「にしても。すごいなコレ」
俺達がバベルに辿り着くとエイナさんに導かれ昇降魔道具に乗っていた。
えっと、魔石の魔力を浮力に変えてるんだっけか?
ほどなくして、バベルの四回に到着する。
「お目当てのお店はまだ上の階なんだけど、せっかくだから寄っていこうか?」
俺とベルが頷くと通りを歩くことになった。
ざっと見ただけでもすごい武器が並んでいた。
ベルがキラキラとした目で見ていたので投影してやろうとしたが俺の投影の練度では触らずには解析できないので諦めた。
よく見ると全ての武器にヘファイストス・ファミリアの刻印があった。
「ああ、この四階から八階のテナントは全部ヘファイストス・ファミリアのものだからね」
「すごいな」
「三千万ヴァリス!?」
短剣を見たベルはクラっと目眩を起こした。
「いらっしゃいませー今日は何の御用でしょうか、お客様!」
よーく見たことのある店員がいた。
可愛らしいツインテールに豊満なバスト。
ヘスティア・ファミリアの主神(バカ)ヘスティアだ。
「いや、何やってんだ。ヘスティア?」
「神様!?」
ヘスティアの店員スマイルが凍りつく。
「何でこんなところにいるんですか、バイトのかけ持ち!? 到達階層が増えてお金にちょっと余裕ができるようになったって、僕言ったばかりじゃないですか!?」
「いいかいベル君、今この瞬間を全部忘れて、大人しく帰るんだ! 世界には知らなくていいこともあるんだっ!」
「無理ですって! いいから、ほら帰りましょう! 神様は神様なんですから恥も外聞も捨てちゃダメですってば!」
「いや、今更だろ?」
そんなものとっくに捨てているだろう。
「そうだけど!」
「ベル君酷い!」
俺達が店頭で騒いでいると中から怒鳴り付ける声が聞こえてきた。
こらぁっ、新入り! 遊んでんじゃねぇぞ! 仕事しろ!」
「はぁーい!!」
「あっ!?」
ベルの手を振り払いヘスティアは業務に戻っていった。
「かみさまぁ……」
「・・・あ、相変わらず、変わった神様だね」
その言葉には俺にも苦笑で返すしかなかった。
「あ、そうだ」
ヘスティアが店の中から顔を出してきた。
「シキ君はちょっと残ってくれるかい?」
「なんだよ」
「いいから、いいから。後二十分くらいで休憩だから待ってて遅れよ」
「わーったよ。ってことだ先行っててくれ」
「分かった。先に行ってるね」
「おう。エイナさんもベルのお守りよろしくお願いします」
エイナさんは、あははと笑う。
「ちょっとシキ!?」
「了解だよ。シキ君」
「エイナさんまで!?」