俺とベルは我らがヘスティア・ファミリアの本拠地教会地下室へと入った。
「お帰りー、ベル君シキ君」
俺達が地下室に入るとソファーに寝転がっている十四歳くらいのツインテールの女の子が話しかけてきた。
女の子―――ヘスティアはソファーから起き上がるとトトトと音を立てて俺たちの目の前までに近づいてきた。
「ただいま神様」
「ただいまヘスティア」
「早かったね」
「ちょっとダンジョンで死にかけちゃって」
ベルが頬を掻き微笑を浮かべてそう言って。
「おいおい、大丈夫かい?君に死なれたらボクはかなりショックだよ。柄にもなく悲しんでしまうかもしれない」
「大丈夫ですよ。僕達は神様を路頭に迷わせることはしませんから」
「そうだな。俺は天寿を全うしてやるよ」
俺達はそう言ってヘスティアに笑いかける。
「あっ、言ったなー?なら大船に乗ったつもりでいるから、覚悟しておいてくれよ?」
「なんか変な言い方ですね・・・」
「主にベルだがな」
「え?」
「そうだよー。シキ君はボク達のお兄ちゃんさ。ベル君はボクのむふふ♪」
「神様!?」
俺と、弟みたいなベル、俺達の主神であり妹みたいなヘスティア。
騒がしいけど暖かいこの空間を俺は凄く気に入ってる。
「それじゃあ今日の君達の稼ぎは期待できないね。シキ君は寝てたし」
「悪かったって」
「仕方ないよ。それより神様は?」
「ふっふーんっ!これを見るんだ!デデン!」
「そ、それは!?」
「ジャガ丸くんじゃないか!」
そこに有ったのはジャガイモを蒸かし衣を付け揚げた食べ物ジャガ丸くんだった。
ちなみに売っているのはヘスティアだ。
一応、神なのに・・・。
ちなみに俺が好きなのはチリパウダーを散りばめたホットチリ味だ。
「露天の売り上げに貢献したということで、大量のジャガ丸くんを頂戴したんだ!シキ君が好きなホットチリもあるよ!」
「そりゃ楽しみだ。俺もなんか作るかな」
「いやぁ、それにしても・・・マスコットキャラとして道行く人はみんな可愛がってくれるけど、ボクの【ファミリア】に加わりたいという子は相も変わらず皆無だよ。全く、ボクの名のヘスティアが無名だからって、みんな現金だよねぇ」
ジャガ丸くんと俺の作ったコンソメスープを食べながらヘスティアはそう言った。
「全くだ」
「うーん、どの【ファミリア】も授かる『
神は自分の眷族に下界で使っていい数少ない神の力を使い眷族に恩恵を与える。
神はそんな眷族に色々頼んだり、金を稼いできてもらう。
身も蓋もない言い方をすれば『ヒモ』だ。
まあ、何だかんだ言ってちゃんと信仰している人も多いらしい。
ヘスティアに敬意?
何処に?(ニッコリ)
ヘファイストスという神はたまに武器を打つことがあるらしい。
ミヤハさんも人数が少ないため薬を自ら調合している。
しかも、ミヤハさんはその回復薬をたまにくれる。
まあ、ヘスティアもバイトしてくれてるから頼りにはなるんだけどな。
そういえばヒモと言えばヘスティアの胸の辺りの紐は何だろうか?
前に、ヘスティアに聞いたらゴゴゴと変なプレッシャーを出しツインテールを逆立たせ威嚇してきたのでもう聞いてない。
しかし、どうやってツインテールを逆立たせてるんだ?
父さんが聞かせてくれた超サ○ヤ人か?
「はぁ、二人だけに負担をかけるのはボクとしては心苦しいんだけど・・・」
「僕達は別に・・・」
「それにお前も働いてくれてんだろ?」
俺はそう言ってヘスティアの頭を撫でた。
「えへへ、本当にシキ君はお兄ちゃんみたいだね」
「じゃあ、俺は三人の中で長男か?」
「うん!シキ君が長男!ボクが二番目、ベル君が末っ子さ!」
「ちょっと神様!神様が一番下です!」
「なんだとー!」
「まあまあ」
「ごめんねぇ、こんなヘッポコな神と契約させちゃってね」
ヘスティアは俺達と契約してから毎日のように言ってくる。
俺とベルはいつも大丈夫だと言っているんだけどな。
「大丈夫ですよ!神様!僕達の【ファミリア】は言ってみれば発展途上ってやつです!」
「それにな、お前が居なかったら俺達はスタートラインにすら立てなかったんだぜ?感謝こそすれ恨むなんざお門違いだ」
「ベル君、シキ君、君達ってやつは・・・!」
ヘスティアの目尻が涙が滲んでいた。
「ふふっ、君達みたいな子に会えてボクは幸せ者だよ。それじゃあボク達の未来のために【ステイタス】を更新しようか!」
「はい!」
「そうだな」
ヘスティアは最近できるようになったという二人同時更新をしている。
ステイタスを更新している間ベルはヘスティアから精神攻撃を受けていた。
まあ、いいか。
「ほら、君達の新しい【ステイタス】だ」
俺は差し出された用紙を見る。
シキ・クレン
Lv.1
力:H 138→H 160
耐久:I92
器用:H128
敏捷:H102
魔力:I 0
《魔法》
【】
【】
《スキル》
【】
これが俺の今のステイタスだ。
「あれ?俺今日ベルを三回叩いただけなんだけどな」
「僕を叩いてステイタス上がるって酷くない!?」
「なんだとー!ベル君を殴ったのか!」
「血塗れで町駆け抜けて来て一回。俺に抱きついてきて二回。人と話してるのに駆け出して三回」
「じゃあ、仕方ない!」
「神様ぁ~」
ふと、ベルの方の用紙を見ると敏捷がかなり上がっていた。
俺とベルの用紙にはスキルの欄が何かを消したようになっていた。
ヘスティアは何かを隠すようにテンションを上げていた。
だったら聞かない方がいいよな。
ヘスティアside
(おめでとう。君達にもスキルが発現したよ)
ヘスティアは心の中でそう言うと二人のステイタスを思い出す。
ベル・クラネル
Lv.1
力:I 77→I 82
耐久:I 13
器用:I 93→I 96
敏捷:H 148→H 172
魔力:I 0
《魔法》
【】
《スキル》
【
・早熟する
・懸想(おもい)が続く限り効果持続。
・懸想(おもい)の丈により効果向上。
シキ・クレン
Lv.1
力:H 138→H 160
耐久:I 92
器用:H 128
敏捷:H 102
魔力:I 0
《魔法》
【】
《スキル》
【
・早熟する。
・何かに憧れる限り効果持続。
・憧れの強さの丈により効果が上昇する。
「シキ君のは前に言ってたシキ君のお父さんだとしても・・・。ベル君のは・・・」
ヘスティアはそう呟くとベルのことを思って身悶えた。
「なにやってんだこの駄神は?」
シキの一言はヘスティアの悶えている声で書き消された。