ラブライブ!~武闘派高校生とμ's II~   作:ステア(STER)

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どうも、STERです。

今回は、信翔君の親父さんが襲来。弟の大翔も登場します。ガチシリアス回です。

今回は、若干メンバーはそっちのけですが、今後のストーリーとクライマックスに繋げるための重大な部分でありますので少しだけお付き合いください。

前半:練習途中、親父から電話が…
中盤:兄弟喧嘩(過激描写あり)
後半:穂乃果、海未、真姫とのからみ


【30th Live!】織田総裁襲来、驚愕通告到来

 …今日は、俺の家族は終わっていることをひしひしと感じさせられた日であった。

 

 

 俺たちは、ハワイ到着後の翌日から早速強化練習へと入った。俺は慌ただしく動き回り、奴らの練習中のダンスを見ていた。

 するとその時、俺のケータイが鳴り響く。俺はメンバーに断った後、少し離れてスマホを確認する。親父からか。

 

 出ないと怒るので、練習中だが出ることにした。…ったくなんだよ、このクソ忙しい時に…。

 

「…あーい。もしもしぃ?」

 

 俺は応答すると、気のない返事をした。

 

『まったく…やる気のなさそうな返事だの。』

「…なんだよ親父、俺に何か用か? 俺は今メンバーと超強化練習中だ。」

『ははは、相変わらずマジメな輩だ。』

「で、なんだよ!? 忙しいんだ。用がねぇなら切るぞ。どうせアンタも忙しいんだろ? 息子にイタ電かけてねぇで、仕事しろよ。」

『ま、待て待て待て! 今回はお前に重大な用事があるんだ。今ソッチへ向かってる。あと一時間で着く。別荘もちゃんと綺麗にしとけ。』

「は…ハァ!? 用事なら今言えy―――」

 

 そういうと、親父は電話を切っちまった。さすがはクソジジイの息子だ。嫌がらせの度合いが半端ではない。あ、俺はそのまた息子にあたる訳か…。クソッ! 遺伝学には隔世遺伝(かくせいいでん)というものがあって、親父には出なかったジジイの形質が俺に出るかも…

 

 …じゃなくて!!! これまで何回も凸すると言いながらそれを仕事と言うことで裏切ってきた親父なので俺の頭の中には信憑性など欠片もなく、

「ごめんごめん。イタ電みてぇだ。」

と言って、練習へと戻っていった。

 だがしかし、俺の中で疑問に思う部分がある。普通なら『ったく、信翔はおカタイのぉ。まあ、じいさんはもっとお堅い人だったがな。ガハハ! んじゃ、

Adueu(アデュー)!』とか言いながら電話をブツッと切る神出鬼没トンデモ親父だが、今回は様子が違う。少し、焦っていた。本当に重大な問題なのか―――

 

「信翔さん、さっきからボーッとして、どうしたんですか?」

 

 雪穂が俺に声をかけてきた。少し、ぼーっとしていたようだ。

 

「すまない。考え事だ。」

「信翔らしくないですね。しっかりしてくださいよ。」

「ああ…。」

 

 そういえば…『離せ』っていう罵声が聞こえてきた気もした。

 

 

 *

 

 

 それから丁度一時間後…。東織グループ御用達車のエンジン音が遠くから俺の耳に入る。

 

「…げっ!!」

「…? どうしたの?」

「マジで来やがったのかよ…。」

「何がやねん?」

「みんな! 練習は一旦中止!!! 早く別荘の中へ!!」

「どうしたんですか?」

「そういうわけにはいきませんよ! まだまだ練習メニューは残っているのですよ!!」

「そうよ信翔さん。本当にどうしたの?」

 

 メンバーが次々に何かを言い出す。エンジン音が近づくにつれ、俺のイライラは募るばかりであった。

 

「いいから早く入れっつってんだろうが!!!!!」

 

 ついに俺は大声で奴らに命じるような感じで怒鳴りつけた! 皆ビクッと体を震わせると、別荘の中へと入っていった。俺も別荘の中へと入った。

 

「…どうしたの信翔君?」

「うるせぇ穂乃果。少し静かにしてろ!」

「なんでか分かんないけど、練習なくなったニャ~!」

「黙れ!!」

 

 そういうと、辺りはシーンとした雰囲気に包まれてしまったのだった。しばらくして、車はキキーッと止まったようである。直後に、クラクションの音を殷々(いんいん)と響かせた。俺を呼んでいるのだろうか?

 

「…奴ら、俺を呼んでるのか?」

「信翔、あれはいったい誰なのですか? ハッ、まさかまた暴力団、それかマフィアがらみですか!? 信翔、あれほど危険な人には関わるなと…」

「いや、違う。俺を呼んでいるのは、俺の親父…すなわち、東織グループ総裁、織田大信だよ。」

 

 そういうと、皆一斉に感嘆の声を上げる。それと同時に、二回目のクラクションが俺の耳に入る。

 

「どうやら、俺を呼んでるようだ。じゃあ、行ってくる。お前たちはここにいろ。何が起こるか正直わからん。」

 

 そういうと俺は扉をギィィと開け、外へと姿を現した。それと同時に、リムジンの後ろの扉が開く。アロハシャツに身を包んだ初老の男が出てきた。

 

 …親父だ。

 

「親父! マジで来るとは思っちゃいなかったな…。ここまでわざわざ足を運ぶということは、何かあるんだろ? 何だよ?」

「信翔、落ち着いて聞くがよい。まだニュースにはなっちゃいないが、グループにとって大変な出来事が起こった。マスコミにバレるのも時間の問題だ…。どうしよう、知られたら東織グループは終わりだ…!!」

「何だよ親父! もったいぶらねぇで早く教えてくれよ…!!」

 

 親父はコクンとうなずくと、帽子を脱いで再びゆっくりと口を開き始めた。

 

「大翔のことなんだが…。」

「ああ、大翔が…? ん? おい、まさか…!」

 

 その瞬間、俺は全てを察した。弟が、遂にやらかしたかと…正直失望した。

 

「そうだ。大翔が…遂にヤクザに手を伸ばしてまったんだで…!!!」

「…何だとっ!!?」

 

 俺の察し通りだった。俺は、頭の上からくるぶしあたりまでに、一気に電流が走ったような感触を受けた。

 

「榊原組は知っとろう? 組長にくっついとったらしくて、最近盃を交わしてまったと。」

「それ、本当かや!? …ハァ。何しとるんだ…あの戯けは…!!」

 

 そういうと、親父が「大翔をここへ引っ張りだしゃあ!」と一声。すると後ろの席から二人のごついガードマンに羽交い絞めをされた大翔が姿を現す、金髪に染まった髪、派手なコート、似合わないグラサン…。煙草を片手に、死んだ魚のような目はジロリとこちらに向いた。俺の前まで連れてくると、ガードマンがその手を離した。

 

「やっとかめに会うたら…おみゃあ、自分が何しとるか分かっとるんか!? この戯けが!!」

「何年も在所開けとるおみゃあにグチャグチャと文句言われる筋合いはあらすか!!」

「何をとろくせゃあこと抜かしとるんだ!」

「じいさんがのうなってしもて何か月経つだろか…。じいさんを未だにクソジジイて抜かしとるおみゃあこそ! どっちが何をぬかしてんだで!!」

「んじゃとぉっ!!?」

 

 そういうと、俺は怒りのあまり、大翔を殴り飛ばしてしまったのだった。

 

「何しよんじゃあぁぁっ!!!」

 

 大翔もキレて、俺に抵抗してきた。そのとき久しぶりに、人から殴られてのけぞった。

 

「…見りゃあ!! 今ではオレの方がおみゃあより優れとる!! 少し生まれんのが早かったぐらいで、ちょうすいとったらかんど! 信翔! たぁけたクソ兄貴がぁっ!」

 

 大翔はもう一発、俺を殴った。ふと扉の方を見ると、扉を少し開けながら心配そうに見つめるメンバー達が見えた。

 

「どうだ! オレの方が強い、オレの方が影響力がある。総裁は、オレの方が相応しいんと違うか? どうだ親父!!」

 

 親父は、静かに首を横に振った。それに大翔はさらに興奮し、俺をまた殴った。

 

「親父が認めるまで、オレは殴るのをやめんで!! 親父、はよ認めろ!!」

 

 それでもなお、親父は首を横に振る。俺はその親父が、かっこよく思えたのだった。

 

「早うせりゃあ! でないと、信翔が死んでまうど!!」

 

 遂に我慢の限界が来た俺は、大翔の拳骨(げんこつ)を掴んで、血をペッと吹いて、立ち上がった。

 

「…たァけが。いつまでとろくせゃあ事(わめ)いたら気が済むんだ、えぇ? 俺を真の意味で超えたきゃ、勉学に勤しみ、心身を鍛え、頼られる真の意味で強いリーダーになりゃあ。でねえと総裁職なぞ務まる訳あらすか。だだくさな事やこっすい事考えとらにゃあでな。」

 

 そういうと俺は大翔に強烈な右フックをお見舞いした。大翔はクルクルと回ったあと、地面にぶっ倒れた。すかさず俺はヤツに馬乗りにまたがりマウントポジションを奪った後、やつの首を抑えた。

 

「戯けはおみゃあだがや! 東織グループ総裁は“総裁の長男”でないと継げん! いくらボンクラでも、長男なもんだで継ぐんだど! 何でだ!」

「…たしかに、それが総裁を継ぐ者。だが、俺はボンクラにならん為に勉学に励み、武道に勤しみ…メンバーを支えてる。それに、現にボンクラは、おみゃあだろが。たわけが。出直しゃあ。」

 

 そういうと、俺は大翔を離した。大翔は俺に殴られた頬をさすりながら、クラクラと立ち上がると、

「親父、行くみゃあ。」

と一言言って、車へと戻っていった。

 

「ま…まあ信翔。処分はこっちで決める。すまんかったな。あんばいようやれよ。」

 

 そういって、親父も車へ戻っていった。車は再び動き出し、どこかへ向かってしまったのだった。すると、一気にメンバー達が俺の周りへと押し寄せてきた。

 

「の…信翔くん…大丈夫!? うわあ、すごいケガ…。とりあえず中、入ろう? ことりが手当てしてあげる。」

「気にするなことり、こんなケガ、大したことはない。いつものことだ。」

「でも、こんあケガでもうちの病院に来るんでしょ? いいから早く入って、手当てを受けなさい。」

「信翔、ケガでも侮れないぞ。僕に免じて、早く入ってくれ。」

 

 ことり、真姫、大悟の三人が俺の腕を引っ張る。俺は放っておいてほしい衝動に駆られた。

 

「もう、放っておいてくれっ!!」

「ちょ、信翔さん!」

「信翔!」

 

 俺は奴らの手を振りほどき、ある一室に閉じこもった。鍵は閉めてない。ふと、窓を見ると、雨が降り始めた。まるで俺の不遇に天が同情してるみてぇだ。

 

 

 *

 

 

 それから数時間が経った。俺はただただボーッと、降りしきる雨を眺めていた。あらゆることを考えながら…。

 更生を促した俺だったが、ヤツはこれからも虎視眈々(こしたんたん)と俺の総裁継嗣枠を狙ってくるだろう。ヤツのことだ。気が狂えば、俺のことを殺しにくるかもな…。

 

 俺も完全に目が死んでいる。見えるわけではないが、自身の脱力さからわかっていた。もう興奮はない。冷静に戻ってはいるものの、このことだけは一生忘れられないかも知れねぇと思ってしまっていた。

 

 そのときだった…コンコンコンと、ノックが三回鳴った。

 

「誰だ」

「穂乃果だy…です。」

「園田海未です。」

「真姫よ。入っていいかしら?」

 

 正直、入れる気にはなれなかった。だが、興奮が冷め止んだ今なら入れてもいい感じがした。

 

「好きにしろ。入っても追い出しやしねぇ。」

 

 扉が、ガチャッと静かに開いた。と同時に、後ろからドドドドッと駆けてくる音…。

 

「信翔君~! 元気出して~っ!!!」

「ぐほあっ!!」

 

 穂乃果が、突然抱き着いてきた。俺は前に大きくのけぞった。

 

「大丈夫だよ! 穂乃果たちみ~んな、信翔君の味方だよっ!!」

「わ、わかった! わかったから離れろ!!」

「離れなさいよ。信翔さん、迷惑がってるじゃない。」

「そうですよ! そんなことをしてしまっては逆効果ではありませんか!」

「だってだって~。信翔君ならこれで元気になってくれるかなぁ~?って…。」

「あのなぁ、俺はそんな単純な思考で動いてる人間じゃねぇんだよ。ったく、お前ってやつは人が考え事をしているときに…。おかげで何もかも吹っ飛んじまったじゃねぇかっ…!」

 

 正直、単純な思考をしてるやつがたまに羨ましくなる…。

 

「いつも喧嘩ばかりして、実家のことなんてどうでもいいと思っていたから、あの時の言葉は意外だったわ。なんていうか…信翔さんでも、跡取り問題で悩んでるんだなあ…って。」

「そういえば、お前は医者の跡取り娘だったな。」

「私はご存知の通り日舞家元の跡取りです。でも、貴方の家ように、同胞で争うようなことは想像がつきませんでした。それこそ、戦国時代より昔の話かと…。真姫は一人っ子ですし、私には姉がいましたが今は連絡が付きませんし…穂乃果と雪穂も、仲はいいですし…。」

 

 あっ、そういや、こいつら三人は、全員何かの跡取りになるであろう娘たちだったな。

 

「でも信翔君も、跡取り問題に悩むんだねぇ…。穂乃果、全然気づかなかったよ。」

「穂乃果、そういうことは無駄に口に出すことではないんですよ。」

「そうなんだねー…。」

「それより信翔さん、ケガ、大丈夫?」

 

 俺は、ケガをした箇所を差し出した。

 

瘡蓋(かさぶた)がもう張ってるようね。もう、だめじゃない。こういうのはキチンと消毒しないと、さっきは本当に焦ったんだからね? え…あ、いや別に…貴方のことを思って言ってる訳じゃないんだから!」

「まったく、お前はもうちょっと素直になれっての!」

 

 そういうと俺は真姫にチョップをかました。

 

「いたっ! ちょっと、何すんのよっ!」

「素直じゃない真姫ちゃんにお仕置きだ☆」

「もうっ! 素直じゃなくて悪かったわね!!」

 

 真姫がプイとそっぽを向いた。赤髪のように紅く染まった頬が垣間見えるその様子は、実に可憐である。

 

 そのとき、扉をあけてにこが入ってきた。

 

「に、にこちゃん!」

「穂乃果…アンタ何してんのよ…。」

「えへへー。信翔君、温かいよ♪」

「ま…まあとりあえずアンタ達…特に信翔。ご飯出来たけど、食べる?」

「もうそんな時間?」

「食べる!」

「いただきます。」

「じゃあ、下に降りましょうか。信翔さんはどうするのかしら?」

「………食うよ。そして皆に謝らねぇと。今日は色々と振り回しちまったし。」

「そうですね。それがいいです。」

「とりあえず、早く降りてきなさいよ。皆待ってるんだから。」

 

 そういって、にこは足早に部屋を去った。俺たちはにこの背中を見ながら少し微笑んで、にこに続いて下に降りてった。

 

 その後、俺は皆を振り回したことを謝罪した。だが凛は

「凛を振り回しておいてタダでは許さないニャ~! だから、今日は夜まで凛と遊んで、遊んで♪」

と言って許さず、深夜になるまで遊び相手にされてしまったのであった。




はい、この兄弟の決別は、後に血肉の争いになります…たぶん。
とりあえずは、ラブライブ優勝、ですね! 当分の目標は。

あと、大翔のプロフをば

名前:織田大翔(おだ ひろと)
年齢:現時点で18歳
誕生日:04/03
血液型:B型
職業:???
特技:喧嘩とか

信翔の双子の弟。二卵性双生児である。
信翔との仲は最悪。総裁職と家督を巡って争っているようである。しかし同じ土俵には立てていない。

次からは、こんなシリアスくさい話ではなく、もちょっとギャグをいれようかと思います。次からは普通通りでっす。乞うご期待!

ちなみに、40巻目プチおめ((おう
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