはスゴいですね。」
ズボッ
「あひぃん!」
電撃が走るような激痛。痛いよー!血も吹き出すし…。
バァン!
宿の部屋の戸が勢いよく開く。そこには大きな袋を右手でもち、担いでおり、左手はポケットの中にいれて仁王立ちする藤原さんの姿。
「…入るぞ。」
「ん?いらっしゃい。いたたた。」
「私の巣に入ってくるとは…!許せません。」
真っ先に文と藤原さんが、真っ向から睨み合う。
「じゃあ、二人でゆっくりしててな。つつ…つぅ…」
俺は、不穏な空気を感じて何事もなさそうに済ました顔して立ち上がろうとする。
ガシッ
「何処に行かれるのでしょうか順さん。」
「私に怪我を治されろ。遠慮しないで。折角、永遠亭から薬をパクっ…借りてきたのだから。」
二人の手が俺の肩を掴む。
ミシッ
あっ、強い。力強い。握力がオランウータンなんじゃないでしょうか?お二人さん。オランウータンは、通常なんと握力400キロ以上あるらしい!オランウータンは比喩だぞ!それほどの力を込めていると感じるほどの力で俺の肩を掴んでいるものだから当然痛い!!
「あ、あはは。じゃ、じゃあ!!飲み物買ってくr(ry」
「逃が(しません。)(さない。)」
二人ともなんでそんな笑顔なの?というか、怖いよ。
「いぃぃいぃいぃぃやぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」
悲鳴は、宿に響いた。
【順は 絶叫する程度の能力を てにいれた!!】
数分後、俺が二人の女の治療によって死にかけるほどのダメージを受けていた。
絶叫を聞き付けた女将さんによって、文と藤原さんと俺は、ひょいっと宿の窓から追い出される。
「…。」
おい。この始末どうするんだよ。
「あややや。妹紅さんが騒ぐから悪いんですよ。」
「なんだと?私は悪くない。お前が変なことを順にしようとするから追い出されたんだ。」
文と藤原さんは、睨み合い互いにガンを飛ばし合う。というか、そんな顔するなよ。相当崩れているぞ。
でも、確かに住む家はそろそろ必要になってくるな。
「順さん、家、探します?私、知ってますよ!(妖怪の山の私の家!ボショボショ)」
「…そうだなー。これから、どうしようか。」
「私の小屋とかどうだ?人里から離れているし…」
藤原さんは、ちらりちらりとこちらを見ながら問い掛けてくる。
が、俺は文にもそうなのだが、紐になるのは真っ平ごめんだ。
「ありがたい御言葉だが…俺は自分の力で生きていけるようになりたい。だから、藤原さんの家にも、文の世話にももうなりたくないんだ。」
二人ともしょぼんとした顔になる。それを尻目に俺は、自分の荷物をもって去ろうとする。
「待って!」
「待ってください!」
二人の声に振り返る。すると、藤原さんは不服そうな表情をしており、文は、悲しそうな表情をしている。
「…順。お前は勘違いしている。私は、お前にヒモになってほしいとかそんなことは思ってはいない。ただ、幻想郷でしっかり人間らしい生活をしてほしいと思っている。それに…」
藤原さんは、淡々と話しを続ける。
「今のお前は、射命丸文が見ても私が見ても間違いなくの垂れ死ぬ。食料も買えず、飲み水も買えず、寒さを凌ぐ家も持てずに。折角、射命丸文に助けてもらったのにその命をむざむざ手放すのなら。今ここで…お前を紅蓮の炎で焼き尽くすのみ。」
そう言って彼女は怒り、紅蓮の炎を掌と瞳に灯す。文は、少し悲しげな表情を浮かべて、右手を握り胸元に当ててきゅっと唇をしめ、一呼吸おいてから言葉を選びながら話始める。
「順様が、私達を気にしてくれるのは嬉しいです。ですが、私達も順様を気にしていて力になりたいと思っているんです。だから…。」
文は、儚げに微笑む。
「そんなこと言わないでください。」
俺は、彼女(文)の表情を目に焼き付けた。もう、こんな表情はさせないと…。
俺は、彼女(藤原さん)の表情を目に焼き付けた。もう失望させないと…。
「…不思議なものだ。大人になってからこんなにしっかりと指摘してくれる人がいてくれることがこんなに幸せだとは思わなかった。…俺は、焦っていたんだよ。みんなの足手まといになってるんじゃないかって。」
負けたような表情を浮かべる俺。それと同時に安心感が心を満たした。
「でも、それは間違っていた。俺を心配してくれる人がいる。急いで一人立ちしないと見放されるって思っていたのは違っていたんだな…。」
「話は、聴かせてもらった。」
俺の背後から声が聞こえる。振り返るとそこには上白沢さんが…。
「一人で立とうとするその心意気、大切だ。確かに、世話になり続けてくると面子が潰れて嫌になってくるということも分かる。だが、皆が言うとおり今のままでは幻想郷の勝手も分からずに最悪命を落とすことだってある。色んな人に掬われた命なのだろう?だから、先輩面をするわけではないが、私も手伝わせてくれないだろうか?」
上白沢さんも微笑んでそう言ってくれた。掬われた。確かに。俺は、川に流れる葉のように為す術なく流されて、水底に沈んだ腐土の一部となるところだった。
でも、そんな俺を川から掬い上げてくれたのは、他でもない文、八意さん、藤原さん、上白沢さんそして出会った人達だ。また、助けられてしまうことにやはり負い目を感じてしまう。
「こうしましょう、順様は、私たちに恩を返してください。それは、どんなことでもいいです。」
「わかった。それなら、俺も納得する。」
でも、恩返しって何すればいいんだろうか。お金も珍しいものを持っているわけでもない。
「さて、順。上白沢先生が特別に住宅選びの補講してやろう。」
ふふふっと楽しげに笑う上白沢さんは、歩き出す。それに俺たちも続く。
カフェの近くを通っていく。そこには、文々。新聞を読む人達の姿があった。それを見た俺は、とてもほっこりと暖かい気分になった。自分が蒔いた種に対して僅かながら芽を出したのだからとても遣り甲斐と喜びを感じた。
「ふふっ。」
隣で、文が楽しそうに笑っていた。
「な、なにさ。」
「何でもないですよ。」
文は自分の唇に人差し指を当ててウィンクし秘密です。と付け加えた。
「…せい!」
ゴスンッ!
チョップの一撃が俺の頭を打つ。
「いだ!」
その方向を見ると、腕を組んでそっぽ向く藤原さんの姿が。
「藤原さん、どうしたんですか。」
「別に。」
少し不服そうにする彼女は少し哀しげだった。
「ふう…。閻魔様に突きだしたいところだ。」
上白沢さんが溜め息を漏らしながらそう言うと、ちらりちらりと藤原さんと俺と文を見た。
「?」
はて、なんのことだかさっぱり。そうこうしていると、ある一軒の家に着く。
「…人里の中の家なんですか?」
俺は、上白沢さんに問いかける。というのも俺は人間ではなく妖怪であり、危険であるとこの里の人間たちはひそひそ話をしていたからだ。確かに、人間ではなかったが…。
そんな俺の思いを察してか、上白沢さんはこちらに近づき、ぽんと頭に手を乗せて撫でてくれた。
「順は、得体の知れない飲み物を飲めるか?」
「え、ああ。飲めそうなら。」
「毒が入っているかも知れないと言われてもか?」
そりゃ無理だ。申し訳ないけど…!死ぬのは死んでもごめんです。
「つまりそう言うことだ。順。今、この里の人間は、順が"毒が入っている可能性のある得体の知れない飲み物"だと思っている。安全だと解らせるためにはどうしたらいい?」
「えーっと?つまり、俺は飲める飲み物であるということを証明する。研究とか実験とかで。」
その答えに、頷く上白沢さん。
「そういうことだ。私たちは、お前を飲める飲み物だと知っている。だからこそ、お前を信じれる。信じてくれる人を増やすんだ。そして、絆を紡いで友情を育むんだ。いいな?」
「はい。わかりました。上白沢さん。」
周りを見れば、友達がいる。不安なとき、困ったときにも助けてくれる人たちがいる。
「さぁ、順。この家に入ってみよう。」
藤原さんは、少し楽しそうに口許を緩ませている。
改めて家を見てみる。二階建ての古風な日本らしい家。そこそこ広く、引き戸式の玄関の横には壊れた宿の看板が立て掛けてある。
「こんな豪勢な家に住めるなんて。」
アパートの暮らしと寮の暮らししか知らなかった俺は、こんな一軒家を持てる日が来るとは思わなかっただろう。
「鍵だ。」
上白沢さんが、鍵を俺に差し出し、それを俺は受けとる。
「ありがとうございます。」
「早く!早く開けてください!」
文は、隣でうきうきしている。君の家ではないんだけどなぁ…。そんなこと思いながら俺は、自分の家となるの戸の鍵を開ける。
カチャリ
乾いた音ともに鍵が開き、鍵を抜く。そして、引き戸を開ける。
「わぁぁっ」
埃だらけの家である。あちこちが汚れており、時代を感じさせてくれる。
玄関は、少し大きめな木製の下駄箱が左側に置かれており、床は石製。上がり框(あがりかまち)から先は木製の板で作られているようだ。
「さて、みんなで掃除だ。射命丸は、埃を風で外まで運んでくれ。」
「わかりましたー!ダイソンなんかとは違うと言うのを教えて差し上げましょう!」
なんで文は、ダイソン知ってるの?
「妹紅は……」
そこで上白沢さんが言葉を詰まらせ藤原さんをちらりと見る。すると、藤原さんが、にっこり笑う。
「ここでは、私へのじゃなくて普段のけーねの話し方でいい。」
「わかった。妹紅は、火回りの確認。そして…順は私と雑巾掛けだ。」
「雑巾掛けね。剣道を思い出すなぁ…!よっしゃ!ぞーきんどこ!」
俺もやる気出てきた!というか出さなきゃダメだろ!自分の家だぞ!いい加減にしろ!
「あやややや。順様、何をぶつふつ仰っているのですか?」
「…何でもないぞ!文!というか皆といるときは様でなくてもいいぞ?…色々恥ずかしいし…。」
そんな俺の言葉に彼女は困った表情を浮かべる。
「外の世界の実力派の鞍馬天狗たちの長ですよ?敬わなくてどうするのでしょうか。」
そうなのか。全く鞍馬天狗のことは知らないけど…。
「じゃあ、上司命令。俺も、文さんって普段は呼ぶから文さんも、さんで頼むよ。」
頼んだよ!と言わんばかりに肩を叩くとどこからか葉団扇を取り出し、それで顔を少し隠しながら紅い眼をぱちぱちし上目遣いに小さく言う。頬がやや紅潮している?
「…じゅん…さ…ん。」
…彼女はなんでこうも可愛いげある言い方をするのだろうか。文さんは少し不思議だな。
「ほらほら、お前たちも仕事する!ほら、順。行くぞ!!」
何処からかバケツと雑巾を持ってきた上白沢さんが、俺の腕を掴んでぐいぐい引っ張っていく。
「あっちょ!郵便局の服伸びちゃうんだばぁ!!」
そんなことを叫びながら俺は、引っ張られていくと居間に到着する。床は畳!そして、縁側あり!小さな庭が見えるぞ!というか鬱蒼として雑草がヤバイ!貧乏草強い!
「射命丸が、ここを風で埃を綺麗に飛ばしてくれる。さ、窓を開けるんだ。」
「いえすまむ。」
ガラララ!
少し立て付けの悪い窓を開ける。秋の寒い風が部屋に吹き込む。
「順、口を塞いでおけ。鼻もな。」
「状況、ガス!ガスマスク着用!」
フィーンかぽっ。
俺は黒いガスマスクを着用する。
「…?!ん?俺何処からだした?」
「来るぞ…!」
ビュオオオオオオオ!!!
文が居るところからか、風が一陣部屋と家全体に吹き、窓から吹き抜ける。その後散らばらないように竜巻になりながら里の外に運ばれていったようだ。
「…ガスマスク脱着。」
かぽん。
「随分と便利なものを持っているな。何処から出したんだ?」
上白沢さんが、少し興味深そうに俺の手の中にあるガスマスクを見る。
「…わからないんっすよね。なんか、気がついたら持っていた?的な。」
「…なんと言うことだ。」
そう言って、俺はちらりとガスマスクを見る。すると被る部分に書かれた白い文字を見つける。
■■順■
「俺の…か?」
確かに、何度かこのマスクを被る状況はあったが…一体?そんなことを考えていると、横からずいっと、雑巾を差し出される。
「ほら、順。雑巾をかけるぞ。そのマスクを置いておけ。」
「あ、わかりました!」
俺は、マスクを邪魔にならない場所に置いておく。雑巾をバケツに汲まれた水は、冷たくて気持ちいい。寒いのに冷たくて気持ちいいというのは少し可笑しいかもしれない。
でも、真冬の海に飛び込んだりしてたしその冷たさに比べたら温水プールみたいなものだ。だから、気持ちいい。
ぎゅっと雑巾を絞り、雫がでないくらい絞る。畳の床に置き、息を整える。
「ぬうおおおおおお!!!」
雄叫びを挙げ俺は、雑巾をかけながら走り出す。その時の俺は、スパロボの顔タッチになっているだろうな。その様子を見てか上白沢さんは、少しほう。といった表情を浮かべる。
「速い!…さすがは天狗っ!」
上白沢さん!まだまだ!俺は速くなれますぜ!!高速走行をしながら、隅に来たらきゅんきゅん曲がってハイスピード雑巾掛けをしていく俺。しかし、あることに気づく。
す ぐ に 止 ま れ な い 。
スピード超過やばい!そんなタイミングを見計らってるのかは分からないが藤原さんが居間に入ってくる。
「けーね、火回りの確認終わったわ。って!ちょ、順!止まって!!」
進路上に民間人!まずい、止まらない!くそくそくそぉおおおおお!!!
正面に、藤原さん。ぶつかりまーす!コンマ数秒まe
ドーーーーン!!!
「きゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「あっ、死んだらゴメン。」
俺の頭がものの見事に藤原さんの股間に命中!視界が遮られるメーデー!メーデー!
そのまま藤原さんを頭で押して壁にドーーン!!ギャグ漫画で言う煙が巻き起こる。
「けほっけほっ!妹紅、大丈夫ですか!」
上白沢さんが、煙に咳き込みながら慌てて近づく。近づくと共に煙が晴れていく。すると、そこには…。
「もごもご…(紅いもんぺで視界が…)」
「っ~~~~~~!!!!」
藤原さんの股間に頭を突っ込んでいる俺の状態がそこにはあった。
藤原さんは、顔を真っ赤にし声にならない悲鳴をあげて俺の頭をグーで殴る。
「このスケベーーーー!!!!」
「おふっ!グーはもご!グーはもごもご!!」
「あっ…はぅっ……そこで喋るなぁぁあ!!!!」
少し艶のある声を出し、涙目になりながら確実に俺の後頭部を狙って肘を打ち下ろす。
ゴッ!
鈍い音共に、俺は意識が急激に落ちていく。
最後に見えたのは、頬を赤く染めてあどけなさが残るがどこか艶やかな表情を浮かべて涙目になりながら内股になり股間を両手で押さえる藤原さんの姿。
あいむ、フォーリングdown!!めーーん…で…う…ん…。
はい、すいません。まずは謝ります。
妹紅ファンの皆さん本当にすいあせーんでしたぁぁ!!!ちょーっと出来心でぇえええ!!
今回も見てくださりありがとうございました!