今日の探索はリリルカが今日中に纏まった金額を稼ぎたいということで第十階層に挑むことになった。
しかし・・・。
「悪い、ベル
「え、大丈夫なの!?」
「必要な物だから取ってきたい。だから、先に行ってくれるか?」
「う、うん。分かった。行こう?リリ」
「は、はい」
肯定するベルにリリルカ。
二人は第十階層に繋がる階段を降り始める。
俺は二人が階段を降りるのを確認すると気配を消しある人物を探し始める。
リリルカside
────やった!やってやりました!
リリはベル様からあの、ナイフを奪ってやりました!
やっと、あのファミリアから抜けられる!
「あの、地獄のような日々から抜け出せる・・・!」
リリの人生は辛いだけでした。
ソーマ・ファミリアに所属する両親だった人が性欲を満たす為だけにした行為で生まれた子供。
それが、リリ。
リリルカ・アーデです。
両親からの愛なんてなかった。
両親はお金を手に入れるための道具としてリリを育てました。
リリが所属するファミリア【ソーマ・ファミリア】の主神ソーマ様が造るお酒。
それが、神酒です。
神酒は不出来な物でも数万ヴァリスで取引されます。
それの完成品を飲ませて。
また、飲みたければ金を納めろという方式でソーマ・ファミリアは成り立っています。
リリは飲んだことはありません。
飲むことを拒否してきました。
飲んだら抗えずに
「抜け出せたら昔迷惑を掛けたお花屋さんに謝りに行きたいな」
出来れば、また・・・・
楽しい想像が止まりません。
しかし、
────リリ
────リリルカ
数日だけ一緒にダンジョンに潜った兄弟の様に仲の良い二人の冒険者の声と共に罪悪感が蘇る。
こんな事は一度も無かった。
裏切り裏切られるのが世の常だと知っていたからです。
────今更、何で!
その時、リリの頭に二人は元々裏切るつもりは無かったのではという考えが浮かびました。
────そんなのは認めない!認めてはいけないんです!認めてしまったら・・・
リリは頭を振ってその考えを振り払った。
第八階層に入った瞬間・・・。
「よぉ、アーデ」
そこに見知った大嫌いな顔を見つけてしまった。
ソーマ・ファミリアのLv.1冒険者
「何・・・で」
「お前結構溜め込んでるらしいじゃねぇか。分けてくれよ助け合いだろぉ?」
「い・・・嫌」
「ああ!?な~に言ってるんだよ!テメェに選択肢なんて無いんだよ!」
「グフッ!」
カヌゥがリリのお腹を蹴り飛ばしました。
そして、私のマントを剥ぎます。
「きゃっ・・・!」
「グヘヘ!良い物持ってんじゃねぇか!」
リリのマントの中から赤い炎のような刀身を持つ短剣リリの秘密兵器の魔剣を奪い去ります。
「そ、それは!」
「うるせぇ!」
───何でこんな事に
いや、リリは分かっています。
シキ様とベル様を裏切ったからです。
きっと、御二人を裏切らなければ何とかまではいかなくてもこの人からは守ってくれたかもしれない。
───ごめんなさい
信じられなくてごめんなさい。
都合のいい話かもしれない。
それでも・・・。
「・・・助けて」
「おいおい、良い姿じゃねぇかリリルカ」
「シキ・・・様?」
そこには黒い髪を靡かせた数日だけパーティを組んだ青年が居た。
次の話が個人的に二章のメインのつもりです。