右手の莫耶を振るう。
メタルリザードは自身の爪で防ぐが先程のナマクラの剣とは違い爪の三分の一ぐらい食い込んだ。
「やっぱり。これがシックリくる!」
俺は父さんに魔道書を昔に読まされ魔法【投影】を覚えた。
しかし、父さんが死んでから何故か投影が全く使えなくなっていた。
干将・莫耶を投影してからは俺の優勢だった。
本来の二刀流という先頭スタイルを取り戻し手数も増えた。
しかし、一度魔法を失ったせいで魔力が殆ど無いことに自分で気付いていた。
(干将・莫耶の投影はあと二回が限界か)
数回の剣戟の後、干将・莫耶のどちらにも罅が入った。
メタルリザードの両の爪も罅が入り残り一撃だと理解しているようだった。
俺が腕をクロスにして引き絞るとメタルリザードは両腕を振り上げ斬り降ろそうと構えを取る。
風が吹き荒れる。
風が止まった瞬間俺とメタルリザードはどちらからともなくに動き始めた。
俺達の体が接触する直前俺は干将・莫耶を斬り上げメタルリザードは両腕を降り降ろした。
四つの刃は砕けた。
メタルリザードは残された最後の
「―――
その数瞬前に俺は後ろへ飛び退き両手の干将・莫耶の柄を放し新たな干将・莫耶を投影しメタルリザードに投げ付ける。
しかし、その干将と莫耶の二つの軌道は奴の左右へとの離れる。
だが、それこそが狙いだ。
──鶴翼、欠落ヲ不ラズ
二つの刃は壁に当たる直前、起動を直線からブーメランのように弧を描いた。
──心技、泰山ニ至ル
干将と莫耶は互いを引き付ける性質がある。
それによりこの技が成り立つ。
「───
俺は最後の一組を投影すると弧を描きメタルリザードの元に到達するのと同時に全力で双剣を振り下ろす。
──心技、黄河ヲ渡ル
本来なら三組で行う技だが今の俺には二組が限界だ。
───唯名、別天ニ納メ
しかし、目の前の敵を倒すにはこれで十分だ。
───両雄、共ニ命ヲ別ツ
干将・莫耶の性質を活かし二つの×を同時に相手に叩き込むそれが───
「───鶴翼二連!」
前回よりイメージを固め魔力を込めた二組の双剣はメタルリザードの頭蓋骨を砕き脳を斬り裂いた。
「GIAAAAA!」
「・・・勝った」
(ヤバ・・・
俺はメタルリザードが魔石になるのを見届けると気を失った。
目が覚めると知らない天井だった。
体を起こして周りを見ると木で出来た家のようだった。
ガチャ。
そんな音と共に扉が開いた。
そのから入ってきたのは俺が守った薄桃色の髪をした少女だった。
「起きたんですね!」
「ああ、看病してくれたみたいでありがとう」
「いえ!命を救って頂いたんです!これぐらい!」
「怪我してないか?」
「はい。貴方は?」
「細かい痣はあるけど骨は折れてないし。多分、倒れたのは魔力枯渇のせいだしな」
魔力枯渇は魔法の使いすぎなどで魔力が枯渇したとき体が防衛本能で気を失わせるというものだ。
「俺の名前はシキ・クレン。ヘスティア・ファミリア所属の冒険者だ。君は?」
「わ、私はフィリア・リーンベルト。ヘファイストス・ファミリア所属です」
「分かった。リーンベルトよろしくな」
「あ、あのフィリアでいいです。クレンさん」
「ああ、分かったフィリア。俺もシキでいい。改めてよろしく」
「はい!シキさん!」
俺とフィオナは握手を交わした。
シキ・クレン
Lv.1
力 :F 315
耐久:G 295
器用:G 235
敏捷:G 223
魔力:H65
《魔法》
【投影】
・構成を解析し魔力を媒介に何かを作り出す。
・本人の特性上、近接武器が一番魔力効率がいい。
詠唱
―――投影、開始
《スキル》
【昇龍昇華(アーラン・エイル)】
・早熟する。
・何かに憧れる限り効果持続。
・憧れの強さの丈により効果が上昇する。