東方変幻録   作:大神 龍

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第四十二話

 日の暮れ初め。西日を受けて世界は朱色に輝く。

 

「はぁ…幻魔さん、帰って来ませんね」

 

 呟くのは女性。太陽の光を受けてキラキラと輝く青髪は窓から入ってくる風を受けて揺れていた。

 

「全く。雪花は窓際が好きだな。私にはとても近寄れん」

 

 少し離れた所にあるイスに座ってそういう彼は、プレジール・スカーレット。

 

 ここ、紅魔館の主にして運命の掌握者と呼ばれる吸血鬼である。

 

「ご主人もそう思いません?幻魔さん、今はどこを旅しているんでしょうか」

 

「…それは分からないさ。ただ、今も生きているだろうよ。もしかしたらこの館の事を忘れてるかもしれんがな」

 

「そんな縁起でもない事言わないでくださいよ。もしそれが原因で帰って来てないのだとしたら、ご主人の事、殴っちゃいますよ?」

 

「ハハハ。それは怖い。されない様にあいつが憶えてる事を祈ろうか」

 

「そうしていて下さい」

 

 そう言って二人は笑いあい、また雪花は外に目を向ける。

 

「今夜は赤い月。幻魔と会ったのも赤い月の日だ。あの時は驚いたよ。何せ、突然人が落ちて来るからな」

 

「落ちて来たんですか?幻魔さんが?」

 

「あぁ、落ちて来たんだ。そりゃもう盛大にな。その時は私とクレアしか出ていなかった。兄は地下で籠って、美鈴はこの屋敷に来てすらいない。そんな頃さ。っと、いけない。そろそろクレアが帰って来るか」

 

「そうですね。私も一緒に働けたら楽なんでしょうけど」

 

「お前はダメだ。せめて後2年は待て」

 

「えぇ、そうさせてもらいますね」

 

 そういう雪花の腕の中には雪花と同じくらい青い透き通った髪をした小さな少女と、キラキラと輝く金色の髪を持った赤ん坊が抱かれていた。

 

「しっかりと世話をしていてくれよ」

 

「はい。ご主人も頑張ってください」

 

「当たり前だ。では、行ってくる」

 

 プレジールはそう言って部屋を出た。

 

「全く。これ以上優しくされても困るだけなのに」

 

 呟くと、彼女は吹き込んできた風を受け、肌寒く感じたので窓を閉じた。

 

 

 * * *

 

 

「美鈴。門番お疲れ様」

 

「クレアさん。いつも家事、お疲れ様です」

 

 紅魔館の門の前で躱される挨拶。行く時も同じような話をした。

 

 紅く長い髪を持ち、緑色の『龍』と書かれた金色の星が付いている帽子をかぶり、同じく緑色のチャイナドレスを着た女性が美鈴。

 

 ハニーブロンドの髪を後ろで束ね、ポニーテールにしているメイド服の女性がクレア。

 

「今日の夕食は何に?」

 

「ん~…それはお楽しみ。わくわくしながら待ってて」

 

「分かりました」

 

 クレアはそれだけ言って門の中に入って行く。

 

 美鈴はそのまま門番を続け――――

 

 

 

 

 

「…一人…いや、三、四…五人ですか。っていうか、なんか、無理じゃないですか?一人一人が信じられないくらいに強いんですが」

 

 頬を引きつらせて言う美鈴。遠くにいる五人は、美鈴が知っている限り、数えるほどしかいない強敵と同じかそれ以上の力の持ち主。

 

「あれから何度も侵入者を撃退し続けましたが…さすがに今回は難しそうですね…」

 

 だからといって、引き下がるわけにはいきませんけどね。

 

 美鈴はそう呟くと、深呼吸をし、精神を集中させる。

 

「やぁやぁ。久しぶりかな?あの執事は元気にしてる?」

 

「貴方は…」

 

 名前なんて、聞かなくても分かる。彼がこの紅魔館を作る原因となったのだから。紅魔城を破壊した張本人。

 

「サーヴェだ。今回は復讐って奴かな。何人か異世界から借りて来た」

 

「そうですか…では、お帰り下さい」

 

「嫌だね。もし帰らせたいなら、無理矢理やればいい」

 

「ではそうさせていただきます」

 

 見えない。

 

 予備動作すら視認させないほどの超高速移動。

 

 そのまま流れるようにサーヴェの心臓を捕らえ――――

 

 

 ドゴォッ!!と、衝撃波が突き抜ける。

 

「カハッ!…ゲホッゲホッ…ったく、妖怪はたかが数十年でこんなに強くなるものだっけ?」

 

「貴方に私の未熟さを思い知らされましたからね。容赦はしませんよ」

 

「ハハハッ、それでこそ、異世界から借りてきた甲斐がある。さぁ、やってくれ」

 

 サーヴェはそう言って下がり、

 

「やってくれ、と言われてもな」

 

 長い黒髪の女性に見える人物がそう言い、

 

「そうだな…まぁ、あんまり乗り気じゃないけどやるかな」

 

 男の物の浴衣を着ている黒髪黒目の右目に縦に斬られたような傷がある男が言い、

 

「アハ………ハ……」

 

 フード付きの青いコートを着た金髪の左目が隠れた人物が言い、

 

「いやぁ、寄ってたかって一人を叩き潰す気は無いけどね」

 

 目の色が緑で、つんつんと尖った髪型をしたゴーグルを付けた男が言う。

 

「…では、行かせてもらいます」

 

 美鈴は何の躊躇も無く、女性に見える人物に殴り掛かる。

 

「おっと。危ないな」

 

 その人物はひらりと躱し、そのまま流れるように放たれた足払いも避ける。

 

「ハァッ!!」

 

 勢いそのまま掌底。

 

 だが、それは片手で受け流され、反対の腕で腹部を殴りあげられる。

 

「ッァ!」

 

 堪えるも、想像より大きいダメージに少しよろける。

 

「フッ!!」

 

 立ち直り、次の攻撃は軽いジャブ。それを受けようと反射的に出した腕を掴み、美鈴は他の人物たちがいる方へ投げつける。

 

「うぉ!」

 

 咄嗟に目に傷がある男が受け止め、大事には至らない。

 

「驚いた。あそこから投げようとして来るとはな」

 

「んじゃ次俺で」

 

 傷のある男は前に出ると、腰に差した刀に手をかけ――――

 

 

 美鈴は考えるよりも先に体を反らす。

 

 

「ぉ!?」

 

 男の驚きの声と共に、美鈴は即座に体勢を立て直し、男を蹴り上げる。

 

「おっと!喰らうかよ!」

 

 横に避け、そのまま美鈴の軸足を蹴り、体勢を崩そうとするが、その場で跳躍され、回避。

 

 だが、そのおかげで隙が出来る。

 

「オラァ!!」

 

 振るわれた斬撃は、しかし空中で掴まれる。

 

「はぁ!?」

 

 その刀の勢いのまま美鈴は飛んで行き、一回バウンドした後、体勢を立て直し、着地する。

 

「あの攻撃を受けて無傷とか、すげぇな、この世界の美鈴。驚きだわ」

 

 男は笑い、刀を鞘に納める。

 

「じゃあ………次は……私…かな……?」

 

 青いローブの人物はそう言ってゆらりと前に出る。

 

「では、行きます――――!」

 

 美鈴はそう言って飛び出す。




 コラボ、開始です。美鈴、強すぎじゃね?とか突っ込まないでっ!私も思う!!

 数十年でここまで強くなるものなんですねぇ…妖怪、怖いです…

 コラボしてくださった、


 咲き人様、

 音無 仁様、

 マロマロン大帝様、

 仮面ライダー大好き様、


 よろしくお願いします!!
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