二十分くらい店内で待っているとヘスティアが出てきた。
「お待たせシキ君!行こうか」
どこか誇らしげに歩いているヘスティアに着いていくと扉の前に着いた。
扉の看板には執務室と書いてあった。
ヘスティアは二回ノックする。
二回はトイレだぞ?
「入りなさい」
「入るよ!」
「失礼します」
俺とヘスティアが執務室に入ると二人の女性がいた。
「フィリアじゃないか」
「こんにちはシキさん」
一人は薄桃色の髪をした少女フィリアだった。
もう一人は・・・。
「貴方がシキね」
「はい」
「私はヘファイストス。ヘファイストス・ファミリアの主神でこのバカの神友よ」
眼帯をしている赤髪の女神ヘファイストスさんだった。
「あの、俺は何故ここに?」
「ああ、それはね。フィリア持ってきて」
「はい」
フィリアは扉の先から漆黒の布地に軽装を着けたコートを纏っているマネキンを持ってきた。
「コレは?」
「コレはねコート・オブ・ヘスティア。ボクから君への贈り物さ!」
「贈り物?」
「うん!ベル君のヘスティアナイフの防具バージョンなんだ。君のステイタスによってこのコートは強くなるんだ」
「何で俺には防具なんだ? 」
「君の魔法は以前に聞いていたし君はベル君やボクを守るためなら自分の身を省みないだろう」
否定は出来なかった。
自分が死ぬかヘスティアとベルが死ぬか選べと言われたら迷わず俺は前者を選んでしまうだろう。
「そして君は未来を切り開く力を持っている」
恐らく俺の投影の事を言っているんだろう。
「だからボクはヘファイストスに頼んだんだベル君に未来を切り開くための刃を、シキ君にはその身を護る盾を作ってくれってね。盾は比喩だけどね」
「ヘスティアには一泡吹かされたわ。私は鍛冶の神なんだから布関係には疎いから布防具のスペシャリストのフィリアの手を借りたのよ?」
「えっへん!私のスキルで
フィリアはその小さな胸を胸を張っていた。
ちなみに俺はどんなに胸が小さかろうか大きかろうか問題ない。
ロキさんのような無乳はさすがに無理だが。
あれ、もう男だろ。
「なんやと!」
「どうしたんだい?ロキ?」
「フィンか。なんや胸の事をバカにされた気がしてなぁ」
「ありがとな。ヘスティア」
「うん!」
「で?」
「なんだい?シキ君?」
「コレいくらだ?」
ヘスティアは俺から目を反らした。
「ヘファイストスさん?」
「ヘスティアナイフと合わせて四億・・・はぁ、儲け無しで二億で良いわよ」
「ありがとう!ヘファイストス!」
ヘスティアがヘファイストスさんをじっと見つめると仕方ないと値を下げてくれた。
「それでも返すのに何年かかることやら」
「大丈夫だよ!ボクは不死だ!いつかは必ず返せるさ!」
「俺ももっと稼げるようになったら俺も払うからな」
「あはは。ごめんね」
「大丈夫だ。お前は友達であるヘファイストスさんに頭を下げてくれたんだろう?俺はそれだけで充分だ」
俺はヘスティアの頭を撫でてそう言った。
「ありがとうシキ君!それにヘファイストスにフィリア君コートを作ってくれてありがとう」
「ええ」
「はい」
二人は笑顔で頷いた。
「あ、シキさん」
フィリアが唐突に俺の名を呼んだ。
「何だ?」
「コレは助けてくれたお礼です」
フィリアはいつの間にか二つの箱を持っていた。
ヘファイストスさんの机に二つの箱を置き開けると手の甲から肘までの長さで指貫のガントレットとブーツとグリーブが入っていた。
全て夜のような漆黒をしていた。
「珍しくフィリアが防具を作って私に対価として金属部分の発注したのよ感謝しなさい」
「本当にありがとうフィリア」
「どういたしましてシキさん!」
フィリアはニコッと笑った。
(ヤバい。すごく可愛い)
左手で顔を抑え顔が赤くなるのを抑えた。
「ヘファイストスさん着てみてもいいですか?」
「いいわよ。隣の部屋を使いなさい」
「はい」
「これは・・・」
「見事に真っ黒ですね」
「黒くないのが顔と指だけね」
下に着ていたシャツの色も黒だったので全身真っ黒だ。
いや、黒好きだからいいんだけどさ。
「まあ、俺黒好きなんで」
「でも、よく似合ってますよ」
「「たしかに」」
フィリアに二人の女神が同意する。
ふと、窓の外を見ると日がオレンジ色になりそうになっていた。
「あ、俺そろそろベル達の所に行かなきゃ」
「あ!ボクも!」
「あんたはあと、一時間バイトでしょ?」
「はい・・・」
「じゃあなフィリア」
「はい。また会いましょうシキさん」
「ああ!ヘファイストスさんお世話になりました」
「ええ。もっと稼げるようになったらヘファイストス・ファミリアを宜しくね」
「はい!では・・・」
俺は扉を出て昇降魔道具のところへと向かった。
アヴァロンはfateからいただきました。
fateではアヴァロンはエクスカリバーの鞘のことですね。
士郎の時は傷口を縫合するようにしていたので自己修復機能の名をアヴァロンにしました。