ラブライブ!~武闘派高校生とμ's II~ 作:ステア(STER)
昨日あたり、スクフェスで、花陽が大阪に行きたいことをほのめかしていたので、今回はそれをヒントにして、上下に分けて綴っていきます。
そして晃太と希も一緒に…。
10,000文字を超える初ボリューム大の作品となっております。
『織田宗家累代之墓』…そう刻まれた黒い立派な墓の前で、俺は合掌をしていた。
今日は8月13日…。お盆と言うことで、俺はある用事のついでに愛知へ帰郷し、墓参りをしていた…。我が墓はほぼ毎日、会社の者が手入れをしているようで、草ひとつなく清潔感が行き届いてる。この墓は他の墓より一段と大きく、土地も墓地を見渡せるほど高い。ここは織田総裁家を中心とした織田家の墓地であり、『織田家之墓』と刻まれた色々な分家の墓たちが軒を連ねる。
ふと、これまた大きな霊標に目が行く。祖父、曾祖父、高祖父…などの戒名などが大きく刻み付けられている。
「おーい。まだなんか? 人の墓参りに付き合わされるほど、暇なことはあらへんな~!」
墓を見上げていると、階下から晃太の声がした。俺は線香などをあげ、足早に降りてきた。
「すまなかったな。墓参りに付き合わして。」
「わ…私は別に退屈はしていなかったので、大丈夫ですよ…。」
階下に降りると、晃太、花陽、希がいた。
「さ、行くんやったら早う行こか。大阪に!」
そう、ある用事とは…大阪への旅行だった。晃太、花陽、希とともに。
*
それは、数日前の事…。他の者より一段と努力しているように見えた花陽に俺は目がいった。真面目な奴はちゃんとやっているのだが、だらけ気味のメンバーの中では、暑さにだらけずに練習をこなす花陽が目立っているのだ。やはり、夏バテ防止には食べすぎるぐらいがちょうどいいってことなのか?
ともあれ、休みの時ぐらい思いっきりレクリエーションさせてやりたいと思った俺は花陽をどこかに連れて行ってやろうと思った。
「花陽。ちょっといいか?」
「はっ…はい! なんでしょうか?」
「お前は、夏の暑さにも負けず、よく練習をしているな。部長らしくて、感心する。」
「そ…そんな事ないですよ。褒めるなら海未ちゃんとか…。」
「まあ…・海未も海未で頑張っているが…俺はお前が一番際だって見える。そこでだ。お盆休み、どこかに連れてってやろう。」
「え…えぇぇぇぇっ!?」
俺がそういうと、花陽は大変驚いた様子であった。
「の…ののの信翔さんとですかぁっ!?」
「俺以外に誰が居る?」
「た…たとえば、凛ちゃんとか穂乃果ちゃんとか…。」
「あいつらは、海未の注意を無視ってだらけてたじゃねぇか。だから資格はない。それに、お前どうせ暇なんだろ?」
花陽が、お盆に特に予定がないことはもう凛から把握済みだった。
「そ…そうですけど…。花陽、最近金欠気味で…。」
「それなら心配するな。俺が工面する。もともと俺が誘ったのだからな。」
「わ…悪いですよぉ…。」
「何言ってんだ。俺たちは遠慮しあう関係じゃねぇだろ。俺は遠慮は嫌いだ。んで、どこ行きてぇ? 海外じゃなけりゃあどこでも構わんぞ。」
「も、もう行くの確定なんですかぁ!? だ、だ、ダレカタスケテェ~!」
お…おい。こんな所でそんな声を出したら、なんか俺がイヤらしいことをしてるみてぇじゃねぇか!
「おい、もしかしてお前、旅先で俺がお前にエロいことしようと企んでるって思ってるんじゃねぇだろうな? 神に誓っても俺はお前にそんなことはしねぇ。」
ん? この前のアレはどうなんだだって? アレは晃太の媚薬で紡がれた俺の黒歴史だ。忘れてくれ。素の俺はエロくない。健全だ。…ん? あの豊満なバストで誘惑されれば、襲わない男はいない? バカ、俺がいるじゃねぇか。あのバストを以ってして俺を誘惑したところで俺のムスコは冷え切ったままだろうし、第一花陽が男を誘惑するような破廉恥な女とは思えん。俺の中での花陽は純粋な天使だ。だからこそ穢したくなると思っとる罰当たりな輩は一度地獄に堕ちるがいい。
それはそうと…。後ろから二つほど、まるで情事を覗き見するような変態の気配がする…。
「それに…もしお前の純潔を奪わんと息巻く変態共が現れても、絶対にお前を守ってやる。例えば…俺の後ろにいる輩とかな。おい、いるんだろ?」
「あっちゃあ…。やっぱバレとったか。」
そういうと、晃太が出てきた。それに続いて…なんと希も出てきたのだった。
「の…希っ!?」
そうか…もう一人の変態反応は希だったか…。あいつも、メンバーをわしわしする変態野郎だと聞いている。それにしてもわしわしってなんだ?
「ウチも変態扱いするの?」
「同類だろうが。」
そういえば、いつの間にか…晃太と希はかなり意気投合していた。やはり、類は友を呼ぶというのだろうか?
「話がそれたが花陽。どこに行きたい?」
「…本当に…いいんですか…?」
「ああ。」
俺は大きくうなずいた。晃太と希もそれを見守る。
「実は私…ずっと前から…大阪に行ってみたかったんですっ!」
「何…? 大阪?」
意外だった。花陽のことだから東北地方でも言うかと思ってたら、まさかの大阪だったのだ。晃太の出身地の大阪だ。これには晃太もびっくりだった。
「だって…とーっても美味しそうなものがいっぱいあるから…。」
「なるほどなぁ。確かに大阪にゃ、ぎょうさんウマいもんがあるでー。」
「そうやねぇ…たこ焼きとか、お好み焼きとか、串カツとか…。ウチも本場の味を何回か食べたことあるけど、絶品だったのを覚えてる。」
…そうか。希は一時期、大阪に住んでた事があったらしいな。
「決まりだな。脂っこそうなものばかりだが、まあ悪くはないだろう。晃太、どうせ俺も連れてけっていうんだろ?」
「当たり前やんけ! 俺と希を連れてかな、皆に言いふらしたるからな!」
「えっ…! ウチも!?」
「決まりだな。」
そして現在に至るのであった。
*
場所は変わり、大阪に向かう電車の中…。
「大阪と言えば通天閣! 通天閣も回るんか?」
「当たり前だろ。」
「やんな! せや、串カツのタレは2度づけ禁止やから、ようつけときや。」
「お…おう…。」
大阪駅に近づくにつれて、晃太のテンションは上がってきたのだった。
「さて、そろそろ大阪駅やな。」
「本当、この度どうなるだろうかちょっと心配だな…。カネ、なくならんといいけど。」
そして電車は大阪駅へと到着、ドデカい屋根の中にあるホームへと降り立った。
*
大阪に降り立った俺たち。ここで晃太が暴走を始めた。
「うおぉぉぉぉっ!!! 大阪や! 三年ぶりの大阪や!」
久しぶりの大阪で、郷愁に駆られたのか、俺たちの手を引っ張って思い出場所めぐりや意味分かんない回想を語りだす。
「ここ、まだあったんかー! 久しいなぁ。昔はよくオトンも行ったもんやで。」
「「「…。」」」
まったく知らないことを、長々と喋られる。これほどイラつくことはないな。奴のノロけ話を聞かされてると、だんだんとイライラが募ってきた。
「あのなぁ…通天閣はどこなんだよ? 大阪城はどこなんだよ!? たこ焼きやお好み焼き…串カツはどこだよ!?」
「なんや…? しゃーないなぁ…。とりあえず、なんか食おうか。何食いたいんや?」
「俺は…なんでもいいけど。」
「私も…何でもいいですね。」
「ウチも、何でもいいで。」
「よっしゃ! じゃあ、アソコにいこか!」
「あそこ…? まあ期待しとくよ。」
そういってまた晃太は俺たちの袖を引っ張って駆け出した。はぁ…どんだけ元気になってんだよ…。正直俺はこのレクリエーションでまたストレスがたまりそうだ。
*
そして俺たちは晃太おすすめのたこ焼き屋へ来たのだった。
「いらっしゃーい。おっ、晃太やん! 三年前に東京いったらしいけど、どや?」
「どやもこやもあらへんでおっちゃん。ここより混み混みしとるさかいに…住みにくい所やでー。とりあえずおっちゃん。ツレに極上のたこ焼き作ったってくれや。」
「おう、まかしとき!」
そういうと、たこ焼きのおっちゃんは黙々とたこ焼きを作り始めた。
「待ってろ。もちょっとしたら、絶品のたこ焼きが来るで~。」
「本当ですか!? 楽しみぃ~♪」
「たこ焼き食べるの、ウチはこれで二回目なん。」
「ほう。それは楽しみだ。こいつの舌は信頼できる。まあ舌くらいしか信頼できねぇんだけどな。」
「どういう意味じゃ!」
「どういう意味って。そのまんまの意味さ。この変態野郎。」
「俺は四六時中エロいことばっかり考えてるような変態やおまへんどぉっ!」
「うるせぇよ、変態。どうせホテル行くぞって言ったらえっ、今から情事すんのってホザいたり、女湯覗くだろうし、寝る前でもこいつらのどっちかを押し倒そうとチャンスを狙うだろうし…。」
「もうっ、晃太君はホンマ変態やなぁ…♪」
「やめてください…よ?」
「さあ…それは俺の気分次第やで…?」
「やめろよ。二人に手ぇ出したら明日の日は拝ませねぇぞ。」
俺がキツメの言葉で脅すと、晃太がそれ以上喋ることはなかった
「晃太は、相変わらずの変態みたいやのぉ。ホレ、たこ焼きできましたさかいに。」
そういっておっちゃんはたこ焼きを持ってきてくれた。
「アンタら、東京から来はったんかい?」
「あ…ああ、はい。」
「左様か。まあ、ゆっくりしておくんなはれ。」
運ばれてきたたこ焼きは、結構大き目だった。
「お…大きい。」
「こんな大きなたこ焼き、ウチ見たことないなー…。」
「ははっ、せやろせやろー!」
そして俺たちはその大きなたこ焼きを口の中に…。
「ん…うおっ! コイツあうめぇぞ!!」
「おっ…おいしいですっ…! たこ焼きがこんなにおいしいなんて…!」
「まあ、普通はもうちょっと小さいものやけどな。でも、こういう味、ウチは好きやで♪」
希と花陽の二人も美味しかったのか、食っては次のモノに手を伸ばし、パクパクと食べてゆく。
「おいしい…ご飯以外にも、これほど美味しいものがあるなんて…!」
「アンタみたいなベッピンさんに言われたら、わしかてやる気がでるっちゅうもんやで! よっしゃ! もっとようけ作ったるさかいに、どんどん食いなはれや!」
そういうとおっちゃんは気合いを入れ始め、慣れた手つきでたこ焼きをパパッと作り始めた。俺たち四人は運ばれてきたたこ焼きを我先にと食らいつく。
「うおっ! ええ食いっぷりやの♪」
「おっちゃん。俺ら四人はごっつ食いまっせ。」
「おもろいのぉ。やはり
その後、俺らは…飽きるまでたこ焼きを食ったのだった。一人二人前くらいを食いつくし、お代はさぞかし大変な額になっただろうが、おっちゃんが気前よく奢ってくれたのだった。大阪人ってがめついイメージがあったが、意外と気前がよかったりするんだな。いや、今回は晃太のコネか。俺はコネは強い方であるが、やはり晃太の地元じゃ負けちまうかもな。
*
さて、場所は変わって千日前通り。大阪の商店街っていうのも悪くないものだな。今ではすっかり廃れたと聞くが。
「おい、通天閣はまだなのか? かれこれ何分歩いてると思ってるんだ?」
「
「違う、俺じゃない。疲れてるのは…後ろの二人だ。」
晃太が俺の後ろを見て見ると、疲れながらも必死についてきている花陽と希がいた。
「も…もう限界っ!」
「ウチも…もうアカン!」
二人とも、立ち止まって近くのベンチに座り込んでしまった。
「ご…ごめんなさいっ! 少し、休憩させてくれませんか?」
「ウチも…これ以上足が動きそうにないし…。」
「…どうすんだ?」
「んな時間あるかいな。あともうちょっとやで。頑張れんか?」
「…こいつらの疲労度合いを見る限り無理だな。仕方ねぇな。」
そういうと俺は、花陽に背中を向けてひざまずいた。
「…えっ?」
「負ぶってやる。早くしろ。」
「花陽…重いですよ…?」
「そんなこと、俺が決める事だ。」
そういうと花陽は…静かに俺に負ぶさった。
「なんだよお前、意外と軽いじゃねぇか。これなら通天閣まで、走っていけそうだぜ。」
「お世辞でも…嬉しいです♪」
「おいおい、本当だっての。」
「ま…まあ。信翔はそこらの男とは筋肉の付き方が違うからな。」
そう言った晃太は後に俺の冷めた視線に気づき、前言撤回した。ふと、晃太は希の方に目がいった。希は何かを期待するような目でみている。
「え…ま…マジでか…?」
「晃太君も、他の男の人とは筋肉の付き方違うんやろ? 腰の振りすぎで脚力が異常になったぐらいやし…。」
「………。」
晃太は、何も言い返せなくなっていたのだった。そして静かに、希に背中を向けてひざまずいた。
「サンキューな♪」
「ぐえっ!!」
晃太は希を負ぶったあと、プルプルを足を震わせながら立ち上がった。
「む…無理すんなよ…。」
「ここで引き下がっては男の名折れじゃい!!」
「そうか、じゃあ走るぞ。」
「…えっ?」
「せいぜい男の名折れにならないようにな。」
そういうと俺は通天閣に向かって駆け出して行った。晃太も悲鳴を上げながらついてきていた。
そして、通天閣へと五分でついた。
「はぁっ…はぁっ…。」
「…大丈夫か?」
「む…無茶させよって…。」
「とりあえず、こっち来て見ろよ。いい景色だぜ。」
通天閣からは、スカイツリーほどではないがいい景色が広がっていた。花陽も希と通天閣から見える景色に見惚れていたのだった。
「さすがは大阪。東京ほどじゃないが都会だな。」
「花陽、こういう景色、好きです…。」
「やっぱ大阪はエエな♪」
「さて、晃太。次はどこへ行くんだ?」
「先、ホテルにチェックインしとこうや。少しホテルで休憩したいねん。」
「ん。了解。」
そういうと、俺はスマホをとりだし、どこかに電話を掛けた。
「今の電話…相手誰やったんや?」
「タクシー会社を経営してる親戚だよ。知らなかったのか? 我が東織グループには東織タクシー株式会社なるタクシー会社もあるんだぞ。」
「お前…つくづく底が知れん奴っちゃな…。」
「…ということはっ! いままで歩いてきた分は全て無駄ってことですか?」
「そうやで! 最初っからタクシー呼んでれば、ウチらもあんだけ歩かんでよかったやん!」
「タダ乗りはあまりしたくなかったんだよな。それに、食後のいい運動にはなっただろ? お前らは頑張ったから、楽させてやるよ。」
「わき腹を痛くしてる人がここに一人いはるけどね。」
「そうやで…。俺今ごっつ脇腹痛いねんけど…。」
「ははは…すまんすまん。」
しばらくして、タクシーが到着。俺たちをホテルへと送ってくれたのだった。
*
俺たちはタクシーのおかげで十数分でホテルへついたのだった。
「さあ、ここだここだ。」
東織ロイヤルホテル大阪と銘打たれたこのホテル。実はこのホテルも俺の親戚が経営するホテルだ。俺は事前にこのホテルの最高級の部屋を二部屋分取っておいたのだった。
さて…問題は、どういう組み合わせで分けるか…なのだ。実はこのホテル、和室などがなく、一部屋二人まで…頑張ったら三人までが泊まれる。すなわち、今は四人…。なので二人ずつに分けることになるのだが、その組み合わせでもめそうだ。まあ俺と晃太、花陽と希で寝りゃいい話なんだが。
「さて、一部屋二人までだ。組み合わせを決めないとな。まあ当たり前だけど、俺とこうt」
「俺がこの二人と寝て、お前は一人で寝とけばええやん。」
「何言っとんじゃあアホンダラァー!」
「すまんすまん…。冗談や…。」
晃太に任せると、とんでもない組み合わせになるし…俺は誰でもいいし…ここは一番ピュアであろう花陽に決めてもらおう。
「花陽、お前はどう思う? 誰と寝たい…?」
「私は…やっぱり女の子の希ちゃんと寝たい…。のはあるんですけど…。」
花陽が、希の方をチラッと見る。希は、ニヤけた顔でわしわし三秒前のポーズをとっていた。
「だから…ですか…。」
「ん? なんだって?」
「信翔さん…一緒に寝てもらっていい…ですか…?」
…えっ?
「…えっ? お、おい。仮にも俺は…男なんだぞ?」
「この中では…一番安心して眠れそうなんですっ…。花陽とじゃ…嫌ですか…? そうですよね…花陽、女の子だし…。」
…花陽がこんなことを言ってくるとは思ってなかったな。あんなに恥ずかしがり屋な花陽がこれほど積極的に一応男である俺と寝たがるってことは…よほど身の危険を感じたんだろうな…。
そ…それにしても、可愛すぎる…っ!! 俺じゃなく他の男だったら部屋に閉じ込めてベッドインする事だろう…っ!
「は…花陽ぉぉぉっ!!!」
俺は感情が高ぶって、花陽を抱きしめてしまった。
「ひゃあっ…! の…信翔……さん?」
「よっしゃ花陽…! 俺が…この変態どもから守ってやるからなっ…!!」
「の…信翔さん…! 苦しい…ですっ!」
「あ…ああすまん…。」
俺は、花陽から離れた。まあ、これはいいんだよ。こうなってしまったら問題は…あの二人だ。奴ら二人が何するか分からん。特に晃太は…。大丈夫なのか?
とりあえず話はまとまり、俺たちは各自の部屋に入った。
「うわぁ~♪ とても綺麗ですね…!」
「これが会社が誇るS級ツインだよ。お値段は張るんだがな。」
「あの…。花陽のわがままにどうしてこれほど…?」
「ん? どこがお前のわがままなんだ? 寧ろ俺のわがままに近い気がするがな。気にすんな。誘ったのは俺なんだから。それよりこれを見てみろよ。」
そう言って俺はカーテンを開けた。すると、都会の中ではあるものの他のビルに負けないくらい高いので、都会ならではの景色が広がっていた。
「勿体なかったな~。これがもうちょっと田舎の方になってくると、もっといい景色が見れたものの…。」
「私はこれで十分満足ですよっ♪ 旅行に連れられただけで私は満足ですっ!」
「そう言ってもらえて嬉しいぜ…!」
その時、ドアから声がした。
「腹減ったさかいに、どこか晩飯食いに行かんか?」
「わかった。ちょっと準備するから待て。」
そういうと、ベッドの方に引き返してきた。花陽に準備をさせて、部屋から出たのであった。
「んで、どこ食いに行くん?」
「そうやなぁ…。別に俺はどこでもエエんやけどなぁ…。そうじゃ! のんたん、かよちん。お好み焼きと串カツ、どっちゃ食いてぇ?」
「私は…どちらでも…。」
「ウチも正直…どっちでも。」
「じゃあ、俺からいいか?」
優柔不断な皆の中から、俺が名乗りを上げた。
「な…何や?」
「こんなことでいちいち悩んでたら時間の無駄だ。お好み焼き行くぞ! おすすめはどこの店だ?」
「せ…積極的やのぅ…。まあええわ。んじゃ行こうか。」
俺たちは鍵をホテルに預け、外へと出た。その後…俺たちは近くをぶらり。そして晃太のお薦めの店へと入った。
*
「邪魔するでぇー。」
「ん? その声はもしかして晃太かぁ?」
俺たちがその店へ入ると、一人の若者が出てきた。
「久しぶりやのー。お前ひとり東京に残ったけど、元気にしとるか?」
「…? どういうことだ晃太?」
「ここはな…俺の実家や。で、あの人は俺の兄貴や。」
「あ…兄貴っ!?」
「晃太君、お兄ちゃんいはったん?」
「せやで。まあ、実の兄貴と
「あー…。そういえばお前、姉貴いたよな。」
「う…ウチにしてみればどちらにしてもビックリやけどなぁ…。」
…晃太には姉と妹がいるらしい。ちなみに晃太は、親父に勘当されて、縁はない。
「初めてくるのぉ…。兄さんが店この店始めてから。」
「せやのう。晃太、初めて来たなぁ。」
「どや? 儲かってまっかいな?」
「ぼちぼちやで。俺もまだまだ未熟モンやさかいに、これからもようけ精進せんとのう、いう感じやわな。」
「左様でっか。まあ、気張りなはれや。」
「ところで、お前が連れとるその三人さんは誰や? お前のツレかいな?」
主人が俺たちを指差した。これは…自己紹介をしないとならねぇヤツだな。
「申し遅れました。僕は織田信翔と申す者です。晃太とは高校一年生の頃よりつるませてもらってます。」
「左様ですかいな。あ、私はこの晃太の義兄で、宮口紀之いうモンですわ。宜しゅう。」
「こ…小泉花陽…です。」
「東條希です。宜しゅう♪」
こうして、晃太の姉婿…紀之さんとは挨拶を済ませた…さて、気になるのはお好み焼きの味と…晃太の家族だな…。
「騒がしいなぁ…紀之さん。何したはんの?」
すると、奥からひとりの女性が出てきた。彼女が…晃太の姉貴なのか?
「おう姉ちゃん! 久しぶりやなぁー! 俺や、晃太やで!」
「晃太? ホンマに晃太なん?」
「せやでー。いやぁ姉ちゃんもホンマ変わらんなぁ。」
「それはお互い様やでー♪」
「せや、春華の奴は元気にしとるかぁー?」
「せやなぁー…。あり余っとるわ! 流石はアタシとアンタの妹なだけあるでぇー。ん?」
晃太の姉貴と思われる女性が、俺たちの存在に気付いた。
「晃太。あの子ら、誰なん? ツレ?」
「せやで。」
「織田信翔です。こちらの二人は、小泉花陽、東條希です。」
「アタシは宮口裕子ぉ言います~。晃太がいつもお世話になってます~。」
ほうほう…晃太の姉貴は裕子さんと言って…妹は春華ちゃんっていうんかぁ…。
「せや、折角やから、春華、起こしてきたろうか?」
「いらんいらん。アイツ、俺が東京に残るぅ言うた時はごっつ泣いとったし、すごい勢いで飛びついてきそうやさかいにのぉ~…。」
…えらくブラk…じゃなくて兄思いな妹さんをお持ちですなぁー。
「晃太にはめっちゃ懐いとるのに、アタシには全然懐かんのよぉー…。」
「それは姉ちゃんが昔、ファミレスとか行った時に春華をワケの分からん色した混ぜジュースの実験台にしたからやろ。んでもってその後毎回オトンに大目玉食ろうてたやないか…。」
「お父ちゃん、アタシらの事は怒り散らすクセに、春華には甘いかさかいになぁ~。」
「春華大好き人やさかいの。やっぱ、末っ子やからかのぉ…。」
「春華がイジメに
ふと、俺は花陽と希に目がいった。どうでもいい話を聞かされている所為か、目が死んでいる。これは…俺が止めないとこいつ等が壊れる…!!
「ちょ…ちょっといいですか!!」
「…はい?」
「この店のお好み焼き、食べたいんですけど…!!」
「…えっ? この子らお客さんなん? アンタ、早うお好み焼き作ったって! 早う!!」
「お…おう…。」
「俺も楽しみにしとるわ。ウマい奴、頼むでー! マズかったらお代は払わんからな!」
「アホ言うな。お前は絶対に舌巻きよる味になっとる筈や! 見てろよ…!」
俺の注文を聞いた宮口夫妻は慌てふためいてお好み焼きを作る準備を始めた。はぁ…やっと本題に入れた…花陽と希の目にも生気が蘇っていく。
「やっと座れた…花陽、少し疲れましたぁ…。」
「ウチも…さっきから足が痛くて痛くて…。」
「まったく…俺たちを外野にして、話を延々と続けやがって…。」
「すまんすまん…。やっぱし、家族に久しぶりに会うたさかいにテンションあがって…のう…。」
「でも、ウチは…晃太君を少し知れて…。複雑な気分やなぁ…。」
「今夜、二人で内側まで何もかもを知り尽くさへんか? 俺は、お前のナカが知りたいんや…!」
「なっ…! 家族と話せて楽しそうにしとると思ったらお前と言う変態は何を抜かしてんだ!? 俺の会社が経営してるホテルはラブホテルじゃないんだから、そんな事はさせんぞ!」
うむっ! それにそんな事をホテルの中でされては、ホテルの評判の話にもなってくるし、支障が出かねねぇ…! 俺がさせんぞ!
「そ…そういうことはいけないんですよっ! 晃太さんは、海未ちゃんにまでキツく言われてるじゃないですか!」
「どや? かよちんも…まざるか?」
「まざらすかぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
こいつは純潔であるべき花陽まで手を出すつもりか? まあそうだろうな。性格や容姿…それにこんな良いスタイルを持ってるんだ。俺以外の男は皆、そういう感情を抱いてしまうのは仕方のないことなのか…だがしかしっ! 俺がそんなケダモノから守り抜いてやる! 神とそう誓ったのだっ!!!!(?)
…ゲフンゲフン。とりあえずだな。俺のホテルでそんな淫らなことはするなって話だ。希もそうなんだが、花陽には手を出させん! 淫らな妄想も禁止だっ! えっ…あの時…あれは晃太の仕業だぁっ…! うっ頭が…。
チッ、俺もテンションあがってきちまったってのか…?
「はははっ、晃太も変わらんのぉ…。お前以外が帰ってきた後、何人とヤったんや?」
「え~っとなぁ…。」
「言わんでいいわ!! 紀之さんも、晃太の興奮を挙げてしまうような事言わないでください!!」
こんな感じでヒートアップしていたら、大きなお好み焼きが出てきた。
「はわわっ…お…大きいですね…!」
「当店のウリは、デカさやで! まあ、味もいいはずやから食うてみてや!」
俺たちは割り箸を割って、お好み焼きに手を掛けた。
「ん~。何の変哲もないお好み焼きだな。」
「は…花陽はそんなことないと思い…ますっ!」
「兄さん。こりゃあごっつ精進しやないけまへんで。これやったらスーパーに売ってるお好み焼きと変わらへんで。」
「やっぱそない思うかぁ…。」
しばらくすると、花陽の箸が止まっていることに気付いた。
「どうした花陽? 食わないのか?」
「すいません…お腹いっぱいになっちゃって…。」
花陽の取り分はまだ半分以上も残っている…。よほどたこ焼きを食べたんだろうな。ちなみに俺は人一倍燃費が悪いので、あれだけ食べたのに腹は減っていた。
「もう食えないか?」
「そ…そんなことないですっ! 残しちゃったらもったいないから…たとえ吐いちゃっても食べますっ!」
「俺、これを食っても尚腹減ってんだ。これ、もらっていいか?」
「…へっ?」
「もらってもいいよな? お前、腹いっぱいなんだろ?」
「え…? それって…。」
「まあ、もらうぜー。」
そう言って、俺は花陽の皿を取った。花陽は俯いて何も言わなかった。そうやって食事と会話を楽しんでいる時…厨房よりさらに奥の方から裕子さんが飛んできた。
「こ…晃太! 早よ荷物まとめて出て行って!」
「…何や? どないしたんや?」
「…お父ちゃんが起きてもうて…こっちに来てるねん!」
「何やと? オトンが…!」
そう言っている間に晃太の癇癪がきつい親父…晃司さんが姿を現した。
「何じゃ、騒がしいのぉ…。」
その親父さんは眠りを邪魔されたといった感じで不機嫌なご様子だった。
「お…オトン…!」
「何じゃあお前はぁ!? お前が何でこないな所おるんじゃあアホンダラァっ! それに、ワレに『オトン』言われる筋合いなんぞありゃせんわ! 出てけやぁっ!!!!」
晃司さんがそう一喝すると、晃太は無言になって店を出て行った。花陽と希はそれを追うように店を出、俺もお代と一礼をしてそそくさと家を出て、三人を追いかけた。
*
あいつらを追いかけて、とうとうホテルまで戻ってきてしまった。晃太は依然、口を開こうとしない。
「こ…晃太。気にすることないって…。あのクソ親父から離れるために、独立したんだろうが。もう親子じゃなくったって…。」
「信翔…。すまん。もう構わんといてくれ。」
そういって晃太は部屋へと消えて行ってしまった。今、晃太は負のオーラを背負っている…。放っておいた方がいいだろうな。
俺たちは、隣の部屋へと避難した。隣の部屋からは、晃太の呻き声と、物凄い衝撃が伝わってきた。よほど怒っているのか、それが止まらない。その鬼気せまる声を聞いて俺は不安を覚え、二人は震えあがっていた。
…これが、晃太が俺たちに初めて見せた本気で怒った瞬間だった。それだけ親父との確執が強かったのか…まあそうか、親父のせいで人生を狂わされたのだからな。
俺の立場から言えば…俺のクソジジイのような存在か。アイツは…。いや、語るまい。だが、俺は奴の気持ちがなんとなく分かる気がする。俺の家族も…バラバラだからな。
「くそぉぉぉっ!!!! あのクソ野郎がぁっ!!!! いつかブチ殺したるからなぁっ!!!」
あいつは、確執のあった父との再会と、父から浴びせられた暴言で一気に精神状態が不安定になっている。それは、奴の荒れようでひしひしと伝わってきたのだった。
「あいつを止めねば!」
俺はそう思い立って、恐怖で泣いている花陽と花陽を抱いてともに震えてる希を部屋に置いて、奴の部屋へとドアをマスターキーで突破して暴れまくる晃太を抑制した。
「一人にせぇ言うたやろぉ!! ワシのことはもうほっといてくれ!」
「落ち着け落ち着け!! 自暴自棄になったってなにも変わらんぞ!」
「やかましいわっ! 出て行けやぁっ!!」
「お前の方が喧しいわっ!!!」
俺は晃太を止めるつもりが、ヒートアップして晃太と衝突し、晃太をさらに興奮させてしまうハメになった。ついに俺も我を忘れ、晃太に暴言を浴びせながらまるでガキのような喧嘩を始めた。髪の毛を引っ張りあったり、転ばして転ばされて、首を絞めて、金的を蹴り合う始末。そんあ獣のような闘いに発展したその時、二人が足を震わせながらも俺たちの前に現れた。
「もう止めーやっ!!!!」
希の一声で、俺たちは相手を殴りあう手を止めた。希は目に涙を浮かべて訴える。あれだけ本気になった希は初めて見た。希の隣で相変わらずびーびー泣いている花陽もおそらく俺と同じであろう。俺たちは希の剣幕に圧倒され、お互いの胸倉をつかんでいた手を離した。やはり、希でも俺たちよりも年上…と言う訳か。
一瞬、和解の空気が流れたかと思いきや、ふと晃太が俺の足元を見たことで再び険悪な空気に逆戻りにする。
…いつの間にか、俺は晃太愛用のグラサンを踏みつけていたのだ。それを見た晃太はヤクザの如くかみついてくる。
「ワレっ…。よくもワシのグラサン潰しよったな!!」
「わ…わざとじゃねぇよ…!」
「嘘
「上等じゃぁ!!! テメェ、ボコボコにしたろやねぇか!!!」
冷静になりかけていた俺も一瞬で怒り状態に。希は後ずさりをし、花陽はビクッとして更に泣く。晃太とつかみあいになり、ともに殴ってお互いに吹っ飛んだ。そこにすかさず意を決したのか、二人が止めに来た。
「も…もう止めて! 信翔さん…グスッ……もう止めて!!」
花陽が涙目で訴える。俺はつくづく、女の涙に弱い。すうっと怒りが収まっていき、必死に止めてきた花陽を抱いて、そっと頭を撫でてやった。
「分かった分かった。もうこんな不毛な喧嘩はやめるよ。だからもう泣くな。な?」
だが花陽は声をあげて泣く。俺も涙目となり、さらに花陽を抱きしめた。
一方、晃太は…。希に止められるも必死にあがいていた。
「離せ! ワシにあのアホンダラを殺させろ!!」
「晃太君! 頼むから落ち着いて!」
「喧しい!! エエから離さんかい! さもねぇとワレもいてまうど!」
晃太は、相変わらずの興奮状態である。俺を殺そうと、あがいていた。
「もう…晃太君は…。」
そういうと希は晃太の頭を自分の胸に押し付けた! それをみた俺と花陽はびっくりして、涙が吹っ飛んだのだった。晃太はしばらく抵抗したが、別の興奮が沸いてきたようで仕返しとばかりにわしわしを…。
「ひゃあっ!」
「こ…晃太っ! お前何してんだよ!!」
そういうと、晃太はプハッと顔を上げた。
「ぷはっ…。はぁ…もう吹っ切れたで。おーら、わしわし!!」
「やめんかいっ!」
俺は晃太を希から引きはがし、すかさずツッコミをいれた。その後、四人からは安堵が含まれた笑いが起こった。
*
夜…。俺は脱力したかのようにぼーっとテレビを見ていた。花陽はお風呂にいる。鼻歌を歌いながら…。あの二人は隣の部屋だ。何をしてるかは知らないし、正直どうでもよかった。すると、風呂場から音がした。どうやら、花陽が出てきた…。するとすぐに、バスルームの扉を開けて、タオル一枚で出てきた。
「すいません! そこの服を取ってくれませんかっ?」
「これか?」
俺は、近くにあった寝間着をむんずと取った。投げるのもなんなので、傍へ行って手渡しした。その時、俺は無意識にタオルへと目が行った。花陽を包んでいるのはタオル一枚。スタイルがくっきりとタオルにうつりこんでいる。変態信翔の影がまだ潜んでいるのか、タオルを剥いで抱き着きたいと邪念が一瞬よぎったが、俺は深く抑制し、花陽の信頼を守った。
「ありがとうございますっ。…どうしたんですか?」
「い…いや。なんでもない。さあ、早く服を着替えろ。少し気晴らしに外へ出よう。」
すると、花陽は再び扉の中へと消え、数分後、寝間着へと着替えた花陽が出てきた。
「どこへ…行くんですか?」
「…屋上だ。ついてこいよ、風が気持ちいいぜ。」
俺は簡単な上着を羽織って、花陽を連れてエレベーターで屋上へ…。
「あ~っ、気持ちいい~っ!!」
俺は目いっぱいに手を広げ、夜風を受けた。花陽も俺の隣へと歩み寄ってきて、
「やっぱり、都会の夜景は綺麗だ。」
「そうですね…。」
「さて、明日帰ったら心機一転して、また皆とともにラブライブ優勝を目指そう…。」
「まだA-RISEが健在だし、新たなグループが急増してるって言いますけど…本当に優勝できるんでしょうか?」
「大丈夫、自分と仲間を信じて…突き進もうぜ………。」
俺たちは無言で、無意識のうちに寄り添い、ふと俺が腕時計をみて焦るまで夜風を受けていた。
*
そして翌朝…俺ははっと目が覚めた。隣のベッドでは、まだ花陽が寝ている。俺は花陽の寝顔を覗き込んだ…。髪の毛がみだれていて、小さく口を開けてすうすうと寝息をはく女神の姿は、俺の心をかき乱した。か…可愛い…!!
ん? 今、『信翔らしくない』という声が聞こえたような…。何かを可愛いと思う事ぐらい、当たり前の感情だろ? え? それだけじゃない…? 知らんな。
「おはようーっ! 昨日はお楽しみやったか?」
その時、出た。変態野郎が。朝っぱらから、変態ギア全快である。
「バカ野郎! 花陽には手は出してねぇっての。」
「なんやねん。おもろないのぉ~。あんな可愛い娘が添い寝してきたら、押し倒してギシアンするやろーが。」
「まず添い寝もしてねぇよ!! 別々のベッドで寝てたぞ。」
「じゃあ風呂場でシャワープr」
「いい加減にしろよ変態野郎がぁぁっ!!!」
そういって俺は晃太に関節技をキメて地へ伏せた。
「あまりベチャクチャほざいてると、口縫うぞ。」
「善処しやす…。ヘェ。」
「ところで…希はまだ寝ているのか?」
「せやな。まだ寝とるな。」
俺は腕時計を見た。古き良きアナログ時計の針が午前八時の針を差していた。東京に帰るために乗る新幹線は、11時37分発東京行きのぞみ16号。
「で、串カツって、いつ食べに行くんだ? 俺たちの乗る新幹線は11時半発だぞ。」
「しゃーねえやな。あの二人起こそうか。」
「だな。」
俺たちはそれぞれの部屋へと消えて行った。俺はすうすう寝ている花陽の髪を撫でた。その直後、トントンと肩を叩いた。すると、花陽はゆっくりと目を覚ました。
「お…おはようございます…。」
「おはよう、花陽。着替えろ。串カツ食いに行くぞ。」
花陽は飛び起きて、急いで服に着替えた。
*
花陽と希を起こし、三人と共に晃太のすすめる串カツ屋に…。
「串カツ、食うの久しぶりやのぉ~。」
「おぅ、晃太のクソガキか。東京行ったきりやけど、東京どないや?」
「むさ苦しいわぁ~。それよりも、串カツを三つ頼めるかえ?」
「おう、分かった。」
さて、最後は…大阪人がほぼ毎日口にしてる串カツだ。楽しみだなぁ…。え? 大阪人はあまりたべないだと!? そうなのか…?
「君らは…?」
「晃太のツレです。」
「なるほど、東京から来なはったんやな。はいこれ、串カツや。二度づけは禁止やさかい、よう浸けときや。」
そう言われて、運ばれてきたのは如何にも大阪らしい串カツだ。俺たちは、味噌にありったけの量を付けて、一気にかぶりついた。
「おお、うまいっ!」
「これもまた、絶品ですっ!!」
「おいしいやん♪」
「せやろ? たまに食うこれがうまいんやで!」
「へぇ~。」
そして俺たちは次々と串カツを食べて行って、あっという間に腹が膨れてしまった。
「じゃあ、俺らそろそろお暇するわな。」
「もう帰るんか?」
「せや。また来るわな。」
そして、俺たちはその場を後にして、その後は晃太に連れられ各地を徘徊したのだった。
*
そして俺たちは新幹線に乗って帰路へとついてた。
「どうだ? いいレクリエーションになったか?」
「はいっ…! 本当にありがとうございました。」
「久しぶりの大阪は良かったなぁ。美味いもんもいっぱい食べれたし、ウチは満足♪」
「…あんまし、ええ思い出はなかったけどなぁ…。」
しばらくすると、新幹線は東京へと着く。駅より出ると、なんとメンバーの姿が…。
「もぅ! 信翔君酷いよ!! 穂乃果達に黙って旅行に行くなんて!」
「そうだニャ! 何で凛達も連れて行かなかったの!?」
「お前たちに資格はない。」
「そうですよ。貴方たちは怠けているのですから!」
「とりあえず、行くなら言いなさいよ。別に連れて行けっていう訳じゃないんだから。」
「それは…正直すまなかった。」
なんと、凛にはばれていて、それが皆に伝わってしまったみたいだった。
「これはぁっ、にこにー達もどこかにに連れて行くしかないんじゃなぁ~い?」
「えっ」
「だよねぇにこちゃんっ!」
「えっ…」
「そうだニャァ!」
「はぁっ…!?」
皆の視線が俺に向いている…気がする。えっ…マジかよ…。
「とりあえず…信翔さん。翌日、部室で話し合いましょう。」
絵里の鶴の一声で決着。明日、俺の公開処刑が決定した。俺、何か悪いことしたか…?
文字数:15010文字
大阪、俺も大好きです。なにせ関西人ですからね(*^_^*)
さて、次回くらいからはメンバー全員との旅行ですぜ。
喜べお前ら(((
次回もご期待ください!