ラブライブ!~武闘派高校生とμ's II~ 作:ステア(STER)
今回は章最終、信翔退院の回であります。
そして、前回より生じ始めていた信翔の悩みが爆発し、それをエリチカが一刀両断いたします。
はい。タイトルにもありますように、信翔がプロデューサー辞退を申し込みます。
ほんじゃま。
入院生活7日目…。遂に来た。来たぞっ! 待ちに待った退院だぜっ! 昼あたりに真姫がやってきた。
「おめでとう。今日でやっと退院ね。」
「おう。もう二度と来ねぇからな。」
病院を出ると、東織グループの車が到着していた。俺はそれに乗ると、家まで送ってもらった。
「退院おめでとう!」
「退院おめでとうニャ!」
「うわわっ!」
家に着き、家に入った途端、真姫以外の11人が俺を待っていたようで、いきなり穂乃果と凛の二人が俺をクラッカーで驚かせた。
「…何のマネだ?」
「…俺が入れたんや!」
「…晃太っ!」
μ'sに交じってちゃっかり男連中もいたのだった。そういえば晃太には合いカギを渡していたな。こんなしょうもねぇに使われたのは、この前家にあった本をすべてエロ本に変えられて以来か。ちっ、全然懲りてねぇみてぇだな。
「まあいいや。話が早くて助かるぜ。」
「…何の話ですか?」
「これだ。」
そういうと俺は一通の封筒を取り出した。そこには何も書かれていなかった。
「さてー。俺は散歩にでも行ってくるかな。」
「ちょっ…折角用意したのに、退院式しないんですか兄さん?」
「紗奈、ありがとう。だが俺にそんな気遣いは無用だ。」
そういうと、俺は踵を返し、そそくさと自宅を後にした。どこに行こうかと悩んで歩いていると、自宅から
「「「「「「「「「「「「「「「えぇ~っ!!!! 辞職願ーっ!!!!?」」」」」」」」」」」」」」」
という声が聞こえた。
*
しばらくすると、俺は皇居の外あたりに着き、外から立派な石垣を見ていた。ちなみに、神田や神保町は千代田区で、天皇陛下の住む皇居に非常に近い。皇居の北側に行けば、日本武道館がある。俺はその舞台になら立ったことがある。武闘王としてな。
「はぁ~。これでいいんだ。俺は高校生だし、受けるべきじゃなかったんだ。」
外堀のフェンスにもたれて石垣をまたふと見る。こんなことを繰り返して頭を冷やす事数十分…。
「…本当にこれでよかったのだろうか? だが、俺は特にいても必要ねぇだろうし、俺が居たところで色々と活動の邪魔になりそうだしな。」
「私は、そうは思わないわ。これでよかったわけがない。」
「はぁ…あいつらの心が読めたらいいのに…。」
「そんな事する必要ないわ。私が聞かせてあげる。私達の心の内を。」
「そうか…って、え?」
俺はやっと、聞こえなれた声に気付いた。その声がする方を振り向くと、いつの間にか絵里が居てた。
「どうしちゃったの? あまりの退屈さから、頭がおかしくなった?」
「…んな訳ねぇだろ。っていうか、何故ここが分かった?」
「そんな事より聞かせてほしい。なんであんな暴挙に出たの?」
「正当な理由がある。まず思ったことは、お前らは別に俺がいなくても活動できるだろ…否、俺が居ない方が支障がでねぇだろ…。それに、今回俺が刺された刺傷事件、このことで分かったことがひとつある。俺が、ヤクザに眼をつけられている事は間違いない。すなわち、これ以上関わるとお前らにも支障が出る。それだけは避けたいんだ。」
俺が絵里に胸の内を明かすと、絵里がくすっと笑った。
「ふふっ、信翔さん程の猛者でも、こんな弱音を吐くのねー。」
「…笑うなよ。」
「ふふっ…ごめんなさいっ。」
「とりあえず、そういうことだ。痛い目に遭いたくなければ、もう俺の前から失せろ。」
気の抜けた声でそういうと、絵里は笑いで崩れた顔から、一気に真面目な顔へと変わった。
「…信翔さん。何故私が貴方を指名したか分かる?」
「知らん。」
「それは…強いからよ。生まれてこの方18年強生きてきて、貴方程強くて、たくましくて…カッコいい人はいなかった。それは、母国・ロシアでもそうよ。」
「…おだて言葉か?」
「違うわっ! これだけは、皆も思っているはずよ。この人だったら、私達を守ってくれるに違いないって。去年アイドルをして思ったことは、アイドルのファンは純粋に応援してくれる方もいれば、私達に対して何らかの劣情を持っている人も少なくないの。そうは思いたくないけど…。でも、信翔さんなら、どんな脅威からも守ってくれて、一緒に乗り越えるべき壁を乗り越えてくれるって…。これは穂乃果達皆も思ってるはずよ。」
「…フンッ。」
「それに…貴方が裏方を引き受けてくれているおかげで、仕事が早くて練習に打ち込めるって花陽が言ってたわ。」
「…もう俺には関係のない話だ。じゃあな。もう俺は愛知に帰る。」
そう言って俺は去ろうとした。すると、しばらく間をおいて、絵里が叫んだ。
「要するに…皆、貴方の事が好きなのっ!! 強くて守ってくれて、お金持ちで資金面でも援助してくれるし、裏方の仕事を全部引き受けて、怪我しながらも現場に来てくれて…皆、貴方の事が好きだからっ! 皆貴方が傍についていてくれながらライブをするのがいいって言ってるのよ!」
「…。」
それを聞いた俺は感無量となった。こんなことをやったのがバカバカしく思えるくらい…。ビックリしたのは、俺はそこまでメンバーに慕われていたことに初めて気づいたことだった。そして、ゆっくりと絵里のもとへと戻った。目に涙を浮かべながら。
「そうか…それだけ俺はメンバーに必要とされていたのか…。なら戻らねばいけないな。あいつらのもとへ…。ありがとう、絵里。」
「…さあっ、一緒に皆の下へ…きゃっ!」
俺は、絵里に抱き着いた。絵里は突然の事に頓狂な声を上げる。
「すまん…俺は人に涙は見せられん…グスッ。しばらく胸を…貸してくれ。」
「ふふっ、しょうがない人…。」
俺は絵里の胸に飛び込んで、号泣とまではいかなかったが、感情が高ぶり、すすり声を上げて泣いた。泣いたのは久しぶりだった。あのクソジジイが死んで以来か。絵里は泣いてる俺の髪を、やさしくすうっと撫でてくれた。ちなみに、エロいことは考える余裕がなかったので悪しからず。
その後、俺は自宅に帰った。すると、皆待ってくれていた。俺は謝罪をすると、皆が退院式を開いてくれた。嬉しかった…すげぇ。
うん。イイハナシダッタカナー?
ちなみに、「好き」といっても恋愛的な好きは除く…のか?
御想像にお任せします。
はい、ということで入院編もうネタがないので終わりです。
次回からは、夏編ですかね。
夏と言えば…夏休み! プール! 夏祭り!
これらのネタを投稿する予定です。