でも、後悔はない反省もない。
このノリの文章でganganイクゼドライブゥ
牢屋から飛び出したのは良いが、これはどういうことだろうか?
留置所の見張りをしているであろう二人の天狗さんは、仲良くグッドナイト!しているようだ。こちらが、永遠にgood night!しそうだったのになんとも暢気なものだ。
場の雰囲気を見る限りだと酒を飲んで寝てしまったというところか?木製の漆が塗られた盃が、床に落ちているのが飲酒後に眠ったことを伺える。
一発殴りたいところだが、余計なことをして見付かればこの妖怪にフルボッコカーニバル不可避だろう。
俺は、とりあえず顔をみられないように(建前)と、なんか格好つけるために(本音)修復された郵便局員の帽子を深く被って気合いを入れ、眠りこけている天狗の部屋を経由し外へと抜き足差し足忍び足で、留置所の出入り口の扉を少し開け様子を探る。
夜遅くなためか、人通り、基、天狗通りは少なく隠れながらならば見付からずに済みそうだ。
「っぅ……。痛むな…。」
不意に来る痛みに息を切らせて胸を抑え、壁に寄りかかる。いくら薬で強制的に直そうとも細胞に不可が掛かり、痛覚として無理が現れているのだろう。
「だが、ここで捕まるわけにはいかないよなぁ…。」
そう奮い立たせ、俺は脱出案を考えた。
どうやら、交番程度の大きさらしく、俺が動けないことをいいことに手薄だったようだ。"留置所からの脱出"は容易だろう。
が、問題がある。留置所からこんな郵便局員が出てきては、かなり怪しいことこの上ないだろう。つまり、留置所から出た先のことを考えなきゃならない。
「あっち(外の世界)だったら、俺は留置所から出てきても天下(笑)の郵便局員だから怪しまれないだろうけど、ここら辺は天狗の巣窟だから思いっきり怪しいよな…。服を奪えばワンチャンある?ボクちんちん…!」
俺は、一度引き返し眠っているだろう天狗達がいた部屋へ戻ろうとする。
ヒューッ…。
「?」
突然留置所に風が吹き込む。
「ん?なんだ?」
目を細めて見つめると、風に乗って一枚のメモ用紙(小)が飛んでくるのが分かる。
バサッ…バシャッ…
「ふぃりっぷ!!」
その紙は吸い込まれるように俺の顔面にくっつく。それを確認したのかのように顔にくっつくと風はそよ風程度になり最終的に無風となる。
「何々?」
ーーーーーーーーーーーー
ここから脱出したくば風を
感じよ。
脱出路となり得る路があれば風が吹く。
風を信じて。
あなたの傍に出口はある。
.8.a←
ーーーーーーーーーーーーー
成る程…。なんかゲームみたいになってきたな。取り敢えず手紙を気にせずに他に脱出炉が無いか捜してみよう。手紙を胸ポケットにしまい捜索を開始した。
「地下水路とかそんな豪勢なものがあれば万々歳なんだがね。」
取り敢えず、留置所内に下水道へのマンホール的なものが無いか探し始める。
「…人が通れそうな水路は無いな…。」
どうしたものか八方塞がりだ。いっそのこと表玄関から出ていくか?否、ダメだ。直ぐに見つかってしまう。屈んで床を捜索しながら自問自答を繰り返していると、メモ用紙がポケットから落ちる。徐にそのメモ用紙を拾い、見つめて考え込む。
「待てよ?傍に出口があり、風が吹いている…?」
ガララッ
俺は、立ち上がり直感的にすぐ側にあった窓を開く。
フュォォオッ…。
「こういうことか?」
窓から下を覗き込むと急な傾斜となっており松の木や楓の木が至るところに生えていて身を隠しながら移動するのにはうってつけ…な気がしなくもない。同時に明らかに危ない雰囲気を出しているが…。
「普通の人間が、こんな道は通らないよなぁ。ましてやさっきまで寝たきりの人間だ。…行ける気がする!!」
待てよ?衰弱した人間を逃がしたとなると、この留置所の天狗たちはどうなるんだ?責任を負わされた上にバカにされたりしてしまうだろうか?
「…あの天狗たちには恩義はないし、ほっとこ。…気絶させちゃった射命丸さん、お世話してくれてたのに恩を仇で返しちゃって申し訳無いけど…いつか返そう。」
ドンガラガッシャンガーン!
「な、なに?」
二人の天狗たちがいた部屋の方で何か物音がした。
「やばい、天狗が起きたのかもしれない。逃げよう!」
俺は、窓から勢いよく飛び降りる。思った以上に険しい斜面のようだ。飛び降りると着地と同時に足を早速縺れさせ、転んでしまい斜面を転がるように落ちていく。
「いでっ!!!ぐふっ…ぎゃっ!」
所々で斜面に生えた木や岩にぶつかり、打撲傷が増えてくる。
ゴンゴン…ドスン。
下に着く頃には俺は、またひどい傷を負っていた。今度は右腕の骨も折れているようだ。
「ふっ…、ふぅっ…。いてぇちくしょう……。逃げなきゃ…。逃げて、郵便局に帰らなきゃ…。」
ゆっくりと起き上がり、フラフラになりながら道を歩きはじめたころだった。
ウゥゥゥゥゥウゥゥゥ!!
ウゥゥゥゥゥウゥゥゥ!!
ウゥゥゥゥゥウゥゥゥ!!
三回、サイレンが鳴り響く。山頂の方を見上げると、天狗たちの天守閣が見え、サーチライトで夜空を照らして放送が流れる。
「人間が1名脱走した!全天狗に告げる!至急、捜索し本部へ連行せよ!抵抗するならば、殺害も許可。繰り返す、人間が1名…」
マジかよ。見つかるの早いな。あの天狗たちが、通報したのかな…?取り敢えず走るしかない。
天狗は空を飛べる。そして、外の世界と同じようならば伝記とか、妖怪事典に記されているように風を操ってくる筈。
「厄介だなぁ…もう…。ぺっ。」
口に溜まった唾を唾液と一緒に吐き出し口を左袖で拭い、俺は右腕を庇いながら、走り始める。
「絶対に逃げて、帰るんだ……。」
どこに向かって走ればいいかなんてわからない。だけど、脚を動かしていれば、風が背中を押してくれて、誰かに導かれているように錯覚した。
「課長…みんな…直ぐに、帰るから…。」
「居たぞー!止まれ!人間!さもなくば殺す!!」
後方の空から、無数の羽音が聴こえる。
「うっせぇ!俺は郵便局に帰るんだよ!!集荷センターに俺ァは帰るんだよぉぉ!!!!」
叫んだ。一発で喉が枯れるほど。何がなんだか分からないけど喚きながら無我夢中で走った。
ババババババッ
背後からなにかが発射される音がする。ちらりと見ると、鮮やかな紅葉色を主体とした幾千の光弾が俺を狙う。
キュインキュイン!
それを背中で押してくれている風が刃のように変形し、弾を弾く。
「か、鎌鼬だと?!あの人間!我ら天狗と同じ力を?!」
「ええい、躊躇うな!哨戒班
は、白兵戦で奴を仕止めろ!」
「隊長…!扇を許可しては里に被害が…。」
「構わん!やれぇ!!!」
シュバババババ
ばら蒔かれる色とりどりの美しい弾幕。こんな状況でなければ見ていたい。それが地面にぶつかれば、土煙をあげる。その煙は、俺の身体を隠してくれる。
俺が走る道の左右、そして住宅街の屋根を走り執拗なまでの追走を行う白い狼のような天狗は、大鉈に似た剣を振るう。振るった剣からは鎌鼬が飛び、俺の足を狙ってくる。
「うぁっと…!」
間一髪でジャンプし、なんとか脚を切断されるのは免れたが足の裏が剃られたようで、血が吹き出す。
「つぅ…いてぇ…!!!」
左右から、鎌鼬が飛び交い俺を狙ってくる。が、今度は俺の後方で旋風が巻き起こり、鎌鼬を打ち消す。
「これで、終わりだ人間!!!」
白狼天狗が、2体左右から近接攻撃をしかけようとすると、風の障壁によって弾かれる。
「くそ…。人間風情が…。」
「この風……。どこかで…。」
追走する白狼天狗たちは困惑した。驚異的な力が人間を護っているからだ。
その一人がふと、気付いたようで「……様…どうして……。」と呟く。
そんなことを聞いている暇なんてなかった俺にはその呟きをすべて聞く余裕なんてなかった。門まであと、数十メートル!!!肺が破れそうな焼き付く感覚を耐え走り続ける。あと、少し。あと…!!!少し!!
「うおおおおおおおおっ!!!!」
鎌鼬や、雨のように降り注ぐ弾幕に体を抉られ焼かれたとしてもこの脚は止まらなかった。
「早く門を閉めろ!!」
天狗たちが大急ぎで木の大を閉め、刀を構える。
「逃がさん!!」
『翔んで…!!!!!』
「えっ?!」
ふわっ
その瞬間である。俺の体が一瞬だけ風に包まれ、高く飛翔した。
「に、人間が!!?」
「お、俺が!!?」
「「飛んだァァァァァァァ?!」」
バサァッ…。
まるで、翼が生えたかのような感覚だ。どこまでも飛んでいける気がする。
俺は、門を飛び越え滝を越え、数十メートル下に川が流れている場所まで飛翔するとその感覚が無くなる。
それと同時に重力に従って川へ俺は、墜ちていく。
「うおおおおそおおおおんっ!!!!今度こそ死ぬぅうぅぅぅううぅぅう!!!!これぞ、ビバ天国と地獄とh(ry」
どぼーーーーん!!!!!!
盛大な水柱を挙げて水面に叩きつけられ、川に飲まれて流されていく俺。その様はまさに水洗トイレに流される…。
「ぅんごぉぉぉぉぼがぼぼぽぼっ!!」
その様子を、留置所の屋根から俯瞰する射命丸文がいた。
溢すように一言呟く。
「妖怪が、あんな首締めで気絶するわけ無いじゃないですか……クスッ。」
射命丸文は、胸の奥が少し苦しくなるほど高鳴る鼓動を感じ、頬を緩ませる。
この気持ちは、いつも通りの好奇心だろうか?
どちらにしても、悪くない気持ちだ。紅の双眼を細め、嬉々としていた。
◆ ◆ ◆
ザザーザー…
「あ、あれ、あの蓬莱人が言ってた盟友だね?」
「無事に流れてきたのね。」
to be continue →
文字数少なくてすんません…まじ、土下座ですわ。
戦闘シーンの描写って難しくておじさん泣きそう…。
でも、頑張ってかくよ!!!