ラブライブ!~武闘派高校生とμ's II~ 作:ステア(STER)
今回は、リクエストを滞納していたので、ここで発散しようかと思います。
真姫推しからの、真姫ちゃんの依頼です。
ということで、今日はキャラの中でもAB型である信翔と真姫の物語です。
前半:朝の回想、西木野邸での出来事
後半:祭り会場、そして再び西木野邸、そこで…。
午後六時前。俺は自宅のガレージにいた。
「…クソッ、バッテリーがアガりやがったか…。」
俺は愛車のボンネットを開けてため息をついた。どうやらバッテリーがアガって動けなくなってしまったようだ。エンジンを止めてるときに調子にのって電気を使いまくったからだな…。
「バッテリーの代えはねぇし…。これじゃ、車で行くのは無理だな…。あっ、早くしねぇと約束の時間に遅れちまう…!」
*
十二時間前のこと。俺は軽くジョギングをしているときだった。恒例ではあるが、電話が鳴る。スマホには『西木野真姫』の文字…。
俺は真姫から電話がかかってきたのは久しぶりだなと思い応答する。
「…もしもし、真姫か?」
『ええ。』
「こんな朝っぱらから何の用だ?」
『今日、秋祭りがあるじゃない? 行くのかしら?』
「当然だ。」
『へぇ…そうなの。』
「それがどうしたんだよ? 忙しいから切るぞ。」
『ちょ、ちょっと待ちなさいよ! こんな早朝にそんなに
「ジョギングナウだ。あばよ。」
『ま、まだ用事は済んでないわよ!』
「な、なんだよ…。」
ラチがあかねぇと思った俺はジョギングを一旦中断することに。そばのベンチへと腰掛けた。
「…で、なんだよ?」
『貴方は、今日おこなわれる秋祭りには行くでしょ?』
「ま…まあな。祭りは暇な俺を奮い立たせるからな。」
『どうせ…チンピラ相手に喧嘩して、派手に怪我してウチの病院へ来るんでしょ?』
「うっ…!」
ば…バレてる…!? そう、俺が祭りに参加する理由なんてただ一つ…。適当にガタイがいいヤツに憂さ晴らしのため喧嘩を売って派手にヤッちまう…。これだけだ。
『冗談じゃないわよ。そんなくだらない理由で病院に来られても困るわ。ってことだから、一緒についていくわ。』
「えっ」
は…はあああああっ!? つ、ついてくるだとっ!?
「ま…マジで?」
『どうせ一人なんでしょ? 一人で行く祭りなんて寂しすぎるわよ。一緒に行ってあげるって言ってくれる真姫ちゃんに感謝しなさい♪ あ、べ、別に私が一人だからって貴方を誘ったわけじゃ…。凛とか花陽もいるけど、貴方が一人で寂しそうだから仕方なく…!』
「…。」
俺は口をあんぐり、驚きで言葉も出なかった。や、ヤベェヤベェ! これじゃあ俺の計画がすべて水泡に帰す…。つーか、お前が相手がいないんだろ。そんなの、素直に言えばいいのに…。…俺はサルにでも今から電話したら、ついてきてくれると思うんだが…。まあアイツはナンパしかしねぇくだらねぇ奴だから一緒には行きたくねぇがな。
『イヤなら好きにすればいいけど、病院出禁にするから。』
「は…はァ!?」
そ…それは困る!! ここに越した時からずっとあそこに通ってたんだ! 所謂、かかりつけの病院なんだ! そこを出禁にされちまったら俺は行くところがなくなって死んじまう…!!
その時、向こうの方から雑音が…その後は、真姫とはうって変わって瑞姫さんの声が…。
『もしもし信翔君?』
『もーちょっと! やめてよママ!』
『ごめんね~。相変わらずウチの娘は強気で素直じゃなくて…。』
「ああいえいえ。真姫はこういうところがチャームポイントだと思いますし。」
『そうかしら?』
『ちょっとママ! 返して!』
『色々辛辣なことを言うかとは思うんだけど、真姫は信翔君と一緒に行きたいのよ。真姫は男の人とあまり喋ったことがなかったから、信翔君は真姫にとって大事な男友達なのよ。だから…よろしく頼むわね♪』
「え、ああ…ハイ。」
ケータイを奪い返す音が聞こえた後、しばらく沈黙が流れた。
『…とりあえず、そういうことだから。…別に、イヤだったらいいわよ。』
「…お、おう。」
そういうと電話はプツリと切れた。俺はそのあと、一時間ぐらい、複雑な気持ちを抱えながらジョギングをした。
*
…行かねぇワケには…なぁ。よくよく考えてみると、真姫の運動能力は他よりも劣っているし、第一、女であるわけからして、あんな危険なところに一人で行かすワケにはいかねぇな…という形になり、カジュアルな服装を身にまとい用意をして、現在に至る。しかし、車が使えねぇなんて、予想外だった…。
…時間が差し迫っている。遅れちまうと、もう真姫に口を利いてもらえねぇかもな。
「しゃあねぇ、バイクで行くか。別に車で行こうがバイクで行こうがさほど変わりはねぇしな。」
俺はバイクを引っ張り出してきた。さほど変わりはないと言ったが、バイクだったら直に風に当たるわけだし、正直寒いんだよなぁ。そう考えながらヘルメットをかぶり、急いでエンジンをかける。ゴツいバイクに乗った俺は、やや大きな音を出して自宅から走り去った。
バイクに乗る事数分。西木野邸へとたどり着く。不思議なことにガレージが開けっ放しであり、その中から高そうな外車が顔をのぞかせる。
「す…すげぇ…。これ、外車じゃねぇか。相当高ぇぞこりゃあ…。ドコ製だ? ど、ドイツ!?」
って、関心を寄せるトコはそこじゃねぇ!!! いつも閉まってるハズのガレージがどうして無防備に開きっ放しなんだ!? これじゃあ自慢の外車も造作なく盗まれるぞ。
そうこうして悩むこと一分。入り口から誰かが出てきた。…瑞姫さんだ。
「み、瑞姫さん!?」
「そのガレージの中へバイクをいれて、中へいらっしゃい!」
「え…ああ、はい!」
俺はバイクのエンジンを止め、押してガレージへと…。そして瑞姫さんに連れられ、俺は家の中へ。リビングへと招かれた。
「ここに来るのは半年ぶりっすね~。」
「そうだったかしら? あっ、そういえばそうね~。」
リビングには、真姫の姿もあった。キッチンの方では、西木野さん(真姫パパ)が煙草を吸っていた。こちらに気づくと軽く会釈をくれた。
「真姫…。」
「遅いわよ。どれだけ待たせるつもり?」
「すまねぇな。車のバッテリーがアガってな。」
「…えっ? 信翔さん車持ってるの!?」
「なんだか今さらだな。お前はほのりんのタイムライン見たか?」
「い、いえ…私あまりタイムラインとか見ないし…。」
「あっそ。あいつらが俺の車で勝手に写メとって、自慢げに送ってたんだよ。」
「じゃあ、今車で来てるの?」
「いや、それは…。バッテリーの代えがなかったから今日はバイクで来たんだよ。」
「あっそう。」
ここでしばらく会話が途切れた。そんな中、瑞姫さんがスープを持って俺たちの間に入ってきた。
「外は寒かったでしょ?」
「は、はい。」
「これでもお飲みになって。」
俺はスープを一気に飲み干す。あぁ…冷えた体が癒されてく…。コップをそっと置くと、スクッと立ち上がった。
「よし、行くぞ!」
「えっ!?」
「早く行かねぇと終わっちまうぜ!」
「え、ええ…。」
そして俺たちは外へ出る。最近は夜分が冷え込む時期になってきたな…。真姫も、コートを羽織っている。
「寒っ…。」
「おいおいしっかりしろ。お前の方から誘って来たんだろ?」
「あ、あれは…。信翔さんがムチャしないようにと…。」
「はいはい。」
「ちょ、ちょっと聞いてるの?」
「はいはい、聞いてる聞いてる♪ とりあえず、バイクに乗ったら更に冷えるから、気を付けろよ。」
そういって俺はヘルメットを真姫へと投げた。俺たちはバイクにまたがり、俺は再びエンジンに火をともす。真姫は俺にがしっと掴まった。
「ようし、そうやってしっかり掴まってろ。俺は車よりバイクの方がムチャな運転するからな!」
「えっ」
有無を言わさず俺はアクセルを回した。その後しばらく、宵闇に包まれる街中で女の子の悲鳴が響いたことは言うまでもない。
*
やはり祭りだ。人で賑わっている。的屋による露店で路地がにぎわい、友達で来てると思われる中高生や、子連れの人、老人、少し強面のオッチャンまで様々な人がいる。カップルと思われる男女もチラホラとみられた。あ、俺たちも………。俺たちも、傍からはカップルに見られてんのかなぁ…? 嬉しくないわけじゃねぇが、なんつーか複雑な気分だなぁ…。
「さて、何をやろうか…。」
俺たちは適当に露店を回っていた。その途中、俺たちは同時に足を止めた。
「おっ、射的か。やってみようかな…。」
「あ、金魚すくい…! 他によさそうなものは見当たらないし、昔はよくやったものだわ。久しぶりにやってみようかしら…?」
「「…えっ?」」
俺たちが同時に隣り合う露店に興味を持つ。次の瞬間、俺たちは顔を見合わせた。
「いやぁ、やっぱり射的だろ。金魚すくいなんて、ガキでも容易くできるものさ。」
「やっぱりここはお祭り定番の金魚すくいの方がいいんじゃないかしら?」
言葉が重なってしまう。そしてまた俺たちは顔を見合わせる。
「よかろう。じゃあその定番の金魚すくいと、俺の推す射的をして見事俺に勝ってみろよ! 勝ち取ったモノの合計で、勝負だ! 負けたら、今日買うのものすべて奢りだ。」
「ちょっと待ちなさいよ。何故勝負しなきゃいけないのよ! 別れてやればいい話じゃない?」
「ほう、真姫ちゃんは、勝負に勝てないからって逃げちゃうのかな?」
「…ッ! わかったわよ! やってやるわ! やればいいんでしょ!」
二つの事で迷うなら、両方すりゃあいいだろ(※ただし、公序良俗に反しない場合に限る)! っていうことで、二つともすることに。ただ、それだけでは面白くないので、真姫に喧嘩を売ってみた。それにしても、真姫って些細なことでも喧嘩を買ってくれるよな。メンバーから聞いたことがあるんだが、真姫は変にプライドが高いせいか、どんな煽りにも反応するらしい。そのチョロさと言えば、そのうちだれかに、『え? まだ処女なの? ダッセwww』とか言われて、見知らぬ男に身体を売りそうで怖ぇな…。まあ、流石にそれは杞憂か。だよな。な?
って論点はそこじゃねぇ! 俺も喧嘩を売ったんだから、迎え撃ちに遭うなんてハズすぎるぞ…。この勝負、勝たねば…!
まずは金魚すくい。先攻、俺…。
俺は露店のオッチャンからポイをひとつ受け取った。どうやら、このポイが破けたらその瞬間、終了だそうだ。
俺はポイを着水。デッケェ黒出目金を標的に絞り、一気に攻める。しかし…その獲物が重すぎたがゆえにポイは一瞬で破損。俺の記録、0点…。
…はっ!? 俺が…0匹…!?
「お、おい店主! あんなもの、すくい上げれるワケないっしょ!!?」
「あきまへんで兄ちゃん。まだまだ素人やな。」
「そうよ。まず最重量を狙っていく時点で頭がおかしいわ。」
「クソッ…。だって、大物獲りてぇじゃん…。」
「効率を考えなさいよ。出目金だけ3点…と言うワケじゃないでしょ? だったら、小さい金魚をパッと獲ったほうがお得よ。まったく、男の人は、大きいモノに目がないんだから…。」
真姫があきれ口調でそういうと、オッチャンからポイを受け取って、金魚たちとにらめっこ。
そして、慣れた手つきで入水して、金魚をポイポイ獲っていく。
結果…俺0匹、真姫8匹。あれ、俺圧倒的大差つけられてんじゃん…! だ、大丈夫だ…!! 射的ですべて撃ちぬいてやる…。
そして、射的へと舞台は移る。だがしかし…とんでもない事が発覚する…!!
「じゃあ、10発で500円ね。」
な…10発!? え、俺負けるじゃん…。
「どうしたの?」
「ここ、10発らしいぞ…。」
「えっ!? ってことは、この勝負私の勝ちかしら?」
そういって真姫は銃を手に取り、10発の弾丸を景品に向けて撃ち始める。獲得数は2個だった。計10ポイント、俺にはパーフェクトしかあとがなくなった。
「全部獲らないと私には勝てないわよ…どうする? ほえ面かいて降参する?」
「クソッ…。見てろ! 全部獲って延長戦に追い込んでやる!」
さて、再びのターン。俺は銃を本格的に構えた。普通は身を乗り出して片手で撃つのが普通だが、俺はそんな幼稚な方法は取らぬ。政武に教わった方法で、確実にモノを取りに行くッ!!
そういう気概で、全ての集中力は照準の先に注がれた。1ミリもずらさず、確実に獲るッ! そして俺は発砲を開始。順調に景品にヒットし、商品が後ろへ倒れていく。
「残り一個…行くぞ…。」
俺は再び銃を構え、全身全霊をかけて残り一個への照準を合わせる。遂に、引き金に手をかけた。
―――だが、そこで予想だにしなかった邪魔者が…。
「あっ、にいさーん!!!」
こんな声が祭りで賑わう会場に響く。俺はその聞きなれた声に反応し集中力を甚だしく削いでしまい、そのまま引き金を引いてしまう…。更には真姫の「さ、紗奈!」という声も聞こえるものだから俺から完全に集中力は失せてしまっていた。やべっと気が付いたときは既に遅く、最後に放った弾は見事に商品から反れてしまった。敗北の瞬間だ。
肝を潰された俺には目もくれず、紗奈は雪穂、亜里沙を伴って俺たちの前に現れた。
「あら、雪穂も亜里沙も来てたのね。」
「こんばんは~…ってあれ? 信翔さん、今日はテンションが低いんですか?」
雪穂がそう俺に訊いてきた。そうだ。さっきドン底になったのさ。
「もうっ! 兄さんたら、祭りに行くならなんで呼んでくれなかったんですか?」
「紗奈…。」
「えっ?」
「紗奈あッ! お前のせいで俺、勝負事にまけちまったじゃねぇかああああっ!!!」
「えっ!? あっごめんなさい!?」
「いや実はね…私と信翔さんで金魚すくいと射的をやってどちらがおおく景品を取れるかってやってたのよ。」
「は、ハラショー…。とんでもない時にお邪魔をしてしまいましたね…。」
こうして、俺はなぜか、四人分も奢らされる羽目になってしまったのである。もうお祭りの予算カラッポ…。すべてストリートファイトの懸賞金で使ってやろうと思ってたのに…。
*
三人組と別れ、俺たちは西木野邸へと帰ってきていた。精神を削ぎまくった俺はリビングのソファでぐったり…。
「もう…信翔さんたらくつろぎすぎよ。」
「くつろげって言ったのは誰なんだよ?」
「そ…それは…。」
「いいじゃねぇかよ…あれだけ奢ってやったんだし…。」
「あ、あれは貴方が私に負けて…。」
「もうそれは言わないでくれ…あれは事故だ…。」
「まったく…だらしないわねぇ…。」
俺は更にグンニャリ。もう動けないと自分でも思ってしまっていた。真姫は机の置手紙を見てため息を吐いていた。
「はぁ…。」
「ん、置手紙か? ちょっと見せてくれよ。」
「だ、ダメっ! やめて!」
いきなり、俺が置手紙を読むことを拒んだ。
「じゃあ、なんて書いてるんだよ?」
「そ…それは…急患! 病院に急患が入ったんだって!」
「お…おおそうか…。」
「まったく…ママったらいつも急なんだから…。」
「親御さんはそういう仕事してんだし、仕方ねぇんじゃねぇの?」
「で、信翔さん…。今日はこれからどうするの?」
「じきに帰るさ。とは言いてぇんだけどなぁ…。実はバイクがパンクしちまったみてぇなんだ。」
まあ、そりゃそうだよな。あれだけムチャな運転してんだから、タイヤの消耗が激しいのは…。
「ここから帰るにしても、バイクで走るならそれほど遠くないが、徒歩だと少し遠い距離になるんだよな…。それは面倒くせぇし、第一もう深夜に近ぇしなぁ…俺にとったらいつ拉致られたり殺されるかまったくもって分からねぇ時間帯だ。」
「…何が言いたいのよ。」
「だからだな…。頼む真姫、泊めてくれ!」
「え…えっ!? なんで泊めなきゃならないのよ!」
「言っただろ? 俺は遠慮しねぇって。」
「…どんな理屈よ。ハァ。」
真姫は髪の毛をイジりながらそこらをせわしなく歩き回った。
「ま、まあ…いいわ…。あっ、でも勘違いしないでね! 私がその…寂しいとかじゃないんだから!」
「おっ、サンキュ~! さすがは真姫!」
「まったく…というか何故貴方は恥じらいもなく異性に『家に泊めてくれ』なんて言えるのよ! まさかとは思うけど、他のメンバー達と頻繁に夜をともにしてる訳じゃないでしょうね?」
「何回も言わせんなよ。俺は遠慮ができねぇんだって。それは恥じらいも…ま、まあそれは知らんが。」
「本当、意味わかんない人…。」
その夜は、真姫の部屋で、俺は布団を敷いて寝た。翌日、真姫より早く起きた俺は真姫が読んだ置手紙に気づいて、手に取った。
「ハハッ、こりゃあ見せられねぇな。瑞姫さんもなかなか言うじゃねぇか。」
そして俺はボサボサの頭をガリガリと掻くと、キッチンの方へと向かっていった。
お泊りした信翔君が、真姫ちゃんと何をしたかは、読者様のご想像にお任せいたします。
さて、次は長らくイジれてなかった(?)かよちんの回です。
それはそうと…サンシャインのAqoursの1stシングル『君のこころは輝いているかい?』が明日(10/7)発売ですね。
私は買うつもりでいるし、Aqoursを応援していこうとも思っていますので、よろしゅう。
では、乞うご期待!