蒼海のRequiem   作:ファルクラム

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第23話「波間の囁き」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 沸き起こる、巨大な水柱。

 

 その一撃は、今にも「姫神」に対して砲門を開こうとしていた重巡洋艦のすぐ脇に着弾する。

 

 狂奔する海面。

 

 立ち上る水柱の太さ、高さは尋常な物ではない。

 

 まるで、海魔が姿を現しあらゆる物を飲み込もうとしているかのような、巨大なうねり。

 

 至近弾だけで、重巡の艦体は転覆しそうなほどの波に襲われている。

 

 少し離れた場所を航行している「姫神」にまで、瀑布の飛沫が飛んできていた。

 

「な、何が・・・・・・・・・・・・」

 

 訳が分からない。と言った感じに目を見開く彰人。

 

 傍らの姫神も、突然の事態について行くことができずキョトンとして小首をかしげているのが見える。

 

 いったい、何が起こっているのか?

 

 その時だった。

 

「本艦よりの方位0度に味方艦隊!! 戦艦1、駆逐艦4を確認!!」

 

 見張り員が、歓喜に包まれた声で叫んだ。

 

「戦艦は『大和』!! 『大和』です!!」

 

 

 

 

 

「間に合ったか」

 

 「大和」の艦橋から戦場の様子を眺め、宇垣護は呟く。

 

 聞く人が聞けば、それが安堵の溜息である事が判るだろう。

 

 傍らの大和などは、そんな宇垣の様子を見て、微笑を浮かべている。どうやら彼女には、宇垣の胸の内が理解できているらしい。

 

 際どいタイミングだったのは確かである。

 

 目を転じれば、前方には重巡「熊野」の姿がある。ここに来るまでに偶然合流し、案内役を頼んだのだ。

 

 更に、「大和」の後方からは、4隻の駆逐艦が続いていた。

 

 宇垣が「大和」以下の小艦隊を率いて戦場に駆け付けたのは、正にギリギリのタイミングだった。あと少し遅ければ、敵艦隊に包囲された第11戦隊は甚大な被害を蒙っていた可能性がある。

 

 そんな事を考えている最中、「大和」がさらに主砲を放つ。

 

 腹をバットで殴られたような衝撃と共に、視界を焼く程の強烈な閃光が夜を昼間と思わせる程に炸裂する。

 

 同時に、全部2基、後部1基の主砲が撃ち放たれる。

 

 竣工より半年。

 

 帝国海軍最大最強、そして世界最大最強を名実ともに誇る戦艦「大和」の主砲が、ついに敵艦目がけて放たれたのだ。

 

 既に数度の交互射撃で、弾着修正は終えている。

 

 ならば次こそは。

 

 そう思って弾着の瞬間を待つ一同。

 

 次の瞬間、

 

 視界の彼方で、敵の発砲炎とは明らかに異なる炎が吹き上がる。

 

 ややあって、見張り員の報告が届けられる。

 

 それは歓喜とも絶叫とも取れる、半ば狂乱したような声だった。

 

「砲撃命中を確認ッ 敵艦轟沈!! 轟沈です!!」

 

 「大和」の主砲弾をまともに受けたのだ。重巡如きが敵う筈がない。

 

 世界最大の46センチ砲弾を受けた重巡は、ただの1発で船体を真っ二つに叩き折られ、中央から大爆発を起こして沈んで行くのが見える。

 

 大歓喜が起こる。

 

 誰もが待ち望んだ時が、ついに訪れたのだ。

 

「参謀長、私・・・・・・・・・・・・」

 

 大和が宇垣に目を向け、震える声を発してくる。

 

 手は口元を押さえ、目には涙が浮かんでいるのだ。

 

 竣工以来半年、他の艦が前線で華々しく活躍する中で柱島に留め置かれ、実戦に出る機会が無かった大和。

 

 その大和が、初の実戦において敵艦を撃沈した。その事実が、少女に歓喜を齎していた。

 

 対して、宇垣も大和と視線を合わせて微笑みかける。

 

「よくやった」

 

 短い激励の言葉。

 

 しかし、そこには万感の想いが込められているのが判る。

 

 その一言。

 

 たった一言だけで、大和は今までの雌伏が報われた気がした。

 

 「大和」が実戦の場で主砲を放つ事が出来たのは、宇垣にとっても純粋に嬉しい事である。

 

 

 

 

 

 ところで、「大和」以下の艦隊は、なぜこのタイミングでミッドウェー近海に現れる事が出来たのか?

 

 話は数時間前まで遡る。

 

 MI作戦に参加した連合艦隊の全艦艇を西に退却させる為、宇垣が必要な措置を矢継ぎ早に命じていた時の事である。

 

 第11戦隊が、ミッドウェーに対する艦砲射撃を実施すると言ってきたのだ。

 

 それが陽動であると、宇垣はすぐに見抜いた。

 

 宇垣にとって腹心と言うべき水上彰人は、自分の隊に敵の目を引き付ける事で、連合艦隊の撤退を掩護しようとしているのだ。

 

 そこまで考えてから、宇垣は艦橋の隅で将棋を指している山本に歩み寄った。

 

「長官。意見具申をいたします」

 

 宇垣は言った。

 

 第11戦隊に所属する姫神型巡洋戦艦は、速力こそあるが、攻撃力に欠け、万が一、有力な敵艦隊に待ち伏せされた場合、甚大な被害を蒙る可能性がある。

 

 よって、「最大の戦力」を増援として投入するべきである。

 

「私はこの『大和』を、ミッドウェーに派遣し、艦砲射撃に参加させるべきだと考えます」

「参謀長・・・・・・・・・・・・」

 

 背後で、大和が呟きを漏らすのが聞こえていた。

 

 宇垣は常々、「大和」を実戦に投入する機会が訪れる事を願っていた。それは、大和がそれを望んでいたからに他ならない。

 

 その機会が、ついに訪れたのだ。

 

 ミッドウェーに行く場合、目標は地上施設になるが、それでも敗走する味方の撤退を掩護するとなれば、シチュエーションとしては悪くない。

 

 だが、

 

「反対です!!」

 

 真っ先に声を上げたのは、黒鳥陽介大佐だった。

 

 撤退開始以降、主導権を宇垣に奪われ、今の今まで艦橋の隅で気が抜けたようにぼーっとしていた黒鳥が、まるで生気を取り戻したように食って掛かっていた。

 

「この『大和』でミッドウェーの地上基地を砲撃するですって? 冗談じゃない。この艦は、そんな『どうでも良い』任務に投入する為に造られたわけではない!!」

 

 黒鳥は舌鋒も激しく言い募る。

 

 これは帝国海軍の士官、特に砲術を志す者に多い思考だが、とかく対艦戦闘の研究ばかり重視し、対地艦砲射撃や対空射撃の研究はおざなりになりがちである。

 

 それは、航空機が主力になりつつある今に至っても変わらない。

 

 そこに来て、艦隊決戦の切り札である「大和」を、陸上基地砲撃「ごとき」に使用するべきではない。と言う事だ。

 

 黒鳥は更に畳みかける。

 

「それに、艦政本部から、本艦の主砲の砲身は、あまりストックが無く、摩耗してもすぐには交換できないから、あまり使うなと言われているのですぞ」

 

 艦政本部と言うのは、主に艦の建造計画や修理・改装計画を立案・支持する部署である。

 

 同様に、航空機の新規開発計画や、量産指示を行う部署は航空本部と言う。

 

 軍艦の砲身と言うのは、内部にライフリングが施され、これが発射時の砲弾に回転を与え、射程の延長と弾道の安定を行うのだが、これは発射の度に摩耗し、やがて使用不能となる。

 

 そうなった場合、砲身の交換が必要となるのだが、この際、砲身を全て砲塔から外して交換する訳ではない。

 

 そもそも砲身と言う物は二重構造になっており、内部には内筒部分と言う物がある。砲身摩耗による交換の場合、この内筒を交換する事になる(無論、戦闘で全損した場合は、砲身そのものをそっくり取り換える必要があるのだが)。

 

 艦政本部が言うには、その内筒部分のストックがあまり無いと言う意味である。

 

 だが、

 

「我々は役所の書類整理をしている訳ではない。戦争をしているのだ。ならば、最大戦力の投入を躊躇うべきではない」

 

 砲身のストックが確保できないのは艦政本部が負うべき責任であって、それで前線の自分達、ひいては兵士達に犠牲を強いるのは間違いである。

 

 艦政本部の言い分は、戦うために戦艦を作っておきながら、戦争には使用するなと言っているに等しかった。

 

 宇垣は再度、山本に向き直った。

 

「長官。どうか、御裁可いただきたい」

「いけません、長官!!」

 

 同時に、黒鳥も言い募る。

 

 互いの主張が、山本の前でぶつかり合う。

 

「長官」

 

 そんな中、宇垣は静かな口調で言った。

 

「遺憾ながら、今回の戦いは我々の負けです。しかしだからこそ、連合艦隊旗艦の出撃が無駄ではなかった事を、ここで証明しておく必要があると考えます」

 

 そう告げる宇垣の脳裏には、出撃前の自身に対する戒めも含まれていた。

 

 山本達を諌める事ができず、むしろ自身も彼等の慢心に加担して作戦を強行させてしまった。

 

 せめて、あの図上演習の時、あのような八百長裁定をしていなければ、今日の事態は防げたかもしれないのだ。

 

 その結果が、これである。

 

 精鋭機動部隊は壊滅。親友の山口多聞が座乗する「飛龍」も大破炎上中である。

 

 だからこそ、その失点を取り返したいと思った。

 

 機動部隊ばかりが働いている訳では無く、この「大和」も役に立つのだと言う事を証明しておかなければ、必死に戦った山口達、機動部隊将兵に対して申し訳が立たなかった。

 

 と、

 

「失礼ながら、参謀長は大切な事を忘れておられる」

 

 そこで、黒鳥が自信を取り戻したような、落ち着いた口調で言い放った。

 

 口元は薄く吊り上り、笑みを浮かべているのが判る。

 

「そのような部隊の指揮を、誰が取ると言うのですか?」

 

 「大和」以下の艦隊をミッドウェーに接近させるとなると当然、敵の勢力圏に踏み込む事になる。

 

 そんな危険な任務の指揮を、連合艦隊司令長官にやらせる訳にはいかない。

 

 となると、指揮を取るべき人間は誰もいない事になる。

 

 勝ち誇る黒鳥。

 

 さあ、どうするんだ、参謀長さんよ? 部隊の指揮官がいない事には話にならんぞ。

 

 そんな言葉が、黒鳥の表情から見て取れる。

 

 それに対して、

 

 宇垣は一切の躊躇いを見せる事無く言い放った。

 

「私が行く」

 

 

 

 

 

 そのようなやり取りの上で、宇垣はミッドウェー近海に現れていた。

 

 率いて来たのは「大和」の他に、第11駆逐隊の「吹雪」「初雪」「白雪」「叢雲」のみ。

 

 山本以下、GF司令部幕僚には「陸奥」へ移ってもらい、宇垣は自ら艦隊を率いて駆け付けたのだ。

 

 そして「大和」は、生涯初めての砲撃戦において、敵重巡洋艦を一撃の下に沈めていた。

 

 世界最強の戦艦が面を持してベールを脱いだ、正に瞬間であった。

 

「重巡はもう良い。戦艦を狙え」

 

 宇垣は命じる。

 

 敵の残った重巡部隊は、「大和」の存在に恐れを成して、退避行動に移っている。

 

 それを「姫神」と「黒姫」が追撃しているのが見えた。

 

 いよいよだ。

 

 「大和」が建造された最大の存在意義。

 

 長年、ライバルと目してきた米戦艦との水上砲撃戦。それも、事前の情報から、相手がコロラド級以前の旧式戦艦では無く、竣工したばかりの新鋭戦艦である事は判っている。

 

 正に、願っても無い状況である。

 

 砲塔が回転し、砲身が上下に動く。

 

 闇夜の彼方では、「ワシントン」も取り舵に切りつつ、「大和」に対して同航戦を挑むようにして並走、砲門をこちらに向けてきている。

 

 宇垣が大和にチラッと視線を向けると、それに気づいたのか、大和もまた視線を向けて頷いて来る。

 

 交わす視線は信頼の証。

 

 宇垣は大和を、

 

 大和は宇垣を、

 

 互いに最も信頼し、全てを託す。

 

 次の瞬間、2大戦艦が咆哮を上げる。

 

 発砲したのは「ワシントン」が先だった。

 

 それにやや遅れて「大和」も続く。

 

 互いの砲弾が、夜の闇を切り裂いて飛翔し、弾着と同時に高々と水柱を噴き上げた。

 

 

 

 

 

 「大和」が「ワシントン」と砲戦を開始した頃、米駆逐艦側にも動きが生じていた。

 

 6隻の駆逐艦が、単縦陣を組んで「大和」へと向かっていく。そのまま「ワシントン」を掩護しようと言うのだ。

 

 ちょうど、第11戦隊は重巡部隊と交戦している為、米駆逐艦は宣戦から取り残された形で放置されている状況である。

 

 その為、遮る物の殆どいない海面を、現れた巨大戦艦目指して急迫していく。

 

 迫る巨大な艦影。

 

 いかに「大和」と言えども、多数の駆逐艦に肉薄され、魚雷を喰らいでもしたらひとたまりもないだろう。

 

 だが、

 

 そんな彼等の前に、一群の艦影が立ち塞がった。

 

「行きますわよ、統制雷撃戦用意!!」

 

 部隊の先頭に立つ熊野が、高らかに叫ぶ。

 

 司令官である栗田の指示に従い、一時は戦場離脱を余儀なくされた彼女だったが、「大和」と言う強力な援軍を得て、再び舞い戻って来たのだ。

 

 今、彼女の後方には、姉の「鈴谷」そして、駆逐艦「島風」「吹雪」「初雪」「白雪」「村雲」が続いている。

 

 彼女達が見据える先には、6隻の米駆逐艦。更にその先には、砲戦を続ける「大和」と「ワシントン」の姿がある。

 

 それらを見据えて、熊野は栗田と視線を交わす。

 

「投射始め!!」

 

 栗田の号令一下、

 

 重巡2隻、駆逐艦5隻は一斉に魚雷を撃ち放つ。

 

 軽い水飛沫を上げて、海面下を疾走していく魚雷。

 

 それこそが、帝国海軍水雷戦隊の秘密兵器。

 

 93式61センチ酸素魚雷。

 

 純粋酸素を媒体としたこの魚雷を採用しているのは、世界中でも帝国海軍のみである。

 

 その性能たるや、驚くべき物がある。

 

 まず速力。列強各国が使用している魚雷は、せいぜい最大で40ノットであるのに対し、酸素魚雷は50ノット近く出す事ができる。

 

 航続力も長く、米軍の魚雷が1万メートルに対し、酸素魚雷は2万メートル。速度を落とせば4万メートルまで延長できる。

 

 炸薬量が多いため、威力も高い。

 

 何より最大の特徴は、燃料になっている純粋酸素は水に融解する為、航走の際、殆ど航跡を残さない事にある。つまり、発射した魚雷が敵に発見される可能性は低いと言う事だ。

 

 命中時の威力と効果は、「大和」の46センチ砲すら上回るとされている。

 

 まさに、世界最強の魚雷であると言って良いだろう。

 

 特に圧巻なのは「島風」だ。

 

 5連装3基15射線の魚雷一斉発射は、圧巻の一言に尽きる。

 

 世界最強の駆逐艦が、初めて敵艦に向けてその真価を発揮した瞬間である。

 

 その魚雷が、「大和」に向かって接近しつつある米駆逐艦群に、横合いから襲い掛かった。

 

 たちまち、複数の艦が艦腹から巨大な水柱を立ち上らせる。

 

 重巡ですら一撃で大破させる事ができる程の強力な魚雷である。駆逐艦に耐えられる道理は無かった。

 

 火柱を上げて、駆逐艦たちは海上に停止する。

 

 初めに直撃を受けた艦などは、既に轟沈して海面下に姿を消しているくらいだった。

 

 

 

 

 

 直撃の衝撃が「ワシントン」を貫き、艦橋にいた参謀たちを薙ぎ払う。

 

 それ程までに、直撃弾を浴びた時の衝撃は凄まじかった。

 

 かろうじて立っていられたのは、スプルーアンス、アンリ、そしてワシントンの3人くらいであろう。

 

 他の者は皆、成す術も無く床に倒れ込んでいた。

 

「被害報告!!」

 

 未だに衝撃から立ち直れないでいる幕僚達を叱咤しつつ、自身も羅針盤に捕まりながらアンリが叫ぶ。

 

 ともかく、一刻も早く被害状況を確認しないといけなかった。

 

 だが、あげられてきた被害状況を聞いた時、アンリたちの顔は思わず引きつった。

 

「第3砲塔に直撃弾ッ 砲塔全損!!」

 

 この時、艦橋からは様子を確認できなかったが、「ワシントン」の第3砲塔は、「大和」の砲弾を天蓋部分に受け、潰れた段ボールのようにひしゃげ、叩き潰されていた。

 

 幸い、角度が浅かったおかげで甲板装甲は貫かれるに至らず、砲弾が弾薬庫を直撃しなかった事は幸いだったが。

 

 しかし、「ワシントン」の主砲火力の内、3分の1がもぎ取られたのは確実である。

 

「なんて威力だ・・・・・・・・・・・・」

 

 思わずうなり声を上げるアンリ。

 

 まさか、戦艦の主砲塔が、たった一撃で粉砕されるとは、思っても見なかった。

 

「大丈夫か、ワシントン!?」

「はい・・・・・・何とか・・・・・・」

 

 アンリの問いかけに、ワシントンは痛みを堪えながら答える。

 

 やはり、砲塔1基を爆砕されたダメージは、小さなものではないと言う事だ。

 

 一方で、「ワシントン」の砲撃は、「大和」に対して、殆ど成果を上げていない。直撃弾は幾度か与えているのだが、全て「大和」の装甲に弾き返されているのだ。

 

 このまま交戦を続けたらどうなるか、考えるまでも無い事だった。

 

「・・・・・・・・・・・・潮時だな」

 

 状況を見守っていたスプルーアンスが、ポツリとつぶやく。

 

「提督?」

「全艦に撤退命令を出せ。残存艦艇は、この海域より離脱する」

 

 スプルーアンスは決断する。

 

 突発的な戦闘で、あまりにも被害を出し過ぎた。これ以上の戦いは、どう考えても不利にしか思えなかった。

 

 昼間の航空戦は、確かに合衆国軍が勝利した。

 

 しかし、今回の夜戦では、素直に敗北を認めざるを得なかった。

 

 やがて、スプルーアンスの発した撤退命令は、電波となって各艦にいきわたった。

 

 

 

 

 

 遠ざかって行く敵艦隊の様子を遠望しながら、彰人はようやく息をついた。

 

 ミッドウェーを砲撃し、敵の目を引き付けると言う彰人の目論みは成功した。これで、米軍は退却する連合艦隊を追撃する余裕は無いだろう。

 

 しかし、それが結果的にとは言え、日米最強戦艦同士の砲撃戦を目撃する事になるとは、思っても見なかった事である。

 

 「大和」と「ワシントン」。両者の激突は、終始、「大和」が相手を圧倒する事で終わった。

 

 損傷を受けた「ワシントン」は撤退。事実上、「大和」の勝利である。

 

 ここに至るまで、第11戦隊も奮戦し、敵巡洋艦3隻に、撃沈確実の損害を与えていた。

 

 もっとも、逃げる米艦隊を追撃する戦力は、帝国軍にも無いのだが。

 

 「島風」を含めて、駆逐艦はそろそろ燃料が怪しくなってきているだろうし、それに先に被弾、炎上している「最上」「三隈」の救援も行わなくてはならない。

 

 事実上、両軍ともにここらで「撃ち止め」にするのが妥当な流れだった。

 

「お疲れ様」

「ん・・・・・・・・・・・・」

 

 彰人が優しく頭を撫でてやると、姫神は気持ち良さそうにクーッと目を細める。

 

 その可愛らしい仕草を見るだけで、戦いの殺伐さを忘れて心が温まるようだ。

 

 しかし、

 

 姫神の頭を撫でてやりながら、彰人は険しい表情を作る。

 

 今回の戦い、結果的に米艦隊の撃退に成功したものの、いくつか無視できない事実があったのは間違いない。

 

 まず、気になっているのは、明らかに米艦隊がこちらを待ち伏せていたと思われる点。

 

 あの艦隊は、第11戦隊と第7戦隊がミッドウェーを攻撃したから、慌てて駆け付けた訳ではない。

 

 明らかにこちらの動きを先読みし、戦艦を含む有力な水上砲戦部隊をミッドウェー近海で待機させ、こちらが突入してくると同時に逆襲に転じた。

 

 そうでも考えなければ、辻褄が合わなかった。

 

 更にもう一つ。今回の戦いでは、姫神型巡洋戦艦の弱点が露呈した形である。

 

 30センチ砲と言う戦艦と重巡の中間の威力を持つ主砲では、敵戦艦との本格的な砲撃戦では不利は否めない。

 

 勿論、最大の武器である速射能力を駆使すれば一時的に圧倒する事は可能なのだが、それでも相手が防御装甲で耐えている内に体勢を立て直してきた場合、一気に逆転される事もあり得る。

 

 今回の戦いでは、それが如実に表れていた。

 

 姫神型巡洋戦艦は、そもそも対戦艦戦闘を想定した艦ではない。今回のような戦いは想定外と言ってしまえば、その通りである。

 

 しかし、戦場では何が起こるか判らない。現に「姫神」は、北太平洋海戦に続いて、これが2度目の対戦艦戦闘である。予想外の事など、それこそ当たり前に起こる事である。事によると今後、今回よりもさらに不利な状況で戦う事もあり得るのだ。

 

 何か、手を打つ必要がある。

 

 姫神に微笑みかけながら、彰人は漠然と、そんな事を考えていた。

 

 やがて、見張り員から報告が届けられる。

 

「『大和』より発光信号。《各艦、集結せよ》」

 

 その報告を聞いて、頷く彰人。

 

「さあ、帰ろうか」

「はい」

 

 彰人の言葉に、姫神は素直な頷きを返した。

 

 

 

 

 

第23話「波間の囁き」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 尚も吹き上がるの炎。

 

 その様が、まるで送り火のように揺らめいていた。

 

「では、提督・・・・・・・・・・・・」

「ああ」

 

 短いやり取りで互いの別れを告げる。

 

 南雲忠志と赤城。

 

 半年にわたり、帝国海軍の栄光、その最先鋒に立っていたと言っても過言ではない二人は今、避けられぬ別れに直面していた。

 

 艦内は今も炎が席巻し、彼女を徐々に、緩慢な死へと誘っている。

 

 最早、沈没は時間の問題だった。

 

 と、立ち去ろうとした南雲は、後ろ髪を引かれるような思いで振り返ると再び、自らの旗艦だった女性と目を合わせた。

 

「赤城、やはり君も・・・・・・・・・・・・」

 

 ともに退艦するんだ。

 

 そう言おうとした南雲を制して、赤城は首を振った。

 

「それは意味の無い事ですよ。提督にも、よく判っておいでの筈です」

 

 そう言って、赤城は微笑む。

 

 それは、既に自分が助からないと言う事を悟っている者の目である。

 

 艦体と艦娘は、切っても切れない関係にある。

 

 そして、艦が沈む時、艦娘もまた死を迎える。これは絶対の法則と言って良かった。

 

 仮に、艦が沈む前に艦娘自身を脱出させたとしても、結果は同じだった。

 

 過去にも、沈没前の艦から艦娘を脱出させた例は幾度もあったが、いずれの艦娘も、沈没から数日の内に、安らかな死を迎えている。

 

 どのような手を施し、あらゆる手段を尽くしたとしても、それは変わらなかった。

 

 これは撃沈だけでなく、事故や自沈、実弾演習による海没処分等においても例外は無かった。

 

 その為、各国海軍では、実弾演習の標的艦を選ぶ場合、退役間近の艦齢の古い艦を選抜し、更にその中から志願者のみに限られる、と言う措置を取っている。どこの国でも、それは変わらなかった。

 

 例外的に、役目を終えた艦娘が死を免れるパターンは2つ。工廠で艦体を解体処分するか、あるいは記念艦として保存されるか、である。

 

 そこら辺のメカニズムの線引きがどのようにされているのかは、いまだに解明されていない。

 

 しかし、海に沈んだ艦娘が死を迎える事だけは確実だった。

 

 がっくりと肩を落とす南雲。

 

 どうあっても、赤城を救う手段は、もはや彼には無かった。

 

 そんな南雲を元気づける為に、赤城は指先を揃えて敬礼する。

 

「1航艦旗艦として、1航戦旗艦として、南雲提督の指揮の下で戦えたことを誇りに思います」

 

 それは、別れに当たって、自身の司令官に送る、最高の敬礼だった。

 

 対して、

 

 南雲も背筋をしっかりと伸ばすと、見事な海軍式敬礼で応じる。

 

 旗艦が立派な姿を見せているのに、その司令官が情けない体では、物笑いの種でしかない。

 

 だからこそ南雲も、自身の最高の敬礼を返す。

 

「君と共に戦えた事を、誇りに思う」

 

 互いに笑みを交わす、南雲と赤城。

 

 やがて、吹き上がる炎の中を、南雲たちが退艦していく。

 

 それを見送ってから、赤城は艦橋の床に腰を下ろした。

 

「・・・・・・・・・・・・慢心、していた心算は無いのですけど」

 

 誰に語るでもなく、赤城の口から静かに言葉が漏れる。

 

「でも、結局こうなった以上、やっぱり慢心はあったのかもしれませんね・・・・・・・・・・・・」

 

 自嘲とも悔恨とも取れる言葉は、波間に飲まれ、やがてゆっくりと消えて行った。

 

 

 

 

 

 加賀は、艦橋の床に背を預け、ぼんやりと天井を眺めていた。

 

 身体は動かない。

 

 やがて訪れるその時を、ただ静かに待ち続けていた。

 

「・・・・・・・・・・・・赤城さんは、無事かしら」

 

 ポツリと、静かな声で呟く。

 

 それだけが、気がかりだった。

 

 ともに1航戦として、機動部隊創設前から一緒に戦ってきた戦友。

 

 本来なら、同じ八八艦隊計画艦として、戦艦として生を受ける筈だった友人。

 

 できれば、彼女には無事であってほしい。

 

 もはや、事実を確かめるすべのない加賀は、強くそう願っていた。

 

 自身が倒れる事への悔いは無い。

 

 これが精いっぱいやった結果なら、ただ受け入れるのみだった。

 

 しかし、

 

「ああ、そう言えば・・・・・・・・・・・・」

 

 ふと、加賀はある少女の事を思い出した。

 

 新参の空母であり、そして自分達の後輩。

 

 何かにつけて、自分に突っかかって来る事が多かった少女。

 

 しかし、その成長ぶりは目覚ましく、突き放せば突き放す程、必死になって喰らい付いて来た。

 

 その事が内心では嬉しくて、加賀もついつい、彼女に対して強く当たる事が多かった。

 

 彼女とは、もっと多くの事を語り合いたかった。

 

 それだけが、心残りと言えば心残りだった。

 

 今後は、彼女達が機動部隊の主力を担う事になるだろう。

 

 だが、きっと大丈夫。彼女なら、自分達よりもうまくやってくれる事だろう。

 

「・・・・・・・・・・・・後は頼んだわよ、瑞鶴」

 

 静かにそう言うと、加賀はゆっくりと目を閉じた。

 

 

 

 

 

 瓦礫に身を預け、直哉はぼんやりと、チラつく炎を眺めていた。

 

 既に「飛龍」でも、総員退艦の命令が出されている。殆どの乗組員は、既に「飛龍」から脱出していた。

 

 しかしそんな中、直哉だけは甲板に座り込んだまま、動こうとはしなかった。

 

 その直哉の腕の中には、ぐったりとした飛龍が抱きかかえられている。

 

 米軍の攻撃によって致命傷を受けた飛龍もまた、激闘の末に、その生涯を閉じようとしていた。

 

「直哉・・・・・・もう、良いから・・・・・・・・・・・・」

 

 飛龍は絞り出すような声で、少年に訴える。

 

「早く、脱出して・・・・・・私、もう、あんまり、もたないから・・・・・・・・・・・・」

「いやだ」

 

 しかし、少年は、頑なに拒む。

 

「飛龍を置いてなんて行けないよ」

 

 涙交じりに訴える。

 

 直哉は今、この上も無く自覚していた。

 

 自分は、この少女が好きだ、と言う事を。

 

 なぜ、もっと早く気付かなかったのだろう?

 

 なぜ、こんなになるまで気付けなかったのだろう?

 

 後悔はとめどなく溢れ、零れ落ちていく。

 

 取り返しがつかない今に至るまで、自身の感情から目を背け続けていた自分が情けなくて、そして彼女を守ってあげる事ができなかった自分が悔しくて、直哉はただ座り込み、飛龍を抱きしめ続ける事しかできない。

 

「お願い、直哉・・・・・・わがまま・・・・・・言わないで・・・・・・」

 

 悲しそうな目をして、飛龍は告げる。

 

 早く脱出してほしい。

 

 直哉に死んでほしくない。

 

 少女は切々と訴える。

 

 だが、そんな少女の想いと裏腹に、直哉は飛龍を抱く手に力を込める。

 

 まるで、少女の命を、力づくで現世に留めようとしているかのように。

 

 そうする事で、少女を助けようとしているかのように。

 

 もしそれで少女を救えるなら、今からでも海に飛び込んで、下から飛龍の体を支えてやりたかった。

 

 その時だった。

 

「何をしている」

 

 不意に、頭上から駆けられる険しい声。

 

 振り仰ぐとそこには、いつになく厳しい顔をした山口の姿があった。

 

「提督・・・・・・・・・・・・」

「もう時間が無い。さっさと脱出しろッ」

 

 直哉が何か言う前に、山口は強い口調で言い募った。

 

 対して、直哉も顔を上げて言い返す。

 

「でも、提督ッ 僕は!!」

 

 飛龍と一緒に・・・・・・・・・・・・

 

 そう言いかけた直哉。

 

 しかし、最後まで言い切る事はできなかった。

 

「馬鹿者ッ!!」

「ッ!?」

 

 怒号と共に、山口は直哉の胸倉をつかむ。

 

 思わず息を飲む直哉。

 

 その直哉に顔を近づけ、山口はしかりつける。

 

「お前の命は、お前の腕は、お前1人の物じゃないッ こんな所で犬死させる為に、帝国海軍は高い金を払って、お前に技術を学ばせたわけじゃないぞ!!」

 

 強い口調の山口。

 

 だが、そこには1人でも多くの者を助けようとする、強い信念があった。

 

 この戦いは、帝国海軍の敗北に終わった。

 

 だが、戦争はまだまだ続く。

 

 そしてこれからも、熾烈な航空攻防戦は続く事だろう。

 

 ならば、直哉のようなエースパイロットは、1人でも多く生き延びさせなくてはならない。

 

 こんな所で、無駄に死なせていい男ではなかった。

 

 そこで、山口は口調を和らげて言った。

 

「お前は生きて、これからも多くの人々の為に戦うんだ」

「提督・・・・・・・・・・・・」

 

 涙に濡れた顔で、山口に何か言おうとする直哉。

 

 直哉にも、山口の父親的な愛情が理解できているのだ。

 

 だがそれでも尚、好きな少女をこのまま置いてく事が耐えられなかった。

 

 と、

 

 そんな少年に対し、優しく手が伸ばされ、零れ落ちる涙が拭われる。

 

 見れば、腕の中の飛龍が、最後の力を振り絞るようにして腕を伸ばし、直哉の涙をぬぐっていた。

 

「飛龍・・・・・・・・・・・・」

「直哉・・・・・・直哉は生きて」

「でも飛龍、僕は・・・・・・・・・・・・」

 

 君を置いて行きたくない。

 

 そう言おうとする直哉に対し、飛龍は笑い掛ける。

 

「生きて、直哉・・・・・・そして、守ってあげて、蒼龍を・・・・・・・・・・・・」

「ッ!?」

 

 息を飲む直哉。

 

 それは、飛龍の遺言。

 

 死の際にあって飛龍は、後に残る蒼龍の事を気に掛けているのだ。

 

 そして、

 

 自分が最も信頼するパイロットに、彼女の事を任せたいと思っている。

 

 この想いを託せるのは、直哉以外には無かった。

 

 そんな飛龍の言葉に、

 

「・・・・・・・・・・・・判ったよ」

 

 ついに、直哉は折れた。

 

 そっと、飛龍の体を持ち上げ、壁に寄り掛からせる。

 

 僅かな名残を惜しむように、見つめ合う飛龍と直哉。

 

 やがて、少年は踵を返すと、そのまま駆け去って行く。

 

 その背中を見送る飛龍。

 

 まだまだ、頼りなさを感じさせる少年。

 

 しかし、飛龍にとっては、誰よりも頼りになる撃墜王。

 

 だからこそ、こんな所で彼を死なせるわけにはいかなかった。

 

 と、

 

「さて、と」

 

 座り込む飛龍の横に、山口は腰を下ろした。

 

 その様子に、飛龍は目を剥く。

 

「ちょ・・・・・・多聞丸・・・・・・何してんの?」

「ん、見ての通りだ」

 

 事も無げに言う山口。

 

 山口に、脱出の意志は無い。このまま「飛龍」と一緒に沈むつもりなのだ。

 

 自身は直哉に説教しておきながらこの有様である。思わず、飛龍は自分が死に掛けている事も忘れて、あんぐりと口を開ける。

 

「な、何・・・・・・馬鹿な事、言ってるの多聞丸。良いから、早く・・・・・・・・・・・・」

 

 言い募る飛龍。

 

 しかし、山口は泰然として座り込んだまま動こうとしない。

 

「そんな事よりも飛龍、上、見て見ろ。良い月じゃないか。一緒に眺めよう」

 

 確かに、山口の言う通り、上空には見事な月が上がっている。

 

 しかし、そんな呑気な態度に、飛龍は怒りすら湧いてくる。

 

「いや、月なんて・・・・・・どうでも良いでしょ」

 

 早く脱出しろ。

 

 そう言い掛ける飛龍を制して、山口は言った。

 

「こいつはケジメだ、飛龍。俺は敗軍の将だ。なら、その責任は取らなくちゃならん」

 

 力及ばず敗戦に至った責任を取る。山口は、そう言っているのだ。

 

「そんなッ だって、多聞丸は、あんなに頑張った、のに・・・・・・」

「結果だよ。結果が全てなんだ。俺は敗れ、お前まで沈める羽目になった。誰かが責任を取らなくちゃいけないのなら、それは俺しかあり得ん」

 

 山口の意志は固い。

 

 初めから、自分だけが責任を取り、「飛龍」に残るつもりだったのだ。

 

 対して、飛龍はそれ以上、何も言う事ができなかった。

 

 どのみち、飛龍にはもう、自分の体を動かす力らすら残っていない。説得できない以上、山口の意志を翻す事は不可能だった。

 

「・・・・・・・・・・・・好きだったのか、相沢の事?」

 

 ややあって、山口はそう尋ねて来た。

 

 対して、飛龍は一瞬ハッとした後、すぐに笑みを浮かべる。

 

「・・・・・・どうだろう・・・・・・ううん、違うね。やっぱり、好きだったんだと思う」

 

 韜晦しようとして言い直し、今度は肯定する。

 

 そう、自分は直哉の事が好きだったんだ。

 

 それを、今になって自覚する。

 

 零れ落ちる涙。

 

 なぜ、今になって、こんな想いを自覚しなくてはいけないのか?

 

 なぜ、もっと早く気付かなかったのか?

 

 後悔が胸の内から溢れてくる。

 

 そんな飛龍に、

 

 山口はそっと手を伸ばし、頭を撫でてやる。

 

「あは・・・・・・多聞丸、いつもより優しいね」

「ま、今日くらいはな」

 

 そう言って笑い掛ける山口。

 

「さて、もう暫く、時間はあるだろう。一緒にゆっくり、月でも眺めようじゃないか」

「そうだね」

 

 そう言うと、2人は揃って、煌々と輝く月を眺めていた。

 

 

 

 

 

 先に被弾し、駆逐艦に護衛されて退避している「蒼龍」。

 

 その損傷を負った飛行甲板に佇み、少女は東の海を眺める。

 

 風になびくツインテールの髪。

 

 額や体に巻かれた包帯が、痛々しい姿を見せている。

 

 蒼龍は、何かを感じたように、ただジッと海を眺めつづけている。

 

 やがて、

 

「飛龍・・・・・・・・・・・・」

 

 小さな声で、妹分の名を囁く。

 

 その声は波間に融け、静かに消えていくのだった。

 

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