「ちょっと遅くなっちゃったね」
「そうだな」
『 私のことエイナって呼んでくれないかな?』
俺はエイナさん・・・エイナに言われた事を思い出していまだにドキドキしていた。
エイナに感じてるのは恋愛的なドキドキ感じゃない。
例えるなら親戚のお姉さんにちょっとエッチなイタズラされたようなそんな感じだ。
まあ、ドキドキしてるのは同じなんだけど。
「シキ、顔赤いよ?」
「う、うるさい!」
「!・・・シキ」
「ああ」
俺達は裏路地を歩いている。
そんなところに二つの走る足音。
しかも小さなのと大きいなのが有ったらどう思うだろう?
「誘拐か?」
「分かんない。それよりどこから・・・?」
ベルが次の曲がる道を除き混もうとすると走ってきた影に足を掛けてしまった。
「何やってんだ!」
「すみません!大丈夫ですか!?」
「悪いな俺のツレが」
そこに居たのは灰色のローブを着ていた栗毛のパルゥムの少女だった。
パルゥムとは成長してもヒューマンの子供並みにしか育たないと言われている。
知り合いだとロキ・ファミリアの団長フィンさんだ。
「追い付いたぞ!糞パルゥムがっ‼」
ベルが少女の手を取ろうとしたとき怒声を上げながら一人のヒューマンが現れた。
その瞳には明らかに怒りが現れている。
「もう逃がさねぇぞ!」
男が叫び声を上げる。
何こいつ、ロリコンストーカー?
取り敢えず、間違いなく少女が危険な目に遭いそうな気がしたのでベルと少女の前に庇うように前に出た。
「んだよテメェ!そいつを今から殺るんだから退きやがれ!」
え?ヤる?
ロリコン、ストーカー、ヤる・・・。
ロリコンレ○プ犯(違う)!?
「おい!テメェ何で引きやがった!」
「あ、あの・・・今からこの子に、何をするんですか・・・?」
ベルが怯えながらもそう聞いた。
いや、何をってナニだろ?
「うるせぇぞ!ガキッ‼今すぐ消え失せねぇと、後ろのそいつごと叩きっ斬るぞ」
「ああ!ヤるって殺すの方の殺るか!」
「シキ!?何言ってんの!?」
「テメェ!殺す!」
ヒューマ・・・ロリコンでいいや。
ロリコンが俺を斬ろうと剣を上段に構える。
「
誰にも聞かれないような小さな声で呟いた。
俺は恰もコートの中から出したように干将・莫耶を投影した。
「死ねぇ!」
ロリコンが剣を降り下ろす。
俺は左斜め前に踏み出すとロリコンの剣を右手の莫耶の切っ先を裏拳の要領でロリコンの剣の腹に向かって突き出し折った。
なんか、ロリコンの剣って言うと卑猥に聞こえるな。
「テメェ!」
「止めなさい」
ロリコンが折れた剣を俺に突き刺そうとした瞬間鋭い声がここにいる全員を貫いた。
貫いた声の主は若木の葉のような髪を持つエルフの少女だった。
えっと、豊穣の女主人にいた人だが名前は知らない。
「次から次へと・・・!?お前らは何だぁ!?」
「貴方が危害を加えようとしているその人は、私のかけがえのない同僚の伴侶となる方です。手を出すのは許しません」
何を言ってるんだ?
エルフの少女の同僚・・・豊穣の女主人のスタッフ。
ベルと親しい・・・シルか?
了解。納得した。
「どいつもこいつも、わけのわからねえことをっ・・・!ぶっ殺されてえのかあっ!ああ!?」
「吠えるな」
再び鋭い声が全員を貫いた。
次は凍てつくような声だった。
例えるならフィンさんの狼野郎を叱ったときの声だった。
「手荒なことはしたくありません。私は“いつもやり過ぎてしまう”」
「く、くそがぁ!?」
ロリコンは顔を真っ青にして、逃走した。
「大丈夫でしたか?」
「あ、ありがとうございます。助かりました・・・」
「いえ、こちらこそ差し出がましい真似を・・・私がそうせずとも、貴方達なら何とかできたでしょう」
「アハハ・・・」
俺はエルフの少女に礼を言う。
「ありがとう。助かった」
「えっと貴方はクラネルさんと一緒にいた」
「シキ・クレンだ。君は?」
「リューと申します。クレンさん」
「よろしくなリューさん」
俺はリューさんに手を差し出した。
「リューで結構です」
リューは俺の手を見て戸惑っていたがそう言って俺の手を握り返した。
「分かったリュー」
「リュ、リューさんはどうしてここ?」
ベルはオドオドしながらリューに聞いた。
「夜の営業に向けて買い出しをしていました。昼間とは異なり冒険者が店に押し寄せますから、準備をしておかないと大変な事になるので。その途中で貴方達を見掛けてしまい、つい」
昼間は食堂みたいな感じなのかな?
その時間帯は大体ダンジョンに行ってるから休みでもあったら夜とは違う豊穣の女主人に行ってみるかな。
「貴方達はここで何を?」
「あっ、そうだ、あの子・・・あれ?」
ベルが辺りを見渡す。
しかし、先程の少女は煙のように姿を消していた。
「誰かいたのですか?」
「はい、そのはず・・・なんですけど・・・」
終われてたのは、やはり疚しいことがあったのか?
「では、私はこれで」
「はい。本当にありがとうございます」
「本当に助かった。ありがとう」
俺達はお辞儀を交わし合い、
帰路に着いた。
リューの買い物袋に入っていた林檎が旨そうだったのでちょっと近くの八百屋で林檎を三つ買って帰った。
「よし・・・」
ベルは姿見で黒のアンダーの上に銀色の軽装を着けた自分の姿を確認していた。
俺は先にコートを羽織りその上から軽装を着けガントレットを装着してグリーヴを装着してあるブーツを履いた。
ちょっと行程が多いな。
もちろん中に履いている黒のジーンズのベルトの中央にはエイナがくれたバックルが輝いている。
「神様、じゃあ行ってきますねー!」
「ヘスティア行ってくるからな!」
「二人とも、気を付けてね~」
眠そうだな。
俺達がバベルの前にやって来ると俺たちに向けられたと思われる声が聞こえる。
「お兄さん。お兄さん。白と黒の髪のお二人のお兄さん」
「えっ?」
「ん?」
「お兄さん下、下ですよ」
声に誘導され下を見ると既視感のある少女がいた。
「初めまして、お兄さん方。突然ですがサポーターなんか探していたりしませんか?」
最近考えなくもなかった。
エイナにサポーターが居れば効率がグンッと上がると言われていたからだ。
それに、ベルは明らかに見える位置にバックを持っていたからな。
俺は父さんが昔使っていたサイドバックを使っている。
容量はベルのバックとは比べ物にはならない。
「混乱しているんですか?でも今の状況は簡単ですよ?冒険者様のおこぼれにあずかりたい貧乏なサポーターが、自分を売り込みに来ているんです」
「いや、そうじゃなくて・・・。君、昨日の・・・」
「・・・?お兄さん方とは初対面のはずですが?」
首を傾げる少女に俺とベルもつられて首を傾げそうになった。
「それでお兄さん、どうですか、サポーターはいりませんか?」
「ベルが決めていいぞ?」
「えっと・・・で、出来るなら、欲しいかな・・・」
「本当ですかっ!なら、リリを連れていってくれませんか、お兄さん方!」
「いや、それはいいんだけど、うーん・・・?」
「あっ、名前ですか?失敬、リリは自己紹介もしていませんでした」
少女は改まると名を告げた。
「リリの名前はリリルカ・アーデです。お兄さん方のお名前は何と言うんですか?」
今更ながらfateのVita版を買ってセイバールートクリアで力尽きた作者がいる。
シキ「堪え性がねぇな」
いや、まさかセイバールートで二十時間かかるとは・・・。
だけど・・・
―――――その道が。
今までの自分が、fateに費やした時間が、間違っていなかったって信じている!
シキ「セイバールートの名言をここで使うな!」