東方変幻録   作:大神 龍

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第五十話

 図書館で、のんびりと本を読む幻魔。

 

「幻魔さん?」

 

 不意に声をかけられ、顔を上げる幻魔。そこにはリブラがいた。

 

「あぁ、リブラさん。どうしたんです?」

 

「いえ、誰かいるように思えたので来てみたのですが…幻魔さんなら問題ないですね」

 

 リブラはそう言うと、両手いっぱいに抱えてた本を持ってどこかへ行こうとする。

 

「その本はどうするので?」

 

「片付けるんですよ。それも私の仕事の内です」

 

 むふー。といった感じの表情でリブラは言う。

 

「それで、幻魔さんは何をしてるんです?」

 

 片付けながら、リブラは質問する。

 

「読書を。仕事はすでに終わっているので」

 

「そうなんですか…あ。それでしたら、少し私の実験に付き合っていただきませんか?」

 

 一段落着いたのだろうか、リブラは笑顔で幻魔に聞く。

 

「別に構いませんが…何をするおつもりで?」

 

「いえ、その…見ててほしいだけです。もしかしたら失敗するかもしれないので。幻魔さんなら失敗した直後に片付けてくれそうだったので…たぶん、能力的にできるんじゃないかと考えているのですが…ダメでしょうか」

 

「それは問題ないですが…能力を教えた覚えがないのですが…?」

 

「あ、それはあれです。初めて会った時にいろいろやってたじゃないですか。それから推測しただけです。それで、たぶん変化させるような能力かなぁって」

 

「ふむ…まぁ、あながち間違っていませんね…なら、正解に至るまで言わないでおきましょうか」

 

「えぇ!?教えてくれないんですか!?」

 

「その方が面白いでしょう?未知を既知にする。貴方にとってもその方が燃えるでしょうし」

 

「あぅ…まぁ、確かにそうですね!自分で考えた方が楽しそうです!!」

 

 リブラは目を輝かせてそう言うが、本来の目的を忘れていそうな予感がしたので話を戻させる。

 

「さて、それで、何をするんでしたっけ?」

 

「あ、そうですそうです。えっとですね?5年位前から暇を見つけてやってたんですが、ここの図書館に錬金術っていうのがあるんですよ」

 

「錬金術…ですか」

 

 錬金術。ファンタジーものに、魔法に次いで存在する便利な存在。AとBを使ってCを作り出す。そんな事を何度も繰り返し、最終的には魔法に匹敵するほどのアイテムを生み出す事も出来る、そんな存在だ。

 

 科学にも若干の錬金術の要素はあり、その最たる恩恵は硝酸、硫酸、塩酸、王水、火薬などだろう。

 

「それでですね…召喚儀式とかを利用して異世界から植物とか材料を手に入れながら、植物は庭で増やしながら頑張ってたんです」

 

「庭に何を植えてるんですか」

 

「はぅっ!でもでも、主様には許可を取ってますし、被害を最小限に抑えるために庭の隅っこで地道に頑張ってます!!」

 

「いえ…そういう問題じゃないんですが…まぁ、危険な物は植えない様にしてくださいね」

 

「大丈夫です!危険な植物は私の部屋で緩やかに増え続けてます!!」

 

「ちょっと見に行きますよ」

 

「ちょちょちょ!!汚いですから行かないでくださいよぉ!!!」

 

「危険な植物が蔓延(はびこ)っているのを黙って見過ごす訳にはいけません」

 

「幻覚作用くらいですよ!?マンドラゴラとか植えてますけど、叫び声を聞いても一時間くらい立てなくなるだけですって!!」

 

「ダメです!許しません!防音にしておいても貴方が被害に遭うでしょう!?それくらいなら私が管理します!!」

 

「えぇ!?何でそういう話に!?」

 

 心配していたのは、別に屋敷の被害というよりも個人の被害のようだった。いくら自業自得だとしても怪我や状態異常になるのは許せないようだった。

 

「とにかく、明日からは私の部屋に移動させるので、良いですね?」

 

「あぅ…じゃあ、その場合は勝手にお部屋に入りますよ?」

 

「構いませんよ。というか、昔はたまに雪花やクレアさんが入って来たのでもうすでに抵抗ないんですよね」

 

「えぇぇ……そうなんですか…?じゃあ、私もお邪魔しますね?」

 

「そうしてください。後、私にも今度錬金術を教えてくださるとありがたいです。少し面白そうなので」

 

「そうですか!?分かりました!!じゃあ、今度また暇な時は来てください!!準備しておきますので!!」

 

 とても嬉しそうにリブラは言い、その表情を見て思わず微笑む幻魔。

 

「さて。いい加減始めましょう」

 

「はい!って、そう言えばまだ何を作るか言ってませんでしたね」

 

「そう言えばそうですね」

 

「えっと、とりあえず今回は万能薬でも作ってみようかと」

 

「万能薬?」

 

「はい。えっと、現在ここには諸々で作った数種類の回復役があります。解毒、解痺、気付け。まぁ、状態異常回復系のものです。それをこの、作った窯で適量入れてかき混ぜて、ある程度混ざったらこの中和剤を放り込んで5分位で完成です」

 

「簡単そうに聞こえますが…そうではないんですよね?」

 

「まぁ、常に魔力を注ぎ込みながら作らなくちゃいけないのが問題なだけですね。しかも多くても少なくても爆発します。初めの頃はとんでもない事になって…クレアさんにはとても迷惑かけました」

 

 リブラは申し訳なさそうな表情になる。

 

「まぁ、反省してるなら問題ないと思いますよ。クレアさんもそんなに気にかけないでしょう」

 

「えぇ…お庭掃除5時間くらいで許してくれました。おかげで土を質の高いものに出来ましたよ」

 

「仕事を趣味に利用しようと考える貴方も相当ですよ」

 

 ため息を吐き、幻魔は近くから椅子を持ってきて座る。

 

「それじゃ、そろそろ本当に始めますね」

 

「えぇ、何時でもどうぞ」

 

 そうして、リブラは調合を始めた。




 錬金術…アトリエ楽しいです。アーランドやりましょうよ(`・ω・´)
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