御気に入りの数も増えてきてますますバイブスブチ(テンション)上げです。
今話では、順がとうとう目的を知ります。さて、全然まだまだ終わりは先です。
目を開けると傍らには丸椅子に座りベッドに頭を預けて眠る射命丸さんがいる。外は明るくなって、陽の光が窓から差し込んでいた。
「…?俺…。歌が聴こえて…。」
歌が聴こえて、外にいこうと思ったんだけど、長い髪の女性に呼び止められて、そこで尿意が催してトイレに行って…。後ろから誰かに押されて…意識失ってよく分からない。ふわふわしてたら…歌ってた女の子に襲われて射命丸さんに助けられたんだっけ。
そうか…。俺…。また、射命丸さんに。
「むにゃむにゃ…。」
眠りながら太陽のように微笑む射命丸さん、その姿はやはり純粋さが残る少女だった。
「また、助けられちゃったな。…どうして、君は、そんなに俺に構うんだい?…君と俺とは、出会ったばかりなのに何故、そこまで…?」
そう、呟くように問い掛けるが寝言しか返ってこない。
「あやぁ…そこ、ダメですよぉ…」
なんだなんだ?寝言か?なんかされているのか?
「あっ…。順さん…。そこダメですよぉ…あふっ…。」
犯人俺かよ!!!…って、ツッコミたいけど疲れているようだしここは敢えて寝かせておこう。SAMURAIの情けと言う奴だ。
「…体、もう治ってる。」
手を握ったり開けたりしても、痛みが走ることなく問題なく動いている。
「やっぱり医療はすげえや。」
「そうかしら?」
その声と共に割れ両端にリボンが結ばれた空間の裂け目が出現する。なかには無数の目。
「?!な、誰…ぶっ!」
俺が大きな声で叫ぼうとすると、その裂け目からニュッと白い手袋をしたか細い手が伸び、口を塞がれる。
「貴方、もしかして逃げるときもあの蓬来人に傷を治されて助けられたと思って?」
「…もぐぅぐぅ!!」
俺はチラリと射命丸さんを見るが、すやすやと眠っている。…彼女は死ぬほど疲れている。なんてこったい!
「あの蓬来人があの時渡したもの、それはただの痛み止よ。彼処から逃げるために、貴方は自分自身でその身に眠る血を呼び起こしたの。…妖怪の血を。」
「んっ!んーー!!」
妖怪の血?んなばかな。俺は、歴とした人間だ。生まれてこのかた22年まともに人間として生きてきたんだ!
「そう、あくまでも反発すると言うことね。でも、否が応でも認めることとなるわ。貴方が妖怪であることを。」
頬を撫でられる。が、その手袋をしているはずの手は手袋越しでも分かるほど冷ややかで身も心も凍るほどの威圧感と、征服される感覚すら感じた。
「そこまでですよ。スキマ妖怪」
冷ややかな声が、隣から聴こえると、射命丸さんがゆらりと腕を組んで立っており、右手には葉団扇が握られていた。というか、ジョジョ立ちですか?射命丸さん。
「別に、この人間の首を跳ねようとか思っていないからその葉団扇をおしまいなさい。」
スキマ妖怪と呼ばれた者は、ニュッとその裂け目から、体を出しその裂け目に足を組んで座る。外見としては20代後半ぐらi
バキャッ!
「おぶぅ!!!」
今、なんか後頭部からなんか殴られたぞ…。…チラリと見ると少し、不服そうな表情でこちらを見たスキマ妖怪。なるほど、訂正しよう。彼女は24歳くらいの外見で、豊満な胸、ウェーブのかかった金色の長髪で、頭には紅いリボンが巻かれたふわふわな白い帽子をかぶっている。身長は高い。
そのスキマ妖怪は、裂け目から紫色の扇をバッと広げる。
「あなたが、何をしに来たか解りませんが…。ちょうど良いですね。彼を引き込んだのはあなたですか?」
射命丸さんは、いつになく真剣な表情でこめかみには冷や汗が垂れている。目に見てわかるほど緊迫しており、戦闘体制のままそのスキマ妖怪に問い掛ける。すると、キョトンとした表情をし、扇で口元を隠す。
「ええ。そうよ?彼が外の世界の道路を走っているときに、幻想郷の境界を弄って事故を誘発させて引き込んだのよ。」
あんたが、俺の愛車のスズキエブリーをぶっ壊してあんな怖い思いをさせたんかよ!!!ファッキュー!
「何故、そんなことを…。彼はそのせいで死にかけたんですよ?!取り敢えずその手を退けてください!」
射命丸さんが、少々お怒りのようだ。会ってから今まで でこんな彼女は見たことがない。あ、忘れてたとスキマ妖怪は、俺の口を塞いでた手をどける。
「そうね、確かにそれは、私のミス。だけど、そこの人間に憑いている守護霊が悪いのよ?無理に、境界の力から逃れようとするから…力が反発しあってあんな大事故になったのよ。」
なにがなんだかさっぱり…。つまり、要約すれば俺は、呼ばれて此処に連れてこられたということか?
そんな心のツイート(つぶやき)を詠んだのか察したのかスキマ妖怪は、そうそう。と頷き、言葉を続ける。
「外の世界でのあなたの業績を見せてもらったわ。株式会社日本郵便の神楽支局、一集集配営業部傘下集荷センター地域二区担当者のあなたに御願いがあるの。」
「…俺の個人情報が漏れ漏れなんだけどうちの会社のセキュリティはナニしてんの?!」
「それは、秘密よ。うふふ。」
楽し気にスキマ妖怪は、クスクス笑い、俺がショックを受けているとスキマ妖怪が言葉を続ける。
「あなたに郵便局を作ってほしいの。この幻想郷はあまりに、手紙のやり取りだとかが意外と不便なの。ほら、本職ならきっと、うまく作ってくれるでしょう?」
何てこったい。こんな世界でも郵便局員しなきゃならないのかよ。
「順さん…。郵便局ってなんですか?」
射命丸さんは、戦闘は無いと判断したらしくいつも通りの表情に戻り、キョトンとしている。
「郵便局っていうのは、要するに手紙だとか、荷物だとかを遠くにいる人に届ける機関。あっちでは、日本のどこででも荷物や手紙が届くようになってる。」
「なるほどです。しかし、自分から届けにいった方が早いんじゃ…?」
それに対し、スキマ妖怪は「それがね…。」と少し困ったような表情を浮かべる。
「私たちなら自分の力で、自分を守れるでしょう?」
そういうことですか。と射命丸さんは思考を巡らせたようだ。
「あややや。力を持たない里の人間たちは、里の外にある博麗神社にすら行くのは命懸け…里から出れば妖怪に襲われたりして、手紙なんて届けることができない…ということですね。」
「なるほど、つまり纏めると手紙を安全に且つ確実に届けられる機関を作れってことか。でもそれならーー」
「上層部の人間を引き抜くことも考えたわ。でも、それは現場の身になって動けない。つまり、現場の人間を知らなきゃ利益中心の腐敗を生むこととなるし、貴方は妖怪の血を持っている。だから、妖怪とも交友関係を作り、そこから発展させれると考えての選出よ。」
なんてこった。買い被りも良いところだ。
「買い被っているようだけど、俺はそこまでの力はないよ。つうか、俺妖怪じゃねーからコレ!!」
「それでも、貴方に任せたいのよ。発展しすぎることはあまり良いことではないけど程よく妖怪も人間たちも発展するには試したいことなの。」
スキマ妖怪は、そう言うと目を細め、この話はおしまいだと、お前に任せるのは決定だこのやろう!と言わんばかりのご様子だ。
「順さん、妖怪だったんですか?」
「お前(射命丸)は、会話に乗りきれてないな。」
「はい、あなたっ。」
「そういうノリじゃねぇから!」
えー。と射命丸さん口を尖らせてらっしゃる。思わずお前と言ってしまったのは間違いだったな。
「そうよ。彼女、若いように見えて実は千年生きている天狗なのよ。年上は敬わなきゃいけないわ。」
クスリと笑うスキマ妖怪と対する射命丸さんは、頭が真っ赤になっている。
「まだ千歳だもん!文、まだ千歳だもん!」
えーっと射命丸さん。取り敢えず話が進まないんだけど?
「こほん。要するにだ、その郵便局なる機関を作ってしまえば晴れて俺は、幻想郷から帰れると言うことだな?」
「そういうことになるわ。それはその時決めれば良いことだけど。」
スキマ妖怪は、そうそう。話が早いわねと続けた。
「社員は、俺のみか。…取り敢えずやれるだけやるか。まずは、金を稼がないと…。」
「あややや。千歳だもん…。まだ…千歳…。」
お前は、早く帰ってこい!
「取り敢えずわかった。引き受けさせて貰おう。と言うか、俺の居場所をどこで知り得たんだよ。」
一番気になることを訊くとスキマ妖怪は、含み笑いしながら
「秘密♪…じゃあ、頼んだわよ。」
そう言い残すと裂け目のなかに消えていった。
「…さて、どうしたものか…。」
「取り敢えずお金稼ぎですね…。」
同じように悩む射命丸さん。そこであれ?と気づく。
「射命丸さんは、新聞記者って仕事あるんだからこの件関係無いんじゃ…。」
小首を傾げる射命丸さんは、少し不思議そうな表情をする。
「新聞記者しながら、サポートするつもりですよ?何を仰いますか。殿っ!」
「うむ、取り敢えず頭が高いから控えようか?これは、俺の問題だ。」
そんな俺の言葉も空しく、彼女はずっとメモ帳にひたすら文字を書き込んだり、見返したりして無視してくれた。
やれやれ、これから先どうなることやら。そんな不安と、任された仕事の大きさの興奮と、新たな冒険の始まりに心が踊っていた。
To be continue →
程よくキャラ崩壊させました、こういう射命丸さんもいいかなぁと思ってやらかしました。反省はない。
取り敢えず、危険度等は、文花帖を参照にしてます。尚、作品の時間についてですが、永夜抄後になってます。つまり、まだ守矢神社は来てないです。でも、序盤で風神録のキャラクターが何故出てきているかと言うと、彼女たちが元から住んでいたからってことで出してます。
勿論、原作通りに沿って異変なども起きていきますので、原作を知る人でもなんとか楽しめるように頑張って描いて行きます。
これからも、応援宜しくお願いします。