東方変幻録   作:大神 龍

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第二十話

 ばら撒かれるカードやナイフを回避し、そこから派生する爆発や雷撃などをすり抜けながら幻魔へと近づく。

 

「(超常的な身体能力。だけど、よくよく見ると一瞬変化が遅れている。という事は停止させる能力?)」

 

 たった数秒でそこまで見抜き、即座にいくつかの戦略を立てる。

 

「アハハ!!なんだなんだぁ!?その程度で俺を倒すつもりなのか!?」

 

「……」

 

 幻魔は瞬時に地面にカードを撒いて更に懐からあるオモチャを取り出す。日本人なら誰もが知っているであろう昔ながらのオモチャを。

 

 それは二つの木製の円盤を重ね、それを小さい軸でつなぎ、その小さな軸に紐を括り、巻きつけたモノ。軸に繋がっていない方の紐の先端は指が一本入るほどの大きさの輪が作られている。つまりヨーヨーだ。

 

 幻魔はその輪に右手の人差し指を入れると、サーヴェに向かって投げる。

 

 サーヴェは咄嗟にそれを回避するが、それは不思議な軌道を描きサーヴェの首に巻きつく。

 

「ッ!!」

 

 直後、ヨーヨーからサーヴェの首に絡まっているところまでが一気に爆発する。

 

 そして、爆発が止むと同時に幻魔は紐を軽く引きヨーヨーを戻す。

 

 だがもちろんそれで止めずに幻魔はヨーヨーをしまうと、上着のボタンをはずし、着たままバサバサと振る。

 

 すると、突然幻魔の上着の下から大量の鳩が出てくる。

 

「行け」

 

 幻魔の言葉に答えるように鳩たちは未だに消えない煙の中へと姿を消し――――

 

 

 

 

――――ズドッ!!という鈍い音を連続で発する。

 

「ぐがっ!!ゲフッ!ッつぁ…!?クソッ!なんだよ、この鳥はぁ!!!」

 

 叫び声が聞こえ、煙が晴れるとそこには体中に穴を作ったサーヴェの姿。

 

「アハハハハッ!!どうしたぁ!?それで終わりかぁ!?なのだとしたら貴様は俺の本気の片鱗すら見れずに消えるんだな!!」

 

「ケフッ……ハッ!この程度のダメージなんて少し違和感がある程度だね。ハハハッ!!行くよ!!」

 

 そう言い彼は走り出そうと前へと足を出し――――

 

「――――ざ~んね~ん!!そこはトラップゾーンだぁ!!」

 

 キュガッ!!という音と共に上空へと向かう目がくらむほどの極光が全てを焼き尽くす。

 

「ガァァァァァァ!!!」

 

 サーヴェの叫び声が聞こえ、幻魔は警戒を少し緩める。というより、能力の連続使用で疲労が蓄積し一瞬眩暈を感じた。

 

「っとと……さすがにやり過ぎかな。あれだけの威力の連続発動はキツイ…」

 

「へぇ~!そうなんだ!!」

 

 直後腹部を中心に全身を貫く激痛。幻魔は吹き飛ばされ、背中を思い切り紅魔城の壁に打ち付け、攻撃された腹部を抑える。

 

「アッハハハ!!ねぇねぇ!俺があの程度の力で焼き殺されたと思った?ねぇねぇ、思ったぁ!?アッハハハ!!残念!俺にダメージはありませ~ん!!」

 

「カハッ…!!ケホッケホッ……はぁ、ったく。面倒な奴だね。貴様は」

 

 高笑いをする、『先ほどまでのダメージがほとんど消えている』サーヴェに幻魔は血を吐きながらそう言う。

 

「アハハハ!!君に俺は殺せない!!君が何かを変質させる存在である限りね!!」

 

「………へぇ?」

 

 瞬間、幻魔の気配が再び変わる。今度はふざけた様な気配などない。

 

「ん…?あれ?あれあれ?もしかしてさっきのも『仮面』だったの?」

 

「まぁ、残念ながらな。正直道化師は面倒なんだよ。それに、キャラじゃないだろう?昔ならあのまま貫けたかもしれないが、さすがに執事をし過ぎた。ここでも、ここに来る前も。さて、じゃあ改めて戦おう。戦争(ゲーム)も仕舞いだ」

 

 そう言い幻魔はトントンッと地面を叩く。

 

 すると、幻魔の前の地面が突如盛り上がり、数秒後には一本の棒となる。

 

「あぁ、それと、私に本気を出させたいなら我が主人に命を下させることだ」

 

 幻魔はその棒を掴むと同時にその場から姿を消す。

 

 驚くサーヴェは幻魔を探すが、直後右足に走る痛みを越えた灼熱感にサーヴェは力が抜ける。

 

「ッァ!!」

 

 気合いだけでサーヴェは背後に居るであろう幻魔に右手で裏拳を放つが、

 

 ゾンッ!!と両断され宙を舞うサーヴェの右腕。

 

 それはキラリと光る鋭い切れ味を持った日本刀によるものだった。

 

 なぜそこに。いや、そんなものは分かり切っている。

 

「ッハハハ…!!そうか…君はカードを使っている時点で本気じゃないのか……!!」

 

 全ては幻魔の計画通り。

 

 『サーヴェがその答えにたどり着く』事さえも。

 

「フフフ…アハハハハハ!!」

 

 サーヴェは笑い、抜けた力を入れ直し立ち上がるとその場から飛び去る。

 

 直後地面が爆発し、中から無数の土の蔦が出現しサーヴェを捕らえようと襲い掛かってくる。だが、それはサーヴェを捕らえる寸前で止まる。

 

 まるでそれが分かっているかのようにサーヴェは跳んだ時の勢いがなくなると同時に自由落下をしながら蔦の一つひとつに殴り蹴りをして、そのまま地面に降り立つ。

 

 そして、サーヴェが蔦の下から出ると同時に静止していた蔦が崩れ去る。

 

「ならもう出し惜しみはしない!!本気で戦おう!!」

 

 宣言し、彼は正面にいる、肩に日本刀を掛けて立っている幻魔に向かっていく。




 なんか、幻魔の性格がつかめなくなってきた…(´・ω・`)
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