問題児たちと少年魔法剣士(凍結)   作:モグモグラ

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エピソード⒀

翌朝、昨日決定した”ギフトゲーム”の詳細を教えてもらった。

こちらが求めたゲーム報酬は、レティシアとレティシアの石化の解除。ゲーム内容はあっち任せ。ゲームは今日から数えて三日後。騎士達の身柄は渡したが、レティシアは移送の途中で壊れたらいけないからこっちで預かる。

そんな風に決まった。

それはそうと、そういえば向こうはどうだったか、をフェンリルに聞いたら俺の友人二人は俺の事を探し回っていたそうだ。多分、あの二人のことだ、近いうちに箱庭のことを嗅ぎつけるだろう。無駄にカンの鋭い奴らだからな。

「まあいいや。」その時はその時だ。考えても仕方ないことだってあるさ。

 

あっという間に”ギフトゲーム”の日となった。

『ギフトゲーム名 ”FAIRYTALEinPERSEUS”

・プレイヤー一覧 坂廻 十六夜

久遠 飛鳥

春日部 耀

ハル=トレヴァース

・”ノーネーム”ゲームマスター ジン=ラッセル

・”ペルセウス”ゲームマスター ルイオス=ペルセウス

・クリア条件 ホスト側のゲームマスターを打倒

・敗北条件 プレイヤー側のゲームマスターによる降伏。

プレイヤー側のゲームマスターの失格

プレイヤー側が上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

・舞台・ルール

*ホスト側のゲームマスターは本拠・白亜の宮殿の最奥から出てはならない。

*ホスト側の参加者は最奥に入ってはいけない。

*プレイヤー側はホスト側の(ゲームマスターを除く)人間に姿を見られてはいけない。

*姿を見られたプレイヤー達は失格となり、ゲームマスターへの挑戦資格を失う。

*失格となったプレイヤーは挑戦資格を失うだけでゲームを続行する事はできる。

 

宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗の下、”ノーネーム”はギフトゲームに参加します。

”ペルセウス”印』

 

”契約書類”に承諾した直後に視界は光に呑み込まれた。

光がおさまると、門の前に立っていた。

周囲に意識を集中させると、ここが切り離された空間だと分かった。

「姿を見られれば失格、か。つまりペルセウスを暗殺しろってことか?」

目の前の白亜の宮殿を見上げて胸を踊らせる声で呟く十六夜。その呟きにジンが応えた。

「それならルイオスも伝説に倣って睡眠中だという事になりますよ。流石にそこまでは甘くは無いと思いますが」

それはそうだ。来る、って分かってるのにぐーすかと寝てられる奴なんていないからな。

「YES。そのルイオスは最奥で待ち構えているはずデス。それにまずは宮殿の攻略が先でございます。伝説のペルセウスと違い、黒ウサギ達はハデスのギフトを持っておりません。不可視のギフトを持たない黒ウサギ達には綿密な作戦が必要です。」

俺の認識阻害は戦闘に向いた魔法じゃないからな。あくまで不意打ち専門だし、そもそも相手の認識をずらすだけだから不可視にはかなわない。

「見つかった者はゲームマスターへの挑戦資格を失ってしまう。ジンが最奥にたどり着けなかったら、こっちの敗北。」ルールの確認をして、口を開く。

「役割分担をするべきか。」

「そうね。大きく分けて役割分担は三つ必要ね。」

三つ、まあそうだな。このゲームは本来なら大勢で挑む物だ。それを五人でやるわけだし役割分担は入念にやらないとな。

「索敵、囮、ゲームマスターを倒す、の三つだね。」

この内、囮は確実に、索敵は高確率で失格覚悟でやる必要があるな。

「だったら索敵は春日部に任せるぜ。春日部なら鼻が効くし、眼も耳もいい。」

「そうだな。後、俺も索敵に回る。相手が死人でもなければ感知できる。」

「へえ。良いのか? 俺がいいとこ貰っちまって」

「別に構わないさ。お手並み拝見させてもらうからな。いいとこ見せて貰おうか?」

「‥‥ということは、囮役なのかしら?」

不満げにアスカはつぶやいた。

「すまないな。アスカ。ルイオスには多分そのギフトは向いてない。」

「分かってるわ。それでも、少し不満なだけよ。」

「悪いなお嬢様。俺も譲ってやりたいのは山々だけど、勝負は勝たなきゃ意味がない。あの野郎の相手は俺が適してる。」

自信満々なのはいいことだろう。

だが、

「あのボンボンは結構めんどくさい相手だと思うな。だろ? 黒ウサギ。」

「はい。残念ですが、必ず勝てるとは限りません。おそらく、黒ウサギの推測が外れていなければ、彼のギフトは「隷属させた元・魔王様」そう、元・魔王の‥‥え?」

黒ウサギに話を振ってみたら十六夜が補足してくれた。

「まあ、神話上ならゴーゴンの首は神様に献上されてるからこの世界にはある筈がない。でも、”ペルセウス”は石化を使える。」

「星座として招かれたのが、箱庭の”ペルセウス”。ならさしずめ、奴の首にぶら下がっているのは、アルゴルの悪魔ってところか?」

言おうとしてたことを全て十六夜に取られた。ちぇっ。

「‥‥アルゴルの悪魔?」

話がよく分かっていなかったみたいで飛鳥と耀、ジンは顔を見合わせて首を傾げていた。

「十六夜さん、ハルさん‥‥まさか、箱庭の星々の秘密に‥‥?」

そんな信じられないものを見る目で見ないで欲しいんだけど。

「まあな。このまえ星を見上げたときに推測して、ルイオスを見た時にほぼ確信した。後は手が空いた時にアルゴルの星を観測して、答えを固めたってところだ。」

「機材とかは白夜叉が貸してくれてたからな。 調べるのはそんなに面倒ではなかったな。」

自慢げに笑う十六夜に意外げに言う。

「しかし、正直意外だったよ。十六夜って結構頭がいいんだな。」

「何を今更。俺は生粋の知能派だぞ。扉だって、ドアノブを回さずに開ける方法を知ってるぞ。」

「ふうん。どんなのか見せてもらえるか?」正直、予想はつくが話の腰を折らずに尋ねる。

すると、十六夜はヤハハと笑って門の前に立った。

「そんなもん―――

こ ・

う ・

や ・

っ ・

て ・

開 ・

け ・

る ・

に ・

決 ・

ま ・

っ ・

て ・

ん ・

だ ・

ろ ・

!」

轟音と共に、宮殿の扉を蹴り破った。




次から、ペルセウスとのギフトゲームが始まります。
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