ラブライブ!~武闘派高校生とμ's II~ 作:ステア(STER)
こんかいは、なんと三十巻目なんですよね。まあそれはプチお祝いとしておいといて…
今日は夏祭り回です。そして初のことり回であります。
楽しんでいただければとおもいます。
…今日も俺の枕元で目覚ましが鳴る。と同時に、俺のスマホも着信音をけたたましく響かせた。寝ぼけ眼の俺は目をこすりながら、スマホを取り上げた。画面には、『南ことり』との文字が映し出されていた。………こりゃまた珍しい奴から電話がかかってきたもんだ。
俺は更に目をこすった後、応答した。
「…もしもし、ことりか?」
「あっ、信翔くん…? その…おはよっ♪」
「お…おう。おはよう。」
ことりも、さっき起きたばかりのようだ。声の調子からうかがえる。
「今日の夜…隣町の方で夏祭りがあったよねー? ライブの依頼もあったよね?」
「あ…あぁ…。確かにあったぞ。」
「よければ…一緒に行かない?」
…なんと、勧誘だった。一緒に行こうという…。ちなみに、祭りの主催委員会の方から俺たちにライブの依頼があったのだった。
「それなら喜んで。」
「よかった…。じゃあ5時くらいに私の家に来てね。今日の為に仕立ててた服は一番最初に見せたいから♪」
「…そういえば、穂乃果や海未は?」
「二人は二人で行くみたいだよ。それとも…信翔くんはことりと二人は…嫌?」
一瞬、ドキッとした。いや、別に嫌ではない。二人で歩いていたらなんか恋人みてぇに思われるじゃねぇか! 恥ずかしい…。
「い…いや。別に嫌ではない。」
「それならよかった♪ じゃ、待ってるね♪」
そういうと電話はブツリと切られた。
*
…そしていざ夕方…。さて、歩いて行って、電車に乗っていくか…? いや、それじゃムダ金使うしな…。ここは晃太も唖然とした俺自慢のコイツで…。
俺はそう思い立ち、アパートの専用ガレージからあるものを引っ張りだしてきた。それは…デッケェ黒いバイク。何ccあったかな? 忘れたが大型免許がねぇと乗れねぇ代物だ。ちなみに俺は大型二輪免許を5月に取得している。
そして俺は自慢のバイクにまたがり、ヘルメットを被りエンジンをかけて
*
「ついた…。な。」
俺はあっという間に南家邸に着いた。バイクを裏に止めて、インターホンを押すと、数秒の間でことりが出てきた。そのことりは…
「見て見てー♪」
「おっ、浴衣姿か…。いいじゃねぇか。」
「これは祭りを楽しむ用。衣装はここに入ってるよ。」
俺はことりが指差した大きな紙袋を少し漁ってみた。すると、オレンジ色の浴衣が出てきた…いや、ただの浴衣ではない。最近流行ってるらしいスカートの浴衣だ。露出度はやや高い。
「どう? 穂乃果ちゃんに似合いそうじゃない?」
「お…おぅ。そうだな…。」
再びしばらく漁っていると、白い燕尾付きのタキシードが出てきた。
「う…うわっ? なんじゃこりゃ?」
「見ての通り、タキシードだよ。」
「も…もしかして俺に高額請求してきたのは…。」
「そう! このタキシードの生地とかを買うための費用として使わせてもらったよー♪ あっ、心配しなくてもお金は余ってないから!
「…これ、誰に着せるんだ? 絵里か? って思ったけど、この大きさは絵里じゃねぇな…。ま、まさか?」
「察しが早くて助かるよ♪ そうだよっ、これは信翔くんに着てもらうよ。」
え…えぇぇぇぇっ!!!? なんで!!? 俺、この夏祭りの間、こんなコスプレみてぇなタキシード着なけりゃならんのか?
「えっ…!?い、いや別に着る必要ねぇだろ。なんでだ? なんで俺の衣装が…?」
「今日、何を披露するか、花陽ちゃんから聞いてるでしょ? なんだったけ?」
「ええっと…『輝夜の城で踊りたい』だったな。」
「そう。ちょっとサビだけでいいから歌ってみせて?」
…それ、音痴の俺に頼みますか?
「私は、紅い、
「うんうん、それで?」
「あなたは、白い、月の
「そう、それっ!」
「…えっ?」
いきなり、ことりが歌を中断した。はぁ…なんだよコレ、公開処刑か?
「薔薇の姫、月の
「そうか…。んで、俺が着る意味は?」
「信翔くん、今回はどの立場にいるか知ってる…?」
「向こうの通達によると…裏方総監督とかいう意味分からんのと…司会進行役…。」
「そうっ、司会。ねぇ、ピッタリだと思わない…?」
少し考えた…。
「いいんじゃねぇか、まあ? 俺はこんなの、嫌いじゃねぇしよ。」
「本当? じゃ、皆待たせてるし早く行こっ♪」
「おう。」
そして俺は裏に止めておいたバイクを引っ張りだしてきた。
「ほーらよ。」
俺はそう言ってことりに予備のヘルメットを投げた。
「え…えっと。歩いて、電車じゃないの?」
「バカ言うな。時間余計に食うだろ。これなら歩いて駅に着く前に会場に着くぜ。それに…」
「それに?」
「電車の中は多分満員だ。そんな中にお前を入れてみろ…。第一狭いし、それに痴漢から間違いなく標的にされる。俺は痴漢によって痴態を晒すお前を見たくねぇし…見張る仕事も厄介だからな。これを触らぬ神に祟りなしっていうのかな。」
「信翔くん…。」
…えっ、意味ちがう? ま、気にするな。
「さあ乗れ。急ぐぞ。なぁに心配するな。事故ったことはねぇから。」
ことりが心配そうに後ろにまたがると、俺は右腕をひねり、若干うるさいバイク音と共に走り去った。
*
「あーっ! やっと来た! 遅いよことりちゃん! 信翔君っ!」
「すまんすまん…。」
着いた頃には、もう既に皆集結していたのだった。舞台の準備の方も着々と進んでいる。晃太らも手伝いに来てくれているようだった。
「それはそうと、はいこれ。今日の衣装だよ♪」
そう言ってことりが皆に大きな紙袋を見せる。9人の注目は全てソッチにいった。
「か~わいい♪」
「いいんじゃない? 私こういうのは特に嫌いじゃないわ。」
「…これは、結構ハードかも。」
三年や二年からの評価は高かったが、まだ舞台に慣れていない一年生組にとっては赤面もののようだった。すると、穂乃果が白いタキシードに気付いた。
「あれ? なにこれ?」
「…ん? これ、誰の衣装なん?」
「それはね、信翔くんの衣装だよ♪」
ことりがそういうと、皆「えっ?」という表情で俺を見る。
「もしかして信翔くん…遂に舞台に立つ決心をしたのかニャ!?」
「バカ言うな! 俺はスクールアイドルになるつもりはねぇよ。」
「じゃあ何のために…。」
ことりが皆に
「さて…舞台もそろそろ完成するころだ。着替えようか。」
「そうだね!」
俺たちは別れ、別の部屋へと入っていった。
*
しばらくして、タキシードに着替えた俺は、あいつらが待ってる楽屋へと向かった。
「…入るぞ。」
そうして俺は部屋に入った。すると、そこには衣装に着替えた9人がいてた。
「えちょっ…なにそれ!?」
「うおぉ~! カッコいい!」
「なんだか頼もしい印象を受けるニャ~♪」
「なんというか…ナイトさんというよりは、執事さんですね♪」
「い、いいんじゃないかしら?」
「やっぱり、兄さんは何を着なさってもお似合いです♪」
皆の評価は好評だった。キラキラした皆の笑顔を見ていると、なんだかこちらも笑顔になってしまう。その時、ことりが何か細長いものを持ってきた。その箱を開けてみると中に入っていたのは…レイピアだった。さっそく
「皆、準備はできたようね。」
皆で自惚れあっていると、絵里たちが入ってきた。絵里が、俺の格好に気付いた
。
「の…信翔さん? 何その恰好? なんていうか…騎士というか…。」
「さっすがはクオーター! 絵里ちゃんはよく分かってるね♪ 信翔くんは今日司会進行を務めてくれるんだからと思って、月の騎士を思い浮かべてことりが作ったんだ。私達薔薇の姫と対称になるようにね♪」
「は…ハラショー…。」
「…で、どうだ? 似合うか?」
「ええ、よく似合ってるわ。」
「ウチはええと思うよ。」
「…知らないわよそんなの。」
これは…好評だと解釈していいんだな? 最初は恥ずかしかったのだが、皆がこういってくれたので、俺はこんな仮装大会で着るような衣装で出ることにした。もともと当初は、普通の服のままやろうと思ってたんだけどな。
そして…ついにライブが始まる…。
俺は「Ladies and Gentlemen! Welcome to the show stage!」との発言から始まって、終始片言英語で喋っていたのだった。
ライブという楽しい時間があっという間に過ぎた後…舞台裏に回ろうとすると女子中学生からオバハンまで、俺の周りをあらゆる女性が取り巻いた。……おいおい俺はこんなことに付き合ってる暇はねぇんだよ!
俺はなんとか取り巻きから逃げて楽屋にたどり着いた。
「すごいことになってるわ…。」
部屋にはいってくるなり絵里がそう言った。どうやらライブの反響と同じくらい俺に対しての反響もあったようで、μ'sの公式サイトにとんでもない量のメッセージが来た。
「ちょ…なにこれ、意味分かんない!」
「は…ハラショー…。」
俺も少し見せてもらった。
『μ'sもカッコよかったけど、司会をしてたあのイケメンは最高だったよ!』
『何あの人? 超カッコいいんだけど。』
『あの人って誰? μ'sの関係者?』
そんな意見が寄せられてた。思わず楽屋内に笑顔がこぼれた。
*
しばらくすると、解散となった。皆は普通の服などに着替えたのだが、どうせ今日はあまりいい服着ていなかったので、俺はタキシード服のままうろついていた。すると相変わらず俺に話しかけてくる人の多いこと! 写真を頼まれたのは百回どころの話ではない。
俺はいつもの癖で裏路地にはいった。祭りとなると、変質者やチンピラなども多いものだ。それに、ここにある露店もすべて、ヤクザへショバ代を払って成立しているらしいしな。すると、聞き覚えのある甘いボイスが聞こえてきた。しかし、普通ではなかった。
「あ…あなたたち…誰ですかっ?」
「俺たちは…さあな。特に語る名はねぇ。それよりお前、さっきパフォーマンスしてたμ'sの…南ことりだろ?」
「…だからなんですか…?」
「そんな可愛いお嬢ちゃんが、こんな危ねぇ所をうろつくとは…。こりゃお仕置きが必要だぜ。なぁ兄貴。」
「あたぼうよ! ってことでことりちゃん。こんな所を通ったらどうなるか教えてやるぜ…。」
「な…何するつもりですか…やめてください…。」
ヤバい…俺の変態センサーが反応してる…! このままじゃR-18な事をされかねん…。俺は急いでその場を去った。しばらくして俺はバイクを押して戻ってきた。
「やめてくださいっ! 大声だしますよ?」
「心配しなくても、ここらへんは誰もこねぇし、叫んでも祭りにかき消されるだけだ。」
俺が帰ってきたときには、ことりは危機的状況にあった。どんな状況にあったか? それは想像にお任せするよ。俺はバイクのエンジンをかけ、ひたすらブロォォン、ブロォォンと鳴らしながら奴らに近づいた。
「な…なんだテメェは!?」
「…月の
「何言ってやがんだ? 頭湧いてんのか!?」
「…テメェ、ムードのかけらもねぇクセに女と話そうとしてたのか!?」
「うるせぇ! っていうかテメェは、μ'sのライブの司会やってた野郎か…?」
「そうだ。」
「お前…よく見てみれば武闘王じゃねぇか!?」
「そうだとも。」
すると、首領格の奴が何かを取り出した。
「…日本刀?」
「俺の剣道歴は10幾年…。2年程度のテメェに負ける訳がねぇ…!」
そう言って向こうは日本刀を抜いて襲ってきた。すかさず俺はレイピアを抜いて応戦した。レイピアの扱いには慣れてない俺だったが、日本刀を弾いた。すかさず手を蹴って日本刀を落としたあと、レイピアを奴の首に突き付けた。
「…ひぃっ!」
「俺は2年と言えども、練習量が違ぇんだよ。心配するな、これは斬れん。帰れ。」
「ちっ…!」
すると、奴らは逃げて行った。するとすかさず、後ろに待機していた警察が奴らを追いかけて行った。
俺は奴らから奪った日本刀を見てみる。するとなんと…ガチの刀とまではいかないが、結構切れ味がある。刃物だ。
なにもかもを警察に引き継ぐと、俺は呆然としていることりの方にむかった。
「姫、お迎えに上がりました。」
「…」
俺流のふざけ方で奴を慰めようとしたが、ことりは絶句していて反応がない。俺はメンバーを呼んで事情を説明したあと、ことりが我に返るのをしばらく待って、皆と一緒に帰った。
はぁ…。はい5200文字に及ぶ大作になってしまいました。
なんか書き始めると止まらないよww
さて、次は何をかこうか。プールにでも連れて行こうか。
うんそうしよう。
ってことで、もしかしたらプール編になるかと思います。
乞うご期待!
…ところで、ナイトっていい響きだよね。