昇降魔道具の扉のところに着くと箱を抱えているベルとエイナさんが待っていた。
「悪い待たせたか?」
「あ!シキ!大丈夫・・・って!何その防具!」
「ヘスティアからの贈り物だよ」
「ああ、僕のと同じ」
「どういうこと?」
エイナさんが俺達に聞いてきた。
「俺とベルはヘスティアから武具をプレゼントされたんですよ」
「ていうか、シキなんか多くない?」
「ああ、怪物祭の時助けたヘファイストス・ファミリアのメンバーからも贈られたんだよ」
「ズルいなぁ!」
「お前はヘスティアを助けたんだろ?」
「そうだけどさ」
「なら、充分だろ?」
「うん!僕はシキと違って俗物じゃないしね!」
「そうかそうか。死ね」
俺はベルに逆海老固めを決める。
「ギャァァァァ!」
「足と腰が痛い」
バベルの途中の階でベルはそう言い湿布をもらいに治療室に行っている。
俺とエイナさんはバベルの近くの広場にいる。
「あっ、そうだシキ君。はいこれ」
エイナさんが突然俺に布の包みが入っていた。
布を広げるとバックルが入っていた。
「これはね。魔力をほんの少しだけ上げる魔道具なんだよ」
「え?」
「アビリティにすると5~10程度だから、すごく安いんだけどね」
そんなことはないだろう。
安いとはいえ魔道具だ一万ヴァリス位は普通にしただろう。
「いやいや!悪いですって!」
「受け取ってよ。私ねシキ君もベル君も大好きなんだ。二人には死んでほしくない、だから私のためにね」
(受け取ろう。その代わり絶対にこの人を悲しませないようにしよう)
「分かりました。その代わり目を閉じてください」
「う、うん」
エイナさんは戸惑いながらも目を閉じた。
エイナさんの顔は真っ赤になっていた。
俺はエイナさんの後ろに回り込むと一つの箱を開けその中に入っていた物をエイナさんの首に着けた。
「目を開けてください」
「え?どうしたのシキ君・・・え?」
エイナさんの首元には彼女と同じエメラルドの輝きを持つ涙型の宝石のネックレスがあった。
エメラルドの中には十字架が堀込んである。
「コレは?」
「俺からの贈り物です」
エイナさんはエメラルドの裏の金属部分を見て驚愕の色を浮かべた後、青冷めていった。
それもそうだろう金属部分に書いてあるのはヘファイストス・ファミリアの刻印なのだから。
ヘスティアを待っているときに見つけ値段交渉し買った。
エメラルドの護り
定価四万ヴァリス→値引き後二万ヴァリス。
店長泣いてたなぁ。
後で聞いたことだがベルの買った軽装より高かったらしい。
怪物祭で六万ヴァリスほど稼いでおいてよかった。
ヘスティアは納めるのはいつもと同じだけでいいって言っていた。
「シキ君これ・・・盗んだの!?」
「失敬な!買ったんですよ。まあ、ヘファイストス・ファミリアのお守りでも一番安いのを値切ったやつですけど魔法のダメージを一回だけ無効果するらしいですよ」
「な、何で私に!?」
「ここは迷宮都市です何が起こるか分かりません。だからその・・・」
ヤバい顔が赤くなるのを抑えられない。
「その?」
「・・・エイナさんには傷付いてほしくないんです」
俺は赤くなった顔を隠すように反らして言った。
「シキ君・・・。ありがとう」
「どういたしまして」
「後ねシキ君」
「私のことエイナって呼んでくれないかな?」
「はい?」
「それと敬語も無しね?」
「でも・・・」
「いいから!シキ君は皆とタメ口でしゃべるから私もタメ口で喋ってほしいの!」
「はぁ、分かったよエイナ。これでいいか?」
「うん!」
俺が顔を一度収まった赤面を再発させて言うとエイナさん・・・いや、エイナは笑顔で返してきた。
「シキー!エイナさーん!」
不意にベルの声が聞こえた。